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最近の相場環境など

2015/09/02 Wed

更新してないけどどうしていたの、と言われましたので、無理やり更新します(笑)
8月は、夏休みもあって更新サボりまくりでした。

今は乱高下していますので、私の仕事を知っている人みんなから、話をすると「この大変な時に・・・」という前置きを言われます(笑)

がが、しかし・・・実は結構暇にしています。理由は後ほど・・・

まあ、営業目的でもないので、気まぐれになりますが、できるだけちょこちょこ更新します。
日々の感想などは、こちらのツイッターで書いたりしていますから、よろしければ見てください。



■5頭の鯨

ボラが激しくなってから、寄り付き近辺で、不可解な値動きが目立つようになってきていることをずっと感じていました。
値動きがどう考えても不自然なんです。
値動きがあまりに不自然なので、寄り付きでは、なかなか上手く乗ることができずにいました。
最初、この原因は、時折ある大きなヘッジファンドのりバランスか何かなのか、と思っていたのですが、毎日続くので、どうもおかしいおかしいと思っていたら、どうやら「鯨」が原因だったようです。

今、株式市場で、鯨と言えば、5頭いる、ということが言われています。
GPIF、共済年金、かんぽ生命、ゆうちょ銀行、そして日本銀行です。
合わせた資産規模は、455兆円。買い余力は28兆円と言われていますから、凄いインパクトです。
ただでさえ寄り付き近辺は、アルゴが逃げているので、ペラペラの板しかありませんから、不自然さが増幅されています。

そう言えば、昔、PKOなる官制相場がありましたが、あの時もひどかったです。
相場には、動くべきポイント、こうあるべき動きという自然な動きが存在しますが、それを覆して、おかしな値動きを演出するのです。

今後も、突っ込んだ場面あたりで、鯨が動くことが想定できるので、それを前提にしないとダメだということが見えました。
彼らがどう動くのかは、これまでの経験から概ねわかっているので、利用する側に回るように修正しないといけません。
このあたりも、臨機応変に対応しないといけないので、本当に、「相場は生き物だ」と思いますね。

ただ、思うのは、いくら買い支えたとしても、リスクオフは、日本の問題ではなく、世界中の問題なので、逃げるための受け皿にされるだけだと思いますよ。
そうなれば、貴重な年金資金とか、毀損させるだけだと思うのですが、どうなんでしょう。
下げるべきところは、支えないで売り切らせないといけないと思うのですがね。
ここは、中国じゃないんだから、官製相場など御免こうむりたいです。




■今の環境認識など

がっつり相場観を持って、勝負した人の中には、相当儲けた人もいるようですし、逆に、大きな損失を出した人も多いようです。
それぞれ悲喜こもごもな昨今です。

私は、というと、鯨のおかげもあって、視界不良に陥っていますから、どちらかというと、今回は、高みの見物に近い状態です。

落ちるはずのところが落ちない、突如としておかしな上げが来る、といった感じで、とにかく凄いやりにくいです。

また、インデックスで振り回すので、全部の株が日経やTOPIXにガッツリ連動しています。
こういう時は、個別株をきちんとやっても、結局は、「先物次第なんでしょ!!」という動きに終始しますから、これもまたものすごくやりにくい原因となっています。
せっかくいい動きになってきたのに、というところで、先物とTOPIXが足を引っ張る・・・何度繰り返されたことか。
そこへさらに鯨が邪魔をする。
これだったら、素直に先物か、レバETFでもやったほうがマシか、とも感じます。

個別株をやる意味、というのは、そもそも、それぞれの株の個性を取る、ということでもありますから、全員が「右向け右、左向け左」をする今の状態は実にやりにくいです。

ということで、乱高下は、当然チャンスなわけですが、今回はちょっと微妙です。

見えればやるけど、今回のように見えなければ無理をしない、というスタンスを守って、普段程度にしか儲からなくても、無傷で逃げている、というのが実感といったところでしょう。

リーマン・ショック時と比較すると、ストン・ストンと落ちていって、売れば儲かるという感じだったリーマン時と比べて、買うにしても、売るにしても、すぐに戻るので、やりにくくて仕方がありません。

市場参加者が大きく変化したことと、鯨が介入していることから、すっぽ抜けするようないい動きがなかなか取れない感じです。

売って利益が出ても、粘っているとすっと戻られてしまう、というような動きになります。

このあたりの対処法を修正できないままに、ここまで来たというのが実感でしょう。

この高ボラ相場がいつまで続くかわかりませんが、今頃、やっと見えてきた感じです。

まあ、見えてきたところで、市場特性はまた変化するのが習わしですから、修正したとて今後もそうなるとは限りませんが(笑)

修正した途端にまた変化するんだよなあ。


しかし、鯨が池を泳ぎまわっている現状では、まだしばらくはこの状態が続くと考えたほうが合理的でしょう。

凄いバイイングパワーを持った鯨が、下で口を開けて待っている、ということは忘れてはいけないようです。

ただ、今は、無理をせず、さっさとトレードを終わって、昼から遊びに行くとか、高みの見物スタンスを持ちながら、対処しようとは思っています。

単純にここから戻る、とか、さらに下げる、ということは、中国の事情やアメリカの引き締めの影響次第ですから、何とも言えません。

相場は、チャートで動くのではなく、ファンダメンタルの変化を受けて動くのですから、当然のことです。

ファンダメンタル次第では、ここから日経平均が1000円安を連発するとか、逆に暴騰するとか、まだどちらも可能性はあるので、両睨みのスタンスに変わりは無いでしょう。

どちらかだと思い込んで、入れ込むと傷を受ける可能性が上がりますから、私の場合は、

いらん相場観を持たない

というスタンスでこれからも行こうと思います。


攻めなければ、勝ちも無いけど、負けもない



最初に、「この大変な時期に・・・」と言われると書きましたが、

何もしなければ、全然大変じゃないですから!!

ただの暇人ですから!!

ってことですよ(笑)




ほとんどが負けている今のような時期に、「単に何もしないから負けていない。」というだけで、上位10%なんです。

そして、

みんなが勝っている時に、一緒に勝つ。

みんなが負けている時には、逃げ出して何もしない。


それだけで、勝ち組なんです。

相場で勝つって、実はそういうものなんですよ。

いつもいつも勝たないといけない、なんてアホな幻想に過ぎません。

相場で勝つコツなんて、こんなところにあるんです。


乱高下している時に、「何かをしなければいけない。」なんて思わないことです。

無傷で逃げられたことだけで、十分ですよ。

ほとんどの投資家がボロボロなんですから。



勝てなくてもいいので、とにかく負けない。

こんなところで死んでたまるか!!

