ヌエの如く

2014/05/06 Tue

■アナと雪の女王

GWはいかがお過ごしでしょうか。
私は、普段会えない友人と会って昼から飲み会をしたりして過ごしていますが、昨日は、映画「アナと雪の女王」を見てきました。
ストーリー展開の早さ、音楽、そして、吹き替えともに、文句のつけようのない一級品のアニメだと思いました。
結構前からの公開ですが、GW中のシネコンでも一番人気で、早々に満席となっていることからも人気の高さが伺えます。
とてもおすすめです。
日本語吹き替えで見ましたが、松たか子&神田沙也加の吹き替えと歌がほんとに素晴らしく、これだけ吹き替えが見事にハマっているのは見たことがありませんでした。
また、私は3Dで見ましたが、3Dもとても自然で意識することなく見ることができます。
通常ですと、映像を出し惜しみして映画に誘導しようとするのですが、この映画は、YouTubで音楽部分などを聞けるようにしていて、ここを先にヒットさせて映画に導く、という逆転の発想をしていることがわかります。

「ありのままで」という歌はとても素晴らしく耳に残る歌でしたが、ちょっとだけ複雑な気持ちで聞いてしまいました。
「ありのままで」トレードするとひどい目に合うからです(笑)

ただし、トレーダー生活は、「ありのままで」を実践できていると言えるのかもしれません。
誰かに束縛されることなく、時間とお金が自由になれば、「ありのままで」を実践できる、という意味では、トレーダーが唯一の職業であるのかもしれない、そう思います。
特に時間的自由というのは、特筆できる特徴でもあります。

トレーダー生活というのは、この雪の女王であるエルザと同じところがあって、自分1人で氷の城に立て籠もって生活している、ということになります。
これが一人暮らしなら、それこそ1週間で人と口を聞いたのは、イオンで「袋いりますか?」「はい」という一言だった、ということにもなりかねません(汗)

エルザというより、「塔の上のラプンツェル」と同じと言った方がいいでしょうかね(笑)
(これもとても素晴らしい作品です。)
毎日毎日、1人で、同じ時間に起きて、PCを立ち上げて、同じようにトレードを繰り返す日々。
まるで、ラプンツェルと同じです・・・

人との接触を求める人にとっては辛い生活かもしれません。



■ヌエ

前の記事には、多くのコメント頂きました。ありがとうございました。
私は、この要諦部分、すなわち、基本となる考え方、相場の基本感、と呼んでいますが、相場哲学、と言う人もいます。
この「家の土台となるべき部分」の考え方が違うとどうなるか、というと、ボタンの掛け違いと同じで、その先は何をやってもずれてくる、わけです。

なかなか相場で勝てない人、には、「共通した基本となる考え方」というものが存在しています。
これは、ご自分では、意識されておられないことがほとんどなので、わからないと思いますが、意識するしないに関わらず間違いなく「基本となる考え方」は存在し、それが負ける人に共通したものである、ということもわかっています。

一方で、「具体的なやり方」については、勝っている人も、負けている人も、似たようなことをやっており、実は、やっていることだけではその人が儲けているのか、負けているのか、判別不可能です。
ブレイクなど順張りをしていか、オーバーシュートを狙っているか、などなど、値動きに対するものなど、相場は上か下かしかないのですから、所詮は知れています。

ところが、相場に対する「基本感」を探ると、「ああ、この人の考え方では勝てないな」ということがすぐにわかります。

つまり、何が勝者と敗者を分けているのか、ということが、多くの人が考えているように「具体的なやり方」には無いということ、これもまた「基本感」の違いってことで(実にややこしい)

いくら努力しても、土台がずれている、ボタンを掛け違っている、わけですから、なかなか成果が上がらない状態が続くことになります。

林先生は、「誤った努力」と表現されていますが、相場の学習プロセスは、受験勉強など通常の学習プロセスとは違う道筋がありますから、そもそも「プロセス違い」ということもあるわけです。

ほとんどの初心者は、資格を取る、だとか、受験する、だとか、そういう「学習プロセス」を正しい、と理解しているので、当然に、というか、「暗黙知」「当たり前としての考え方」として、過去の経験則で積んだ学習プロセスを相場の学習にも取り入れます。

そして、数学や英語の学習で学んだ、「方程式」「公式」を相場にも求めます。
他の教科でも同じでしたが、「まずは方程式を覚えること」が学習であったわけですから、当然の如く方程式を探すわけです。

方程式探し = 学習

であったのだから当然でしょう。

これも、判で押したように同じように、アヒルの子供のごとく、みんなが「公式」を探し、その「公式探しこそが相場の学習だ」と理解しているのです。

ところが、とても残念なことに、相場は公式で表現できるほど、単純ではありません。
その単純でないものを、無理矢理に単純に公式化しようとすることに、そもそも無理があるのですが、それでも、何が何でも単純化して、公式化したい、そう考えているから、永遠に相場の複雑さを理解できないのです。

こうして、せっかくの努力も、「単純化を求める努力となって」それは、求めても答えの無い世界ですから、結果として、ボタンの掛け違いで、ずっとずれたまま、すなわち「負け組の考え方」のままに、その努力の先にはゴールが無いわけです。

初心者の考え方で、最も端的に見えるのがこの「相場を公式化したい、単純化したい」という努力で、これは、そもそも「相場は公式化できるはずだ」という基本的考え方、というより、「勝つためにはそれしかない」という決め付け、が先にあるわけです。

相場は複雑ですよ。
実際。

ほんとに複雑だと思います。
単純な公式が当てはまるわけがない。
理由も単純です。
相場参加者は、その局面局面で全て違うからです。
同じ人が過去と同じように売買することなどあり得ません。
前回、失敗すれば、それを学習しない人などいません。
学習すれば、参加のパターンは違ってくるのです。
同じように繰り返し繰り返し損を出し続ける人も稀にはいますが、自分が学習するのと同じく、人も学習しているものなのです。

だから、私は、相場は、鵺(ぬえ・ヌエ)のようなものだ、という認識をしています。
「ぬえ」とは、その姿顔は猿に似て、胴は狸、足は虎、尻尾が蛇、というわけのわからない妖獣であり、ひいては、「つかみどころがなくて、正体のはっきりしない人物・物事」という意味です。

私の相場認識は、ヌエなのですが、そのヌエを公式化しよう、定型化しよう、単純化しよう、という試みが果たして成功するのかどうか、甚だ疑問なのです。

ヌエを公式化する試みのほとんどは失敗に終わっているという現実が答えでしょう。

それよりも、ヌエをヌエであると認識すること、つまりは、相場の複雑性を理解し、それでも、そこで、経験値を積んで、土地勘であるとか、ヌエの隙を探す目利きをつける、だとかしたほうが公式化する試みよりも近道ではないのか、そう考えています。

