儲かる方法が見つかったら・・

2014/05/26 Mon

「検証して、儲かる方法が見つかったらトレードを開始しましょう。」

このフレーズほど、初心者を魅惑する理屈は無い。
あるセミナーでこう言われたA氏だった。

A氏は、早速本を何冊か買ってきて、そこに書いてある方法で色々と検証を繰り返した。
すると、セミナーで言っていたRSIの安いところで買えば儲かることがわかったのだ。
俺はこれで天下を取れる。
そうA氏は感じ、明日が待ち遠しくなった。
これで嫌な仕事ともおさらばできるし、相場で大金を稼ぎ、やりたいことができる、とわくわくしてその晩はよく眠れなかった。
翌日、早速、自分のRSIを使ったシステムで売買をスタートした。
すると、検証では無かった負けがいきなり続く。
たまにはこういうこともあるのが相場なのだ、と変に達観していたA氏だったが、負けがあまりにも続くので、どう考えてもおかしいと運用を停止した。
商材などもお金がかかるが買ってみた。
そして、またせっせと「検証」に励み、ボリンジャーバンドという商材定番指標を使って次のシステムBを開発した。
しかし、そのシステムBにおいても、結果は散々だった。
検証したら儲かるのに、何故か実践すれば損ばかりとなる。
何故だ。
A氏は、頭を抱えた。
次に、商材に書いてあったこれも商材定番指標の平均足なるものを使えば魔法のように当たることがわかった。
しかし、またしても実践では負け続け。それもひどい負けになった。
RSIから、ボリンジャー、そして平均足、という単なる初心者黄金ルートを辿っただけなのであるが、A氏は「自分で考えた」と思っていた。
しかし、「検証して、儲かる方法が見つかったらトレードを開始しましょう。」この考え方に染まっているA氏はその後も、検証をしては負けるを繰り返すのであった。

A氏は、いつしか「やり方を探しては、ちょっとやってみるが、また負けた。またやり方を探す。そしてまた負ける。」ということを繰り返す普通の大衆投資家になっていた。
こうして、気がつけばA氏も10年選手になっていた。
もちろん、やり方を探してばかりしていたので、何も手に技術は身についてはいなかった。



「検証して、儲かる方法が見つかったらトレードを開始しましょう。」

投資セミナーなどでもよく聞かされるフレーズです。
初心者を魅了してやみませんので、このトラップにはまった人も多いと思います。
私の回りでも大勢います。
というより、ほとんど、と言ってもいいぐらいです。
特に、頭のいい人、理屈っぽい人はこの理屈に飛びつくことでしょう。

確かに、「儲かる方法がわからないのにめちゃくちゃにやることはナンセンスだ。」ということでもあるので、一見すると、理屈に合っていて、合理的考え方だ、と思えます。

しかし、ここで疑問点も湧いてきます。

初心者にそんなに簡単に儲かる方法が見つかるものだろうか。

もしそうだったら、何故10年、20年と相場をやっている人が、「いわゆる儲かる方法なるもの」を見つけられずにいるのだろうか。

しかし、「自分だけは特別だ」と思っているので、そんな「大衆」のことなど気にもしないのが初心者です。

実は、検証を繰り返せば、「検証上で儲かる方法」は、初心者でも簡単に見つかります。
ところが、その「大金持ちになれる儲かる方法」を実践でやればすぐに答えが出るのですが、負け続けます。
初心者は、この「検証すれば儲かる方法なのに、何故か実践すると負ける。」という矛盾に苦しむことになります。

この検証における問題は、答えを言ってしまうと、過剰最適化、いわゆるカーブフィッティングの罠、というものなのですが、初心者が検証をやる場合、ほとんどがこれにはまります。

簡単に言うと、過去の検証期間で、レンジが続いていれば、そのレンジにフィットするように、下げたら買い、上がったら売り、という方法を自然と作ります。
一方で、過去の検証期間が、トレンド相場なら、ブレイク、押し戻しのエントリーという方法を自然と考えます。
つまり、過去の値動きに「フィット」させてしまい、オーダーメードしてしまうのです。
ここでは、極端な例を出しましたが、長期でやればよい、とか、レンジもトレンドも含まれている、とか言っても、所詮は「過去の後知恵」ですから、実践では通用しないことはほとんどです。

