才能

2013/05/12 Sun

トレードで勝つにあたって、才能は必要かどうか。

よく議論されることです。

私の意見を書くとすると、

才能は間違いなく必要です。

私の意見としては、意外と思われたかもしれませんが、これが現実だと経験から感じています。

しかし、ここで言う「才能」とは、「特別な才能」とは若干違います。

特別な才能を持っている人というのは、極稀にいますが、もう感覚的に相場が取れる人のことで、彼らはこんな理屈の世界ではなく、相場観で相場が取れるので、大した理論など知らなくても大丈夫な人たちです。
自分のやることが説明できないけれど、相場は上手い、という人たちがそういう人です。
野球で言うと、長嶋さんなどがそういう天性の人ということでしょう。
そこに理屈などなく、「しゅっ」とか「パパパパン」とかでしか説明できないのです。
そういう人は特別な才能を持っておられるうらやましい人でしょう。

さて、いわゆる私の言う「才能」とは、言い換えれば「個性」とか「経験」とかに近いものです。

私は、デイトレを始めたときに、人がやれていることができなくて、とても苦しんだ経験を持っています。
何故、人にはできて自分にはできないのだろうか、と本当に悩み苦しみました。
相場を初めてから、最大の苦しみといってもいいかもしれません。
当時はまだ「やり方さえわかれば自分でもそれができるはずだ」と思い込んでいたので、何故それができないのか、が理解できなかったのです。

しかし、今振り返れば、それがどうしてかわかります。

私には、そういうやり方の才能がなかった、のです。

才能がないから、できなかったのです。

では、ある特定のやり方ができなければ、相場で勝つことができないのか。

というと、そんなことはありません。

私は結局、できないことはあきらめて、自分なりに試行錯誤することになりますが、結局、1年間やっているうちに、当時、自分に見える個別株の値動きの習性によって何とかやっていけるようになりました。

これは、リーマン前までは、通用する値動きの特性でした。

ところが、それを他の人に教えても、なかなか呑み込めないところがありました。

逆に、「何故わからないのだろう」と当時は思いました。

人は「自分にできることは人にもできる」と思い込んでいるところがあります。

イチローが、自分ができるのだから人にもできるだろう、ということは無いとは思いますが、自分が普通の人間だったら、普通は自分ができれば、人もできる、人ができれば自分もできる、そう思っているものです。

ところが、トレードに関しては、とりわけ短期売買においては、それぞれの属性が大きく影響することがあって、それによって、出来る出来ないが大きく左右されるのです。

このいわゆる「才能」の部分について、はっきりと自覚できるようになったのは、最近のことです。

野川ブートキャンプ卒業時に、野川軍曹からは、「自分の相場を見つけてください。」というメッセージをもらいました。
当時、私はその意味がよくわかってはいませんでした。
マーケットの魔術師本にもこの「自分の相場」というフレーズが繰り返しあります。

自分の相場??

なんじゃそりゃ、ですよ。

当時は、キャンプを卒業したとは言え、「取れるやり方」なら誰でもが同じように取れるのではないのか、という理解程度でしたから、無理もありません。

しかし、今は、この「自分の相場を見つけてください。」という意味がはっきりとわかります。
そういう経験を積んだということなんです。

私には、私の「才能」があり、その才能は他の人には無いものです。
逆に、人の才能を望んでも、自分には無いのですから、その才能を活かしてトレードしているものを真似することなどできません。


人それぞれ、辛抱強さも違えば、反射神経も違います。
性格も違いますし、記憶力や経験年数も違います。

経験年数が違えば、熟練度が違い、そもそも 目利き が違います。
この目利きの違いは、ものすごく大きいものです。

ほとんど同じように思えるかもしれませんが、実はそれぞれの人というのは、全然違うのです。
その違いを無視して、同じことをやれ、と言われても、それは無理だ、というのが、私の経験から導き出された答えでした。

それは、昔野川さんから言われた「自分の相場を見つけてください。」ということをやっと最近になってはっきりと自覚できた、ということでもあったのです。


私には、システム屋さんのように、大量のデータを処理したり、プログラムを作ってガンガン検証をかけるといった能力がありません。
また、来る日も来る日も24時間体制でデータを検証し続けるだけの粘りもありません。
私は今でもシステム屋さんを本当に尊敬します。
何故そんなにデータ処理を頑張れるのか、そんな難しいプログラムをスラスラ書けるのか。などなど、本当にすごいです。