特に、経験値として「土地勘」ということは非常に大きく、はじめて行ったスーパーで迷子になるのと、日頃行っているスーパーでどこに何があるのか知っている、違い、というのは非常に大きいことだ、と記しておきましょう。
特に、4000銘柄近くある個別株市場においては、この土地勘の果たす役割はものすごく大きいのです。

ですから、相場を単純化して方程式に置き換えようとする学校方式の勉強プロセスを見なおして、職人さんとしての腕をつけるべく、複雑な相場を複雑なものと受け止めて、繰り返しの経験値を積む努力に置き換えたらどうか、というのが、私の経験から言えることでもあるのです。


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格差の理由・・1

2014/05/08 Thu

昨日、何気なくテレビを見ていると、マジシャンの年収をランク付けしている番組をやっていました。

年収が20万円の人から、5000万円の人まで、すごい格差です。

何となく見ているうちに、この番組、実はすごいことを伝えている、と感じました。

というのは、これだけの格差があると、普通の人だったら、上位の人はマジックの腕がさぞかしすごいから年収が高いのだろう、と思うと思います。


しかし、このものすごい年収格差は、マジックの腕の差ではない、ということが番組で明らかになります。

年収20万~100万円というクラスの人は、「自分には知名度がないし、腕がまだ未熟だから」ということを言いつつ、マジック売り場のアルバイトをしたりということで何とか食いつないでいる人たちでした。
マジックをやる以外、何か積極的にしている、という感じは受けません。

ところが、年収が上がるにつれて、ひと味違うスタイルで稼いでいる人たちがいました。
かなり小太りのマジシャンは、朝から、飲食店を次々に回って、営業をかけて、1日中営業しているのです。
とにかく足で稼いでいく、というタイプでそこそこの年収を得ていました。

一方で、若くておしゃれなマジシャンは、セレブのパーティーに食い込んで、セレブ御用達のようになって、年収1000万円を稼いでいます。おひねりで100万円もらったこともある、ということを言っていました。

さらに、年収5000万円のマジシャンは、話をすると、もう「どこかの経営者ですか?」というぐらいマジックに対して、自分の生き方に対しての一家言あって、自分なりの哲学を持っていました。

振り返ると、年収20万のマジシャンは、うらぶれた雰囲気が漂っていて、「いかにも何とかマジック売り場のバイトで食いつないでいる感」がすごく漂っていました。

びっくりしたのは、年収20万のマジシャンが、年収5000万のマジシャンに対して、マジックを教えていたことがある、という話でした。
そして、20万のマジシャンは、5000万のマジシャンに対して「彼はマジックは下手だ。」と言ったことです。
当の5000万のマジシャンはそれを否定しませんし、「20万のマジシャンからマジックを教えてもらっていました。」と感謝していました。



この番組を見て感じたのは、マジシャンといっても、普通レベルのマジシャンであれば、同じようなトランプネタなどを使って、似たようなマジックを披露するわけです。

もし、マジックの実力差で稼ごうと思ったら、よほどの実力がなければ難しいのは明らかだ、と思いました。

それは、極一部のよほどの才能の持ち主が成せる技だと思います。

しかし、この番組に出てきているような、いわゆる普通のマジシャンの範囲であれば、上手い下手といっても、マジックの腕など、50歩100歩の世界でしょう。
ネタも仲間同士で同じようなネタで食っており、大きな差は出なさそうです。
そもそも、マジックのネタというのは、相場があって売買されているものなので、当然似たようなネタになるのは仕方がないようです。

そして、20万のマジシャンが5000万のマジシャンを教えていた、ということですから、

腕の差 = 年収の差

になっていないことは、明らかです。

では、この番組を見ていて、私が感じたものは、どうか、と言えば、年収の差は、次のようなファクターによってできているのではないか、と思いました。

①マジックの腕

②営業力

③話術

④人となり、風貌

⑤人間力



①のマジックの腕は、そこそこの最低限のプロとしてのレベルをクリアしていれば、年収格差になりにくい、というのは先程も書いたとおりです。もちろん、人に見せられるだけの最低限はクリアしていることが条件となります。

②の営業力ですが、ほんとに朝から営業に回り続けて、必死で仕事を取っている人と、どうせ自分は、という人と、年収で圧倒的な差が出ていました。

③の話術ですが、マジックではなく、ウイットの効いた話術で観客を引き込める人は、マジック云々ではなく、収入を得ることができていました。

④の人となりですが、これは、おしゃれでセレブ受けしそうな人はその個性を活かしてセレブに食い込んでいるのが印象的でしたが、太ってやぼったい感じの人でも、必死で営業に回っていることによって収入を得ている、という人もいて、自分の個性に合ったポイントをおさえられている人は勝ち組でした。

⑤の人間力、これは、どういうことかというと、大勢のマジシャンが出演していても、やはり年収1000万以上のマジシャンは数が当然少なかったのですが、この数が少ない人たちは、私が受けた印象ですが、

マジシャンじゃなくても成功していたんじゃないか!!

マジシャン云々の前に、人として大したやつじゃねえか!!

という人たちばかりでした。

話を聞くと、明らかに年収が低い人たちと違って、自分というものをもっていて、何をやるべきか、どう工夫するべきか、自己をどう律しているのか、ということをしっかりと語れる人たちなのです。

特に年収5000万円のマジシャンの方は、一家言を連発し、司会者も「マジシャンの話じゃなくて、偉い人の話を聞いているようだ。」「もうあなたはマジシャンじゃない。」と何度も言わせていたのが印象的でした。

一方で、年収20万円のマジシャンは、残念ながら「マジシャンやめても他の世界でも食ってはいけないよなあ。」という印象をどうしても受けてしまうのです。
会場の雰囲気も「お前、もうちょっとしっかりせいよ!!そんなんじゃだめだろう。」という感じでした。

つまり、マジック云々というよりも、もうマジックの前に、負け組は、

人として既に負けている

ことがどうしても見えてしまうのです。

本人は、おそらく「マジックの腕は自分の方が上なのに。」「これだけ自分が頑張っているのに。」と思っていると思いますが、司会者、コメンテイター、会場のお客さん、そして、私を含めて視聴者全員が、「何であなたは年収20万円なのかわかるよ!!」という状態でした。

他人のことならよくわかるんですよ(汗)


そういえば、その道の世界の一流といえば、「イチロー」であり、「羽生善治」ですが、彼らの言葉一つ一つが教えとなって、本になるぐらいに、それぞれの哲学を語っています。
そして、生き方は、実にストイック。
勝つためには、人としてどうあるべきか、ものの考え方はどうなのか、などなど、とても参考になる二人です。
単に、野球が上手い、将棋が強い、だけではないものを持っている、それがこの二人でしょう。
逆に言えば、野球が上手いだけ、将棋が強いだけ、では、超一流というレベルまでは行けない、ということになるのだろう、と思います。


この番組で大いにヒントを受けた、ということで、トレーダーの話に行きたいと思います。
何を言いたいのかは、もうお察しのとおりですがね(笑)