前に、ある友人が「アップルの株で検証したのですが、ブレイクアウトが有効でした。アップルでも有効なのですね。」と喜び勇んで言ってきたので、「お前はアホか。」と答えたことがあります。
バカみたいにトレンドが続いている時に、ブレイクが有効なのは「アホでも、ハムスターでも」わかることです。
それを「後付けで」「後知恵」で検証して、有効かどうか、と考えること、その発想そのものが無駄なんです。

次がレンジか、トレンドか、どちらになるのかわかれば、検証などしなくても、簡単に勝つことができるのは当たり前です。
そのレンジかトレンドか、次はどちらになるのかわからないから、相場で苦労する、ということなのです。
ところが、過去はもう結果がわかっているものですから、それをどう検証すれば儲かる方法ができるのか、はちょっと検証した人ならすぐにわかります。

私を含めて、テクニカルをある程度わかっていて、過去に最適化するという意味を理解している人なら、チャートを見た瞬間に、何をどう使って、どのように売買すれば、今見えているチャートで利益を出せるのかは、数秒でわかります。
初心者なら、半月、1ヶ月かかって、検証してやっと出る答えが、数秒で出せるのです。
検証ということに何年も取り組んでいればそのぐらい誰でもできるようになります。
しかし、その答えなど、ただのゴミです。単なる後知恵だからです。

そもそも初心者の相場理解力をもって、ほんとにシステム的に儲かるやり方など、見つかる確率は万に一つぐらいでしょう。
無いとは言いません。しかし、初心者のその努力は、砂漠でダイヤの原石を探すようなものです。
テクニカル指標を適当に組み合わせて、相場が儲かるぐらいだったら、相場で損する人などどこにいるのでしょう。


また、「隠れたリスクを抱える」という方法で、検証すれば目先では実践で利益が出る仕組みを作ることは可能です。
株で言えば、乖離率を使って大きく突っ込んだところを買っていくという方法などがそれに該当します。
しかし、普段はそれでコツコツ稼げても、どこかでドカンを食らうリスクを抱えているわけです。
リーマン・ショックで大量の退場者を産みだした伝説の手法です。

人気のトラリピも同様のリスクを持つことになります。
いつかの時点で、夜が開けたら死んでいた、となります。

オプションで言えば、ショートストラングルです。
これも、普段は勝率100%か、と思えるほど稼げるのですが、実際には保険を売るような売買なので、どこかで事故が起こればパーになります。
リーマンショック、そして、311で大量の退場者がこれによって出ました。

これらは全て、検証では見えにくい隠れたリスクを負うことによってリターンを得る仕組みです。

隠れたリスクを抱える、というこれらの方法は、いわゆる「ロシアンルーレット」をやっているようなものです。

何度か撃ってみて「弾丸が入っていなかった」といっても「危険は無い」とはなりません。
そういうやり方をしていれば、いずれどこかで弾に当たるのは必然的なことなのです。

しかしながら、初心者にとって非常にわかりにくいのは、「どういうやり方が隠れたリスクを抱えているのか」ということでしょう。
いいと思っていたやり方、実際に儲けが出ている方法の裏に、隠れたリスクが存在する、ということは、相場の世界ではよくある話です。
実際に、リスクが現実化した時に、茫然自失になる、ということになりますが、普段は「隠れた」ですから、わからないことが多いのです。

こういった「隠れたリスク」を回避できれば、逆張りも、ドカンを喰らわないでいいわけですが、そんな都合のいい話があるのか、といえば、実はあります。

例えば、林先生は、「小豆の市場構造」を利用して、このドカンのリスク回避されておられました。
前にも書きましたが、林先生の本か、レポートで読んだのですが「小豆は市場の構造的にレンジを作る」と言っておられましたし、その構造も明確でした。
また、「商品と株の違いは、商品には自ずと限界があるが、株には無い。」ということを書いておられました。
「モノの値段は決してゼロにはならないが株はゼロになるリスクがある。また、モノの値段の上限には自ずと限界があるが、株には限界がない。」ということも書いておられます。
そういう「構造理解」、そして「大衆ポジションと商社などヘッジャー、仕手のポジション構造の理解、そしてファンダメンタルの理解」を前提にしてナンピンをする、ということですから、これは「隠れたリスクを回避する手段を講じている」と言えるでしょう。