また、ポジションを持って、平然と大きなドローダウンを何日も耐える忍耐力もありません。
スイングトレードで、アベノミクスをガンガン取っている人も凄いと思います。
私にはできない芸当です。
私は、日中の動きをちょこちょこと、ネズミがチーズをかじるように取るだけです。
マグロの身の部分を豪快に食べるのではなく、骨についている中落ちをスプーンですくって取るスキャルが生業ですから、しがないものです。

また、分割屋さんのように、分割して買い下がる忍耐力もありません。(嫌になってすぐに投げてしまいます。)
ナンピンガンガン出来る人、尊敬します。
どんだけ太い神経なんだ、と思います。

もちろん、感覚的に売買して、センスで勝つなど、とんでもなくできません。
感覚的にやったら、100戦100敗でした。全部負けです。
自分がエントリーしたらそれを待っていたように相場は反転するのが常でした。
センスがある人が本当にうらやましい。
そういう才能があればなあ、とつくづく思います。

トレードセンス・・・ゼロぉぉぉぉーーー!!

とは私のことです。


自分が知っている範囲でも、他人にできても、自分にできないことなど、もう山のようにあります。
というのは正確ではありませんね。

ほとんどの人ができても自分には出来ないことだらけ、だったのです。

正に、ナイナイ尽くし、とは私のことだったのです。



■コメント

> あらなみさん、おはようございます。
>
> 先日から兼業に戻りました。
> やはり兼業だとトレードがやり難くなりますね。
> デイトレはFXでやってますが、ポジション数を落としてスイングもやりはじめ、スイングやるなら株でも同じと思い株でもスイングやってます。
>
> もともと合格率10%前後の会計資格を複数もっていることもあり、自分なりの銘柄選択基準はあるみたいです。
> あるみたいと書いたのは、ここ数年自分が以前に投資・トレードしていた銘柄が数倍~20倍になっているからです。
> 昨年トレードしていた銘柄だと、ガンホー・JIN・AMI・カイオム・3Dマトリックス・そーせいは軽く数倍になってます。
>
> なぜ目をつけていて実際にトレードしていたのにきっちりとれていないのかを当時の状況を振返って考えたところ、やはり生活費のプレッシャーが原因でした。
> 目の前の利益を優先することで、利益を取り逃がしていたんですね。
>
> 今回の記事で総合力という言葉がありましたが、これはトレード手法だけでなく、個人の環境・経験・知識・思考法も含めたトータルでの能力を指しているのではないかと思いました。
> 総合力にバラツキがあるから同じ銘柄・同じ手法でも結果にバラツキが出るんだと思います。
>
> 僕はあらなみさんのブログに出会ってトレードの概念が変わり、1000本ノックを通してトレードの練習をして専業になり、今は兼業に戻ったことで、トレード以外の自分の能力を利用することを考えるキッカケになりました。
>
> 自分が今まで経験してきたことや実戦で裏打ちされた知識をトレードに融合すれば、また違った景色が見えるんじゃないかと考えていたところに今回の総合力というキーワードを見て、ひょっとすると今自分が感じていることはこの総合力ということなのかな?と思いました。
>
> 今年に入ってなにか軸がフラフラしている感じはしますが、同じフラフラしている状況でも、自分で考え行動している今の方が、以前の手法にこだわってさまよっていた時よりもマシであると感じてます。
>
> とりあえず最近は結果も残ってきていますので、しばらくはこのスタンスでトレードに向き合っていこうと思います。


会計の専門知識があることは、個別株トレーダーにとっては、すごいエッジだと思います。
実は、私も会計の専門知識があります。
これは私の「個性であり能力」です。
私は使えるようになってきましたが、まだそれを使いこなすだけの要領を得てはおられないのだと思います。
しかし、これは強力な武器となり得ます。
短期売買においては、関係ない、と一般論では言われますが、それは全くの誤解である、と実践している私は思います。
ただ、この武器は使いこなしが難しくて、私もデイトレを始めてから使えるようになるまでに5年近くかかっています。

総合力のご理解は、書かれているとおりです。
エントリーだけが重要視され、それが「手法」「具体的やり方」といったことで、そこばかりが注目されますが、そこで差別化することより、他に目を向けた方が遠回りのように見えても、近道じゃないか、ということでもあるのですよね。