って感じで、傷を負わない、というスタンスで行きます。

よく見えない状態で何となく突っ込んで、負けるほどしょうもない負け方はありません。

動きがいいからと闇雲に振り回しても、消耗するだけですよ。

無鉄砲に攻めて、返り討ちに合うぐらいなら、やらないほうがいいと考えます。
それだったら、美味しいものを食べて、遊んだほうがどれほどマシかわかりません。
相場でちょっと負けたぐらいのもので、どれほど美味いものが食べれるか、と思いますよ。

私は、相場が見えていて、勝算がある時しかやりませんから、逃げるのも仕方がないでしょう。

やらない、逃げる、というのも立派な相場、です。


個人投資家の最大のメリットは、やらなくても誰にも怒られない、ということなんです。


・・・ちょっと違った。嫁からは、「暇そうやな」と嫌味言われるけど(笑)



孫子曰く、

算多きは勝ち、算少なきは勝たず。いわんや算無きに於てをや。

(勝算が多ければ勝ち、勝算が少なければ勝てない。まして、勝算が無ければ、話にならない。)



せっかく得意の高ボラ相場なのに、もったいない、と思いつつ・・・


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環境認識・・・事実と予想

2016/01/20 Wed

年初から、リスクオフの展開が続いています。

こういう動きだと、よく「どうなるのか」を聞かれますので、どう認識しているのか、概況をどう見るのか、というポイントだけ整理しておきたいと思います。

まず、日足から。

2015-11-159.jpg

これを見て、まずテクニカルな環境はどうかを認識しておきましょう。

今は、下げ相場です(笑)

上げ相場であるとか、保ち合いだ、と思っている人はおられるでしょうか。

現状を認識する

とは、今はどういう局面にあるのかを事実分析する、という作業です。

これは、客観的であるべきものです。

何故こんな当たり前のことを書くのか、というと、この「事実を確認する」ということをせずに、事実と予想をまぜこぜにしているケースが非常に多いからなんです。

事実は、下げ相場です。

そして、

こんなに下げたのだから、そろそろ反転するかもしれない


と読むか、

こんなに勢いがついて下げているから、もっと下げる


と読むのか。

これは、事実ではなく、個人個人の勝手な思惑、予想、シナリオ、です。

そもそも、事実を見ないで、勝手な予想ばかりをしている人がすごく多いんじゃないかと思いますが、まず「事実」はどうなのか、ここをしっかりと見ないとダメです。

では、月足を見てみましょう。

2015-11-160.jpg

ここでは、天井を打って下げ始めとも見えるし、押し目とも見える。

3年にわたって上げてきた相場がようやく終焉をむかえたのか、それとも、単なる目先の押し目なのか。

という値動きの状況です。


とにかく、

客観的であるべき現状分析と、主観的である予測とか渾然一体になってしまってはよくありません。

ここをはっきりと分けて考える癖をつけるべきだと私は思っています。

今は事実認識なのか、それとも、主観である予測、シナリオをしているのか。

という分類です。



では、ファンダメンタルから見た環境認識はどうでしょう。

目先的には、中国の問題であるとか、石油価格とか言われていますが、私は、12月の記事で書いたとおりですが、QEによって、大きな流れがリスクオフに傾いた、と見ています。

専門で稼ぐということ

マクロ環境認識は、最も重要な金融政策によって大きく左右されますから、それをベースに考えれば、FRBのQEの終了という来るべき事態がついにやってきたのが昨年だったので、遅かれ早かれの動きになった、ということが言えます。

ドルは腐っても基軸通貨ですから、FRBは軟着陸させるつもりだったQEの終了ですが、やはりというべきか、リスクオフの展開に突入したようです。
そもそもは、アベノミクスで上げたというより、世界的に出遅れだった日本株がアベノミクスで一気に追いついた状況でした。
それが、また出遅れ気味に下げているわけですが、永遠に上げ続ける相場などどこにも存在しないのですから、マクロ環境が曲がり角にさしかかった今、どこかで起こるべくして起こった動きでしょう。

事実認識としては、QEが終わり、中国景気が曲がり角になっている、ということです。

しかも、これは、今さら言われていることではなく、昨年からずっと言われている「事実」です。

この事実をどう見ていたのか、どうリスク認識していたかがポイントでしょう。

NYダウは、そもそも3回のQEとリンクしながら上げてきていることがわかっているので、ここからが正念場になることは間違いありません。

参考にQEと相場の相関を書いてくれているところをリンクしておきました。

アメリカQE(量的金融緩和)が終了すると、株・為替はどうなる?

QE1、QE2、終了と共に、10%以上の垂直下落が待っていました。

そして、

下落から、数ヶ月は低迷していることがわかります。

これ、結構重要です。

そして今回のQE3終了、ということになります。

QE1、QE2に比べても、大規模なものが終了した、という事実です。


過去2回のQE終了時には、15%~20%の大きな下落が起こり、その後数ヶ月相場は低迷した

これが客観的事実です。

では、今回はどうなるのか。

過去と同じように数ヶ月低迷するのか、それとも今回は違ってあっさり戻るのか、それともさらに大きな下げになるのか。


これは、主観的な相場観であり、シナリオです。

ただし、可能性としては、テクニカル分析よりも、過去との相関は高いと私は思っています。

それとて主観の問題になるわけですが、少なくともそういう可能性は低くないと見るべきだと思います。

今回は、QEの終了に加えて、新興国、特に中国の変調、そしてそこからの石油の下落が止まらず、という環境にあります。

そうした中ですから、マクロ環境は未だによくありませんので、大きな政策変更がない限り、簡単に相場が上向くというキッカケは今のところありません。

少なくとも、過去のQE終了時の経験則からは少なくとも数ヶ月間は低迷が続いている、ということが言えます。

この時間軸もかなり重要です。

一度大きく割れた相場は簡単には反転しない、ということを意味しているからです。

こういうことがマクロ環境分析です。


私は、次を考えるにあたっては、このファンダメンタルを主に考えながら、テクニカルを事実確認の補助として使っています。

これは、因果関係から考えれば当然だと思っています。


誰だって相場観は持ちます。
しかし、同じ相場観を持つのなら、「こんだけ下げたらそろそろ買いだろう」というような単純なものではなく、もっと根拠あるものを持つべきだろうと思うのです。




