相場は大口が支配しているのか

2014/11/16 Sun

■人生は冒険旅行だ

朝の連ドラ「マッサン」で名言がありましたので、記録しておきます。

人生は、冒険旅行やと思てんねん。

みんなをあっと驚かせるためには、まずわて自身があっと驚くような冒険せんとな。

冒険には危険がつきもんや。せやけど怖がってたら前には進まれへん。

どない危ない道でも、どないしんどうても、前へ進まんと、あっと驚く景色はみられへん。

どうせ短い人生や、思いっきり冒険せな、おもんないやろ!!


(鴨居商店の大将)



激しく共感!!



■相場は大口が支配しているのか

前にこういう記事を書きました。

ラプトルの悲哀

今でもこういうことがしょっちゅう繰り返されています。

今週も、前日から狙っていた獲物を最後の瞬間にTレックスに横取りされた、ということがありました。

しかし、いつもこのようにやられているわけではありません。



さて、実は、次のような意見を持つ方が結構おられるということを私は承知しています。

相場大口支配説

です。

これはかなりの方がそう思っておられて、私の回りにも数名おられます。

これはどういう見解か、というと、要するに、

大口の売買によって相場は何とでもなるのだから、所詮は大口次第なのだ

という一種の諦めにも似た説をお持ちの方たちです。

所詮は大人(大口)次第なのさ

と厭世的に言い放つ一派です。かなり大勢おられます。
ちょっとそう言うとインテリっぽく聞こえる感じがします(笑)



これをさらに高めた説(?)が、

相場陰謀説

でしょう。

この相場陰謀説、という意見を持っておられるかたも意外とかなりおられます。
私の回りにも数名おられます。

この方たちの意見を聞くと、

世界を支配している闇の組織によって相場は操られており、彼らの意思によって相場は動かされているのだ

というかなりうがった意見で、こう言うと、さらにインテリっぽくて、いかにも俺は世の中の裏を知っているんだ、という風に聞こえます。
ちょっとかっこいいですね。

この説を持っておられる方が意外と多いのには驚きます。

中には、自然災害ですら、陰謀だ、という意見の方もおられます。
さらに、宇宙人が地球を支配している、という荒唐無稽な説すらありますが、あまりこれらの陰謀説をディープに書くことは主旨ではありませんから、この話はこのぐらいにしておきましょう(笑)



さて、相場大口支配説ですが、これに対する私の見解を書いておきます。

この説を唱える人、もしくは賛同する人は多いので、今回も挑戦的見解になるんじゃないかと思います。

確かに大口は存在し、彼らが売買することによって、相場は大きく動きます。

ネット上では、大人、と言われており、私は、Tレックス、と呼んでいる存在です。

では、ここで、Tレックスの立場に立ってみましょう。
これまではTレックスに追われるばかりなので、見えてこない世界がそこには存在します。

板の薄い銘柄。
これをTレックスが介入し、買いまくる、とします。
特にファンダメンタルの変化はなくても、単にTレックスの大人買いのみで、500円の株価を1000円まで釣り上げることは可能でしょうか。

答え・・・実に簡単です。

私クラスでも、必死で買えば、ストップまで押し上げることができる株はいくつも存在します。

じゃあ、やっぱり大口が支配してるってことじゃねえか!!


ということになりそうです。

板の薄い小型銘柄にTレックスが全力買いすれば、数日連続ストップ高も簡単に演出できます。

じゃあ、大口は値動きを支配し、簡単に相場で儲けることができるのか、やっぱり汚い世界だなあ。

と結論づけていいのでしょうか。


さて、先ほどの事例で、500円の株を1000円まで一気に担ぎ上げたTレックスですが、そこで儲かった、と言えるでしょう。

そういうスカスカの銘柄は確かに買えば簡単に値を吊り上げることは可能です。

しかし、もうその時点では自分以外の買い手はどこにも存在しません。

株価を作ることは資金さえあれば簡単にできることです。

こういうことを自作自演と言います。

しかし、例えばそこまで買った100万株をどうやって、誰に売るというのでしょう。

その時点で板を見れば、100株とか、200株とか、の指値が遥か下にあるだけ、という惨状です。

確かに、さらに自分が買えばもっと株価を吊り上げることはできます。

つまり、言いたいことは、金さえあれば株価を吊り上げることは簡単にできるが、それを利食いすることは困難を極める、ということなのです。

自分で買った100万株は、誰かがそれ以上の価格で買ってくれない限り利食いすることは1株ともできないのです。

普段、個人が100株、1000株でやっている感覚では、板や需給を考えないでも売買が可能なので、その視点から、Tレックスのことを考えると、相場は大口が支配している、と思ってしまいますが、Tレックスには、Tレックスなりの別の重大な問題がある、ということを考慮しないといけないのです。