>自分が今まで経験してきたことや実戦で裏打ちされた知識

これこそが、今回話題にしている「才能」であり、個性なんです。

「エッジとは、相場に求めるだけではなく、自分の内にこそ眠っている」

私はこのことに気がついて、飛躍的に相場が見えるようになりました。

是非、ご自分の相場を見つけてください。

会計の専門知識など、余人には無いものなんです。
ほとんどの相場参加者は、楽譜が読めない楽器演奏者のようなものです。
ただ、結果である値動きに翻弄されているだけなんです。
そういうお力があるのに、為替にふらふらするなど、もったいない、と私は思いました。



> はじめまして、あらなみさん
> ブログの記事、いつも大変参考にさせてもらってます。
> この連休中に、「茨の道」を読ませてもらい、自分のトレードの分析をして見ました。
> ① 今年の1月
>   勝ち数5、負け数4
>   勝率55%、損益率3.3
> ② 2月
>   勝ち数11、負け数9
>   勝率55%、損益率2.6
> ③ 3月
>   勝ち数4、負け数9
>   勝率30%、損益率2.1
> ④ 4月
>   勝ち数29、負け数12
>   勝率70%、損益率0.8
> ⑤ 1月~4月
>   勝ち数49、負け数34
>   勝率59%、損益率1.3
> 当方はスイングトレードを実行しているつもりなのですが、3月に利食いを引っ張りすぎて損切りが多くなり、その反動で4月はチマチマした利食いになってしまいました。
> 今後も、あらなみさんのブログを参考にしつつ、トレード日誌の作成と、1000本ノックにより相場の上達に心がけたいと思っています。
> よろしくお願い致します。


ブログを参考にしていただきありがとうございます。
勝率もいいですし、損益率もとてもいいと思います。
今の環境が変化した時に、どう対処するかが今後の課題でしょうか。
頑張ってください。



> コメントの返信ありがとうございました。
>
> ソロスの言葉ありがたく頂戴いたします。
>
> 実は株を始めたとき位に相場技術研究所のブログを
> 一通り読ませていただいたのですが、この度改めて
> 読み直して見たところ、当時よりも上達のプロセスや茨の道などとても共感できる内容が多くて驚きました。
> これはあらなみさんの文章を曲がりなりにも理解できる
> レベルまで経験値を積んでこれているということなのではないかと考えております。
>
> 自己トレードの検証は相場の上達において最も
> 重要な勉強方法だとさえ思っております。
>
> 負けトレードを検証して
> 正しく負けれたのか?
> 改善すべき負けなのか?
> インのタイミングであったりアウトのタイミングであったり様々な要因の中で正しく負けることを心がけて日々取引を行っています。


ご理解が進んでなによりです。
私のブログは、実践で傷ついた人が読むと、その傷がどこから来ているのか、ということがリアルでわかる、というような構成になっている、と思います。
そして、「理屈ではやり方だと思っていても、やり方をいくら探しても上手くいかない、何か別の道があるのではないか」と思い始めた人が読むと、納得できるのじゃないか、と思うのです。

ですので、あまりトレード経験の無い人が読んでも、「何を念仏のような精神論を書いているのだ」「もっとやり方を書け。具体的なことがなにもない」と思われるのじゃないか、と思います。
ガツガツとやり方を探している人にとっては、念仏のようなものでしょう。


> こんばんは。お久しぶりです。
> > 少なくとも、特別な才能がなかった私は、手法で差別化できなかったので、手法以外の部分を練習によって鍛えてでしか一歩も前に進めなかったのです。
>
> これ、システムトレーダーである私の場合は、
> >> 少なくとも、特別な才能がなかった私は、資金管理ででしか差別化できなかったので、相場観や手法では一歩も前に進めなかったのです。。。。。です(笑)
> 資金管理でのみ優位性を持つ・・・ってのはトレンドフォロワーの少なからずの共通項かな、とも思います。
> シグナルが出たら絶対にエントリーしろっ!
> 絶対にトレンドには置いて行かれるなよ。
> ただし、負け負けの日々が続く事は覚悟しなさい、な~んて。
> この場合の資金管理の中にはトレンドの時の利をどこまで伸ばしきって、どうやって確実に刈り取るかというのが大切な部分だと考えていますけれど。
> まあ、言うは易しですが、損切りや含み益から建値決済の連続、利食いの誘惑や含み益の激減を目の当たりにする訳ですから、これはこれで相当キツい時もあります。
>
> 最近になって思う事は、FXで流行りのライントレードだろうが、移動平均やインジケーターなんぞを使うトレードだろうが、結局はただの定規でしかないんだな・・・と。
> 定規をあれこれ換えたりしたって、機能する時は機能する、機能しない時は機能しません、当たり前ですね。