さて、一方で、永遠に下げ続ける相場もないわけですから、どこかで相場は反転します。

じゃあ、その反転はどこなのか。

よく聞かれますが、わかるわけありません(笑)


何故わからないのか。

その理由は、実ははっきりとしています。

何故、相場の先が読めないのか。

例えば、FRBが大きな金融政策の転換をしたらどうなるのか。

相場環境によっては、FRBは大きく政策を変更する可能性は否定できません。

日銀やECBがさらに大規模緩和に踏み切ったらどうなるのか。


中国や政情不安な中東で何かが起きればどうなるのか。

それによって、相場は動くという根本的な因果関係があるわけです。


これを逆に言うと、環境が激変するような金融政策、天変地異などが読めない限り、相場の先行きなど、因果関係から考えて、読めるはずがないんです。

こういう因果関係からして、相場の先が読めるということは、政策や天変地異も読める、と言っているのと同じなんです。

ここを理解していれば、値動きだけを見て、そろそろとか、まだ、とか、そんなことが如何にナンセンスな一人よがりの思いかがわかります。

結果的には、どこかで反転するわけですが、チャートだけを見てそれがわかると思っていることがナンセンスです。

チャートで何もかもがわかると思っているから、テクニカル分析でそれを探ろうと必死でパターンを探そう探そうとしてしまう無駄な努力に心血を注ぐ結果になってしまうのです。
やっていることは、中世の錬金術と同じです。


311の時に、「あの時買っていれば底で買えたのに。」

あそこで買った人は「やはりあれだけ下げれば買いだった。」

と言っているかもしれません。

しかし、あそこで反転したのは、福島事故があれで収まったから、なんです。

あれだけ下げた理由もそこが見えなかったからですし、反転した理由もまたそこにあるんです。

そういう因果関係なのだから、チャートが大きく下げたから、ということなど、ただの結果論でしかありません。


テクニカルで相場が読める、やり方がある、パターンで相場がわかる、と思っている人は、ここのところの根本的な因果関係、つまり「何故相場は動くのか」ということが見えていないのじゃないか、と思います。



じゃあ、今回はどうなのか。

こんなに下げたから買いなのか。

また、どこかで反転したら、結果論で、「あそこだったよなあ」という人が出るのでしょうけど、それは「馬が光っていたからあの馬はやっぱり走った」という競馬ファンと同じです。

わかるわけがないことをわかろうとして、そのわからないものを根拠に相場をやるからおかしなことになるんです。

わからないものは、素直にわからないものという前提で、やっていくしかやりようがありません。

わかると思っているから、意地にもなる。向かいたくもなる。


相場でわかっていることは、どこかで流れが出る、トレンドが出るということだけです。

生き残りたければ、その流れに棹ささず、乗って行くことしかない、そう思います。




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相場観を持つのなら

2016/03/26 Sat

ブログ更新してないけど、って人から言われて気がつくぐらい、また、長々とブログをサボってしまいました。
アフィリでガンガン稼いでいるものでもないので、ついつい放置してしまって・・・
気持ちのうえでは、週に1回ぐらいはと思ってるんですが、テーマが見つからないとついブログから遠のいてしまいますね。



さて、昨日頂いたコメントで、次のようなことが書いてありました。

「トレーダーは、あらなみさんがおっしゃる通り、ごくまれな天才以外、皆同じような失敗の過程をたどって少しずつ成長していくのだと最近考えるようになりました。」

まさしくそうなのですよ。

ジェシー・リバモアが次のようなことを言っています。

金を失わないためには何をすべきでないかが分かった時、相場で勝つのに何をすべきかということが、ようやくわかり始めるのだ。


素晴らしい名言だと思います。

つまり、多くの失敗を乗り越えた者にしか、勝つためには何をすればいいのか、見えないのだ、ってことなんです。

みんな「どうやって勝てばいいのか?」ばかりに目が行っているから、宝物である失敗の歴史を消し去ってしまってるんです。

しかし、「失敗のパターン化」こそが、勝利への道を開くカギになるんです。

というのは、

勝つ方法のパターン化は困難であっても、失敗のパターン化は比較的楽にできる

からなんです。

繰り返し繰り返し、同じ失敗ばかりしている自分に早く気がつくべきなんです。

そして、失敗を消せば、残るのは、何でしょう(笑)

簡単な理屈ですよ。

敵は、外のあるのではなく、内にこそあるのだ

ってことです。

相場の分析ばかりしていて、相場に勝てない人の多くは、自分のことを全く理解しようともしない人が多いんです。

でも、相場を読むことは難しくても、自分がやらかした失敗は簡単にパターン化できるんです。

ここに気がつくか、気がつかないか、です。

まあ、この話も、当てりゃあいいんだろ、っていう「相場当てもの論」を持っている人にとっては、馬の耳に念仏なんですがね(笑)

私のブログは、コメントで書いて頂いているとおり、私の失敗の歴史なんですよね。


結局、相場で勝てるようになった人の多くは、こういった失敗を積み重ねて、乗り越えた中で、己を知り、そして、何をしてはいけないのか、ということを理解できた人だと思うのです。



ところで、リバモア本は読まれましたか。

欲望と幻想の市場―伝説の投機王リバモア

是非読んで見てください。素晴らしい本です。私の本は、ラインマーカーだらけですよ。

相場の本質を知ること、そして、己を知ること、という意味で、これほど素晴らしい本は他にありません。

こちらの別館でも紹介していましたので、興味ある方はご覧ください。




■相場観

今年に入ってから、「そろそろ買いだと思うんだけど・・」という話を何度も聞かれるようになりました。

1月後半当たりからずっと聞いていますので、耳にタコができそうです(笑)

その全ての人は、以下のチャートを見た値頃感から言っているものなんです。

2016-03-40.jpg

つまり、こんなに下げたのだから、そろそろ底じゃないか、という値頃感です。

今は、突っ込んでちょっと戻ったところで、小康状態を保っている局面です。



みんなそれぞれに相場観を持つのは仕方がないことなのですが、林先生や立花さんは、次のように言われています。

日足とは、傾向を見るものであって、相場観や値頃感を持つべきものではない

私もそう思っています。

日足は、あくまでも、値動きの傾向、すなわちトレンドを見るべきものであって、こんなに下げたからそろそろ底だろう、という相場観を持ってはいけない、と思っています。

何故なら、近視眼的すぎるからなんです。



では、何を持って、相場観を持つべきなのか。

2016-03-41.jpg

年足です。

こんなチャート見たことも聞いたことも無いかもしれませんが、これが過去の値動きなんです。

これを見て、「今は下げ過ぎだからそろそろ底だろう。」とか思いますか(笑)