余談ですが、「資金さえあれば株価を吊り上げることは簡単だ」という仕組みを利用した事例として、

某小型株ファンドが、小型株をガンガンいくつも買い占めて株価を釣り上げた

ということがありました。
当然、自分が買えば上がるという小型の銘柄です。
さて、ではそのファンドのメリットは何だったのでしょう。
実は、ファンドマネージャーの報酬体系に答えがありました。
そのファンドは「評価上」非常に高いパフォーマンスを上げたので、1年単位で評価されるファンドマネージャーは、超高額な報酬を受け取ることができたのです。
ファンドは、それらの株を売って利益を確定できたわけではありませんが、評価上含み益が評価の対象だったことから、そうなったわけです。
ファンドが持ち続ける限り、何とか株価は維持できたのです。
一時話題になった人でした。
結局、自作自演ということですが、彼個人としては自分の報酬を最大限アップできたから成功と言えるでしょう。
案の定、翌年以降、その高額報酬の話が世間を騒がすことは二度とありませんでした。



相場に理屈など存在しない、何故なら大口が支配しているからだ


という話もよく聞きます。

大口が相場を支配している、だから、相場など所詮は読めないのだ、と読めないことを正当化するのもいいですが・・・

では、逆に質問しますが、何故9983ファーストリテイリングの株価は43000円を超えるのでしょう。
何故それに対して6753シャープの株価は300円なのでしょう。
これらも大口が勝手に作り上げた株価だ、ということでしょうか。

そもそも、相場とは何でしょう。
そこに理屈など無いということでしょうか。


確かに短期的に見れば、需給のブレが大きく、また、ランダムに動いているようにも見えます。
そのため、所詮は誰か大口が動かしているだけさ、と言えばもっともらしく聞こえるように思います。

しかし、そもそも相場とは、その会社の株券とお金との交換価値を日々図っているモノサシなんです。

本源的価値がどのぐらいなのか、ということの総意が今の株価に反映されるものなのです。

会社が倒産した。すると株価は1円になった。
本源的価値が無くなったから1円になり、本源的価値があるからこそ4万円以上の価格がつくのです。
当たり前すぎることです。
そこに、大口の売買など関係ありません。

そして、その価値観に影響を与えるようなファクターによって、将来価値が変化し、それに対する期待と予想も変化します。
この変化のメカニズムによって株価は日々変動しているのです。

相場とは、この価値観の取引です。

私は、この根本的な価格メカニズムをまずはしっかりとおさえておくことが何よりも大切だと考えています。

需給によって、一時的に価格を歪めることができても、最終的に価格は効率化するものです。
市場の価格メカニズムは効率的である、ということが基本なんです。

全ては、ここから出発します。
小手先のテクニックなどは、全てこれに付随するものなのだから、市場メカニズム、という根っこを大切にしているのです。



そう考えると、大口が、需給によって、一時的にその価値観から歪んだ価格を演出することは可能ですが、それは一人相撲に終わる可能性の高い危険な売買ということになります。

過去、買い占めによって利益を得ようと多くの仕手筋と呼ばれる大口投資家が入ってきては消え、入ってきては消えを繰り返しています。

無理に作った株価は所詮泡のようなものですから、そこで大損をして去る確率の方が遥かに高いのです。



株価というのは、基本的には、合理的に説明できるものです。
というより、合理的に説明できない価格はおかしいと私は考えています。

大口は、図体がでかい分、小回りがまるで効きません。
器用には動けないのです。
大口が動く時には、無理な価格がどうしてもできてしまいます。
自分が動くことによって、価格を歪めてしまうのです。
そしてそこに、どうしても隙が生まれてしまいます。