深いお話ありがとうございます。
システムであっても、手法での差別化が困難だ、というお話は、私の若干の勘違いの訂正が必要かもしれませんね。

> 最近になって思う事は、・・・・

ここは、私も同じように考えています。
テクニカルの道具のことを「ものさし」という表現をされていますが、これはとてもいい表現だと思います。

そもそもは、値段と出来高しかないので、それをどう加工しても、お里が知れています。
どんなにいいものさしを使っても、計るものは同じなわけです。
ちょっとものさしの機能が違うからと言って、そこに「秘術」など存在しようがありません。



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テクニカル分析アラカルト①

2013/05/18 Sat

■コメント

あらなみさんこんにちは。少し書かさせて下さい。

> 最近になって思う事は、FXで流行りのライントレードだろうが、移動平均やインジケーターなんぞを使うトレードだろうが、結局はただの定規でしかないんだな・・・と。

確かにただの定規だと思います。
しかし、私などはこの定規がないと売買は出来ないのではと感じています。ただの定規でも自分の得意技にすればよいと思っています。多くを覚える必要はないと思えます。

> 定規をあれこれ換えたりしたって、機能する時は機能する、機能しない時は機能しません、当たり前ですね。

その通りと思います。
機能する時と機能しないときをある程度把握して売買する事が大事かと思います。多くの売買をしているとそんな感じが見えてくる時があります。また、機能させるためにも動く銘柄の選定が必須と思っています。

私などは、スキャルピングなど到底できません。
損小利大こそ唯一の方法と思っています。
売買には売買のポイントがあると思っています。
デイトレでも、そのポイントがくるまでじっと待ちます。
ポイントと言っても勝率は50%内外の感じです。
何が違うか、それは当たった時に利を伸ばせるポイントとかそういった感じです。
未来予測など5分先も判らないと言って過言ではありません。
よく損切りが遅れて失敗します。最初のころは指値をしたり逆指値を入れていましたが、今はほとんどそれはなくなりました。板が厚い時は指値の時はありますが、成り行きが多い感じです。



とても、いいお話だと思います。
こういう思いの方も多いことでしょう。
この方の書かれていることは、よくわかります。
私は、ものさし、という言葉は、「大したことない」とか、「意味がない」という意味で使ったのではありません。
ものさしに込められた思いとは、「たかがものさし、されどものさし」であって、ものさしがなければ、ものは計れませんし、といって、ものさしが、次を予測してくれる魔法のツールでもない、という意味でもあるのです。

いい機会ですので、このものさしについて、以下に私の考えをまとめてみましたので、読んでみてください。




■テクニカル分析アラカルト

私は、トレードにあたっては、テクニカル指標はほとんど使っていないので、あまり説明をしてこなかったのですが、それは、感覚的に値動きを受け止めた方が楽だからです。
しかし、そうではなく、ものさしがあったほうが楽だ、という人もいて当然ですし、ましてや感覚的に値動きが受け止められないビギナーにとっては、テクニカルというのは、大切な指針になることでしょう。

これは、何が正しいというよりも、それぞれの属人的なことになるのだと思います。

感覚的に値動きを受け止められれば、指標の必要性はだんだんと薄れるのは、価格さえ見れば、今どういう状態にあるのかわかるからです。
これは、旋盤職人が、触った感覚でミクロン単位のでこぼこを見分けられるのと同じようなものです。
そういう手の感触があれば、機械的に計測されたものは、特に必要も感じません。

しかし、そうではなく、確認できるツールに頼ったほうが楽だという人も当然います。
レーダーがあったほうが、判断しやすい、という人もいるでしょう。

少なくともビギナーの下手な相場観を振り回すよりはよほどいい結果が出ることは間違いありません。

ただ、テクニカルツールを使いこなすには、一つ大切なコツがあると私は思っています。

それは、そのツールの考え方を理解しておくこと なんです。

ツールの使い方ではなく、考え方です。

どう見るのか、とか、どうなったら売りか買いか、などはどこでも書いていますが、その指標の考え方については、あまり触れられていません。
しかし、その指標の持つ考え方をきちんと理解しておかないと、指標を使いこなすのは難しい、と私は考えています。

では、具体的に、考え方とは何か、というと、テクニカル指標の解説では、ほとんどが、「20を切ったら買い」とかいうように、見方しか解説されていません。
それでは、実践で自信を持って使いこなすのは難しいのです。