続く


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格差の理由・・2

2014/05/11 Sun

いつも、拍手いただきありがとうございます。
参考になったぞ、という励みと受け取ってありがたく見ています。

ということで、みなさんの期待どおり、予定調和してしまいましてしまいましょう(笑)

プロトレーダーにとって、トレード技術、相場の理解力、これが利益の源泉だ、というのは当然なのですが、少なくとも、この道で食っている専業ですから、どんなトレーダーであっても、それなりの経験があるわけですし、それなりの勉強もしてきているわけです。

まさか、「トレンドって何?」とか、「チャートパターンを知らない。」「ストキャス、RSI、ボリンジャー、移動平均を知らない。」「テクニカルとファンダメンタル、って何?」というプロトレーダーには、残念ながら会ったことがありません(笑)

ですから、本に書いてあるような通り一遍の知識はみんな持っていますし、年数を重ねれば、日々トレードを実践していっているのですから、経験値も上がってきます。
そこで、極端な差というのは、そんなに出ないわけです。

ところが、年収格差となると、マジシャンより実は厳しくて、それこそ年収マイナスという世界でもあるわけです。
一方で、とんでもなく稼いでいる人もいる世界ですが、相場知識においては、「年収マイナス君」の方が、知識は豊富にある、ということもありえます。
年収格差では、マジシャン以上で、百倍、千倍という格差があるのがトレーダーの世界ですが、その格差が相場理解度だけにある、とは絶対になりません。

また、専業だから、といって、みんながみんな相場の理解力がすごい、とかいうことでもありません。
さらには、プロ投資家よりも、「なかなか儲からなくて行ったり来たりしている投資家」の方が、相場知識が豊富で、本も何倍も読んでいる、などということは普通にあります。

特に、アマに多く生息する「手法コレクター」の豊富な知識には、私とて舌を巻きます(笑)
中には、100を超える情報商材を集めて、古今東西ありとあらゆる手法本を読みあさり、さらに「いい方法」を探して日夜「トレージャーハント」している「手法ヲタ」「手法の鉄人」もいるわけです。
彼らの努力たるや、「AKB48ヲタ」が握手券欲しさにCDを100枚買う、といったことと同じく、その涙ぐましい努力には脱帽するばかりです。
ただ、残念ながら、これは、「ヲタ」「マニア」の話であって、どこまで頑張っても、お金を使う側の立場なんです。
AKB48を使って、プロモーションしている事務所側の立場とは入り口が違います。

私も「ヲタ」だったのでよくその気持は手に取るようにわかります。
ただ、私は、「ヲタ」を卒業し、実践家となって、ようやく道が開けたことは、前にも書いたとおりなので、「ヲタ」たちの気の毒さもわかるのです。


前に野川氏が次のようなことを言っておられました。
「Aくんというのは、相場の理解力はイマイチなんだけど、稼ぐ力はダントツだ。」

この話に象徴されますが、相場の理解力と稼ぐ力、この関係は微妙だ、ということになります。

前回のマジシャンの儲けのファクター分類と同様に、トレーダーの年収格差のファクターを私なりに考えてみると、次のようなものになりました。
ただ、マジシャンは私にとっては他人事でわかりやすかったのですが、トレーダーは自分のことなので、理解不足かも(笑)

①相場の理解力

②自己規律・忍耐力

③胆力・精神力

④人間力


①の相場の理解力、ですが、広範囲をひとまとめにしました。
相場の理解力では、アナリストという存在があります。彼らは非常に相場を理解していますが、投資家ではありません。
何年もトレーダーとしてやっている同士の間では、この差が収入格差に決定的な違いをもたらす、とは言いがたい、ということが経験則的にはわかっています。


②の自己規律・忍耐力、ですが、私のブログでは散々取り上げている項目ですので、くどくどとは書きません。

自己規律という点で、年収格差という観点から面白いポイントがあるので紹介しておきましょう。
その人がどのぐらい勝っているのかどうか、ということを概ね見分ける手段があります。
それは何か、というと「部屋が片付いており、掃除が行き届いているトレーダーの方が利益を出している傾向が強い」というのが私の経験則なのです。
これは、「お掃除マジック」とか、そういう神秘的話ではなく、結局、自己規律を守れるタイプかどうか、頭の中が整理されているかどうか、という基準になるからです。
「自分の部屋」というのは、「誰に強制されることもない聖地」なので、そこを整理し掃除できるかどうかは、偏に自己規律だけにかかっています。

それができない、つまりは、

だらしない

というタイプの人で、自己管理能力に欠ける、ということが部屋の状態に象徴的に出ます。
マジシャンの例でもありましたが、自己管理能力の高い人は、自分から営業に回り、身なりを整え、とやっていますが、見るからに、そして話を聞いても、「だらしないタイプ」の人は面倒臭がってそういうことを自分からやることはありません。
会社ではきちんとしている、というのは、「強制されているからできる」のであって、強制されないところに、自己管理能力が明らかに出るのです。

これは、「金融リテラシー」ということにもつながります。
私が会社員だったころ、同僚がいつも給料日前になったら「金が無い、昼飯が食えない」とぼやいていました。
そして、給料日になったら、バサバサと使うのです。
中には、カードローンで金が回らなくなった同僚も結構いました。
つまり、「金があったら全部使う」ということが普通なのです。
全くといって、自己規律がありません。
お金に対して、だらしないのです。
こういう人は、トレードなど絶対にやるべきではありません。


ただ、今はだらしないタイプだとしても、絶対にダメなのか、というと次のような事例もあります。

友人のトレーダーですが、トレード開始当初は、ほとんど利益が出ず、バイトで食いつなぐような状態でした。
部屋は散らかり放題で、お金の使い方はいいかげん、平気でカードローンにも手を出す、というだらしなさ、でした。
それでも懸命に相場に取り組んでいました。
すると、専業ではじめてから5年経過したころから、次第に相場で利益が出るようになって、相場だけで食って行けるようになりました。
すると、彼の部屋に大きな変化が出ていたのです。
荒れ放題だった部屋が、綺麗に整理されて、掃除が行き届いている、まさに劇的ビフォーアフターになっていました(笑)
お金の使い方も、きちんとなっていて、以前のだらしない状態からすっかり足を洗い、人が変わったようになっていたのです。

自己規律がついたから儲かるようになったのか、それとも儲かるようになって自己規律がついたのか

鶏が先か卵が先か、わかりませんが、

相場で苦しんだ5年間が彼の心を鍛えたことは間違いありません。

(これは、逆に言えば、5年もの歳月をかけて、毎日毎日トレード漬けの日々を繰り返してやっと変われたのだ、とも言えます。)

昔のだらしない彼を知っている立場としては、同じ人物とは思えない成長ぶりにただただびっくりするばかりです。
何故、部屋を片付けるようになったのか、と聞くと、ただ「片付けたくなったから、散らかっているのが気になるようになったから」と言っていました。