ベテランならではの「徹底した市場構造の理解」という背景があっての技術ということです。

そういったマーケットの構造、ファンダメンタルの理解を抜きにして、ただ「ナンピン」という技術だけを議論することはどうなのだろう、私はそう思います。

これは、個別株の売買においても同じです。
わかる人にはわかるので詳しくは書きませんが、技術の話だけをすることはあまり意味がありません。
色んな前提があっての技術なのです。

話がちょっと脱線しました。


「検証」は投資家を魅了してやまないものですが、これが「後知恵」である、ということを十分理解して使わないと、迷宮に迷い込むことは確実です。
私は「検証」に対して、決してネガティブではありませんが、「使用上の注意」がものすごくあり、また、相当危険なものである、ということを十分に理解した人のみが使えるものだ、そう思っているのです。

そもそも運転をバックミラーだけでやろうという人がいないのと同じで、過去の検証だけで、未来を見通すことは難しいです。
そもそも、未来は未来であって、過去の延長線上にはありません。

それよりも、不確かな未来がどう動けば、自分はどう対処するのか、という出処進退の要領、値動きへの対処方法を実際の相場で経験を積んで腕として身につける方が意味あることだとは思いませんか。
それだったら、経験値が積み上がっていくことなので、時間さえかけて経験を積めば誰だって上手くなる可能性が高いのです。

特に、初心者が「バックミラー運転」に魅了されて、「検証地獄」に陥り、結果として、「手法探しの旅に出る」ということになる、という「初心者フルコース」の蟻地獄にハマる人があまりにも多いことから、オススメはできません。

相場をはじめて最初からこのトラップにハマると、「腕」「目利き」「胆力」「投資心理の理解」そして何より重要な「自己規律、自制心」といった「実際の値動きに対処する技」が磨かれることなく、無為に時間が経過してしまいます。
繰り返しますが、こういう技を磨くには、想像以上に時間がかかるものです。
(そもそも普通はこの時間に耐えられなくてやめていきます。安易に儲ける手段としてこの世界に足を踏み入れるのが普通ですからなおさらでしょう。)
だから、できるだけ早く着手しないといけないのです。

トレードは、職人さんの世界ですから、手法探しトラップにはまると、10年経っても、初心者同様、となる悲劇が待っているだけです。
こういう人がものすごく多いのにはびっくりしますが、本当に多いです。
相場歴10年、20年だというのに、相場について何も知らないし、何もできない、心も弱いまま、というナイナイ尽くしの投資家が如何に多いか、ということに本当に驚きます。
同じやるなら、一步づつでも前進できることをやりたいものです。

インテリほど頭でっかちで、「まずはやり方を理解して」という理屈にこだわる。小理屈を言う。
というより、頭で考えた小理屈の世界から抜け出せない。

そうではなく、「とりあえずやってみろ。そして体で覚えろ。」という一見すると、無謀、無駄で、理屈もへったくれもない、回り道に見える、という現場主義、職人の仕事の覚え方、が前に進める道であったりするのです。

それが遠回りのようでいて、実は近道なのです。

畳の上で1ヶ月間スキー技術について学ぶより、1日スキー場に行って滑ってみろ、ってことですよ。
そこでは、「こけてなんぼ」の世界なんです。
こけることを怖がっていたら、スキーなど上達しません。
それから、最初からモーグルできる人などいませんよ。それを最初から上村愛子しようとして、骨折するんです。
当たり前過ぎて話にもならないことで悩んでいる人が多いですが、常識で考えればいいだけのことです。
相場だけが特別なものではありません。


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儲かる方法が見つかったら・・続編

2014/05/29 Thu

ご質問がありました。

「期待リターンの見通しをつけることが必要ではないのか。」

というものです。
実に最もなご意見です。
文章から推察すると、この質問をされた方は、頭のいい方だとお見受けしました。

とてもいいヒントになる質問だと思いました。

そして、私の説明不足だと思いました。

まず、「検証してプラスにならないとやる意味がない」と思っておられるように読めました。
そのあたりについて、私の見解を述べさせていただきます。

それと、経験値 = 相場の分析力、値動きへの理解度、と考えられているように思います。
このあたりについても、私の見解を書きます。

以上の2点は、一般的理解だと思いますし、かなりの方がそう思っておられると思いますので、いいご指摘だったと思います。
しかし、少数派である私の意見とは真っ向から対立するものですから、論点として取り上げるのに、とてもいい題材だと思います。


ただし、コメントにお答えする前に、まず、私の書いていることは、相場を始めてから、3年以上程度、悪戦苦闘した人向けに書いていることなんです。
何故、こんなことを最初に書くか、というと、残念ながら、そういう悪戦苦闘の歴史を持っていないと、なかなか納得しずらいものだ、と思うからです。