ツールの考え方を理解するとは、

何故そのツールは機能するのか

何を意図してそのツールは作られたのか

これらを理解してツールを使う、ということです。


レーシングドライバーが、エンジンについて詳しく知っているように、ツールとはどう組成されていて、どういう考え方で作られているのか、を理解しておかなければ、結局使いこなせないのです。

ということで、そういう観点から解説していこうと思います。



前置きはこのぐらいにして、例題として、ストキャスティクスについて説明したいと思います。
これは、この指標が単純でありながら、テクニカル分析には欠かせない重要な概念を内包している指標だからです。

よそで書いてあるストキャの説明は、改めてここでする必要もないので、まずはこちらのリンクを読んでみてください。

http://www.forexchannel.net/tech/Stochastics/

http://swing-trade.net/trade167.html

ここで、最も注目したいのは、ストキャスティクスの計算式です。

%K=((当日の終値-N日間の最安値)/(N日間の最高値-N日間の最安値))×100

%D=(((当日の終値-N日間の最安値)のY日間合計)/((N日間の最高値-5日間の最安値)のY日間合計))×100

%SD=%DのY日移動平均

これをまずしっかりと読み込んでいくことが、考え方の理解につながります。

計算式を見ると頭が痛くなる、という事ではテクニカルは使えませんので、頑張ってチャレンジしてみてください。
少なくとも、ストキャは、一番簡単なものですから、頑張って読んでください。

では、基本となる %K を読んでいきましょう。

この計算式をじーっと眺めていて、これが何を意味するものか、と考えるわけです。

「N日間の最高値-N日間の最安値」というのは、どういう意味でしょう。
N日間というとわかりずらいので、仮に5日間と置きます。

すると、この式は結局、過去5日間の高値と安値の差(幅)である、ということになります。

過去5日間の幅が仮に100円であったとします。

次に「当日の終値-N日間の最安値」の意味を考えます。
当日の終値から過去5日間の安値を引く、ということは、過去5日間の安値からどれだけ上に現在値が位置しているか、という意味になります。
これを仮に20円とします。

この20円を過去5日間の高値と安値の差である100円で割って、100倍する、ということで%Kが算出されます。

%K=20÷100×100=20

この20というのは、この計算式からどのように意味を持っているというのでしょう。

文章にすると、次のようにこの計算式は説明できます。

過去5日間の値幅が100円であったのだが、安値から20円のところに現在値は位置しており、下から20%の位置づけにあることを示す

となります。

おわかりになりますか。

ストキャスティクスとは、過去のある一定期間のレンジの幅のうち、今どのあたりに価格があるのか、という位置付けを示している、ということになります。

なので、今過去5日間の最安値なら、一番安いのだから%Kは0%となり、今日が過去5日間の最高値なら、%Kは100%となるわけです。
過去5日間の最高値と最安値の中間なら、%Kは50%となるわけです。真ん中だからです。

結構単純ですよね。

この指標は、過去の一定期間をとにかく無理やりにでもレンジと見立てて、そのレンジの中で今が高値の位置にあるのか、安値の位置にあるのか、を示して、今が安値なら買い、高値なら売りとします。

でも、ちょっと待てよ。もし、レンジではなく、トレンドが出たらどうなるのでしょう。
上げトレンドが出たら、当然ながら当日がストキャスレンジの高値になる可能性が高いのだから、計算結果は上に張り付くように動くことになります。

逆にレンジで相場が推移するならば、過去のレンジの安値で買って、高値で売る、というこの指標のサインは有効となるわけです。

では「%D」は何を表現しているのでしょう。何のためにこのような計算をしているのでしょう。
%Dは、計算式を読むと、結局%Kを数日間で平均化しているわけです。

平均化というのは、何のためにやるのか、というと、日々の動きだけでは、上がったり下がったりが激しく、ごちゃごちゃしてわかりにくいので、それを平均化して、スムーズにラインが出るようにする手法です。

つまり%Dというのは、%Kを平均化してスムーズにしたものである、となります。
%Dは、%Kだけでは、ごちゃごちゃするので、それを3日間で平均化し、ラインがスムーズに動くようにしたものである、となります。
結局、%Dは、%Kの3日移動平均線である、となります。

