重要な流動性トラップの理解

2017/11/05 Sun

また、久しぶりのブリの照焼です。
焼きすぎて真っ黒焦げになってしまいました(笑)

相場は、選挙もあって好調ですね。
ただ、先行していた新興株がいまいちなのが気になります。



さて、今回は、重要なマーケットの掟について考えてみたいと思います。
この掟をしっかりと理解しているか、していないかで、投資人生に大きな違いが出ると思います。
いつもと同じ長文ですが、読んでみてください。


2004年、日経スペシャルガイアの夜明けに、名古屋の投資家で、300万円の資金で始めて、2年間で2億円にした、という若者が彗星のように登場しました。

ガイアの夜明けでは、彼の実際の売買などが放映されたのですが、私をはじめ、多くの投資家は度肝を抜かれました。

その鮮やかな手口、安定した収益、毎日毎日何十万円という利益を瞬く間に叩き出す力量。
どれをとっても、もう神業としか思えないようなもので、上げ相場でも下げ相場でも勝ち続ける彼の力量は、カリスマと呼ぶべきものでした。

私もテレビを録画していて、何度も何度も見ましたが、とにかくその利益を出す力の凄さに驚くばかりでした。

ガイアでは、顔にモザイクがかかっており、名古屋の投資家、ということしかわかりませんでした。

多くの投資家は、彼がどうやってそんなに凄い利益を短期間で叩き出したのか、是非教えて欲しい、そう思ったに違いありません。

その後、日経マネーなど、投資雑誌に再び登場することになる彼は、HANABI氏と名乗りました。

相変わらず、素早い売買で利益を積み上げる彼の手口には、私も注目していました。

いくつかの雑誌に掲載されるようになって、ようやく彼の売買の概要が見えてきました。

それは、新興株を得意としていて、トレード方法は、どうやら逆張りらしい、ということでした。

当時のコンセンサスとしてあったのは、新興株は値動きが荒くて、逆張りなどはもっての他、愚か者のやることで、

禁じ手

だったのです。

なので、当時は、新興株で逆張りなど、誰もやる者はいませんでした。

その誰もやっていない逆張りを、HANABI氏は、TICKチャートを使って、果敢に攻めて利益を面白いように積み上げていたのでした。

TICKチャートが秘密だったのか、とテクニカル派は思ったかもしれません(笑)

テレビを見ていると、彼は、大きなカレンダーに毎日の利益を書き綴っていたのですが、もう毎日毎日何十万、時にはもっとだったかの利益が書かれていました。

彼は大変いい人だったのでしょう。
そのうち、請われるままに、本を出版することとなりました。
ハンドルネームもHANABI氏から、株之助氏への改名しました。

そして、彼は本当にいい人だったのでしょう。
自分の手法をDVDに収録して販売をすることにしたのです。6万円程度だったと思います。

実は、私も株之助氏のDVDを買った一人です(笑)
DVDを見て、私は本当に驚きを隠せませんでした。
彼は、急落に躊躇なく、買い向かっていくのです。
そして、さらに禁じ手であったナンピンをものともせずにかけて行っているのです。

正に

禁じ手のオンパレード

当時の常識の真逆を行くトレード


だったのです。

DVDには、彼が実際にトレードしているシーンがいくつも収録されており、また、ナンピンをどうやっていくかも説明されていました。




さて、DVDの販売から、時間が半年、1年と経過しました。

株之助氏は、本の第二弾やDVD第二弾など、投資家教育にも熱心に取り組みます。
また、日々ブログを書いて、日々の収益や市況について熱心に更新されていました。

しかしながら、

収益は、その投資家活動と反比例するように低下していきました。

昔のきら星のような輝きも、投資家の憧れの的のような鮮やかな収益も色あせて行ったのです。

新興株の値動きが鈍くなったという理由はありました。

しかし、それだけでは片付けられないほどの落ち込みようだったのです。




マーケットはこの当時どう変化したのでしょう。

最初に書いたように、2004年当時は、新興株の逆張りは禁じ手であり、大きく動く新興株を逆張りするなど、自殺モノである、という認識が

コモンセンス(一般常識)

だったのです。

なので、誰も新興株で逆張りなどする者などいませんでした。

ところが、株之助氏がそこに現れたのです。

彼のDVDを買ったのは、私だけではなく、少なく見積もっても1000枚とか売れたのではないかと思います。
数千枚は売れたと見ていいでしょう。

DVDを買った人が全員トレードしたわけではありませんが、少なくとも、数百名は株之助氏に啓蒙されて、株之助2号、株之助3号、となったことは言うまでもありません。

株之助100号、株之助200号・・・・がマーケットに突如出現するようになりました。

DVDで説明されたことが儲かる限り、株之助コピートレーダーが増殖していくことは、火を見るより明らかでした。
しかも、それが儲かるのなら、1000株で終わるはずがありません。
1000株が5000株になり、1万株になる、そういう増殖を続けることは当たり前のことです。

一方で、

新興株の流動性

はどうでしょう。

これが、まだドル円、ユーロドルならマシだったかもしれませんが、みなさんご承知の如く、新興株に流動性などほとんど無いのです。

板を見ればすぐにわかりますが、ほとんどの銘柄は、各ティックに数百株とか、そんな程度の板しかないのが現実なのです。

数百株という単位は、多くて数名の注文です。

そういう中で、ちょっとした数万株程度の成り行き売り注文が出れば、一気に値が崩れる、それが新興株の特徴だったのです。

どういうことかというと、

新興株は、板が薄くて流動性が欠けているからこそ、ちょっとした成り行き注文で値が一気に崩れる

ってことです。

これが流動性が高くて、空売りができる東証一部の大型株には無い特徴であり特性なのです。

株之助氏は、この流動性の無さを逆手に取って、大きな利益を叩き出したのです。




ところが、その値が崩れたところに、株之助1号~100号のコピートレーダーたちが一斉に買い向かってくる、という事態が起きました。

例えば、お一人様1000株限定として考えてみましょう。

一人で向えば、1000株の注文です。

10人で向えば、1万株です。

100人で向えば、10万株です。

当たり前です(笑)

この株数感覚を自分の知っている新興株の板とダブらせてみてください。

これまでは、自分一人で1000株で向かっていれば、いいところまで引きつけて買うことが可能だったでしょう。

しかし、100名の株之助コピーマンが参加するようになれば、自分の1000株以外に10万株の軍団が逆張りしようと待ち構えることとなるのです。

そうなると、株之助氏本人とて、これまでと同じところで買うことなど、絶対に不可能になります。

こうなれば、そもそも株之助氏が使っていた、流動性の無さを逆手にするというエッジ は綺麗さっぱり消えてしまいます。

みんなが前に前に回ってきて、下げが甘くなるったのです。

一番驚いたのは、株之助氏本人ではなかったでしょうか。

何度も書きますが、株之助DVDは1000枚は売れていると思います。
その1割が実戦しているとしての、株之助100号は、これでも控えめの数字だと思います。

もし、株之助DVDを買った人が、次々と大儲けすることとなれば、それはすぐに情報として駆け巡り、さらに大勢がDVDを買う、口コミで手法が広まる、という事態は容易に想像できるのではないでしょうか。
そもそも最初にDVDを買った人が、少しやってみて、利益が出たら、どんどんやることは間違いないでしょう。
6万円のDVDを買うぐらいなのですから、そもそもやる気満々だと思います。


そうであれば、このコピーマン100名という想定は甘すぎるってことですが、100名という想定ですら、

完全に乗車定員オーバー


という事態を真似いたのです。

株之助コピーマンが次々に数千万、数億の利益となれば、ネットで評判になり、マスコミとて黙っていません。
そうなれば、さらに増殖して手がつけられなくなる、となることは誰だってわかります。


こうして、株之助DVDを買った人も勝てないばかりか、株之助氏本人も勝てない状態に陥る、という結末で終わりを告げました。

まあ、株之助氏本人には、DVDを売った利益だけが残ったわけですが、勝つことができなくなったことに比べれば小さな額でしょう。

唯一喜んだのは、DVDを売った出版社だけでしょう(笑)

この新興急落狙いというのは、彼が啓蒙しなくても、いずれは広まることになるものだったかもしれません。
しかし、彼が啓蒙したことで、通用しなくなる寿命を縮めたことは間違いないことだと思います。