余談ですが、デメリットもあったそうです。
それは、「仕事の愚痴を言い合っていた友人と疎遠になったこと」(笑)
自分では何の努力もせずに、上司の愚痴、会社の文句ばかり言い合っていた、その中にどっぷりと浸かっていたのだ、ということを外から見れるように自分が変化したのです。
デメリット?です(笑)


③の胆力・精神力、というのは私のブログではお初の項目かもしれません。
胆力とは、そもそも「事にあたって、恐れたり、尻ごみしたりしない精神力。ものに動じない気力。きもったま。(goo辞書)」とありますが、この胆力が座っているかどうか、というのはトレーダーにとって、かなり大きな収入格差につながります。

胆力に欠ける人は、ここが勝負どころだ、とわかっていても、攻め切れないでお茶を濁してしまって、結局、トータルの利益が伸びないのです。

結果として、「どんな時も、どんな時も」と歌にあるような「平面的な」「だらだらトレード」を続けてしまって、稼ぎきれない、という事態を招きます。

ちょとした相場の値動きでオロオロしたり、しょぼい利益で傲慢になって、少し大きな損失を出すとブチ切れる、とか、

とにかく、胆力無さ過ぎじゃね?

ということを頻繁に耳にします。

プロであっても、負けが続くと、相場から逃げ出す人も多いです。

一般投資家ならさらに、

勝てば有頂天ホテル、負ければ敵前逃亡

の繰り返しの人が多数派なのですから、もう話になりません。

(ちなみにこの「有頂天ホテルと敵前逃亡の癖」は、一般投資家の一番悪い癖だと私は考えています。理由は下で書いていますが、この癖を直すだけでも、大きな成長ができると思います。)

まあ、ブチ切れたままで相場やってもロクな目に合わないのは見えていますが、そういう目先の損益だけでいいのか、って思いますね。私から見れば。

負けが続いているとき、どれだけ踏ん張れるか、ということ、逆境に陥った時にこそが自分との勝負なのに、そこを敵前逃亡するのです。

ここでは余談ですが、そういう胆力だけの話ではなく、実は、

トレード技術の上達は、負けが続いた逆境時にどう立ち向かったか

によって非常に大きく左右されます。

逆境時にこそ神が降りてくる

のです。

私が、トレードがうまくなった、と感じた時は、全て「上手く行かなくなった時に歯をくいしばって相場に対峙していたとき」でした。
儲かっているときなど、ほとんど参考にもなりません。

ここを逃げる人は、いつまでたっても、自分に自信もつかないですし、永遠の負け犬になるだけです。
それだったら、やらないほうがマシだと私は思います。

ただし、損切りせずに損を耐えて引っ張ることは胆力とは言いませんから念のため(笑)
損を耐えることは、誰でもができることだからです。簡単なことなのです。
無計画に損を引っ張りお祈りするのは、ただのアホのやることです。
胆力がないから、損が出た時にオロオロして断固とした処置ができないままに放置してしまうのです。

ヘタッピーの必殺技である損したら、「放置プレイ」「見ないことにする」「いないないばー作戦」など、相場から逃げているだけですからね。敵前逃亡の典型的なパターンです。


また、胆力不足は、生活の中でのいろんな出来事で、心を乱してしまい、トレードに影響する、簡単に切れてしまう、などを繰り返し引き起こします。
家族が病気になったとか、トラブルが起きたとか、そういうことで、見事に崩れてしまうのです。
もちろん、トレードで勝った負けたで、一喜一憂し、フォームを簡単に崩します。
これがあまりにも脆い、という状態になった人をかなり頻繁に耳にします。

特に女性に多いのですが、「日常感覚をトレードに持ち込んでしまう」という愚をやってしまいます。
日頃、1円でも安く、ということで、自転車で数キロ先のスーパーまでわざわざ買いに行くという習慣がある立場にとって、数千円、数万円、が一瞬にしてパーになる相場の世界は厳しすぎます。
ましてや、ここが勝負、という時に、大金をかけて勝負するなど、非日常的過ぎて、その恐怖感に足がすくむのです。

しかし、相場は残酷で、攻めなければリターンもありません。

じゃあ、胆力がなければ、トレードは無理なのか、というと、これも「訓練次第」という部分がある、と私は考えてます。
私自身、この胆力、ということには、常に気をつかっているので、次のようなことを意識的に実践しています。

自分の身の回りにトラブルがあった時など、「敢えて」トレードに取り組むこと

自分自身が取り乱しがちな時にこそ、訓練の場が来たのだ、という認識です。
前にもチラっと書きましたが、親が救急搬送されて2ヶ月、葬儀の前後、1日とてトレードを欠かすことはありませんでした。
トレードが終わったらERに通う、という辛い日々が2ヶ月間続きました。
そして、そのほとんどの日をプラスで乗り切りました。
これを何故やったのか、というと、「心を鍛えるため」でした。
損益などどうでもよく、ただ、「事上練磨」(王陽明)するのみ、だったのです。
この時の経験は、私自身にとって大きな「自信」を手に入れることができました。
何とかかんとかですが、耐え切って、自分に勝つことができたのです。

胆力を鍛えるのは、非常に難しいですし、ものすごく時間がかかることです。

この胆力にかぎらず、自己規律、とて、とにかく「事上練磨」するしかありません。
普通の人にとっては、日々の特訓こそが一歩前進、二歩前進なので、「トラブルや出来事、儲けと損失」などで心を乱す中、どれだけ肝を据えてトレードできるのか、それが私の目標でもあるのです。

相場で稼ぎたい、という人に何故一番に「とにかく実践しろ」と言うのか、といえば、具体的なやり方などは走りながらだんだんと覚えていけばいいだけで、極端には1日で理解できることでもあるのだけれど、この胆力と自己規律だけは、とにかく、実践でしか身につかないし、メチャクチャに時間がかかることだから、

とにかく一日でも早く実践訓練して相場に鍛えてもらわないと間に合わない

という気持ちがあるからなのです。

これは、土地勘・経験値、などよりもさらに時間がかかるんじゃないかと私は思っています。


私は、とても残念なことに、もともと特別な相場の才能もありませんし、普通の精神力しか持っていません。

なので、特別になるには、普通じゃない訓練をしないと仕方がないのです。

だからこそ、どんなに辛い時でも、淡々と日々実践をやり続けること、相場から逃げないこと、私はそれを自分に課しているのです。

こういう特別な鍛え方をしないと、私は普通の人です。普通の精神力しか身につかず、ひいては、100人に1人も勝てない相場では生きてはゆけないからです。

勝とうとして、みんなそれなりに努力していますよ。実際。普通に勉強して、普通の努力はしているはずです。

しかし、普通じゃダメなんですよ。残念ながら。普通じゃ普通に負けちゃうんです。
普通ということは、みんなと同じなので、それは大衆を意味します。
つまり負け組です。
特別でないと残れない、それが相場の世界なんです。