初心者で実践経験が浅く「検証して勝てる方法が見つかる」と本気で思っている人に対しては、私は完全に無力なんです。
頭や理屈で考えたら、当然のことのように思えることが、実は相場界ではダメなことが多い、ということは身を削って経験しないとわからないことだからです。

そうは思っていたけれど、どれだけやってみてもダメだった。もう相場を諦めようと思っている、という人向けの記事だ、ということになります。

そういう人たち対して、「そういうアプローチだけではないよ、別の道があるよ」というのが前回の記事でした。



さて、まず、前回私が言いたかったことは、「過去の検証をしてはいけない」ということではありません。
「過去の検証だけで相場をやってはいけない」ということを書いています。
意味が全然違います。

自動車の運転で、当然バックミラーは必要です。
しかし、「バックミラーだけで運転してはいけない」ということです。

孫子曰く「彼を知り己を知れば百戦危うからず」ということですが、多くの人が陥りやすいのは、「相場の分析さえすれば利益が出せるようになる」と思っていることです。
検証だけでよいというのは、相手の分析だけすればよい、という意味と同じです。

特に手法地獄に陥る人の特徴は、「やり方の優位性だけがあればよい」と考えています。

確かに、「強烈な優位性のあるやり方」を手に入れることができれば、他のことなど適当でも利益を出すことは可能となります。

自軍の武器が圧倒的エッジを持っているとすれば、鍛えられていない兵士であっても戦いには勝てます。
米軍とイラク軍の武器の差のようなものです。
この場合、米軍が鍛えられていないという意味ではなく、米軍に武器において圧倒的優位性があった、ということを書いています。

ただ、「強烈な優位性のあるやり方」がそんじょそこらに落ちているのか、ということがそもそもの問題なのです。
ここで、99.99%の人が脱落します。

初心者が、米軍ほどのパワーをいきなり手に入れることが本当に可能なのか、ということを「客観的に」考えて欲しいのです。
世界中の投資家が、ベテランのプロトレーダーが、機関投資家が、特にヘッジファンドなど、みんながそれを24時間体制で、それこそ血眼になって探して、狙っていることです。

前にご紹介した「ルネッサンス テクノロジー」というヘッジファンドは、まさに相場界の米軍でしょう。
圧倒的優位性を持った投資戦略を駆使して、システムトレードを使って世界中のマーケットで荒稼ぎしています。
当然彼らが何をやっているのかはブラックボックス(極秘事項)です。
そこで働く人達は、数学者、暗号研究者、情報工学、などの分野の専門家であり、そういうエキスパートが大勢日夜研究に研究に研究を重ねて成果を出している、つまりは、高い分析力を駆使して独自のオリジナリティを持ったエッジを探し出せている、ということなのです。
あらゆるファクターを全数検索している、とも言われていますが、その実態は謎のままです。
彼らは、流動性の許す限りのポジションを取っていると考えられます。

私は、初心者が相場界に転がり込んで来て、「いきなり」同じことができるのか、ということを問うています。

私の経験上から、こんな厳しい道しかない、と思い込んでいる人が大勢いるわけです。

「やり方だけで勝とう」という考え方は、実は最も厳しい道である、ということをわかってもらいた、という思いなんです。

あくまで言いたいのは「だけ」ですよ。
やり方を否定しているわけではありません。

そして、それを求めるが故に、特に初心者の場合、「過剰最適化の罠」に陥るのが、一般的なのです。
結果「検証ヲタ道」」をたどることとなります。


検証ではなく(検証では誰だって利益を出せますので)、仮に実践で利益が出るシステムを開発したとします。
毎日1万円程度が儲かった、として、最初の目標はクリアでしょう。
その「利益の出るシステム」を持っているA氏は、1万円で満足するでしょうか。
絶対にしません。
儲かるのなら、どんどん掛け金をアップしていくことでしょう。
その儲かるシステムを持っているA氏は、日々の利益1万円から、10万円、そして100万円、・・・切りがありません。
それでも、儲かるのなら、1億円、10億円・・・そうです、流動性の許す限りポジションを取ることでしょう。
受けてくれる流動性さえ確保できれば、世界をわが物にすることとて可能です。
自分だったらどうですか。
ちょっとだけで我慢しますか。
増してや、みんなでそのシステムを使ったらどうなるでしょう。