マーケットは、参加者の総意なんです。そこには、自然の法則なるものが存在するのではなく、総意なので、バイアスがかかれば、値動きなど簡単に変わってしまうものなのです。

これこそがソロスの言う再帰性理論ですが、ここを全く理解していない人が多いと思います。

検証命、みたいな人も大勢いますが、マーケットを自然科学のように見ています。
検証命の人は、この総意の変化というトラップで四苦八苦していることをまるで理解していなのです。





流動性トラップを逆に駆使するもう一群の投資家もいます。

これは、株之助氏が善意であったことに対して、悪質な輩です。
古典的手口なんですが、自作自演をエッジにする投資家です。

昔は、投資顧問と称する輩が先に自分で仕込んでおいて、電話会員にその銘柄を仕手が上げると吹聴して、みんながそれを買えば自分が売り抜ける、という仕組みを使って儲けていました。
A会員、B会員、C会員とランク付けして、教える順序を付けているところなどもありました。
そして有料会員全員に行き渡った後で、ダイヤルQ2で銘柄情報を流すのです。
なんにしても、仕手などが介在しているのではなく、その投資顧問が一斉に推奨したから買い注文が殺到し、ストップ高とかになるわけです。
つまり、自分たちが買うから上がる、ということです。
この構図は、先程書いたように、100人会員がいれば、一人1000株としても10万株になるんです。
この株数なら、小型株は容易にストップ高します。

ここで、この投資顧問は、それをフィードバックさせて「先日推奨の◯◯がストップ高しました!!」と書くわけです。
しかし、それは、仕手が入ったわけでも、大口が買ったわけでもなく、自分が推奨して大勢のイナゴが飛びついたから上げたのであって、そこのメカニズムを大勢の投資家はわかっていないから、「ここはよくあたる!!」となるわけです。

いいですか、ここでは、目利きが優れているわけでもなく、早耳でもなんでもないんです。

そこで流された銘柄を聞いた投資家が買うから上がる、という、ただそれだけなんです。


このメカニズムをわかっていない人が多すぎます。

自分たちイナゴが買うから上げるんです。

こうして、情報操作によって、漁師の網に追い込まれる追い込み漁ではねる小魚のように、個人投資家がハメられていくわけです。



昔は、証券会社も実は同じことをしていて、支店銘柄、本店株式部銘柄、を作って担ぎ上げる、ということを日常的にやっていました。
顧客の注文を受ける前に、朝から自己勘定で大量に買っておいて、自作自演で吹き上げた銘柄を客には「今900円の銘柄が850円で買えますけどどうですか。」と勧誘するのです。
安く買えるので、客は喜んで応じます。
そして、客に売りさばいたものは、自己から客口座に付け替えします。
これを「取り玉」といって日常的に繰り返し、手数料稼ぎをしていました。
動かなければ、客は売り買いしてくれないので、こういう手口が生まれたのです。
この取り玉銘柄は、数日すれば必ずといって下げるので、これを空売り狙いしていたプロトレーダーも存在しました。


商品先物市場などは、もうチャートなどどうでもよいといえば言い過ぎですが、それよりも手口情報がものすごく重要でした。
誰が買ったか、誰が売ったか、という手口情報が瞬く間に市場を流れて、それが最重要視されるのです。
ここは、池の中の鯉をどう料理するかをみんなが狙っている、というマーケットでした。
鯉というのは、通常個人の手口を指します。
基本は、個人(大勢)が買えば売る、個人が売れば買う、がプロの基本戦略でした。



こういう様々な事例は、全て、仕掛け人によって、

流動性トラップを利用して、情報操作でエッジを作り出す戦略

が使われています。

この流動性トラップという仕掛けを理解することは、マーケットを理解することに直結する繋がるわかりやすい事例ですから、非常に重要です。



今は、どうかというと、手口は巧妙になっていますが、メカニズムは同じです。
ネットを駆使した輩が同じような手口でエッジを作り出していますが、いつの時代も変わらないものだなあ、と思いますね(笑)
実に古典的で、微笑ましくすらあります。。。

ただ、仕掛ける人が悪いというより、こういう他人頼りの投資家というのは、いつの時代でもいるからこそ、それを利用して儲けようとする輩が消えないのです。
利用する側も悪いですが、利用される側もダメだと思いますよ。

コピーマントレーダー


は非常に多く存在し、需要が大きいので、あの手この手でやってきて消えることは無いでしょう。


まあ、百歩譲って、善意で銘柄を教えてくれているとしても、やはり他人頼りはダメです。
依存していては、いつまで経っても自分の相場が見つからないからです。

カリスマにあやかりたい、オコボレを頂戴したい、という切実な気持ちはわかりますが、それだけでは先が真っ暗です。



こういう情報でたまたま勝ったとして、それが何になるのか

考えてみてください。

そんな目先の利益を追いかけていても、長い目で見て、生き残れる投資家になど決してなれない と私は思います。

自分で考えても、負けて負けて、それで藁をもすがる、という気持ちはわからないでもないですが、どうか目先の損益ばかりを見ないで、長い目で見て、

自分の投資スキルの向上

を収益より重視するように心がけてください。

収益というのは、トレードスキル向上の結果、後から付いてくるものなんです。

腕が無いのに、後からついてくるものを先に取ろうとするからしんどいんです。


美容師は、練習して腕を上げたら儲かるようになる。

料理人は、まずは儲けることより腕を上げることを目標にする。

長い目で見れば、トレードとて同じで、まずは腕が無ければ利益など残りません。
たまたま勝っても、利益など残せないようにできているんです。
腕がないからです。

こんなのあたり前のことなんです。

それなのに、

トレードにおいて、多くの人は、たまたま落ちているお金探しばかりしているから、腕が一向に上がらないんです。


ほんとにこればかりしている人が多いと思います。そんなのじゃあ、何年経っても今とは何も変わりませんよ。

トレードとは、目先である短期の偶然性に期待するのではなく、長期の必然性にこだわるべきなんです。

トレードだけは、落ちているお金を拾うという感覚が抜けない人が多いのですが、トレードだけが別物ではないのです。

自分は、トレード時間をどのように使っているのか、一度振り返ってみてください。

目先のことしかやっていない人が多い、というのが私の印象です。

ちょっと余談でした(笑)




株の流動性というのは、板を見れば一目瞭然です。
この板というのは、みんなが儲けようと必死で考えた末の結集です。
株の流動性というのは、実は非常に低いです。
最も流動性があるソフトバンクやトヨタなどでも、少し大きな注文が出れば、それだけで動いてしまうものなのです。
特に新興株は薄い。
その薄さを逆手に取って利益にする株之助氏は、当時のコンセンサスをひっくり返すほどのパワーを与えてしまい、自爆したのです。



相場というのは、因果なもので、

誰かがお金を出してくれて、その出してくれたものが自分の利益になる

という奪い合いの構図で出来ています。

自分の利益は、誰かからひねり出さないといけない、という仕組みなんです。

自分以外は全て敵というのが相場の構図なので、

敵に自分の手口を知られることは、自分の死を意味するに等しい行為である

敵に塩を送ってはいけない


ってことです。

相場は、賭け事の一種です。というか、賭け事そのものです。

なので、

相手がいて始めて賭けが成立するのだ、ということを忘れてはいけません。

自分が買いたい時に買える板があるのは、相手が今は売りだと思って売ったからなのです。




前に、225先物は、流動性が高いから手法が知られても大丈夫だ、といって、NYリバーサル戦略を本にした人がいましたが、その後、見事にこの戦略は撃沈しました。
それまで有効に機能していたので、大勢の隠れNYリバーサルファンを巻き込んでの撃沈でした。
私もその一人でした(笑)

本を書いた女性はまるでマーケットを理解などしていませんでした。
1ミリたりとも理解できていません。

0.1%でもエッジがあれば、1兆円を駆使するヘッジファンドが軍団で参入してくるのだ

ということを全くとして理解していなかったのです。





ここまで書くと、次のように考える人も多いと思います。

「流動性のことはわかった。公開したくともできないということもわかった。ということは、勝っているトレーダーというのは、誰も知らない勝てる方法を自分だけが編み出したから勝てている、ってことなんだな!!」