特に、個人的な事情やトレードが上手くいかないなど、「辛い時ほど相場に向き合う」ことを大切にしています。

これは結局「自分と向き合うこと」「自分に勝つこと」と同じなのです。



④の人間力ですが、これは、自己規律、胆力も含めてもっと総合的な話になります。
これはマジシャンのところでお話できた部分でもあるのでトレーダーとして特別ということもありませんから省略します。




王陽明、伝習録より

わたくし陸澄が接待係として役所に勤務していたときのこと、ある日、家から手紙がどどき、子どもが危篤になったと知らせてきた。わたくしは心配のあまり、居ても立ってもいられなくなった。それを見て、先生がこう言った。
「こういうときこそ自分を鍛えなければならない。こんな機会をみすみす見のがしてしまうなら、ふだんの勉強はなんの役にも立たなくなろう。実はこういうときこそ自分を鍛える絶好の機会なのだ。
父が子を愛するのは自然の情ではあるが、しかし天理にもおのずから中和するところがあり、これを過ぎれば私意になってしまう。」

どんな所に身を置いていても、自分にその気さえあれば、すべて自分を鍛える場とすることができる。特に、逆境にあって苦しいとき、悲しいときこそ、自分を鍛えるまたとない機会なのだという。また、王陽明は、人間の感情や欲望を必ずしも否定しない。ただ、それに流されたり溺れたりして均衡を失するこが不可なのだという。だから、それらのバランスをとることも、学問・修行の重要な目標に一つとなる。(守屋洋解説)




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やるべきことができればそれでよい

2014/05/14 Wed

今朝は、大きな勝負に出ました。
結果、勝つことはできませんでしたが、やるべきことがやれたということで満足な朝でした。

やるべきことをやって、結果は運次第

自分にできることをやればよい

後は、人事を尽くして天命を待つ


やることをやれたんだから、結果などどうでもよい。
結果は、運次第なのだから、自分の責任ではない。
思いどおりに走ってくれなかったのは、私が悪いんじゃない。
たまたま相場がこうなっだけであって、自分はやるべきことをやれたのだから、それだけで満足。

逆に、いらんことをして、仮に勝てたとしても、全く嬉しくありません。
さらに、いらんことをして、負けたら、自分の規律の無さに無性に腹が立ちます。
この場合、勝っても負けても、結果にかかわらず反省しかありません。




私がとても大切にしていて、何度も何度も見ているものがあります。

NHKプロフェッショナル、青森、大間の神と呼ばれるマグロ漁師の山崎に番組取材があったとき、マグロを逃したので、番組スタッフが「悔しいですね」と声を掛けた。

すると、山崎は半分怒ったように次のように言った。

「悔しいって言ったってしょうがないじゃん。自分が悪いんじゃないよ。こういうのが悔しいんであれば何も漁に来なければいいんだ。こういうのが悔しいならね、出ない方がいいんだ。」

山崎の流儀は、

「マグロを釣るのではない、マグロに選んでもらう。そのためには、労力を惜しまない。できることは全てやる。」

「同じことを繰り返して繰り返して、たまに選んでくれるマグロがある。マグロ様はさ、偉いもんでさ、昔の殿様みたいなものだ。」




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ショート・ショート

2014/05/16 Fri

< 旅 人 >

旅人は、疲れ果てていた。

「もう1週間も何も食べていないし、水もここ数日飲めていない。」

考えてみれば、荒野をさまよって2週間近くになる。

道を外れて、すぐに引き返せばよかったのだが、こっちのほうが近道だろう、と引き返すのが無駄に思えてそのまま進んだのが悪かったのだ。
しかも、迷った数日後までなら、まだ戻れる可能性があった。
状況はどんどん悪くなる一方だった。
しかし、自分の意思で選んだ道だ。
自分がやらなかっただけなのだ。
しかし、それがわかった今はもう遅い。

ほとんど動けなくなってきている自分がわかった。
死期が近づいている、そう感じた。

そういえば、昨日からちょっと先の丘の上に、ハゲタカが一羽こちらの様子を伺っている。
今朝、近くに来たから追い返したら逃げていって、また丘の上でじっとこちらを見ている。

昼頃になると、どこからともなく、ジャッカルの親子が近くからこちらを見ている。

「お前らも俺を狙っているのか、しっしっ、あっちへ行け!!」

と石を投げたらちょっと離れたが、やはりジーっとこちらの様子を伺っている。

「こいつら、死の匂いを嗅ぎつけて待っていやがるのか。何て奴らだ!!」

と腹が立ったが、もうどうすることもできないということは自分自身が一番よくわかっていた。

だんだんと意識が薄れていくように感じる。
もうどうとでもなれ、そんな心境になってきた。

するとジャッカルの親子が近づいてくる。
手を上げる最後の力をふりしぼって、しっしっ、とやると、「まだ力が残っていたのか」とちょっとがっかりした表情でジャッカルは離れていって、また元の位置に戻って、じっと待っている。

こちらが反撃できなくなるまで、ひたすら待っているのである。

翌朝、旅人は動かなくなった。



ジャッカルの親子の会話が聞こえてきた。

「坊や、たくさん食べておくのよ。」

「どうして。」

「こういうご馳走というのは、いつもいつもあるわけじゃないのよ。だから、食べられる時にお腹いっぱいになるまで食べておかないと、いけないのよ。」



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ショート・ショート2

2014/05/19 Mon

<ラプトルの悲哀>

私はラプトルだ。
もう1時間もかけて獲物を追いつめつつあった。
後少し、後少しだ。
後少しでご馳走にありつける。
獲物を追い詰めた。
ほぼ最後の仕上げを残すのみだ。
「ここだっ!!」
と獲物に飛びつこうとした瞬間、後ろから、Tレックスが一気に襲いかかってきた。
形成は逆転する。
Tレックスのパワーは恐ろしく、私らラプトルはひとたまりもなかった。
結果、獲物を全て横取りされただけではなく、自分までが傷を負ってしまったのだ。
何ということだろう。

「Tレックスの野郎、人の獲物を横取りかよ。」

そうつぶやいても仕方がない。
ここは、仁義も無ければ、譲り合いも無い。
大自然の掟だけが正義なのだ。
つまり、強いものだけが生き残れる世界なのだ。

ラプトルとTレックスの戦い-ジェラシックパークより

(本日の実話である(笑))



<少子化問題?>

南の島にある村があった。
とても恵まれている村で、裏のジャングルに入ればバナナなどフルーツがいつでも取れて、海に潜ればすぐに魚が取れたので、村人は働かなくても、とても幸せに暮らしていた。

時代が進んで、次第に子どもが増えて、人口が多くなった。
それでも、生活は変わることはなかったが、人口が3倍に増えたとき、突如として、食べ物が足らなくなった。
ジャングルの果物など食べ物が再生する以上に必要となったからである。
また、あれだけ豊富だった魚も取り尽くしてしまって、どんどん遠くまで取りにいかないといけなくなった。
近くの海は、その自然の再生能力を超えた人口によって汚染され、さらに魚はいなくなった。
家も足りなくなって、森の木を切って家を立てたら、更に食べ物がなくなった。