大口は、大口であるが故に不器用にしか動けない、ってことです。

確かに大口は相場を動かせるわけですが、

逆に言うと、自分が動けば、相場が動いてしまうのです。

これは、大変なデメリットになるのです。



私が大口だったら、相場はしんどいでしょうねえ。
どうあがいても、パフォーマンスは出せませんよ。
できる銘柄もコア30とか、限られてきます。
自分が売ろうとしたら、何日もかかる、なんて、どうやって損切りするんだ、って感じですね。

明らかに、数日、1週間とかけて、ファンドが必死で売りさばいている姿など、もう見ていて、痛々しい。
隠しようがありませんからね。これだけ図体がデカイと。
気の毒になってきます。


逆に言うと、大口よりも小口の方が、遥かに相場は有利です。
大口故のメリットも確かにありますが、それよりも、大口故のデメリットの方が遥かに大きいです。

個人トレーダーは、その小口故のメリットを最大限活かせばいいんです。




こういう理解ですから、私は、大口支配説とは、真逆の考え方を持っています。

大口が無理矢理に作った価格など、私にとっては絶好の獲物でしかありません。

大口が倒れる時、もうヨダレが出るほどのご馳走です。
普段は元気なトムソンガゼルを狙うチーターなどしんどい取引をしていますが、キリンが倒れたところに群がるハイエナの親子、って感じで、食べ放題、って感じです。

私は、大衆を狙うと同時に、大口を狩るハンターでもあるのです。

どちらも、図体がデカイというデメリットで、姿を隠すことができずにいるところを狙い撃ちにできるのです。

大口である彼らは必死で足跡を隠そうとし、あらゆる発注テクニックを使いますが、どうしてもその図体のでかさが仇となり、頭隠して尻隠さず、という状態となります。

私にとっては、大口が無茶な株価を演出したら、そこはバリェーションから見て、絶好の狩り場でしかありません。



なので、私は、テクニカルを重視しません。
何故なら、チャートだけを見ていたら、大口が振り回した足跡だけを追いかけることになり、結果として、Tレックスに食われてしまうからです。
そもそも、大口は、自分の売買を成立させるために、大衆を常に狙っているのですから、チャートを利用して自分の相手をさせようとしているのです。

夜伽を命ず!!

って感じですかね(笑)

逆に言うと、チャートしか見えていないから、大口に食われてしまうのです。
そして、被害妄想的に「大口支配説」を言わざるを得ないのかもしれません。



一方で、私はファンダメンタルを重視します。
そこには、株価は、最終的には理屈どおり、合理的に説明できるという考え方があるからです。

相場は、所詮あるべき価格というものがあり、最終的には、合理的にそこに収斂すべきものだ、と考えています。
マーケットは、基本効率的にできている、という理解です。
誰かがそれを無理に歪めようとしても、所詮はあだ花になる、ということです。



そもそも・・・

もし、株価は宇宙人が支配しているのなら

もし、株価は闇の組織が支配しているのなら

もし、大口が自由に相場を操っているのなら


どうして私のようなトレーダーが存在しているのか、説明ができません。



私は、チャートなど値動きの表面的な値動きだけを追いかけるのではなく、こういう値動きの背景、つまり何故そういう動きになっているのか、どういう主体が値動きをリードしているのか、がわかる、ということが相場を読む、ということだと思っています。

そもそも、価格など、基本は効率的なものです。
いつもそうであれば、儲けのチャンスもありません。
大衆がパニックを起こしたり、大口が価格を歪めてくれない限り、どうやって利益を得るチャンスを見つけるのか、そう私は思っていますよ。

池の中のクジラは所詮しんどい立場です。

それより、池の中の金魚が一番良い、そうい思いますね(笑)



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相場は大口が支配しているのか その2

2014/11/17 Mon

コメントいただきありがとうございます。
前の記事を読んで、オーバーシュートのパターン認識だ、と理解されているように見えることもあったのですが、書いている意味は少々違うので、説明が舌足らずの部分を今日いい事例があったので書いておこうと思います。



今日は、何と言っても「7-9GDP」の発表が注目されるところだったと思います。
寄り前、8:50分発表なので、準備を整えて、画面の前で注目していました。
この時点では、本日ノーアイデアでした。


8:50

予想年率2.2%が、何と-1.6%という結果。
びっくりです。
前回の反省から、FX会社のニュースを凝視していたので、リアルタイムでわかりました。

さて、この発表時点で、ドル円は急上昇を始めます。

すわっ、これは買いなのか!!