というものです。

この推察は、一部は当たっています。

システムトレードなどがこれにあたるといえばあたります。

だからといって、

勝っているトレーダー = 自分だけの勝てる方法を編み出した人

という構図は単純過ぎます。



よく大工さんに例えますが、確かに特別な道具を使う腕のいい職人さんがいるかもしれません。

しかし、

殆どの名人は、市販のノミやノコなどを使い込んで、使い方が上手だから名人なのだ

ってことなんだと思うのです。

市販の道具を使っても、仕事がそれなりにはできる腕を持っているのが名人というものなんです。

簡単なことですが、

名人とは、道具が優れているから名人なのではなく、腕が優れているから名人なのだ

ということです。



私は、

特別な道具を探すことを頑張る

よりは、

市販のいい道具を使いこなすことを頑張る


方が、結果としては近道だと思っています。

特別な道具を探すことはスキルの上達につながりませんが、道具の使いこなしは経験値の蓄積が可能です。




やり方探しというのは、金鉱探しと同じなのです。

当たれば大きいかもしれませんが、ほとんど金鉱など見つかるものではありません。

そして、簡単に見つかるものなら、とっくの昔に掘られていて、もう金などどこにも残ってなどいません。

そもそも、

金鉱探しは、ベテラン投資家から、機関投資家、ヘッジファンドまでが、熟練の目利きとハイテク、今では人工知能を駆使して、死に物狂いで探しています。

それでも、なかなか見つからないものなのだ、ということは忘れてはいけません。

それを金鉱探し1年目の初心者がいきなり山に入って、見つけられるものかどうか、常識で考えてみてください。

そもそも、金が残っている金鉱というのは、誰も気がついていないことがまず前提なんです。

なので、本やネット上を探すというのは、根本的に金鉱探しのルールをわかっていない人がやることです。



株之助氏の事例でわかるとおり、

ここが金鉱ですよ!!

という金鉱マップには、もう数千名の山師が押し寄せていて、皆さんの入る隙間などどこにも残っていません。

株之助氏は、親切にも、自分で掘り当てた金鉱をネット上でみんなに教えてあげたのです。

株之助氏の金鉱には、次の日から、大勢の山師が押し寄せていて、瞬く間に金を掘り尽くしてしまった、というのが事の顛末でした。

元祖である株之助氏自身、自ら見つけた金鉱ではもう金は掘れなくなったのです。

道にお金が落ちていて、みんなが気がついているのに拾わない、ということが起きているのだ、というのが本やネット上で情報を探している人の理解です。

そんなことがあり得ないことは常識です。




そういう山師をやるよりは、市販の道具で練習して、上手くなる道を選択した方がいいと思いませんか。

しょうもない情報に振り回されるような日々を10年先もやっているのでしょうか。

今やっていることを続ければ、結果もまた今のままが永遠に続きますよ。


同じ努力するなら、日々積み上がっていく方を選んだほうがいいのではないか、そう思うのです。

目先の収益よりも、遠回りのように見えても、着実に前進できる方を選択すべき、というのが私の考え方です。



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金融村の掟

2017/09/17 Sun

先日、次のような相談を受けました。

「父親が退職して、その退職金の全て使って8306三菱UFJを買ったようなのです。配当金が目的のようなのですが、大丈夫なんでしょうか。」

というものです。

この質問への答えを通じて、こういった場合、

①個別株をどのように分析するのか

②そもそも退職金をどう考えるべきか


を分けて考えてみたいと思います。

そして、今回のようなケースから、考察を広げて、金融とは、投資とは、どういう世界なのか、を考えてみたいと思います。

なお、私の場合、テクニカル、ファンダメンタルチェックには、Kabutanと、楽天証券のマーケットスピードを利用しています。



まず、このような投資を配当利回り目的投資と言います。

投資の目的には、2種類あって、配当利回りなどを目的にする投資をインカムゲイン狙いと言い、一方で、値上がり期待の投資をキャピタルゲイン狙いと言います。



せっっかく具体例として、三菱UFJが上がっているので、まずは、銘柄分析をどのようにするのか、について見てみたいと思います。

最初に行う作業は、三菱UFJの事実認識です。
環境認識と言ってもいいのですが、今回は敢えて事実認識と書きました。
まずは、今どういう現状かを事実認識する作業です。
当然予想などは含みません。ここが留意点です。

事実認識と予想を混ぜないこと、これが何よりも大切です。
まず、事実を認識し、次に予想を展開する、自分なりの考察をする、ここを完全に切り離して考えることが、多くの人はできていません。
ここは大変重要なところなので、常に事実なのか、予想なのか、確認しながら作業を進めてください。
まず、事実を認識しないと、分析も予想もへったくれも無いのです。
事実を知らないで、いきなり予想する、というのがダメな典型なんです。

ただし、こういった個別銘柄の分析は、やりだすとキリがありません。
細かく見れば、有価証券報告書のチェックだとか、アナリストレポートを読むだとかありますので、今回、これだけは抑えておきたい最低限度のチェック項目を書いて起きます。



では、まずは、テクニカル面のチェック。

2017-01-620.jpg

これは月足です。
過去の値動きを見ると、2011/11の安値318円、他何度か300円台に突入していますが、ここが安値だということがわかります。
最近の高値は、2015/06の936円。その前には2006/04に1950円があります。
目先的に見ると、動きが鈍いように見える三菱UFJですが、結構大きな値幅で上下していることがわかります。



2017-01-621.jpg
次に日経平均との比較チャートです。
値動き的に見ると、日経平均と連動して動いていることがわかります。
リーマンショック前に高値をつけて、リーマン後の低迷を経て、アベノミクス相場で上げ、という流れです。

ここで見てすぐにわかるのは、リーマン後の戻りが大きくアンダーパフォーム(日経平均の戻りに対して戻りが鈍い)しているということです。

この理由は、日銀の金融緩和による銀行の低収益環境が影響している、ということだと思います。
他の銀行株の三井住友、みずほなどもほぼ同じ傾向です。



一方の業績面ではどうでしょう。

予想PERは、9.5倍、PBRは、0.59倍で、割安株だと言えるでしょう。
配当利回りは、2.64%で、まずまずです。
業績の安定度合いは、2012/03期以降は今の利益水準で安定していて、大きな上下はありません。
結果として、ここ3年間の年間配当は18円を維持しています。

もっと遡ると、2003年までは、不良債権処理が続き、赤字や低収益となっており、その後も2005年、2009年と赤字を出しています。
マクロ環境に大きく影響を受ける株だということで、結果として日経平均との連動性も高い、ということになるわけです。



と、ここまでが、とりあえずの下調べの段階で、事実認識です。
書けば長くなりますが、Kabutanなどを使えば簡単にできることなので、これぐらいは見ておきたいものです。



さて、ここからがこの銘柄についての考察ですが、以上の事実確認をベースにすると、私は次のように考えます。

配当狙いという観点からは、現状業績面は安定しており、今の配当水準の18円を今後も維持する可能性は高い。

ただし、過去の実績から、マクロ環境に大きく左右される株なので、経済状況が悪化すれば、減配もあり得るし、再び株価が300円台も視野に入る恐れがある。

一方で、経済が上向き、日銀が今の極端な緩和を終了すれば、日経平均をアウトパフォームすることが考えられる。


ということで、マクロ環境と金融情勢に大きく影響を受けるため、その動向次第で配当も株価も大きくブレることが考えられる、という実にありきたりの結論となりました。(笑)

ただ、ここまでを自分でしっかりと確認しておく、ということが大変大事なんです。
でないと、自信を持って投資などできません。
こういうこともわからずに、何となく投資している人が大勢いるので、この程度の分析は、最低限自分でできるようにしておく必要があると思います。

注釈ですが、私は、割安株インカム狙いはやりませんので、決して、低PER・低PBRがよいという意味で書いているわけではありません。
あくまで、インカム狙いならば、という前提がある場合、という意味での今回の分析です。




さて、最初に三菱UFJのチェックをしたわけですが、そもそも退職金を全部ここにぶち込むことがどうなのか、という話に移りたいと思います。

退職金の資金の性質ですが、これは老後の蓄えという意味では、失えば大変なことになる資金、ということになります。
最低限、年金で生活できる、ということはありますが、しかし、臆病な資金であることは確かです。