次第に村人同士で食べ物の争い事が起こるようになった。
あれだけ仲良く暮らしていたのに、喧嘩や奪い合いが日常になった。
そうしているうちにも、どんどん食べ物はなくなっていった。
しかし、そもそもそれまでの島の習慣で、働いたり、作物を育てる、保存しておく、ということは無かった。
南の島は、北と違って冬が来ないから、貯める、という習慣がそもそも無いのである。

遂に、貧困と飢餓が村を襲った。
村人は仕方なしに、隣の村の土地まで食料を取りに行くようになったが、そうなると隣の村人が怒って、争い事が起こるようになった。
それでも、食べ物が無いので、隣の村の土地で食料を調達しなくては生きていけない、ということもあって、次第に小競り合いから、本格的な領地争いとなり、村人が殺されるという事態にまで発展した。

飢餓と貧困、そして憎しみ合い、殺し合い、村同士の戦争、といった苦しみが村に蔓延した。

その時、村の長老がぽつりと言った。「昔はあんなに平和に、みんな仲良く、幸せに暮らせていた村だったのに、何が原因でこんな苦しみだらけの村になったのだろう。」



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儲かる方法が見つかったら・・

2014/05/26 Mon

「検証して、儲かる方法が見つかったらトレードを開始しましょう。」

このフレーズほど、初心者を魅惑する理屈は無い。
あるセミナーでこう言われたA氏だった。

A氏は、早速本を何冊か買ってきて、そこに書いてある方法で色々と検証を繰り返した。
すると、セミナーで言っていたRSIの安いところで買えば儲かることがわかったのだ。
俺はこれで天下を取れる。
そうA氏は感じ、明日が待ち遠しくなった。
これで嫌な仕事ともおさらばできるし、相場で大金を稼ぎ、やりたいことができる、とわくわくしてその晩はよく眠れなかった。
翌日、早速、自分のRSIを使ったシステムで売買をスタートした。
すると、検証では無かった負けがいきなり続く。
たまにはこういうこともあるのが相場なのだ、と変に達観していたA氏だったが、負けがあまりにも続くので、どう考えてもおかしいと運用を停止した。
商材などもお金がかかるが買ってみた。
そして、またせっせと「検証」に励み、ボリンジャーバンドという商材定番指標を使って次のシステムBを開発した。
しかし、そのシステムBにおいても、結果は散々だった。
検証したら儲かるのに、何故か実践すれば損ばかりとなる。
何故だ。
A氏は、頭を抱えた。
次に、商材に書いてあったこれも商材定番指標の平均足なるものを使えば魔法のように当たることがわかった。
しかし、またしても実践では負け続け。それもひどい負けになった。
RSIから、ボリンジャー、そして平均足、という単なる初心者黄金ルートを辿っただけなのであるが、A氏は「自分で考えた」と思っていた。
しかし、「検証して、儲かる方法が見つかったらトレードを開始しましょう。」この考え方に染まっているA氏はその後も、検証をしては負けるを繰り返すのであった。

A氏は、いつしか「やり方を探しては、ちょっとやってみるが、また負けた。またやり方を探す。そしてまた負ける。」ということを繰り返す普通の大衆投資家になっていた。
こうして、気がつけばA氏も10年選手になっていた。
もちろん、やり方を探してばかりしていたので、何も手に技術は身についてはいなかった。



「検証して、儲かる方法が見つかったらトレードを開始しましょう。」

投資セミナーなどでもよく聞かされるフレーズです。
初心者を魅了してやみませんので、このトラップにはまった人も多いと思います。
私の回りでも大勢います。
というより、ほとんど、と言ってもいいぐらいです。
特に、頭のいい人、理屈っぽい人はこの理屈に飛びつくことでしょう。

確かに、「儲かる方法がわからないのにめちゃくちゃにやることはナンセンスだ。」ということでもあるので、一見すると、理屈に合っていて、合理的考え方だ、と思えます。

しかし、ここで疑問点も湧いてきます。

初心者にそんなに簡単に儲かる方法が見つかるものだろうか。

もしそうだったら、何故10年、20年と相場をやっている人が、「いわゆる儲かる方法なるもの」を見つけられずにいるのだろうか。

しかし、「自分だけは特別だ」と思っているので、そんな「大衆」のことなど気にもしないのが初心者です。

実は、検証を繰り返せば、「検証上で儲かる方法」は、初心者でも簡単に見つかります。
ところが、その「大金持ちになれる儲かる方法」を実践でやればすぐに答えが出るのですが、負け続けます。
初心者は、この「検証すれば儲かる方法なのに、何故か実践すると負ける。」という矛盾に苦しむことになります。

この検証における問題は、答えを言ってしまうと、過剰最適化、いわゆるカーブフィッティングの罠、というものなのですが、初心者が検証をやる場合、ほとんどがこれにはまります。

簡単に言うと、過去の検証期間で、レンジが続いていれば、そのレンジにフィットするように、下げたら買い、上がったら売り、という方法を自然と作ります。
一方で、過去の検証期間が、トレンド相場なら、ブレイク、押し戻しのエントリーという方法を自然と考えます。
つまり、過去の値動きに「フィット」させてしまい、オーダーメードしてしまうのです。
ここでは、極端な例を出しましたが、長期でやればよい、とか、レンジもトレンドも含まれている、とか言っても、所詮は「過去の後知恵」ですから、実践では通用しないことはほとんどです。

前に、ある友人が「アップルの株で検証したのですが、ブレイクアウトが有効でした。アップルでも有効なのですね。」と喜び勇んで言ってきたので、「お前はアホか。」と答えたことがあります。
バカみたいにトレンドが続いている時に、ブレイクが有効なのは「アホでも、ハムスターでも」わかることです。
それを「後付けで」「後知恵」で検証して、有効かどうか、と考えること、その発想そのものが無駄なんです。

次がレンジか、トレンドか、どちらになるのかわかれば、検証などしなくても、簡単に勝つことができるのは当たり前です。
そのレンジかトレンドか、次はどちらになるのかわからないから、相場で苦労する、ということなのです。
ところが、過去はもう結果がわかっているものですから、それをどう検証すれば儲かる方法ができるのか、はちょっと検証した人ならすぐにわかります。

私を含めて、テクニカルをある程度わかっていて、過去に最適化するという意味を理解している人なら、チャートを見た瞬間に、何をどう使って、どのように売買すれば、今見えているチャートで利益を出せるのかは、数秒でわかります。
初心者なら、半月、1ヶ月かかって、検証してやっと出る答えが、数秒で出せるのです。
検証ということに何年も取り組んでいればそのぐらい誰でもできるようになります。
しかし、その答えなど、ただのゴミです。単なる後知恵だからです。