%SDは、さらにそれを平均化したものです。よりスムーズにラインを描こうという意味になります。
つまり、移動平均線のさらなる移動平均線ということです。

そうすると、そもそもの考え方としては、%Kが過去のレンジのどのあたりに位置しているのかを示すものであり、%Dは、それを平均化し、だいたい安値近辺か、高値近辺か、というだいたいさ、を示す指標である、ということが言えます。



では、この計算式をひも解いた結果、ストキャスティクスにはどういう性質があって、どのように使うべきなのか、ということが言えるでしょう。

この指標は、とにかく、過去の対象期間を無理矢理にでもレンジと見立てて、そのレンジのどのあたりに位置しているのか、を示すものです。
ですから、そのレンジの高値近辺か、安値近辺か、を売買サインとしているということは、はっきりと行ったり来たりとなっている相場ではサインどおりの値動きが期待できる一方で、トレンドが出れば、上と下に張り付くことになる、ということが計算式上はっきりとしているのです。

ということは、逆に、この指数が行ったり来たりしているうちはレンジであり、上下に張り付く状態はトレンドである、と判別できます。

実は、相場がトレンドであるかどうか、の判定というのは、非常に重要であって、これさえわかれば勝てるチャンスは非常に大きくなります。

結果として、このあたりの見方については、一般の解説と同じになりました。
しかし、計算式をしっかりと知っていて、「何故こういう結論になるのか。」を理解している人は、この指標を使いこなせるのです。

何故なら、思い通りに動かなかった時に、何故思ったとおりの動きにならなかったのかがわかるからです。


この指標を使って逆張りしたとして、すぐに反転しなければ、それはトレンドに入った、と理解して、速攻で損切りし、ドテンする、というやり方もあるでしょう。

この指標のポイントは、過去のレンジがそのまま続く、という仮定を一旦置いている、ということにあります。
この仮定が正しければ、この指標も有効である、ということが言えます。

ただ、何度も書きますが、計算式から、過去N日のレンジのどのあたりに今位置しているのか、を計算しているに過ぎないのですから、自ずとそこに限界もあるわけです。
レンジが続けば当たるし、トレンドが出れば外れる、それがこの指標の限界であることは、計算式からはっきりと見えるものです。

一旦、このように理解した上で、どうやってこのストキャスを使うのか、ということになります。

例えば、

①ここはレンジになりそうだ、という時に、エントリーの補助として、ストキャスを使ってみる。

②移動平均など、トレンドを把握するような指標と組み合わせて、トレンド方向に逆らわないようにのみストキャスでエントリーを探す。
つまり、一時的な押し戻しを把握するための補助指標とする。

③例外的な使い方として、張り付くのを待ってトレンドフォローに切り替える

などなどでしょう。

計算式を理解しておけば、自ずとこういう使い方はわかるはずです。
単に答えだけを見ている人とは理解のレベルが違います。

このように、計算式をひも解いて、この指標がどのように作成されているのか、式の持っている意味とは何なのか、どうしてこういう計算をしているのか、何のためにここでこうやって計算しているのか、を式から読む、ということが、その指標を使うためには絶対にやっておかねばならない作業だと、私は思っています。


それをやることによって、

その指標がどういう時に機能して、どういう時には機能しないのかが事前にわかる

のです。
これは、非常に重要なことです。
こういう理屈は、一般的には、あまり説明されていません。

結果だけを示して、20以下は買い、80以上は売り、では、正直使いようがない、と私は思います。

残念ながら、どんな相場でも儲かるサインが出るようなタイガーバームのようなテクニカル指標は存在しません。
(タイガーバームが効くとは思えませんが(笑))

感覚的であれ、システム的であれ、必ず何らかのフィルターを使わなければ、単独で機能するような指標というのはほとんどありません。

そのためにも、その指標がどのように計算されているのかを知ることで、本当に使える指標となり、自分にとって、手の内に入った指標になる、ということだと私は思っています。

ですから、逆に言えば、ブラックボックス化されたようなテクニカル指標には興味がありません。
何故機能するのか、いつ機能するのか、が見えないからです。
(当然動きを見ればだいたいは推定はできますが・・・)


多かれ少なかれ、テクニカル指標というのは、このように過去の数日間の値動きをそれぞれのやり方で計算したものであって、計算の方法こそ違えども、どれも50歩100歩です。
計算方法がちょっと違うだけで、本質的にはほとんど同じと言ってもいいでしょう。
特殊な計算をどうやろうが、元が同じなのですから、結果は大差ありません。

そこにロマンを求めている人には残念な話ですが、計算のルートがちょこっと違うだけなのですから、私が、「そこに特別な答えはない」、というのは、こういう理解からなのです。