一方で、この方のお父さんは、

下手に相場で儲けようとせず、配当利回り目的で持ち続けることを選択した


という点では、正しい選択であったように思います。

同じ投資でも、インカム狙いとキャピタル狙いでは、全く違います。

そして、相場経験の無い退職者が相場に手を出して、老後の大切な資金である退職金を全て失った、という話はよく聞く話です。
そういう下手な色気を出さずにインカムに徹する限り、そんなに酷いことにはならない、とは思います。

ただ、やはり臆病な資金である退職金なので、できれば、分散することが望ましい、ことではあります。

ここで分散というのは、銘柄分散と時間分散、そして根っこのアセットアロケーションです。




三菱UFJが危ない、ということは今の時点ではありません。
しかし、相場の世界に絶対はありません。

東北震災の前には、電力株は、株価も安定しており、高利回りでもあったので、個人投資家にとって最大の配当利回り株であり、安定的な株価と相まって、東京電力が最大の投資先として人気でした。
しかし、待っていたのは惨劇でした。
大勢の配当狙いの資金、主に退職者の資金が大損を被ったのです。

今後も、三菱UFJには、何事も無いかもしれません。
しかし、それは、地雷原を通過する方法は、目をつぶって走り抜けることだ、と言っているのと同じ結果論なんです。

だからこそ、分散することによって、リスクを減らす必要があります。

少なくともセクターを分けて5銘柄程度には分散することが望ましいと思います。

それから、時間分散。つまり、分割です。一気に買うのではなく、時間をかけて買っていくことで、分散しリスクを下げる、ということです。

高配当銘柄は、色んな証券会社やサイトなどで検索できますし、検索結果からここで書いたような感じで銘柄選別すればいいと思います。




ここで、銘柄選別においての裏技を2つ書いておきます。

一つ目の裏技ですが、、それは、配当利回り目的のファンドの組み込み銘柄を参考にする、ということです。
つまり、真似する、ってことです(笑)
プロに目利きしてもらったものを使う、ってことです。

今、私が見ているのは、マネックス証券の投信のコーナーで、ここで、国内株式の配当で検索すると、26件がヒットしました。
この中で、主に配当利回り重視のファンドを選びます。
その一番上はフィディリティのファンドですが、その詳細ページを開いて、投資信託説明書のPDFをチェックします。
そこで、ファンドの運用実績のところに、「組入上位10銘柄」というリストが書いてあります。
これが、このファンドが主に組み入れている銘柄なんです。
このファンドだと、筆頭は、みずほで6.0%、次がヤマハ発動機で5.7%、結局、上位10銘柄で、実に43%となっています。
このファンドの上位10銘柄に投資すれば、概ねこのファンドにかなり近いリターンが得られることとなります。
配当利回りファンドなので、銘柄の大きな入れ替えもそうありませんから、年次報告の度にチェックする、程度で大丈夫です。

次の野村アセットの好配当ファンドは、三井住友、日産、日本たばこなどを組み入れていました。

こういったプロの目利きにかなった銘柄を真似して、自分のファンドを自分で作るわけです。
最低限、プロの目利き銘柄なので、酷いことにはならない、ということです。

じゃあ、そのまま好配当型の投信を買えばいいじゃないか、となりますが、投信の問題点は、手数料なんです。
今では申し込み手数料がかからないファンドが増えていますが、問題は、信託報酬なんです。
マネックスのサイトを見ても、低いものでも1%、高いものだと2%もかかっています。
そもそも、2~3%の配当を狙って買っているものなんです。
それが、1~2%も毎年毎年信託報酬で持って行かれたら、実質は、配当からの利益のほとんどが投信会社と証券会社の山分けに終わってしまう、という恐ろしい事実が簡単にわかる、ということなんです。

投資家が取っているのは、リスクだけなんです。こんな非合理なことがまかり通っているのが、この金融の世界なのです。

情報弱者は、常に情報強者からむしり取られる宿命を背負っているのが金融の世界である。

マネックスは、申込手数料が無料ですが、そうでない証券会社の場合、さらに高額の申込手数料が取られてしまうので、さらにリスクだけこちらが取る、という感じになってしまいます。
最初の手数料を何年もかけて払うという具合で、ナンセンス極まりないことです。
リートに投資するファンドとかもありますが、そんなものを買うぐらいなら、そのファンドの組み込みをパクって自分でリートのポートフォリオを組めばいいだけです。
絶対に利回り型の投信などやるべきではない、と思います。
毎月分配という美名のタコ配ファンドなど、論外です。

こんな投信を買うぐらいなら、見えている情報で自分ファンドを作ってください。
どんなヘタレファンドを作っても、投信を買うよりは100倍マシです。

ということで、今回のお父さんは、1銘柄集中投資というリスクはあるものの、

金融プロの搾取の構図にはまってはいない

という点においては、合格点だと思います。


金融の世界では、仕組みを知っているものが常に勝ち、知らない者が常に負けるという弱肉強食の世界です。

無知無能は、金融の世界では、悪であり、搾取の対象者なんです。

これこそが

金融村の掟

なんです。




もう一つの裏技は、株主優待と配当のセットで利回りを考える、ということです。
これは、個人でしかできない投資スタイルなので、資産の一部でもやってみる価値はあります。
といって、これは、ZAIなど投資雑誌に特集が出ていますから、裏技でも何でもないのですが、株主優待銘柄に分散投資することで、意外なぐらいの高利回りが得られます。
もちろん個々の銘柄のファンダやテクニカルはチェックする必要がありますが、個人で持つのでしたら、この観点は結構ありだと思います。
目指せ桐谷さん、ってところです。

この投資のいいところは、

キャピタル狙いのように、投資家同士が奪い合いをするのではなく、会社が出してくれるものを横からもらう

という構図にあります。

つまりは、サバンナの食い合いではなく、定期的にエサが供給される動物園のような仕組み、ってことです。

何が利益の源泉になっているのか、自分の利益はそもそも誰が出してくれているものなのか、を理解しておくことは、大変重要なことなのです。


それが、構造理解につながり、引いては収益の安定になるからなんです。

しかも、株主優待銘柄は、優待狙いという買い手が存在するので、株価が下げれば、その買い手が株価を下支えする、という構図もあるのですね。





しかし・・・以上の銘柄分散をいくらやっても、実は防げないリスクが存在します。

いくら分散したところで、株式市場の性質にあるとおり、全部が下がればやられることになるのです。

ここで、一番問題になることは、テールリスク(ブラック・スワンリスク)なんです。

あまり投資において考えられていませんが、とても重要なことです。

これは、何かというと、

テールリスクとは、マーケット(市場)において、ほとんど起こらないはずの想定外の暴騰・暴落が実際に発生するリスクのことをいいます。 これは、通常、確率的には極めて低いものの、発生すると非常に巨大な損失をもたらすリスク(大幅下落するリスク)のことを指します。


具体的には、先のリーマンショックなどがこれにあたりますが、今想定されていることは、次のようなイベントリスクです。

①震災
②戦争
③伝染病


めったに起きることはないけれど、絶対起きないということはありません。
実際に、この2つは今では、リアルに想定されていて、最近では防空訓練までされている状態です。
そして、東南海地震などのリスクも近づいている、と言われており、そのための備えを国や各自治体が進めている、のが現状です。

ここで、金融面の混乱については、あまり語られることはありませんが、こういったテールリスクが起きた時に、自分のアロケーションは耐えられるのかどうか、について、常に意識の片隅に置いておく必要があることだ、と私は考えています。

株だけではなく、そもそも円の価値はどうなるのか、不動産は、などなど、資産全般です。
混乱が起きた時、借金漬けの日本の財政状況を考えると、円の価値と信頼は保てるのか、どうヘッジできるのか、など頭の隅には置いておきたいところです。

テールリスクが発生すれば、三菱UFJ単独投資であろうが、5社に分散しようが、結果はあまり変わらない、ということになるかもしれません。

ここで、アセットアロケーション。

つまり、資産を株だけではなく、他の資産に分散させておく意味がここにある、ということになります。

この内容を書くと、本一冊分になるので、詳細は省きます。




以下、余談ですが、テールリスク時の対策では、通信手段の途絶、取引所の閉鎖によって、どのような影響が出るのか、ヘッジ手段はどうするのか、などなど、今回のテーマからそれるので細かくは書きませんが、考えておく必要があるでしょう。

他に、私は、大した備えはしていませんが、パスポートの有効期限をチェックしておく、車のガソリンは基本満タンにしておく、手元現金は常に持っておく、モバイル用PCの準備、などちょっとした気遣いはしています。