1990年のバブル崩壊以降のTOPIXの動きは実に規則的で、3年上げて3年下げる、というパターンを繰り返しています。

特に、3年下げるというルールは、今のところほぼ完璧に機能しているようにも見えます。

こう見ると、アベノミクスがあったから上げたのだ、アベノミクスは正しかったのだ、という説すら怪しく感じますね。

過去だって、アベノミクスが無くても、同じように動いていたのですからね。



こういう値頃によるものよりも、重要な変化が着実に起きています。

ファンダメンタルを見ておられる方はもうわかっていると思いますが、多くの企業が下方修正に出ていますよ。

日銀とかは、企業業績は悪くない、と繰り返していますが、ミクロでは、下方修正が増えてきており、悪化していることがわかります。

日本だけではなく、中国を中心として景気が悪化しているのだから、仕方がないんです。

4月末に決算発表シーズンが到来しますが、今回はかなり厳しい数字が予想できます。

この時、相場も厳しい状況に追い込まれるかもしれません。

相場の基本は、チャートではなく、ファンダメンタルなのです。

当たり前過ぎる話です。

私は、値頃感ではあまり相場観は持ちませんが、ファンダは意識しますので、ここから相場が上にどんどん上げるようなイメージは持っていません。

こういう相場観を持っているので、私は、「そろそろ買いか」と聞かれたら、

「焦らない、焦らない」


と一休さんのような答えを繰り返しているのですよ(笑)



焦り、という意味で言うと、1~2ヶ月ちょっと下げたぐらいのことで、簡単に反転するほど、下げ相場は甘くありませんよ。

2016-03-45.jpg

年足ではわかりませんので、1990年バブル崩壊時のTOPIXを月足で見てみましょう。

先に出した年足では大陰線ですが、月足では4月から5月にかけて大きく戻していることがわかります。
ちなみに、私は、89年後半に売り逃げて初動を無傷でかわしたのですが、この5月に大きく買って出て、その後、フセインのイラク進行からの下げで壊滅的打撃を受けましたので、よくこの時のことは覚えているんですよ(笑)
日経平均は、毎日1000円単位で下げるという状況下で、血の気が引いた経験をしました。

下げ過ぎとか、上げすぎとかいうのは、年単位で俯瞰しないと意味などない、ということだったのです。

本格的反転は、実に3年後の93年だったのです。




ついでに、次のグラフも興味深いものなのでご紹介しておきます。

2016-03-44.jpg

見てのとおりですが、日本の生産年齢人口は、1990年にピークアウトして、その後一貫して減少傾向を辿っています。

1990年にピークアウトって・・・これは偶然の一致でしょうか。

実は、人類の過去の歴史を振り返って、人口が減少しながら、国力を拡大した国家は存在しません。

人口と国力は比例するものです。これは理屈上から考えても妥当な相関です。

今後、生産年齢人口が激減していくことが見込める国の国力が伸びていくことはほとんど期待できません。

ただし、前にも書いたように、これは地球環境にとっては非常に正しい選択肢であり、また、国民一人一人の幸福とは全く違います。

北欧諸国のGNPが伸びないからといって、国民が不遇の日々をおくっているかといえば、まるで違うってことです。





ついでのついでですが、こちらも見ておきましょう。

2016-03-42.jpg

恐ろしいチャートに見えませんか。

値頃感的に恐ろしく高い、そして、時々出る

ドッカァーーン!!

という陰線が気になりませんか?

私はすごく気になります(笑)

FRBが何故今、QEを終了し、金利を引き上げようとしているのか、理解できない人も多いかと思いますが、これを見れば一目瞭然ではないでしょうか。

景気が悪いとか、世界経済がグダグダだとか言いますが、アメリカにおいては、資産バブルが着実に進行していることは明らかなんです。

これを放置しておけば、過去にあったような「ドカン!!」が来ることをFRBは読んでいて、

日本のバブル崩壊のような失敗を起こさないように、予防措置をかけよう

としているわけです。

しかし、ジョージ・ソロスやジム・ロジャーズ他、多くの著名投資家は、このFRBの判断は、もう遅きに失したと判断し、崩壊の危険な兆候が出ている、と警告しています。

彼らの視点は、高いですから、こういう長期的観点からの指摘だと思います。

私自身、このNYダウの年足を見れば、よくここまで緩和状態を放置したものだ、と感心してしまいます。

このままソフトランディングできるとは到底思えない水準に来ていると感じます。

そもそもバブルとは、その国のファンダメンタルが伴わない資産価値の急激な上昇を意味します。

NYダウが上げまくっているリーマン・ショックの2008年以降で、そんなにアメリカが成長したとはとても思えません。

資産価値だけが急激に膨張していることは、非常に危険な兆候だと感じずにはおれません。

バブルがいけないのは、その反動として、日本のような崩壊状況を必ず引き起こし、場合によっては、恐慌を起こすという副作用があるからです。

これも過去の歴史上例外がありません。

このNYのダムが決壊した時、日本だけが例外で残れる道は100%無いでしょう。

いつ起きるのか、何がキッカケになるのかはわかりません。

しかし、中国の状況も未だに不安定ですし、不良債権は未だに放置され、隠されており、大変なことになっている様子です。



これらご紹介したことは、全部事実です。見えているかどうか別にして、事実です。

こういう世界的な環境の中で、日本だけの、しかも、日足を見て、無邪気に、今が底だ、底だ、と言っている人が多いですが、こういう「事実」に気がつているとは到底思えません。

相場観を持つのなら、もっと俯瞰して、こういう事実を理解した上で持たねばならないと思うのです。

アリの目ではなく、鷹の目を持つべきです。

こうやって見れば、事実として見えることは、相場のトレンドというのは、一旦方向転換すると、2年、3年といった単位で続くものだ、ということです。

一度転換した大河の流れは、ほとんど数ヶ月とかいうミニマムな単位では止まりません。

近視眼的な逆張りが如何に危険極まりない行為なのか、ということがよくわかります。

そして、生き残るためには、損切りが何より大切だ、ということは、値動きを俯瞰すれば明らかなんです。


もちろん、これは、リスク要因の一つ、として見るべきものであり、将来こうなるという予想ではありません。

しかし、こういう過去の事実が現実としてあるのだ、というリスクシナリオは持っておかねばならない、そう私は思っています。

近視眼的、しかも、日本だけを見ても、ほとんど意味すら感じません。

少なくとも、相場観を持つのなら、こういう大局と海外要因を含めた環境認識と相関性、そしてファンダメンタルを見るべきだと私は思っているのです。



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現在の環境認識と対応

2018/02/04 Sun

他のことを書こうと思っていたのですが、相場に変化が起きそうなので、みなさん今後の見通しについて不安に感じている方も多いかと思います。
ということで、現在の環境を書いておこうと思います。