さて、言いたいことは、先ほどの孫子の言葉にあるとおり、相手の分析とともに、自分を鍛えること、つまり、「敵の分析」と同じぐらい重要な「自分の能力向上」にも力を注げば、何とかなる可能性が見えてくる、ということです。

レースで言えば、「圧倒的なパワーのあるエンジン」を手に入れた、とします。
この場合、他のドライバーとくらべて圧倒的優位性を手にいれた、となります。
しかし、「圧倒的パワーのエンジンだけでレースに勝てるのか」となると、これは否です。
ここに「ドライバーのテクニック、訓練と経験が必要となる」となるのは当然でしょう。

そのドライバーの腕、という概念が、何故か、トレードでは完全に無視されているのです。
不思議じゃありませんか。
いいエンジンさえ手に入れることができれば、レースで勝てる、と思っている、思い込んでいる、という人ばかりなんです。

そして、エンジンを探してばかりしていては、運転技術は下手っぴーのまま、というのは当然でしょう。

エンジン探しもいいけど、練習して運転テクニックも磨きませんか、というのが私の意見なんです。

当たり前のことだと私は思っているのですが、こと相場界では少数意見となります。

そういえばエッジのことを「エンジン」と呼ぶこともあります。豆知識でした(笑)
「どういうエンジン使っているの?」というのは、何に優位性を求めているのか、という意味になります。




さて、ここで問題です。

はじめてレースに参加するノービスが手に入れることのできるエンジンとは、どんなエンジンか、と言えば、間違いなく「普通のエンジン」もしくは「普通以下のエンジン」でしょう。

高い商材を買ったとて、多くの投資本を読んだとて、そんな「一般に出回っているもの」など、

所詮は既成品、汎用品、流通品

なんですよ。

所詮は、本で書いてある方法とか、商材で書いてあるやり方とかをパクろうとしているのだ、ということを理解しなくてはいけません。

所詮は、パクリ、パチリの世界なんです。

そんなものは、誰でもが知っている「一般的エンジン」なんです。

活字にされたり、ブログ、商材に書かれている時点で、それはもう

汎用部品

なのだ、ってことをわからないといけません。

活字にされなかった過去はスペシャルなエンジンであっても、ひとたび活字にされた時点で、もうそれは汎用品に格下げなんです。
タートルの戦略などがいい例でしょう。

活字になっているのですから、自分だけがそれを読んでいるのではない、という当たり前のことに気がつかないといけません。

そもそも優位性とは、相手が知らないから優位性なのです。

汎用品を使った時点で、もうそこには、そもそも強い優位性、つまり他の投資家と強く差別化できるパワーなど最初からないのです。
なぜなら、もうみんなそれを知っていることだからです。
だから、そこに答えを求める方がおかしいです。どうかしています。
ネット上や商材などから何とか素晴らしいスペシャルエンジンをと日夜探しまわっている方も多いですが、その行為自体が、論理的に破綻しているのだ、ということにどこかで気づくべきなんです。



となると、次の作戦としては、2つの道があります。

①自分でスペシャルなエンジンを開発する

②練習してドライビングテクニックを向上させる


レース考えたら、普通は②を選ぶと思います。
ところが、相場界の常識は、パクリも含めて①の道を選択することなんです。

この②の道もあるよ、ということを言いたいだけなんです。

敢えて①の道を選んでもいいのですが、それは思ったよりも厳しいですよ、ということです。
①しか無いのではなく、②もあるけど、練習すればある意味「誰だってそこそこまでは上手くなるよ」そう言いたいだけなんです。

①の道は、どこかにいいエンジンがあるのを探す、という段階から、自分でいいエンジンを作る、という段階にバージョンアップですが、果たしてその努力は報われるでしょうか。
独自のエンジン開発には、ものすごい能力、知識が必要となります。
ボリンジャーと平均足、乖離率でちょいちょい、とは行かないでしょう。

繰り返しますが、検証でならいくらでも利益の出るシステムなど簡単に作れます。
しかし、未来はその延長線上に無いことが多いのです。
もしくは、潜在的なリスクを引き受けているから利益が出ているのか、どちらかのケースがほとんどです。


米軍の話に戻すと、巡航ミサイルなどは、そこらでは売っていません。
途上国が軍備を強化しようと思っても、買えるのは「汎用品の兵器」だけなんです。
そうなると、兵器の差で勝つことは困難になります。
じゃあ、自国で開発するか、といっても、途上国のノウハウではそれも無理でしょう。