ただ、想定されていないテールリスクこそが一番危険ではあるわけなのですが、これはもうキリがないので。

ちなみに私は、心配性ではなく、普通に考えれば、テールリスク対策はあって当然だと思っているだけです。。。

震災などの物理的備えはやっていても、金融面での対策は何もしていない、ということは片手落ちだと思っているのですね。



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繰り返される吐き出しのメカニズム

2017/09/10 Sun

せっかく勝っていたのに、勝ち逃げすることができず、結局、全部吐き出してしまう。

こういうことが頻繁に起きるのが相場です。

しかも、繰り返し繰り返しやってしまう。

次こそは、と思っていても、またしてもやってしまっている。

何度でも何度でもやる。反省を忘れたのか。どうなのか。

負け逃げも難しいわけですが、勝ち逃げもかなり難しいのが相場です。

では、何故、こういうことが起きるのか。

どうして、負け戦を拡大するような真似をするのか。

この

繰り返される吐き出しのメカニズム

とは、どういうことなのか、これが今回のテーマです。



まず、これがどのように起きるのかを考察します。

ある特定のやり方で勝つと、味をしめる、このやり方で勝てるとなる。
勝った理由はやり方にあると思い込む。
自分はこれで勝てるとなる。
勝ちが続けば、確認を続けることになり、その思いは確信に変わる。
意識的にも無意識的にもどちらでもそうなる。
そこで環境が変わる。
途端に勝てなくなるが、本人は勝てる方法だからと思いこんでいるので、どれだけ負けても続けてしまう。
結果、負けをどんどん拡大して、吐き出す。


となるわけです。



そもそも相場で勝てる要因、つまりどうすれば勝てるのか、というのは切実な悩みなわけですが、多くの場合、どうすれば、というのはやり方、つまり、勝てる方法を知る、という手法万能論が自然な流れとして出てきます。

手法じゃない、と言われても、やり方がわからなかったら、そもそもどうしようもないじゃないか。本音ではやはり納得できない。

自己規律とかマネーマネジメントとか、大事だと言われても、いまいちピンと来ない。とにかくまずはやり方を知らないと始まらないんじゃないか。


そう思っている人は多いと思います。

最初、まずはどうやって、というのが当たり前としてあるわけです。

連れて、優位性、という場合も、暗黙の了解で、優位性のあるやり方、という理解になります。

例えば、検証しろ、という人も多いわけですが、検証してそれで勝てるのなら実戦だ、みたいな考え方です。
検証万能論も、突き詰めれば、やり方に依存していることにおいては、手法万能論なんです。



ところが、実際には、特定のやり方が通用するのは、多くの場合、ある特定下の環境において、という限定付きなのです。

いくら検証したところで、ほとんどの場合、その検証期間の環境にアジャストさせた結果になる、のがオチなんです。

環境は変わる

この事実が、手法万能論者には見えていません。

つまり、勝った原因がやり方にある、と思い込むことで、爆死の原因を作るわけです。

もちろん、オールウエザー(全天候型)というものも無いわけではありませんが、レアモノだと考えた方がいいです。



ある特定の環境があって、その特定の環境下でこそ優位性が認められるというのが、ほとんどの手法だ、という厳しい現実があることは、相当経験を積めばわかることなのですが、その段階まで生き延びられる投資家は少数にとどまります。

これは、何度も何度も爆死して、相当の経験を積まないと、理解納得はできないことだと思います。

これを読んでいる多くのみなさんも理屈では理解できても、納得はしていない、と思って書いています。

ここを理解するためにも、1000本ノックは大切なんです。

ノックの中で、爆死経験を繰り返し、どうして昨日まで通用していたことが、突然効かなくなったのか、という不可思議(笑)な経験を何度も何度も繰り返し、手痛い損失を出してこそ見えてくる世界だと思うのです。

株式市場においては、リーマンショック前と後とでは、ガラリと環境が変わりました。
リーマン前には、少々甘いトレードをやっていても勝てたものが、一切通じなくなりました。
リーマン前には緑の草原でしたが、それ以降は正に荒野が待っていました。
何故だかは未だに不明ですが、甘いトレードをしていた負け組が一斉に淘汰されたことが原因だろうか、と思っています。



最終的には、

自分にとって、勝ちやすい環境とは何か、それを探す、といった方が、やり方を探すよりも先にあるべき

ということが見えてきます。

そして、自分の懐に特定の環境を置いて、その特定の環境の中でのみ釣りを楽しむ


といった感覚に落ち着いてきます。

極端には、環境さえ手に入れてしまえば、8割方相場で勝てる準備は終わりなんです。



じゃあ、具体的には、どういうことを環境と言っているのか、というと、

ミクロレベルでは、低位の往来株であるとか、年間を通じてうねりを見せる株、高いボラの新興株、吹き上がっている株、とか、それぞれ特定の環境があって、その特定の環境でこそ見せる特定の値動きを観察するわけです。

マクロレベルでは、アベノミクス初期の吹き上げる環境、高値の往来、じり高、じり安、急落、安値の往来、など、相場全体に資金が入ってきているのか、出ているのか、というリスクオン、リスクオフの流れがあります。
リスクオンの上げ相場の中でも、循環物色があって、大型株から、中小型へ資金がシフトする流れ。
また、リスクオフのなって、一気に資金が逃げ出す流れ。
などなど、各国の金融政策によって、今は世界中の動きが連動しています。



こういうめまぐるしい動きがありますが、低位の往来株というのは、比較的安定した値動きを続けるのですが、それでも永遠ではありません。
これは、当面は続くがいつまでもは続かないインバウンドを当て込んだ家電量販店、のようなものです。

一方で、新興の人気株の命は短い。陽炎やセミのような寿命です。
これは、一発屋芸人ってところです。

ここ一年近く、小型株のいい動きが続いていますが、上げがきつければ、下げも厳しいものとなるのは、相場の習いで、これも永遠には続きません。
これは、かき入れ時の海の家って感じですね。
小型株相場がしばらく続くと、ちょっといい目にあった投資家の群れが、お盆時のクラゲのように大量発生します。
そうなれば、もう夏も終わりで、海水浴シーズンは終盤でしょう。
そんな中で、永遠に小型株に執着しているのは、冬の海で海の家を経営するようなものです。



こうした特定の環境は、永遠には続かないにしても、今は続いている。

じゃあ、その特定の環境における、特定の値動きをどうやって取るか、という発想に行き着くわけです。

相場が正しいのだから、まずは、特定の値動きがあって、その値動きをどうやって取るか、という段階でやっと道具、つまりやり方の出番になります。

その方法というのは、何も既存の道具でなくてよく、今ある値動きに対して、一番最適なものは何か、という考え方をするわけです。

そうなると、特定のやり方にこだわりなど無くなります。

やり方というのは、値動きが先にあって、その値動きをどうやって取るのか、というための単なる道具に過ぎないからです。

この値動きをどうやって取ってやろうか、という発想になるわけです。

一方通行の動きが続く相場であれば、ブレイクでもプルバックでも、極端には飛びつきでも、何でもいいわけです。
何でも飛びついて、持ち越せば儲かる、という相場は時々やってきます。
いよいよ阿波踊りのシーズン到来です。

ブレイクというやり方が勝たせてくれるわけではなく、一方通行の祭りが起きている、ということこそ勝ちの要因なんです。

エッジは、環境にこそあるのです。


やり方など何でもよい、というのは、こういうことを言います。

阿波踊りというは、阿波踊りシーズンだから踊ってもいいのであって、それを職場ででやるとか、普段の町中でやれば、ただの変人、場合によっては警察のお世話になります(笑)

結婚式なら礼服、海では水着、夏ならTシャツ、冬はダウン、と全て、

環境依存

です。

前に、自分に合ったやり方というのが何かわかりません、というコメントがありましたが、私には、シーズンを無視して、Tシャツがいいですか、ダウンがいいですか、という質問に見えました。
何を着るか、の前に、今は夏ですか、冬ですか、というシーズンがあるのです。
そして、自分の好きなシーズンがどちらなのか、ぐらいは自分でわからないと仕方がないのですね。


こういう環境に対する理解をしっかり持っていれば、そもそも環境に依存している、と理解しているのだから、シーズン終了かどうかは、一番敏感にわかっている、ということになるわけです。