次にどうなるのか、を知りたい、というのは、投資家万人に共通することではあるのですが、それは、単なる思惑でしかありません。
それよりも、今後どうしていくのかを考える時は、常に、事実はどうなのかを見ておく必要があります。

多くの人は、この先の予想はしても、事実を確認する作業を怠っているので、結局、当てものの世界になってしまうのです。
それでは、当たるも八卦当たらぬも八卦ということになるので、考えても意味がありません。


では、気になるNYダウのチャートから見て行きましょう。

2017-01-790.jpg

これは、NYダウの週足チャートです。
2016年年初からずっと上がっているわけですが、ここでは、上げ相場の特徴がよく表れています。
それは、目先で下げたとしても、すぐにそこを底にしてすかさず切り替えして新高値を取っている、ということです。
これを上げ相場の押し目と言います(笑)

今回、大きめの下げが入ったわけですが、押し目だとすると、早いタイミングで戻ってまた高値を伺ってくる、という動きが想定できます。
逆に言うと、下げたまま戻りが鈍い状態が続くであるとか、再度安値を割ってくるような動きが出るのであれば、それは明らかにこれまでとは違う動きなわけです。
ある程度の期間で戻って高値を取ってこない状態が続けば、それは、トレンド転換の可能性が高い、と考えられるわけです。
これまでと同じく、押し目を買う、という流れから、戻りを売る、という方針転換をしないと、下げていくトレンドに逆らうことになります。

永遠に上げ続ける相場はありません。どこかで天井を打つのです。


今が、相場の2合目という人はいないでしょう。
少なくとも7合目とかそれ以上だという値動きです。
そうであれば、山頂からの折り返しを警戒する局面に入っている、ということになろうかと思います。

ただ、問題は、天井を打ったとすると、そんな悠長なことを考えている間に、かなり強烈な下げに見舞われてしまう可能性があることです。
下げ相場の怖いところは、コツコツ下げるのではなく、一気にナイアガラが待っていることなので、そこには注意が必要でしょう。

何にしても、ここまでの少し下げては切り上げる動きが変化を起こすかどうか、がポイントということになります。

そうなった時に、こんなに下げたのだからそろそろ上げるはずだ、と考えるのはやめたほうがいいのです。
特に、ポジを持っている場合、上げ相場に慣れてしまっているので、下げても、底に見えて売るに売れないまま放置状態からの塩漬けという黄金パターンにはまる投資家が続出します。
これは、感覚が上げの押し目に慣れてしまって、戻らないことから起きる現象です。
それをやるから、大負けするので、環境が変わったことを客観的に判断すべきなんです。
どこかで、決断すべきポイントを今決めておいて、それを守ることが大事です。
仮にそこが底になったとしても、投資家として生き残るには、それが正しい判断なんです。


これまでは、鈍い下げに急激な上げのリズムだったわけですが、これが鈍い戻りに急激な下げ、というリズムに変わったのであれば、明らかにそれは押し目ではありません。

この値動きのリズムの変化に注意し、客観的に判断すべきです。

投資の判断は常に、主観的ではなく、客観的にすべきです。
そうでないと、相場は単なる当てものになってしまいます。



ここまで読んでいただくと、実にありきあたりで当たり前のことしか書いていないように思われるかもしれませんが、これ以上に有効なチャートの見方を私は知りません。


TOPIXとジャスダックも見ておきましょう。

2017-01-791.jpg

2017-01-792.jpg


マクロ環境においては、米国長期金利が上昇しているわけですが、これは、今に始まったことではありません。
これまで、株式市場が無視し続けてきたことです。
現在、米長期金利は2%台の後半まで上昇しています。
ただ、これが3%台にガンガン乗ってくるようなことになるか、といえば、そこまではという意見が大半ですので、どこかで金利の上昇は落ち着くものだと考えられます。
そうであれば、NYダウもどこかで止まる可能性がある、と言えるのかもしれません。

こういうマクロ環境の認識はさておき、優先すべきは値動きなので、値動きが示す方向へついていくしかありません。

金利の上昇が今回の下げの原因のように言われていますが、これは、今起きている資産インフレ修正のトリガーにすぎないのではないか、とも考えられるため、トレンド転換には一層の注意が必要だと考えています。






さて、ここまでは環境認識でした。
多くの投資家は、要するに、押し目なのか、下げの始まりなのか、を知りたいわけなんですが、それがわかるのは、神のみであって、誰もその答えを正確に当てることなどできません。

わからないものをわかろうとするから、相場がしんどくなるんです。

わからないものを基準に相場をやろうとするから上手く行かないのです。

では、わからないのなら何もできないのか、というとそうではありません。

わからないから、座して死を待てということではありません。

実は、

相場の先読みとポジション管理とは別物なのです。

ここを同一視するから上手く行かないのであって、読めたから勝てた、読めなかったから負けた、ということではありません。

では、どう考えるのか、というと、環境認識と合わせて、リスクから考える、ということになります。

今何も持っていない人は、明日はとりあえず様子見からのスタートでしょう。

デイトレなら、下げ過ぎを買ってみる、ということもあります。

危ないのは、ここまでの上げでポジが膨らんでいる人、扇形にポジションが大きくなっている人です。

ビットコインだと、10でスタートしたものが240になって、80に下げただけだから、まだ儲かっている、と理屈ではなりますが、そうは行かないのは、上げるに連れて扇形にポジが増えていっているからなんです。