と一瞬、個別株式の気配がざわめいた感じでした。

先物気配は、前日比+40円近辺で推移していましたが、ほとんどその時点では動きません。

個別株の気配もあまり動きがなく、迷っているようでした。

このままでは、売りか買いかわかりません。


8:56

一旦弱含んでいたドル円は117円を突破します。

これを見て、株も買いなのか!!


と思ったトレーダーも多かったようです。

一瞬、買いが入ってきました。

パターン認識からすると、

ドル円が上昇 ⇒ 株買い

というパターン認識です。

(ファンダメンタルを考慮しなければ)ドル円が来たのは、前回緩和の時と同じだ、買いだ!!


って感じでしょう。

しかしながら・・・この反応はですね、実は、パブロフ犬と同じなんです。

光るとエサがもらえる、ついに、光だけでエサがもらえると思ってヨダレをたらす、という

パブロフ犬的条件反射トレード

で相場をやろう、という試みだ、と私は思っています。

こうなったら、こうなる、というパブロフ犬トレード(パターン認識)は、確かに楽なんですが、そういう単純構造ではなかなか上手くいかないところが相場なのです。

そもそも、パブロフ犬トレードで上手く行くのなら、相場で損する人などどこにもいません。

余談ですが、それなのに、勝ちパターンを一生懸命探しているのはいかがなものなんでしょうか。



前回、日銀金融緩和第二弾、これは、金融緩和で金利低下から、日米金利差拡大でドル円が買われ、金融緩和の景気刺激から株も買われました。

だから、

材料に対して、たまたまドル円と株式の方向性が一致したに過ぎません。

今回は、どうでしょう。

GDPが予想外の失速で、円が売られる。これはわかる。

しかし、一方で、株は、というと、基本的には、景気失速なのだから、今度は売りが基本となります。

この数字が出た時点では、株は売り、ということがベースになりますが、今回はもう1つ考慮すべき事項がありました。

それは、これによって消費税引き上げ先送りが決定的になったということへの反応がどうか、ということでした。

この綱引きをどう読むか、かなり私は迷っていました。



8:57


まだ、決定的な動きが見えません。
この時点では売りか買いか非常に迷うところでした。

この景気失速への失望と消費税先送りとの綱引きを

巨神兵

がどう判断し、どう出てくるのか。

この時点で、これこそが私の最大の関心事でした。

恐らく、いつものことですが、巨神兵はギリギリで姿を表すはずです。

マウスを持つ手が汗ばんでくるのがわかります。

ギリギリで発注をするため銘柄を準備し、固唾を呑んで値動きを注視していました。


8:58

ドル円は117円を更新後、少々弱含んでいます。
個別株は徐々に下げてきているような感じでした。


8:59

徐々に225先物には売りが入ってきて、遂に1分前にはプラスからトントンまで気配を下げてきました。
そして、50秒前、45秒前、どんどん売りが入ってきました。
先物はマイナス圏に突入、さらに売りが入っています。

個別株気配も一気に売りが広がって、総崩れの様相になってきました。

待っていた

巨神兵が遂に姿を現した!!

2014-08-92.jpg



恐らく、回りを欺くために姿をギリギリ1分前までまで隠していたのでしょう。

しかし、ここまでギリギリになって、一気に姿を表したのです。

これで、売り確定でした。



その後、ドル円も株が大きく下落するにつれて下げてきます。
もはや、株を買う要素は一つも無くなりました。




ここまで読んで

あれっ、当たり前のことしかやってないじゃん!!

と思われたかもしれません。

そうなんです。当たり前のことしかしていません。

私は、当たり前の投資スタンスを持っているだけであって、

パターン認識によって思考停止に陥っていない

パブロフ犬ではない


というだけなんです。





以上のようなドラマが今朝の寄り付き前にありました。

ここで、私の言いたいことは、決してパターン認識ではない、ということです。


じゃあ、ギリギリになって動けばその方向に行くのか?

・・・いいえ、そういう認識こそが、パターン認識なんです。そういうものではありません。



同じパターンであっても、ある時は売り、別の時には買い、になるわけです。

急落した、オーバーシュートしたから向かうのか・・・というパターン認識ではありません。

それなら、今日は買いになってしまいます。


私は、パブロフ犬ではありませんから、人間としての複雑系で判断している、ということなのです。


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あらなみ

Author:あらなみ
職業:個別株投機家・専業デイトレーダー

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