そういえば、前にも書きましたが、友人のシステム屋さんが「裁量トレードとて結局はアルゴリズムなのだから、全てシステム化できるはずだ。」と言いました。
そこで、私がやっていることをいくつか詳細に教えて、検証してもらいました。

すると、

ほとんど、トントンか、手数料負けにしかならなかったのです。
毒にも薬にもならない、ってやつです。
中には結構な負けを喫したものもありました。
プラスになったのはほとんど皆無でした。


じゃあ、この「検証」をもってして、私のやっていることは全て無駄で、ダメなことをやっているのか、となるでしょうか。

検証して勝てないのなら、やる意味がない、となるでしょうか。


もし、検証で勝てなければやる意味が無い、というのであれば、私は今だに「サラリーマン」として、次の手法を探す旅に出ていたと思います。

この考え方だと、おそらく、私は一生サラリーマンで終わる可能性が高い、と申し上げておきましょう。

検証して勝てなければ、相場で勝てないのだ

という理屈が正しいのなら、私の知っている回りの裁量系のプロトレーダー全員が、明日から転職することになります。

これは私に限らず、私の知る範囲の裁量でやっているプロトレーダーのやっていること、ほとんどは検証してプラスになどなりませんよ。

もちろん、エントリー、エクジット(利食い、損切り)、環境認識までルール化してもダメです。
プロがやる検証ですから、スプレッドまで考慮し、板情報までチェックした完全版です。
チャートをちょこちょこやって、ココで買ってここで売ってというしょぼい検証ではありません。
しかも、実践となると、そこから「自己インパクト」を考慮に入れる必要がありますから、基本的には更にパフォーマンスは悪化します。

また、私がある友人に教えたやり方でその友人は稼いでいる、ということを野川氏と食事している時に話しました。
すると、野川氏から、「そのやり方ならいくら検証してもマイナスにしかならない。」と言われました。
しかし、現実として、私の友人は、それで生活しているのです。




そもそも、検証してプラスになるのなら、システム化すればいいだけじゃないですか。

何で、朝早く起きて、モーサテ見て、目を血走らせながらDHCのブルーベリーとルテイン飲んで、JINSのPCのメガネで必死で目を守ってモニターを見続けて、クリックしすぎて腱鞘炎になって、おしっこ行きたいのにポジション持っているから我慢して膀胱炎になる必要などあるのでしょうか(ちと興奮気味)

検証して勝てるのなら、アホらしくて裁量などやってられませんよ。

検証で儲かるのなら、私は今頃ハワイかどこかのリゾートで、のんびりラリー・ウイリアムズさんのようにトレードしています。


さて、自分のトレードについては、実は、私は既にこの「検証しても儲からない」という結果を検証前からわかっていました。
機械的にやって勝てるはずがない、ということはとっくにわかっていたのです。
そりゃ、何年もやっているのだからわかりますよ。
伊達や酔狂でこの道で何年も飯食ってはいませんから(笑)
こんなことは、当たり前のことなんです。

自分のやっていることは、検証しても、絶対にプラスにはならない、と明確にわかっていたのです。

だからこそよいのです。検証してプラスにできないことをやっているからこそ、私の裁量トレードは今後も有効なのです。

何をバカなこと言ってんだ、と感じられたかもしれませんが、なぜなら、検証してプラスになるようなことをやっていたら、いずれ誰かが気がついて、システム化されてしまって、そこで大資本が入ってきて、エッジなど綺麗さっぱり無くなってしまいますよ。

検証して、プラスにならないからこそ、裁量で今後も永くやっていけるのです。

検証しても勝てないということだからこそ、他人には真似できない職人技という強烈なエッジが生きているという証明にもなっているんです。

全くの逆なのですよ、考えていることが。



結局、検証でわかること、というのは、築地で言えば「築地で仕入れたマグロは概ね上手い」ということだけなんです。
しかし、どこの店に今日はいい大間産が入ったであるとか、今日は入ったものは油の乗りがよいから上手い、であるとか、今日はマグロより、カツオのイイのが入っている、であるとか、そんなこと、検証の知ったことじゃない、ってことです。