相場で大失敗する原因の第一は、この扇形のポジション取りにある

と言っても過言ではありません。

では、ポジが膨らんでいる人はどうすればいいのか、というと、もう早めに逃げるしかありません。

最悪の事態を避けるためには、早めに対処するしか道が無いのです。

ポジション管理の失敗は、相場の読みとは別問題です。

そこが見えていないから、相場の当たり外れで勝ち負けが決まると思ってしまっているのですが、実際の損益に与える影響は、ポジション管理の方が大きいのです。

先程のトレンド認識で、下げが確定した段階というのは、もう結構下げているところですから、扇形陣形を取っている人にとっては、相当損失が膨らんでいる可能性があります。

扇形のポジションを取っているのなら、10上げて2下げただけで破産です。

これが相場の恐ろしいところなんです。

なので、ここはどちらかわからないとしても、ここからもう少しでも下げれば、リスク管理上外さざるを得ない局面になります。

そうでないと

一歩の後退は百歩の後退の始まり

となって、結局何もかも無くすまで付き合う事になりかねないからです。

このように、相場の読みや値動きを認識は共通であっても、実際のポジションをどうするかについては、持っているポジション取りや時間軸によって全く違った対応となります。

先を読めばいい、先を当てればいい、と思っている人が多いのですが、そんな当たるも八卦当たらぬも八卦を頼りにしていては、今はたまたま当たって助かったとしても、いずれ次の機会には、死亡して退場を余儀なくされることになるだけです。
それは、単なる延命でしかありません。

たまたま当ったかどうかを軸に、運任せに相場をしてはいけません。

リスク管理は、自分でできることなんです。

それを運に任せてはいけないのです。

今たまたま当たっても、将来はありません。

いずれその人は死にます。

人に寿命があるのと同じぐらい確実に死にます。


大敗さえしなければ、リベンジはいつでも可能なんです。


相場とは、わからない将来予測を基準にして、運に任せてやるものではありません。

わかる事実を認識して、自分でできるポジション調整とリスク管理をベースにやるものなのです。



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現在の環境認識と対応 その2

2018/02/10 Sat

激動の一週間でしたがお疲れ様でした。

今週の下げの原因として有識者から言われているのが、ボラティリティショートのスクイーズです。

これは、相場が動かないことに賭けていた向きの損切りがこれだけの変動をもたらした、という説です。

いままで、相場が安定的に推移していたので、相場が動かないという方向に賭けるポジションが大きく膨らんでいた、ということだそうです。

相場は、上か下かに賭けるという以外に、動くか動かないかに賭ける、という方法があり、今回は、この動かない方に賭けたポジションが膨らんだところで、爆発した、ってことが原因として言われています。


2017-01-797.jpg

日経新聞とかでも話題になっていましたが、典型的的なものがこのVIXショートのETFで、年初には4万円だったものが、一瞬でほぼゼロまで暴落しました。
個人投資家もかなり買っていたようですが、買っていたほとんどの人は、この商品の持つリスクを知らなかったのだろうと思います。

今年に入ってからの動きを除けば、非常に優秀な上昇トレンドですから、テクニカル的には何の問題もない状況でした。

しかし、このトレンドというのは、

単なるチキンレース

だったのです。

ファンダメンタルを理解せずに相場をやる、ということの恐ろしさは、こういうところに出るのだとつくづく思います。
過去には、スイスフランショックなどもありましたが、こうした事例は、テクニカルだけを見る危険性の典型的なものだと思います。
どういうリスクがその商品に内在しているのか、ファンダメンタルを見ずには絶対にわかりません。
もし、ファンダメンタルがわからないのなら、絶対に手を出してはいけないのです。
そういう意味で、私はファンダメンタルがわからない仮想通貨には手を出せずにいるのです。



さて、今回の下げの振幅を大きくした原因としては、間違いなくボラショートがあったと思いますが、ここで2つのシナリオが考えられます。

一つ目のシナリオは、ボラティリティショートだけが原因という説。
もしそうならば、そのポジションが解消されれば、再び上昇トレンドに戻る、というシナリオです。
少し深い押し目になったけれど、それはポジション解消によって、終わったので、ここから再び上昇に戻る、ということです。
そうであれば、今月後半に目先の押し目が終わって、再び上昇トレンドが始まる、ということになるでしょう。



2つ目のシナリオは、そういうきっかけがあったにせよ、大きな流れとして、ここまでの上昇トレンドが一旦調整に入って、リスクオンからリスクオフに転換した、と見るものです。

そうであるならば、乱高下がしばらく続いた後に、相場はグズグズしながらも、戻っては売られを繰り返して、3ヶ月から1年程度は低迷する、というものです。
こちらのシナリオなら、過去のチャートを見るとわかるとおり、どんなに短くても3ヶ月以上先に底を打つということになるので、少なくとも5月あたりまでは買うのは控えるのがいいということになります。

ここまで2年近く、順風満帆で上げてきていたわけですが、これは、金融緩和による金融相場、すなわち過剰流動性相場であった色彩が強いのです。
それが、FRB、ECBの引き締めへの政策転換によって、いつ流れが変わってもおかしくはありません。

リーマン・ショック前も、過剰流動性相場があったわけで、それをFRBが放置したことによって、その反動で強烈な下げに見舞われることになりました。

過剰流動性相場は、放置すればするほど、その後の反動が激しく襲ってきます。

山高ければ谷深し

最悪だったのは、1929年の大恐慌。
これも過剰流動性相場を放置した結果もたらされたものです。

緩めればいいと思っている今の日銀と違って、FRBはこうした教訓を忘れてはいないでしょうから、今、多少株式市場が荒れても仕方がないと考えていると思います。

今回の下げなど、過去の暴落に比べれば、かすり傷程度のものです。
今の範囲なら、ちょうどいい調整程度で、どうってことはありません。

中央銀行の政策に変化なしと考えれば、今後いつ本格調整に入ってもおかしくない、と見ることができるでしょう。



米国債の金利上昇も原因として言われていますが、これもきっかけとしてはあったんだろうと思います。
ただ、2%後半に上がった金利が、この先3%をどんどん超えてくる、というシナリオを持っているアナリストは少数です。

この先、どんどん株が下げるようなら、さすがにFRBの金融政策にも変更が出るでしょうから、これだけを原因とするのも無理がありそうです。



ここで気になるのは、株とドル円の動きの違いです。

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典型的リスクオフ相場であった、2008年のリーマンショック時だと、ドル円の急落を伴っていました。
これは、リスクオフ時においては、
①日本が債権国であるので、リスクオフになると、国内機関投資家が海外リスク資産を売って国内に戻す
②投機筋が低金利の円を借りてドルで運用するリスクポジションのリワインド(巻き戻し)

という動きをすることから起きる円高現象、つまり、レパトリエーションが起きる、というのがリスクオフ時の通例なわけです。
2016年の下げの時にも同じようにドル円も下げています。