翌朝になって、新聞やゴミが散乱して、人が誰もいない桟敷で、一人踊り続けている、そんなナンセンスなことを続けているのが多くの投資家の姿なのですね。





しかし、以上の手法万能論だけでは、大きな吐き出しに繋がることはありません。

むしろ問題なのは、もう一つの重要な吐き出しのメカニズムがあるからなんです。

それは、

儲けに奢って、お調子に乗ってしまう

ということです。

つまり、規律とマネーマネジメントに問題が起きてしまうわけです。

環境優位性のおかげだと認識していれば、ある程度続けば終わりが近づいていることぐらいわかります。

しかし、そうでない大半の人は、儲けが続く中で、知らず知らずお調子に乗ってしまうのです。

この

知らず知らずにリスク許容度が拡大する

ことが実に恐ろしいのです。

お調子に乗る、というのは、具体的には、

扇形の布陣を取ってしまう

ということです。

どういうことかというと、

みんなやってしまうのは、儲かるにつれて、無意識に気が大きくなって、気がつけばどんどんポジを増やしていって、最後に大軍でドボンする、ということです。

この扇形の布陣を取らないだけでも、生存確率は飛躍的に高まります。

扇形の布陣を敷けば、10上げて1下げただけでドボンします。

多くの人は、10上げて2下げれば破綻でしょう。

10上げて1下げれば、7ぐらいは残るように布陣すればいいんです。


(この10上げてというのは、半年かとか1年間でということで、その間に売り買いを繰り返して、儲けが出てくると、次第に全体のポジが大きくなる、という現象を書いてます。)

それを調子に乗って、踊る阿呆に見る阿呆をやってしまうから、ドボンを食らうのです。



儲けというのはものすごく恐ろしいものです。

人の心を蝕み、狂わせます。

結果、利益に酔いつぶれてしまって、自分を完全に見失うのです。

私は、長年この世界で行きてきて、大勢の投資家を見てきましたが、

儲けに酔っている人の目は明らかにおかしい

のですよ。

頭がどうにかなってしまって、誰の助言も聞き入れようとはしません。

自分では、正常な感覚だと思っていますが、ネジが完全にぶっ飛んでしまっているのです。

世界を取ったような気になっていて、目が完全に空を飛んでいる人を大勢見てきました。

しかも、本人は、自分は正常だ、と思っているから、そもそも危険きわまりない。

つまり無自覚ほど恐ろしいことは無いわけです。

こうして、

利益に酔って前後不覚の酩酊状態になったところを容赦ない相場の洗礼が襲いかかります。


これは、ダムの決壊のようなもので、ひとたまりもなく流されてしまって、後は何も残らない、ということが繰り返されるのです。

自分の器を超えた利益を手にした時、人は、酔いつぶれてしまって、結果自爆するです。


この器というもの・・・簡単なものではないです。

繰り返し事故を起こすことでしか、器も大きくならない。


実に厄介な話だと思います。



ここで出てくるのが、

自己規律とマネーマネジメント。

セミナーでは、みんなが寝ているところです(笑)

これが自分の最後の砦として効いてくれるかどうか。
これがサバイバルの最後のセーフティネットとなります。
だからこそ、規律とマネーマネジメントは重要、と言われるわけなんですね。
普段の状態では、セーフティネットなど、どうでもよいと思ってしまいますが、これは最後の砦であり、保険なんです。

自己規律とか、マネーマネジメントとか、言われても、相場経験が浅い人は、よくわからないと思います。

事故を起こさない限り、保険の重要性などわからないのだ

ってことなんです。

この重要性は、相場で長年生き残ってきた人は、みんな知っていることです。知らないのは、経験が無いからだけなんです。

残念ながら、こういうことも、何度も事故を起こして、やって気がつくものなんだと思います。


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小理屈先行

2017/08/26 Sat

昨日はびっくりでしたねえ。
大規模なネットの接続障害が発生し、午後から多くの証券会社の発注が不可能になりました。
私は、楽天証券のマーケットスピードが落ちたので、後場寄り前に気がついて、これは危ない、と直感的に思いました。
次に、発注しているクリック証券が落ちて、いよいよ危ない感じになってきたので、後場は結局何もしませんでした。
これが後場の途中なら被害を受けていた可能性もあるので助かりました。
株ドットとマネックスは普通に動いていたので、ネットワークの違いで助かったのだと思います。



さて、トレードを始めて、年単位の時間が経過しても、なかなか上手く行かない人が大勢います。

こういう人には、ある傾向があることが間々見受けられます。

同じアドバイスをした時に人によって違う反応があるわけですが、どういうことか、というと、

「○○をやってみて!」

というと、ある人は、言われたとおりに素直にそのまま実行します。

ところが別の人は、

「これはどういう意味があるのですか」「何故ここなんですか」「どうしてこういうことがわかるんですか」

と、理屈を知ろうと、とにかく質問攻めを仕掛けてくるのです。

「一番じゃダメなんですか!!」と言った前の民主党の党首のような質問攻めを彷彿とさせます(笑)

そして、結局、こういう人は、なんだかんだと言いますが、結局は、言われたことを実行しません。というかできません。

こういった理屈脳の持ち主は、理屈で自分が納得しないと、てこでも動かない、いや、動けないのです。

理屈ありきの演繹的脳内構造ということです。

ただ、ここまでの長い人生、ずっとそうやって理屈を後生大事に生きてきたのだから、今さらその生き方を変えられない、といことになるのだと思います。



一方で、相場というのは、そう簡単に全部を理屈で説明などできないものなんです。

「何故ですか。どうしてですか。」

言われるこちらも、困ってしまいます。

そういう質問をする人は、相場を全て理屈で割り切れる、と思っているのだと思います。

というより、全ての物事に対して、そうやって対処してきた延長線上にそういう自分なりのポリシーが出来上がっていて、まずはその自分の殻を絶対的に守ることが全ての前提なんだと思います。



1000本ノックというのは、そもそもそういう理屈から入るのではなく、

走りながらだんだんとわかってくる

相場の値動きを受け止める感性を養う

相場に理外の理あり、ということを理解する


という相場の観察方法を学ぶことが一つの目的でもあります。

つまりは、帰納的アプローチです。

先程の演繹脳とは、相容れないものなんです。

それなのに、理屈先行の人は、そういうノックをやりながらでも、自分の理屈を相場に押し付ける、ということを無意識にやってしまいます。

そうなると、結果として起きる現象は、

いくらノックしても、いつまで経っても自分なりの理屈の範囲しか見えてはこない

新しい発見は無く、自分の理屈の確認という範囲を出ることは決して無い


ということになってしまいます。

人は、自分が見ようとするものしか決して見えないもなので、どうしてもそうなってしまうのです。



ノックを通じてマスターすべきことは、元々持っていた理屈の確認ではなく、相場の声を素直に聞くことによってこれまで見えていなかったことを発見することなんです。

だから値動きから感じること、値動きから見えることを素直に受け止めること、これが最もノックにおいては大事なわけです。

素直さが大事なわけです。

それを自分の理屈を相場に押し付けることを続ければ、そういった相場の声を聞く耳を持てなくなってしまいます。

結果として、せっかくノックしていても、相場からの声が全く聞こえない、という事態に陥ることになってしまいます。

私が見ていて、頭が固くて、頑固、という人は実は非常に多いのですが、そういう人は、人の意見を聞くことをものすごく苦手にしていて、独善的思考パターンが強いわけです。

そうなると、必然的に、相場の意見(人の意見)を聞くことも苦手、ということになってしまいます。

知らず知らずのうちに、こうあるべきだという自分の思いや相場の見方を相場に押し付けてしまうわけです。

値動きを受けとめるよりも、自分の考えているやり方や戦略に値動きを無理に当てはめようとして、そういう色眼鏡をかけて相場を見るから、素直に値動きが入って来ないのです。

値動きを受け止めるのではなく、自分の規定概念、パターン認識を相場に押し付けているだけなんです。


アプローチが全く逆なのですが、それに気がついていないのです。


相場を自分の枠に押し込めようとして色眼鏡のついた先入観バリバリで見ているものだから、相場の声がまるで届かないのです。

いくらノックをしても、見えてこない、わからない、という人は結構大勢いるわけですが、主な原因はここだと強く感じます。

自分を相場に押し付けていることが原因なんです。

前の民主党の党首のような感じの人は、恐らく相場に向いていないでしょう。

自分のポリシーや自分というものに、強く自信を持っていて、それを曲げようとしないからです。

だから、政治家向きなんでしょう。

しかし、投資家としては、そういう感性が非常に仇となってしまうのです。



とにかく、

相場が一番正しいんです!!