そもそも初心者の相場理解力をもって、ほんとにシステム的に儲かるやり方など、見つかる確率は万に一つぐらいでしょう。
無いとは言いません。しかし、初心者のその努力は、砂漠でダイヤの原石を探すようなものです。
テクニカル指標を適当に組み合わせて、相場が儲かるぐらいだったら、相場で損する人などどこにいるのでしょう。


また、「隠れたリスクを抱える」という方法で、検証すれば目先では実践で利益が出る仕組みを作ることは可能です。
株で言えば、乖離率を使って大きく突っ込んだところを買っていくという方法などがそれに該当します。
しかし、普段はそれでコツコツ稼げても、どこかでドカンを食らうリスクを抱えているわけです。
リーマン・ショックで大量の退場者を産みだした伝説の手法です。

人気のトラリピも同様のリスクを持つことになります。
いつかの時点で、夜が開けたら死んでいた、となります。

オプションで言えば、ショートストラングルです。
これも、普段は勝率100%か、と思えるほど稼げるのですが、実際には保険を売るような売買なので、どこかで事故が起こればパーになります。
リーマンショック、そして、311で大量の退場者がこれによって出ました。

これらは全て、検証では見えにくい隠れたリスクを負うことによってリターンを得る仕組みです。

隠れたリスクを抱える、というこれらの方法は、いわゆる「ロシアンルーレット」をやっているようなものです。

何度か撃ってみて「弾丸が入っていなかった」といっても「危険は無い」とはなりません。
そういうやり方をしていれば、いずれどこかで弾に当たるのは必然的なことなのです。

しかしながら、初心者にとって非常にわかりにくいのは、「どういうやり方が隠れたリスクを抱えているのか」ということでしょう。
いいと思っていたやり方、実際に儲けが出ている方法の裏に、隠れたリスクが存在する、ということは、相場の世界ではよくある話です。
実際に、リスクが現実化した時に、茫然自失になる、ということになりますが、普段は「隠れた」ですから、わからないことが多いのです。

こういった「隠れたリスク」を回避できれば、逆張りも、ドカンを喰らわないでいいわけですが、そんな都合のいい話があるのか、といえば、実はあります。

例えば、林先生は、「小豆の市場構造」を利用して、このドカンのリスク回避されておられました。
前にも書きましたが、林先生の本か、レポートで読んだのですが「小豆は市場の構造的にレンジを作る」と言っておられましたし、その構造も明確でした。
また、「商品と株の違いは、商品には自ずと限界があるが、株には無い。」ということを書いておられました。
「モノの値段は決してゼロにはならないが株はゼロになるリスクがある。また、モノの値段の上限には自ずと限界があるが、株には限界がない。」ということも書いておられます。
そういう「構造理解」、そして「大衆ポジションと商社などヘッジャー、仕手のポジション構造の理解、そしてファンダメンタルの理解」を前提にしてナンピンをする、ということですから、これは「隠れたリスクを回避する手段を講じている」と言えるでしょう。

ベテランならではの「徹底した市場構造の理解」という背景があっての技術ということです。

そういったマーケットの構造、ファンダメンタルの理解を抜きにして、ただ「ナンピン」という技術だけを議論することはどうなのだろう、私はそう思います。

これは、個別株の売買においても同じです。
わかる人にはわかるので詳しくは書きませんが、技術の話だけをすることはあまり意味がありません。
色んな前提があっての技術なのです。

話がちょっと脱線しました。


「検証」は投資家を魅了してやまないものですが、これが「後知恵」である、ということを十分理解して使わないと、迷宮に迷い込むことは確実です。
私は「検証」に対して、決してネガティブではありませんが、「使用上の注意」がものすごくあり、また、相当危険なものである、ということを十分に理解した人のみが使えるものだ、そう思っているのです。

そもそも運転をバックミラーだけでやろうという人がいないのと同じで、過去の検証だけで、未来を見通すことは難しいです。
そもそも、未来は未来であって、過去の延長線上にはありません。

それよりも、不確かな未来がどう動けば、自分はどう対処するのか、という出処進退の要領、値動きへの対処方法を実際の相場で経験を積んで腕として身につける方が意味あることだとは思いませんか。
それだったら、経験値が積み上がっていくことなので、時間さえかけて経験を積めば誰だって上手くなる可能性が高いのです。

特に、初心者が「バックミラー運転」に魅了されて、「検証地獄」に陥り、結果として、「手法探しの旅に出る」ということになる、という「初心者フルコース」の蟻地獄にハマる人があまりにも多いことから、オススメはできません。

相場をはじめて最初からこのトラップにハマると、「腕」「目利き」「胆力」「投資心理の理解」そして何より重要な「自己規律、自制心」といった「実際の値動きに対処する技」が磨かれることなく、無為に時間が経過してしまいます。
繰り返しますが、こういう技を磨くには、想像以上に時間がかかるものです。
(そもそも普通はこの時間に耐えられなくてやめていきます。安易に儲ける手段としてこの世界に足を踏み入れるのが普通ですからなおさらでしょう。)
だから、できるだけ早く着手しないといけないのです。

トレードは、職人さんの世界ですから、手法探しトラップにはまると、10年経っても、初心者同様、となる悲劇が待っているだけです。
こういう人がものすごく多いのにはびっくりしますが、本当に多いです。
相場歴10年、20年だというのに、相場について何も知らないし、何もできない、心も弱いまま、というナイナイ尽くしの投資家が如何に多いか、ということに本当に驚きます。
同じやるなら、一步づつでも前進できることをやりたいものです。

インテリほど頭でっかちで、「まずはやり方を理解して」という理屈にこだわる。小理屈を言う。
というより、頭で考えた小理屈の世界から抜け出せない。

そうではなく、「とりあえずやってみろ。そして体で覚えろ。」という一見すると、無謀、無駄で、理屈もへったくれもない、回り道に見える、という現場主義、職人の仕事の覚え方、が前に進める道であったりするのです。

それが遠回りのようでいて、実は近道なのです。

畳の上で1ヶ月間スキー技術について学ぶより、1日スキー場に行って滑ってみろ、ってことですよ。
そこでは、「こけてなんぼ」の世界なんです。
こけることを怖がっていたら、スキーなど上達しません。
それから、最初からモーグルできる人などいませんよ。それを最初から上村愛子しようとして、骨折するんです。
当たり前過ぎて話にもならないことで悩んでいる人が多いですが、常識で考えればいいだけのことです。
相場だけが特別なものではありません。