これが、

たかがものさし、されどものさし

の意図するところなのです。


今回は、私のブログとしては異例の(笑)個別テクニカルのことを書きました。面食らったファンの方も2名ぐらいはいるのではないでしょうか。(笑)
実は、前にも書きましたが、私は相当テクニカルは勉強していますし、それなりに深く考えています。
ただ、その結果、使わないだけなんです(笑)

また、今回は、非常に読みにくかったと思います。
それは、計算式であり、個別のテクニックのことでもあるからですが、読みにくい中で最後まで読んでいただいた方は、とても熱心な方なのでしょう。 



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引き金を引く

2013/05/19 Sun

先ごろ事故で亡くなった陸上自衛隊の精鋭である特殊部隊のトップの方のお話が今日の日経に掲載されておいり、とても印象的でしたので、転載しておきます。

どんな訓練をしているのか、という問いに対して、

危険な任務を覚悟しなければならない。訓練は過酷だ。たとえば30キロを約5時間、休みなしで泳ぐ。「海では誰も助けてくれない。孤独に耐えられる精神力も鍛えなきゃならない。」

だが、いちばんきついのは、肉体の極限に挑む訓練ではない。もっと厳しい壁があるのだという。

「だれでもいざ戦闘になったら、引き金をひけないものだ。相手を撃つのに相当な葛藤がある。だが、それでは守る前にやられてしまう。戦場では家族、愛する人、仲間を守る決意で戦う。敵が来たら何も考えるまもなく、タン、タン、と撃つ。そんな訓練を徹底しなければならない。」



素晴らしいヒントになる話だと思って読んでいました。

訓練とは、実践とは、心の葛藤とは、など、トレードと比較にならないほど過酷な環境で国を守るために頑張っておられる方の言葉だけに実感があります。

これに比べればしょぼいかもしれませんが、トレードの現場とてお金のやり取りをする戦場。
理屈だけで成り立つ世界ではありません。
そこには、常に心の葛藤が存在し、頭で考えたような結果が出ることは稀です。

敵が来たら何も考えるまもなく、タン、タン、と撃つ。そんな訓練を徹底しなければならない。

日ごろからどういう覚悟で売買しているのか、それが問われるものでしょう。
増してや、実践経験を積んでいなければ、小理屈だけでなんとかなるものではないでしょう。


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回顧録

2013/05/22 Wed

「テクニカル分析アラカルト①」とか書いて、連載意欲満々だったのですが、反響皆無ということで、見事この企画はボツ企画となりました。

次は、RCIとか考えていたので、実はこのRCI説明がものすごく難しいので、どうやって書こうかと密かに悩んでいたりしていたので、ちょっとうれしいかも(笑)

ただ、テクニカル指標というのは、何にしても、その計算式をひも解いて、その指標を作った人が、何のためにそのような計算をさせているのか、その指標の持つ考え方、を理解した方が絶対に使えると私は思っています。
それだけはお伝えしておきます。

それから、ボリンジャーバンドですが、これは標準偏差の考え方を無理矢理にチャートに当てはめていますので、これが標準偏差の2倍なら97%はこの範囲に収まる、なんて、そもそも無茶なことです。



実は、こういったテクニカル分析を懸命に勉強していたのは、もう25年も前の話でした。
テクニカル分析の記事を書いていて、色々当時の思い出が同時に思い出されて懐かしく感じました。

当時は、エクセルなど存在せず、DOSベースの「ロータス123」というソフトを使って計算させていました。
RCIという指標は、計算式だけでは無理で、マクロを駆使してやっとこさできたもので、これが計算できたときはうれしかったですねえ。

それから、当時、ゴム指数先物を使って、ボラティリティブレイクのシステムを作って、それでシステムトレードしていたことを今回の企画を書いている時に思い出してなつかしく感じました。
これは結構儲かった記憶があります。

最近になって、知り合いのシステム屋さんに昔のこのゴム指数のボラティリティブレイクの話をしたときに、「私もやっていました」と、マニアックな共感を得て大いに話が盛り上がったのを記憶しています。