自分がどういう小理屈を並べても、結局、相場が一番正しいんです。

だから、素直に相場の声を聞く耳を持っていないと、相場からの声が全く届かないんです。

理屈抜き

こういう人が何よりも苦手にすることでしょう。

小理屈好きというのが、相場の世界ではものすごく多くて、「何故なんですか」「どうしてですか」の質問攻めを受けることが多いのですが、親方の立場としては、

フォースを信じろ!!


とつい言いたくなってしまいます(笑)



昔、ブートキャンプで教わったことですが、最初は、

ただひたすらにブレイクアウトをやる

ということでした。

そこに理屈などありません。

やっていくうちに値動きに乗るということがどういうことか、体がわかる、ってことなんです。

ここで、

「何故ブレイクなんですか」「ブレイクなんて勝率悪いですよね」「ブレイクでは勝てないと思います」「検証してもプラスになりませんよ」

と小理屈を並べていた人たちは、結局キャンプについてはこれませんでした。

ここで過半数が去って行ったのですから、せっかく入ったキャンプなのにもったいないことです。

理屈で理解しよう、頭でわかろう、という気持ちはわかるんです。

しかし、相場を理屈で全部理解しようとしても、無理なんです。



たけしのアートビート、というドキュメントで、宮大工の師匠が新弟子に最初にさせていたことは、

かんな磨き

でした。

大工仕事が終わって、夕方から黙々とかんな磨きをする弟子たち

そこには、最初から理屈など無いのです。

最初に、と書きましたが、この最初というのは10年とかそういう時間軸なんです。

ここで「何でかんな磨きなんですか」「大工仕事とどういう関係があるんですか」「どのように磨けば合格ですか」「早く大工仕事を教えてください」

などという理屈をごちゃごちゃ言う弟子は、恐らく破門でしょう。

とにかく言われたことを黙々とやる、それが教えてもらえる恩恵に預かる弟子としての義務なんです。

ある時、ある弟子が浄瑠璃を見に行ったのですが、師匠が「かんな磨きも満足にできないやつが浄瑠璃なんか見に行くな!!」と激怒したのです。

もうめちゃくちゃな理屈ですよね。

しかし、職人の修行とはそういうものなんです。

そういう理屈じゃない部分で、しっかりと時間をかけて理解していく、そういうものなんだと思うのです。

こういうことは、理屈っぽい人なら我慢など絶対にできないでしょう。



ブートキャンプもそうでしたが、こういった

理屈抜き


という職人の見習いの過程というのは、現代の小理屈に固まった多くの人のとって、最も苦手な分野じゃないかと思います。

こういった小理屈先行ということは、頭のいい人に起きやすいことがわかっています。

御託を並べることがものすごく好きで、小理屈で相手をやっつけることを日常的にやって、ある意味それで社会的に成功しているわけです。

その成功体験を相場にも持ち込んできているわけですが、相場は全部を理屈で片付けようとしても絶対に無理なんです。

かく言う私も、こうやって御託を書いているわけですが、

理屈で理解しようとして、相場が上手く行かなくて、暗礁に乗り上げる

という人がものすごく多い、ということがわかっているので敢えて書いています。

本当に相場上手という人は、ここに書いてるような理屈などそもそもありません。

感覚的にできてしまうので、こういった理屈が存在しないのです。





相場で勝とうと思えば、「短期的偶然性を信じ、長期的必然性を信じる」という確率思考がどうしても必要なものなのですが、これを持つことは大変困難ですし、長い経験値が必要となります。

理屈だけでは、絶対に理解できない思考パターンだろうと思います。

小理屈で相場を理解しようとしている人は、この短期的偶然性ということがまるでわかっていないのだと思います。

相場の全てを理屈で理解しようとしても全くの無駄です。
何故なら、目先的には、相場は偶然が支配しているからなんです。

この偶然が支配している値動きをわかろうわかろうと努力するから、しんどいのです。

相場が難しく、得体の知れない難しいものに見えるんです。

それは、全てを理屈でわかろうとしているからなんです。

相場の値動きの大半は、そういった理屈抜きのランダム性が支配しているのですから、わからなくて当然だ、という理解をしておかないと、相場が難しくて仕方がないと思います。

相場を難しくしているのは、そういう考え方にある、ということなんですが、考え方を変えことは、本当に難しいものなんですね。





最後に、こういう小理屈好きが陥るもう一つの罠について説明しておきます。

それは、

知識武装をやりすぎる

ってことです。

今の御時世は、クイズ番組で多くを知っていれば頭がよい、とされる風潮なので、どうしても、知識の詰め込みということをやってしまいがちです。
また、そもそも受験勉強が知識の詰め込み学習なので、それが正しい学習方法だと多くの人は思いこんでます。


そうすると、どうなるか、というと、

多くを知りすぎたが故に、何をどうすればいいのかわからなくなってしまうのです。


ぶっちゃけ言ってしまうと、

相場で勝つためには、得意技の一点突破でいい

んですが、多くの人が陥るのが、何でも屋で、あれもこれもと知識だけは豊富になって、結局何も使えない、という状態になっているのです。

しかも、悪いことに、妙なテクニックの知識だけは豊富なくせに、基礎的な知識はほとんどわかってない、という

土台無き砂上の楼閣的知識

をせっせと蓄えている人が大勢いるのが、この相場の世界です。

つまり、小手先のハウツー知識とか、目先の小理屈はあるのだけれど、基礎知識が欠けているわけです。

知識というのは、実践力が付いてから後付けでもいいのですが、実際は、エロ本中学生と同じで、知識だけが先行して、実践力は皆無、ということがほとんどです。

知識こそが盾になって相場を突破できる、と考えてのことなんですが、実戦で使えるような知識など、たかが知れてるんです。

多くの知識を捨てて、中央突破すれば道は開けるのですが、多くの知識を持ったまま、その多くの知識に邪魔されて身動きが取れなくなってしまう、という悲劇を生んでしまっています。

勉強熱心な人が陥る相場の蟻地獄がこれなのです。




中華の鉄人、フレンチのマスター、日本料理の達人、であることが求めるべき姿であって、何でも料理人を目指すことは間違いだ、ってことです。

何もかもを知ることが相場で勝つことではありません。
そんなことでは、余計なお荷物を背負って、知識の重さに押しつぶされるだけです。
知識こそが盾になる、と思っている人は多いと思いますが、時として余計なお荷物となって、邪魔をするのだ、ということをわかっておくべきだと思います。

テクニカルなど、知れば知るほど迷いますよ。
もう何を信じたらいいのか、訳が分からなくなっている人がものすごく大勢おられることだと思います。

試行錯誤の時期というのは、オリエンテーションの時期であり、多くをあたることは仕方がありませんが、それを過ぎたら、一旦背負った荷物は捨てて、包丁一本が一番の近道です。

多くの荷物を捨てて、包丁一本で戦う、これこそが職人的相場道であろう、と私は思います。

事実、実際に勝っている投資家の多くは、包丁一本の人が多いんです。



最後にある本からの逸話をご紹介しておきます。

ある大学教授が禅師のもとを訪れて言いました。
「どうも初めまして。スミスと申します。まずは私の経歴についてですが、○○大学を卒業後、大学院に進み、○○の研究で博士号を取得しまして、現在は○○大学で教授をしています。この度は、仏教について学びたいと思い、こちらに伺いました。」
すると禅師が答えました。「どうぞお座りください」
「はい」
「お茶でもいかがですか?」
「ありがとうございます」
禅師は湯飲みにお茶をつぎ始めましたが、湯飲みが一杯になってあふれ出してもまだ手を止めようとはしません。
「おやおや、湯飲みからお茶があふれていますよ!」教授が声を上げました。
そこで禅師の言うことには「その通り。だがあなたもこの湯飲みと同じで、中身が一杯で、どんどんあふれ出しています。そんな状態の人に何を教えられるでしょうか。あなたの頭はすでにあらゆる知識で一杯になっている。頭を空っぽにして心を開いた状態でなければ、私が何を教えても無駄でしょう。」