ところが、今回は、そのドル円の強い下げの動きが起きておらず、レンジ内の動きに留まっています。

まあ、2017年の株の上げにドル円がついてきていないので、その反動も無いといことも言えるのですが。。。

そう考えると、今回は、リスクオフではなく、一時的な株の価格調整の動きだったのか、と考えることもできるのかもしれません。

月足で見たTOPIXも、調整がもう少しで終われば、単なる押し目と言える動きであろうかと思います。

米金利上昇による米債投資があるのかとか、このあたりの詳しい事情は、アナリストの見解を調べてみて、わかればまた書いてみたいと思います。


それと、妙に弱いのが上海です。
アメリカと中国という2大国の株価が弱いわけですが、これは中国当局の引き締め姿勢が原因とのことですが、上海株の動きも気になって見ています。
下手をすると、伏兵の中国発の第二弾の下げということあり得ると思って見ています。



当然のことながら、上げすぎた株の単なる調整の動きなのか、本格リスクオフの流れに変わったのか、については、もう少し動きを待ってみないとわからないわけですが、ヒントになるのは、このドル円が昨年の安値である107円を割ってくる動きになるかどうか、と見ています。



ちなみに、本格リスクオフになったとしたら、過去の事例を見ればわかるとおり、2008年のリーマンショック以降で、本格上昇相場は、2013年の5年間の低迷を待って始まっています。
2016年年初からの下げでは、年末まで調整が続きました。
そう考えると、全く慌てて買う必要はありません。



どちらにしても、月足チャートを見ればすぐにわかりますが、2016年から始まった上げトレンドは、特殊な環境であり、それが永遠に続くということなどありえません。

新興市場を見てみましょう。
このジャスダック平均など、これが永遠に続けば相場はほんとに簡単なんですが、そうは行きません。
2017-01-800.jpg

このジャスダック平均を見ると、

今回は、まだちびっと下がっただけ

なのですね。

このちびっと下げだだけで、大きな損失を抱えてしまうってことは、どういうことかというと、

扇型のポジション陣形

を取っていることが原因なのです。

相場が順調に進めば進むほど、ポジションが大きくなるから、少し下げだだけでも、致命傷を負うのです。

ここで何とか耐えることができたとしても、もし、今後本格下げになれば、根こそぎやられる、ということになります。

今回、凄い下げだ、と感じている人も多いかもしれませんが、

まだちびっとしか下げてない

です。



2006年に天井を打ったジャスダックが、低迷を経て上げ相場に転換したのは、実に7年後の2013年からです。
この時間感覚を見ておかないと、下げの途中や低迷時期につい買ってしまう、ということをやらかしてしまいます。

経済のファンダメンタルは順調、という政府のコメントなどは絶対に信用してはいけません。
これは、平成の大暴落時でも、リーマン・ショック時でも、繰り返し政府のコメントとして言われていたことです。
私は、この政府見解を聞いていて、吹き出しそうになりました。
何で、毎回同じことしか言えないのかと(笑)



相場は、一旦ガツンと下げを食らうと、戻り売りの波動に転換してしまうことがほとんどなので、そう簡単に戻ることは難しくなります。

これは、ここまで楽観で来ていた投資家に水を浴びせたような状態になって、トントンなら逃げたい、という心理にさせることが原因です。

自分だけでなく、みんなが扇型にポジを膨らませてきた結果起きるのが、大きな上げトレンドです。


そんな楽観的なポジを取ることに冷水が浴びせられれば、みんな慎重にならざるを得ないですから、結果として起きることは、かなりの時間調整なんです。



最初に書いたボラショートのスクイーズだけなら、再び上昇トレンドに戻ることも考えられます。
しかし、本格リスクオフのシナリオも十分あり得ますから、ここからは、ここまでの順風満帆が再び来ると思わずに、環境変化に対応することがサバイバルへの道だと私は思います。





繰り返しますが、こうした相場のシナリオとポジション管理とは別物です。

ポジション管理を優先して、シナリオを見ていく、という順番でないと、生き残ることはできません。

リスクさえ優先して対処しておけば、シナリオに沿って相場に戻ることは簡単なんです。




投資家がよくやる失敗としてあるのは、まだ時間調整が済んでいないのに、慌てて買うことです。

これは、値ごろ感から来るものです。

特に、第一波を上手く逃げられた人が、調子に乗って最初の戻りかけで買ってしまう、ということがよくあります。

こうして、最初の下げで上手く逃げられた人も、第二波、第三波で息の根を止められる、ということが多発します。

何故そうなってしまうのか、というと、

ここまでの順風満帆な相場のトレンドに心が最適化してしまって、その感覚が抜けないから起きる現象なんです。

上昇トレンドに乗る成功体験が心に植え付けられて、環境変化に対応できないことが大失敗の原因となるのです。

多くの投資家は、これまで続いたことが今後も続くと勝手に思い込んでいます。

しかも、その経験とは、たかが1年や2年といったものだけなんです。

しかし、相場が環境変化することは、過去からずっと同じく続いています。

多くの人は、環境変化にあまりにも弱いのです。

習慣的に植え付けられた体験を手放すことができないのです。

それでは、絶滅した恐竜と同じ運命を辿るだけです。




最後にソロスの言葉を書いておきます。

まずは生き残ること

私は特定のルールに従ってゲームに参加しているわけではない。ゲームのルール が変化するのに注目しているだけなんだ。

私の金銭面の成功は、私の将来の出来事を予想する能力とは際立って対照的だ。

(ジョージ・ソロス)



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相場を難しくしている原因

2018/02/18 Sun

相場は、少し落ち着いてきましたね。

2017-01-804.jpg

NY株の戻りはかなりのもので、半値戻しどころか、3分の2戻しを達成する勢いです。

震源地であるNY株は、ここまで戻っていますが、下げの要因の一つと言われていた米長期金利は高いままで張り付いている状態です。

こうやって見ると、今回の下げは、ボラティリティショートのスクイーズだけで終わりなのか、とも思えるような勢いです。

そうであるならば、フラッシュ的な下げだけで、また何事も無かったかのような上げトレンドが継続する、という可能性も高まってきました。

VIXも大きく低下してきています。

ただ、VIXは、そもそもは原因でなく結果なので、単純にVIXが下げたからよかったとは言えないのではないか、と思っています。


対して、225の戻りは非常に弱いです。
これは、注目されていたドル円相場が、昨年来の安値を割った、ということが大きく影響している模様です。

ここから、本格下げの入り口なのか、はたまた、絶好の押し目となるのか。
どちらになるかはわかりませんが、自分の相場観などの思い込みでやると痛い目に合うことになるので、事実を客観的に見ることからシナリオを構築し、失敗したらさっさと逃げること、しか無いと思います。