当時の商品は、順張りに優しくて、小豆、ゴム指数、乾繭、生糸など、ブレイク系もよく機能していました。
中源線なども使って、順張りしていたこともありました。

色々と短期のシステムを作っては商品先物で売買していました。

手数料の関係で、株の短期売買が難しく、どうしても短期売買(数日のスイング)となると、商品先物しかなかった時代だったのですね。

これもパソコンが一般にも出回って、みんなが計算するようになると、だんだんダメになってきましたね。

人が持っていないPCを持って、人が計算していないことを計算して、人がやっていないブレイクをやる、ことで、当時はエッジがあった、ということだったのでしょう。

当時の商品市場では、林先生全盛期でしたから、基本「逆張りナンピン」が主流でしたし、順張りブレイクなど邪道、ということでしたので、逆にやり放題、という感じだったのでしょうかね。

PCなんか使うな、寄付き以外売買禁止、なんていうルールが基本でしたから、逆指値注文とか、邪道中の邪道って感じだったのですよね。

人の裏を行ったから儲かった

ということでした。

私は、ブレイク注文を逆指値で商品先物会社に入れておいて、注文ができたら、逆指値損切り注文を置くわけです。
当時は、携帯がなかったので、公衆電話で1日何回か商品会社に電話。
東京ゼネラルというところで、当時は珍しかったカウンターレディ相手に発注していました。
今でこそ当たり前のことですが、それを25年も前にやっていたのは、大したものです。

PC利用では、同じころに、オプションの方程式をPCで作って、それをワラントというオプションと似たような商品の理論価格を計算して、割安を買い、ということもやっていました。
今では当たり前のオプションの売買戦略ですが、これも当時、誰もやっていなかったことだと思います。
自分だけが「オプション方程式を使って理論価格を割り出せる」というエッジは相当に大きいはずでした。
方程式的には、割安のオプションがゴロゴロしていました。
ギヤリングから見て、もし原資産である株価が反転すれば、莫大な儲けが出るはずでした。

しかし・・・現実はそう甘くはありませんね。
理論的には正しいはずだったのですが、そもそもの原資産である株がさらに大暴落して、大損しました(笑)
方程式に絶対的な自信があった私は損切りをせずに、ナンピンしたのですよね。

自信があったが故に、大損した

のです。
自信がなければ、ナンピンなどしませんから・・
しかも、オプションの割安かどうかということに気を取られて、大事な原資産である株価の動向を見落とした、という致命的なことをやってしまったのですね。
しかも、ノーヘッジでしたから、死亡です。
裁定も大切ですが、トレンドにも注意しましょう、って話です。

LTCMと同じ末路ですね。
彼らもめちゃくちゃに自信があったからこそ、アホみたいなレバレッジをかけたことが原因して破滅したのです。
確か数千億円のファンドで、100兆円とかの金を動かしていたのですよね。

まあどうでもいい思い出話でした(笑)


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優待生活

2013/05/30 Thu

■最近の相場

最近、「相場どうなりますかね。」とよく聞かれるので、返事に困ることが多いのですが、みんな「どうなるか予測してどうするか決めようとしている」のでしょうね。

テレビなどを見ていると、「目先は一旦下がるとしても、景気は回復基調なので、高値を取ってくるでしょう。」という話がほとんどです。

罪作りですねえ。

これで、ほとんどの個人投資家は、売れなくなる。

みんな予想で相場をやるものだと思っているから、予想が上なら、株を買って我慢我慢になってしまいます。
儲かったら、ちびっとの利益でホイホイ売るのに、損すると、お地蔵さんになって動かなくなる。

しかも、買っている人は、基本的に「上げる話」しかきかない。聞く耳をもっていない。

だから、先ほど私に「相場どうなりますかねえ。」と聞いてくる人は、基本的に株を買って頑張っている人なので、

「いやぁーー、ここは下がっていますが、いずれ高値を取ってきますよ!!」

と言って欲しいだけなのだろう、と思う。

言ってあげようか。
心の声。

「一旦下げていますが、(100年以内には)高値取りますよ。」



■株主優待

うかっとしていて、5月末までの優待がかなり残っていることに気が付いて、先週末から、優待に走り回る日々を送っています。

まるで、桐谷さん状態に(笑)

桐谷さん


昨日は、ウエルシアで3000円の優待を使ってビールを買って、吉野屋で食事。

本日は、TOHOシネマで映画を見て、サイゼリアで食事の予定です。

優待期日の管理は、ついつい怠ると、こんなことになるので、気をつけていたのですが、何とも(笑)

ビッグカメラなど、残したまま終了しそうで、もったいない。




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プロフィール

あらなみ

Author:あらなみ
職業:個別株投機家・専業デイトレーダー

Twitter: @aranami718

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