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反省しない生き物、それが投資家

2017/08/18 Fri

またしても、お久しぶりの鰤の照り焼きです(笑)

高値膠着状態でしたが、ここのところダウンサイドリスクが頭をもたげてきています。
数ヶ月の高値膠着に慣れてしまうと、あたかもそれが地相場という気になってしまいますが、そういう時が一番危ないので、リスクオフには注意が必要でしょう。
折しも、9月は年間通じて一番危ない月に当たります。
年間のスケジュール的には、秋に下げて春に上げる、という相場の習性もあります。
アメリカのテーパリングも迫ってきており、嫌なムードが出てきています。
ただ、こうした予想は基本当たりませんから、リスクだけ気にしておいて、いつも半身で逃げ方を準備しておく、ということでいいと思います。




さて、なかなか上手く行っていないある人と話をしていて、

「レンジの真ん中で入って端で切らされてないか?」

と尋ねたら「はい」と言うのですが、

「何故そうしているのかわからない。」

というので、それは自分で考えてほしいと言いました。



かようなやり取りがあるのは、投資家というのは、面白いほど同じ失敗を繰り返す人種だからなのです。

他にも、

勝つ、奢る、ドボンする・・・ほとぼりが冷めて、勝つ、奢る、ドボンする

この無限とも言えるようなループ行動を繰り返している投資家は数知れず。

飛びついて落とされる、飛びついて落とされる、飛びついて落とされる


これも無限に思えるループ行動。

などなど、

投資家というのは、反省という言葉を恐らく知らないのだろう

と投資をしない人から見れば思われていることでしょう。



そもそも、

「相場で儲かった!!」


と言えば、普通の人がどう思うのかというと、

「そのうち大損してすっからかんになるのがオチだよ!!」

と心の中では笑われているのです。

しかも、恐るべきことに、

その大予言は、ほとんどの場合、的中している!!

それが真実です。



相場で儲かった、というのは、ほとんどの場合、競馬の帰り道に「競馬で儲かった!!」と言っている人たちと同じなんです。

投資だから競馬とは違う、競馬より高尚だ、と思っているのは投資家だけで、

世間的に見れば、どちらも同じバクチ打ち


同じ穴のムジナ

なのですよ。

世間様は、彼らバクチ打ちの儲かったというものが、陽炎のようなもので、儚いうたかたの夢のまた夢だ、ということがわかってるんです。

わかってないのは、投資家自身だけなんです。



なので、私も、初心者が相場で儲かった、儲かった、という話をしていたら、

「気の毒に、、、地獄への特急列車のきっぷを買ったのか!!」

と思います。

さように、投資家とは、同じ過ちを何度でも何度でも繰り返す生き物なんです。

これは、ネズミなどにも劣る反省の無さで、もう驚くべきものだと思います。

このネズミ以下の反省の無さを繰り返しているから、どんなやり方をしても、どんな手法を用いても、すっからかん、という最終目的地に変わりはありません。



かく言う私とて、しっかりと同じ過ちをしなくなっているのか、と言われればそうではありません。

ただ、

同じ過ちは繰り返さないでおこう!!

と強く反省し、失敗のメカニズムを理論的に解明し、何故自分はこういう失敗を繰り返しているのか、防ぐための手立てはどうすればいいのか、を本気で考えて、行動しています。

こうやって、負けパターンを一つ一つつぶしていく作業が上達、ということにつながると思っています。

ところが、見ていると、多くの投資家は、そういう反省を忘れて、同じ過ちを永遠に繰り返している、ということなのですね。





さて、多くの投資家が同じ失敗を繰り返す根本的原因としていくつかあげるとすると、以下の5点があげられます。


まず第一点目は、

相場が当たらなかったで終わらせる


これで全てを片付けてしまっていることから反省がそもそも無いのです。

つまり、

そもそも過ちがあったのではなく、外れただけだ、という理解です。

これではそもそも反省のしようがありません。

当たったら勝ち、外れたら負け、というシンプルな相場の見方をしているということです。

拝金主義でもあります。

勝てば官軍でそれでよくて、負ければ賊軍、そのメカニズムなどそんなに気にせずに、負けたということで精神的ダメージを受けるだけ、で終わっているからだと思うのです。



第二点目ですが、

相場というのは、偶然と必然が編み込まれた織物のようなもので、負けたことの本質を見つけ出すことは、はなはだ困難である。

だから、何が偶然で、何が必然で起きたことなのか、見極めることが極めて難しく、結局、トランプがいらんことを言ったから負けた、という偶然の責任にしやすいのです。

相場で勝った、負けたというのは簡単ですが、それが正しかったのか、間違っていたのか、を判定するのは、極めて難しいのです。

そもそも、勝ったら正しくて、負けたら間違い、というのは、単なる拝金主義に過ぎません。

そういう反省のやり方では、話にもならないぐらい初心者目線です。

しかも、相場を張るということは、トレード戦略、資金管理、投資マインドの織りなす融合の結果なのですから、何が正しくて、何が間違っていたのか、を見ることは、さらに複雑なんです。

これに、なかなか持ちにくい長期目線も加えなくてはいけないわけで、実に解明が難しいです。

さらに、人は、自分が悪いとは思いたくないですから、勝ったら自分がうまかった。負けたらトランプが悪かった。と思いたいのでしょう。

結局、自分の問題を放置して、マーケットの責任に転化するから、次もまた同じことをして負ける、を繰り返すのです。

しかしながら、一回二回でわからないとしても、それが10回、20回ともなれば、次第にその負けの本質に気がつくべきだと思います。

いくら反省しないといっても、何十回も同じような負けパターンを繰り返しているのは、もう愚か者としか言いようが無いでしょう。

少なくとも、これが投資家でなくてサラリーマンなら即クビは間違いないと思います。

これは、確率思考という思考パターンを持っているかどうか、にも関わってきます。

確率思考というものを持つことはすごく難しいのですが、この思考パターンを持つことは相場で勝つためには重要なことです。

短期的な偶然性を信じ、長期的な必然性を信じる

これは極めて難しい思考ですので、ほとんどの人ができていない、と思われます。



第三点目

目先主義

結局、目の前の勝負に勝つか負けるか、が最も大事で、長期に渡る話など、二の次、ってことで、反省などしない、ということです。

先程の確率思考ともダブりますが、みんな目先の当たり外れのみが重要なのです。

とにかく、今持っているポジが利益になるか、損になるか、それこそが重大事であって、それ以外のことにはあまり興味がない。

これが大問題なのです。

相場というのは、長期に渡る継続的取引の中から、長期的な視点で利益をひねり出すものだ

という意識が必要ですが、そういう観点を持っている人は少ないと思います。

これは、デイトレでも同じです。長期的目線無しでは、デイトレでも勝つことは難しいでしょう。

常に、目の前の勝負に勝つか負けるか、そこに99%の力を注いでいるから、自分が負けるメカニズムの分析などしてはいない、ということになります。



第四点目

勝つ方法さえ見つかれば、という手法至上主義


これは説明するまでもありませんが、読んで字のごとくで、勝てる方法さえ見つかればそれで全ては解決する、と思い込んでいるから、それ以外のことには、全く興味が行かないのです。

なので、負けるメカニズムの分析など、1秒たりとも時間を使う気持ちもありません。

常に考えていることは、「どうやったら勝てるのか」「どのような方法を使えば勝てるのか」だけのみを純粋に追い求めているのです。

ある意味、純粋な人たちですね(笑)



第五点目

ちょっと甘い汁をすわされると、それで舞い上がる

ってことです。

これは新興株などで大当たりした投資家に多く見られる生態系ですが、一度か二度大当たりして成功体験を積むと、それがこれからも繰り返されると勘違いして、その後延々とそれをやり続けてしまい、最後はすっからかんになるまでやめることができない、という事態に陥ります。
これも非常に多いです。
環境が変われば、やれることも変わるのですが、そんなことはお構いなしで、時々起きる祇園祭や阿波踊りが永遠に続くという勘違いをやってしまいます。
結局、我に帰るのは、資金が底をついた時、ということになります。




こうして、反省を忘れた投資家という人種は、来る日も来る日も、同じ失敗を延々と繰り返して、最後に投資家生命を終わることになるのです。

まあ、反省を忘れているからこそ、、、負けても負けても、証拠にもなくまた相場に手を出す、ってことかもしれません(笑)



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