さて、こうやって落ち着いてくると、ここまで我慢していた人はホット一息でしょうし、手を空かせていた人は、待ってましたとばかりに、押し目買いをしたくなる局面だと思います。

結果として、今回は、それが正解になるのかどうかはわかりませんが、ほとんどの人にはそう見えてしまうものなんです。

何故そうなるのか、というと、

人というのは、慣れと習慣で動く

ものだからなんです。

この習慣というものは、人の行動の大半を支配しているもので、繰り返すことによって、脳にその回路が出来上がってしまいます。

だから、朝起きたらまず何をするか、とか、歯磨きはどの歯からやるか、風呂に入ったらどこから洗うか、通勤電車のどの位置に乗るか、などなど、ありとあらゆる人の行動を支配しているものなのです。

人である限り、この習慣の呪縛から抜け出すことは容易ではありません。

これは、行動パターンだけでなく、考え方の習慣も同じです。

特に頭の固い人というのは、自分の習慣的にやってきたことを破ることがとても苦痛です。

新しい考え方や別の習慣を取り入れるということは、よほどの事が無ければできないようになってしまっているのです。

普通の人でも、この習慣破りをすると、すごく不快に感じるものなんです。

夫婦喧嘩の大半が、お互いの習慣破りから来ている、ことなどから見ても、習慣というののがどれほどのパワーを持っているかがわかります。



さて、本題に戻って・・・

2013年からスタートした上げ相場は、2016年に一旦大きな押し目を作ったものの5年間に渡り続いてきています。

これは、長期に渡る日経平均のチャートです。

2017-01-803.jpg
(画像をクリックすると拡大します。)

こうして見ると、今回の下げは、下げというよりも、まだ、ちょっとした押し目程度だということがわかります。

こうした長期のチャートは、あまり見たことが無い人も多いと思いますが、チャートは長期であればあるほど重要なんです。

基本的には、ここまでの5年間は、押せば買うと儲かる、という状態が繰り返し叩き込まれてきました。

しかし、長期のチャートで見る限り、この5年間というのが、例外的なものであった、ということはすぐにわかります。

こうして多くの投資家は、この5年間の上げ相場というぬるま湯にどっぷりつ浸かってやってきているので、上げ相場に乗っていく、という習慣がついてしまっています。

そうなると、下げてくると、すぐに買いたくなる、そこが底に見える、という感覚が習慣的に起きてしまうのです。

5年間にわたって繰り返し叩き込まれた習慣です。

何故高値で腹いっぱい買ってしまうのか。

毎回にわたって同じ失敗を繰り返すのか。


という答えがここにあります。



相場で生き残るのが難しいのは、この

相場が、習慣という人としての本能、習性を破るような動きをするからである


と言えるのだと私は思っています。

慣れきった動きから、別の次元の動きに変化するその相場の変化に人は、本能的についてはいけないのです。

ここが相場を本当に難しくしていると思います。

習慣による輪ダチから抜け出すのは容易ではありません。

もし、相場が人の習慣にやさしい値動きをするのなら、相場で損する人などいません。

相場の動きが、人の習慣破りをするからこそ、相場で多くの人が負けるのだ


ということを強く意識しておかねばいけない、そう私は常に自分に言い聞かせています。

慣れきった時が一番危ない


ぬるま湯にどっぷりと浸かって、安心している時は、危機的状態にある

そう自分にいつも言い聞かせているのです。


私は特定のルールに従ってゲームに参加しているわけではない。ゲームのルールが変化するのに注目しているだけなんだ。(ジョージ・ソロス)

このソロスの言葉のとおり、

ゲームのルールは突然変わるのです。これが相場を難しくしている最大の要因なんです。



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危険な兆候

2018/07/30 Mon

先週26日、フェイスブックが一時20%の下落と大きく売られました。
原因は、市場の期待を裏切った決算だったということですが、これによって約11兆円もの時価総額が吹っ飛んだそうです。

これだけなら、フェイスブックの問題と片付けることができるのですが、翌27日、今度は、ツイッターが20%の下落となり、また、決算を発表したインテルが8%を超える下落となりました。

そもそもインテルの決算は、市場予想を上回る増収増益だったわけですが、それにも関わらずの急落というのは、マーケットに何らかの変化が起きている可能性を示唆しているように感じます。

そもそも、マーケット全体のセンチメントが強気であれば、多少決算が悪くとも、買われることが多いのです。
それを、そこそこよかったにも関わらず売られる、というところにセンチメントの悪化を感じました。

これら米マーケットをここま牽引してきた先導株が、このように急落する、というのは、マーケットのセンチメントが弱気に傾きつつある兆しになることが多いのです。

この先導株からのドミノ倒し現象は、ジェシー・リバモアが注視していたもので、昔から通用していたことがわかっています。

まず真っ先に売られるのは、先導株なんです。

27日は、同じく決算発表があったアマゾンが非常な好決算となり、それで一旦は上昇したものの、結局は微プラで終わりました。
アマゾンも今後の株価の動向には注意しておく必要があるでしょう。

日本時間の8月1日早朝には、いよいよ大御所であるアップルの決算発表が控えています。

このアップルの決算でどのような結果が出るのかによって、マーケットのセンチメントがよりはっきりするのではないかと注目しています。

普段もアップルの決算には注目が集まりますが、今回は大変重要度の高い決算だと思っています。

もし、好決算にも関わらずアップル株が大きく売られるような展開になったのなら、先導株が次々に売られる、というドミノ倒しが始まってきた、ということが濃厚になるので、いずれマーケット全体にも波及することが想定できるのではないかと考えます。

明日は、日銀があって、水曜日には、FOMCも控えているイベントウイークとなっています。

今日明日ということではなくとも、先導株の動きとNYダウの動向には、より注意しておきたいものだと考えています。

全体に波及するのは、半月とか1か月後とかになるかもしれませんが、

マーケットセンチメントの変化の兆し

に注目しておくことは、大変重要だと考えています。


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プロフィール

あらなみ

Author:あらなみ
職業:個別株投機家・専業デイトレーダー

Twitter: @aranami718

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