腕のいい寿司職人なら、当たり前のこと、仕入れに命を賭けるのは当たり前のこと。
その目利きができるかできないか、によって勝負が決まるわけです。
機械的に魚を仕入れても、一流の寿司屋などにはなりませんよ。
回転寿司屋止まりです。

また、技術面ばかりを気にして、三枚のおろし方、包丁さばき、シャリの握り方、そんなことばかりに気を取られていては、ダメだってことです。
肝心のネタの目利きができなければどうしようもありません。



パクリが悪いとは言いません。どこから始めていいのか、見当がつかない、というのが初心者でしょうから、最初は何かのパクリからスタートするのは仕方がないと思います。

「自分が相場初心者の頃を思い起こしてみると、何を頼りに相場を張ったら良いのかさっぱりわからず、切実に何かよりどころになるようなものを欲しておりましたですね。」

こういうコメントを頂いていますが、私とてそうでした。
とても初心者のころの本音が書いてあって、そうだよなあ、と変に納得しました。
何から見ればいいのか、何から手をつければいいのか、わからないのです。
そして、とりあえず「具体的やり方」からスタートする、となります。

しかし、パクリ専門ではお先が知れています。
ましてや、パチったやり方だけで勝とうということ事態、どうなんでしょう。
本当にそれで勝てるなら、そもそも人に言うでしょうか。これは常識的ものの考え方じゃないですか。



相場で実践的に練習する、繰り返す、ということを、「勝てる手法を探す」という意味に誤解されている人も多いと思います。

練習する、経験値を積む = 技術的な側面のみ、勝てる手法探し

と理解されていると、私の言いたいこととは噛み合いません。
というより、おそらくそれ以外の要素に目が行かないのが始めたころではあるので、これは仕方がありません。

確かに「技術面の向上」という意味も含まれますが、それ以外の要素がものすごく大きいのです。

「腕」「目利き」「胆力」「投資心理の理解」「自己規律、自制心」

あまりピント来られていない気がします。



そもそも、裁量トレードにおける相場の腕というのは、「値動きの研究」だけではありません。

①値動きの理解

②その値動きへの具体的対処技術

③自己規律など心理面の克服


を総合したものです。
値動き研究というのは、その一部なんです。
この総合力を持ってこその腕というものですので、単に検証で何とかなるものではないと思います。


ボトルネックになってくるのは、結局、「心の問題」なのです。
最後まで克服できずに、グタグタになるのがここです。
これを克服できなければ、トータルでプラスにすることはものすごく難しいと私は思います。
そして、この心の問題の克服こそ、最も時間のかかることなのです。



この記事、検証やシステムトレードを攻撃しているようなイメージがあって、ちょっと公開するのを躊躇しました。
また書き足りないところや強調しすぎたことによる言い過ぎがあれば、予め謝っておきます。

システムトレードの成功者も実際にいます。
ラリーもそうですし、ルネッサンスもそうです。
友人にもいます。
私とて取り組んでいます。
野川氏もやっておられます。
ですので、システムトレード自体を否定する気は毛頭ありません。
というか、いいシステムを持っている人は本当に羨ましい限りです。
ただ、そちらを目指すのであれば、裁量トレードとは違う道ですので、より別の面で専門的に頑張らないといけませんし、裁量とは違った厳しさが待っています。

システムで儲かっている、というのであれば、本当にいいことです。ガンガン儲けてください、と言うしかありません。
私のような裁量トレーダーのグタグタ話に付き合う必要などそもそも何もありません。

しかし、そうではない人が、「検証して儲からなければやる意味が無いのか」という思い込みに対しては、それは違う、ということをここで強く言っているだけです。
それを強調したいあまりにこの記事を書いたので、結果としてシステムや検証を否定している、と取られることは心外です。

もちろん、検証して上手く行き、実践でもその通りの利益が出るのならば、それは本当に素晴らしいことですよ。
ガンガンやられてください。何も言うことはありません。決して否定しませんので(笑)
システムで本当に利益が出ているのなら、それは本当にいいことですよ。素晴らしいことです。

ただ、なかなかそうは行かない、簡単じゃないと申し上げているだけです。
システムで成功している人を知っていますが、それはそれはその道で苦労されています。
そして、私など足元にも及ばないほどの専門知識を持っておられます。
システムだから簡単だ、とは行かないのじゃないでしょうか。


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プロフィール

あらなみ

Author:あらなみ
職業:個別株投機家・専業デイトレーダー

Twitter: @aranami718

旧ブログ:
あらなみの相場技術研究所別館

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