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儲かる方法が見つかったら・・続編

2014/05/29 Thu

ご質問がありました。

「期待リターンの見通しをつけることが必要ではないのか。」

というものです。
実に最もなご意見です。
文章から推察すると、この質問をされた方は、頭のいい方だとお見受けしました。

とてもいいヒントになる質問だと思いました。

そして、私の説明不足だと思いました。

まず、「検証してプラスにならないとやる意味がない」と思っておられるように読めました。
そのあたりについて、私の見解を述べさせていただきます。

それと、経験値 = 相場の分析力、値動きへの理解度、と考えられているように思います。
このあたりについても、私の見解を書きます。

以上の2点は、一般的理解だと思いますし、かなりの方がそう思っておられると思いますので、いいご指摘だったと思います。
しかし、少数派である私の意見とは真っ向から対立するものですから、論点として取り上げるのに、とてもいい題材だと思います。


ただし、コメントにお答えする前に、まず、私の書いていることは、相場を始めてから、3年以上程度、悪戦苦闘した人向けに書いていることなんです。
何故、こんなことを最初に書くか、というと、残念ながら、そういう悪戦苦闘の歴史を持っていないと、なかなか納得しずらいものだ、と思うからです。

初心者で実践経験が浅く「検証して勝てる方法が見つかる」と本気で思っている人に対しては、私は完全に無力なんです。
頭や理屈で考えたら、当然のことのように思えることが、実は相場界ではダメなことが多い、ということは身を削って経験しないとわからないことだからです。

そうは思っていたけれど、どれだけやってみてもダメだった。もう相場を諦めようと思っている、という人向けの記事だ、ということになります。

そういう人たち対して、「そういうアプローチだけではないよ、別の道があるよ」というのが前回の記事でした。



さて、まず、前回私が言いたかったことは、「過去の検証をしてはいけない」ということではありません。
「過去の検証だけで相場をやってはいけない」ということを書いています。
意味が全然違います。

自動車の運転で、当然バックミラーは必要です。
しかし、「バックミラーだけで運転してはいけない」ということです。

孫子曰く「彼を知り己を知れば百戦危うからず」ということですが、多くの人が陥りやすいのは、「相場の分析さえすれば利益が出せるようになる」と思っていることです。
検証だけでよいというのは、相手の分析だけすればよい、という意味と同じです。

特に手法地獄に陥る人の特徴は、「やり方の優位性だけがあればよい」と考えています。

確かに、「強烈な優位性のあるやり方」を手に入れることができれば、他のことなど適当でも利益を出すことは可能となります。

自軍の武器が圧倒的エッジを持っているとすれば、鍛えられていない兵士であっても戦いには勝てます。
米軍とイラク軍の武器の差のようなものです。
この場合、米軍が鍛えられていないという意味ではなく、米軍に武器において圧倒的優位性があった、ということを書いています。

ただ、「強烈な優位性のあるやり方」がそんじょそこらに落ちているのか、ということがそもそもの問題なのです。
ここで、99.99%の人が脱落します。

初心者が、米軍ほどのパワーをいきなり手に入れることが本当に可能なのか、ということを「客観的に」考えて欲しいのです。
世界中の投資家が、ベテランのプロトレーダーが、機関投資家が、特にヘッジファンドなど、みんながそれを24時間体制で、それこそ血眼になって探して、狙っていることです。

前にご紹介した「ルネッサンス テクノロジー」というヘッジファンドは、まさに相場界の米軍でしょう。
圧倒的優位性を持った投資戦略を駆使して、システムトレードを使って世界中のマーケットで荒稼ぎしています。
当然彼らが何をやっているのかはブラックボックス(極秘事項)です。
そこで働く人達は、数学者、暗号研究者、情報工学、などの分野の専門家であり、そういうエキスパートが大勢日夜研究に研究に研究を重ねて成果を出している、つまりは、高い分析力を駆使して独自のオリジナリティを持ったエッジを探し出せている、ということなのです。
あらゆるファクターを全数検索している、とも言われていますが、その実態は謎のままです。
彼らは、流動性の許す限りのポジションを取っていると考えられます。

私は、初心者が相場界に転がり込んで来て、「いきなり」同じことができるのか、ということを問うています。

私の経験上から、こんな厳しい道しかない、と思い込んでいる人が大勢いるわけです。

「やり方だけで勝とう」という考え方は、実は最も厳しい道である、ということをわかってもらいた、という思いなんです。

あくまで言いたいのは「だけ」ですよ。
やり方を否定しているわけではありません。

そして、それを求めるが故に、特に初心者の場合、「過剰最適化の罠」に陥るのが、一般的なのです。
結果「検証ヲタ道」」をたどることとなります。


検証ではなく(検証では誰だって利益を出せますので)、仮に実践で利益が出るシステムを開発したとします。
毎日1万円程度が儲かった、として、最初の目標はクリアでしょう。
その「利益の出るシステム」を持っているA氏は、1万円で満足するでしょうか。
絶対にしません。
儲かるのなら、どんどん掛け金をアップしていくことでしょう。
その儲かるシステムを持っているA氏は、日々の利益1万円から、10万円、そして100万円、・・・切りがありません。
それでも、儲かるのなら、1億円、10億円・・・そうです、流動性の許す限りポジションを取ることでしょう。
受けてくれる流動性さえ確保できれば、世界をわが物にすることとて可能です。
自分だったらどうですか。
ちょっとだけで我慢しますか。
増してや、みんなでそのシステムを使ったらどうなるでしょう。



さて、言いたいことは、先ほどの孫子の言葉にあるとおり、相手の分析とともに、自分を鍛えること、つまり、「敵の分析」と同じぐらい重要な「自分の能力向上」にも力を注げば、何とかなる可能性が見えてくる、ということです。

レースで言えば、「圧倒的なパワーのあるエンジン」を手に入れた、とします。
この場合、他のドライバーとくらべて圧倒的優位性を手にいれた、となります。
しかし、「圧倒的パワーのエンジンだけでレースに勝てるのか」となると、これは否です。
ここに「ドライバーのテクニック、訓練と経験が必要となる」となるのは当然でしょう。

そのドライバーの腕、という概念が、何故か、トレードでは完全に無視されているのです。
不思議じゃありませんか。
いいエンジンさえ手に入れることができれば、レースで勝てる、と思っている、思い込んでいる、という人ばかりなんです。

そして、エンジンを探してばかりしていては、運転技術は下手っぴーのまま、というのは当然でしょう。

エンジン探しもいいけど、練習して運転テクニックも磨きませんか、というのが私の意見なんです。

当たり前のことだと私は思っているのですが、こと相場界では少数意見となります。

そういえばエッジのことを「エンジン」と呼ぶこともあります。豆知識でした(笑)
「どういうエンジン使っているの?」というのは、何に優位性を求めているのか、という意味になります。




さて、ここで問題です。

はじめてレースに参加するノービスが手に入れることのできるエンジンとは、どんなエンジンか、と言えば、間違いなく「普通のエンジン」もしくは「普通以下のエンジン」でしょう。

高い商材を買ったとて、多くの投資本を読んだとて、そんな「一般に出回っているもの」など、

所詮は既成品、汎用品、流通品

なんですよ。

所詮は、本で書いてある方法とか、商材で書いてあるやり方とかをパクろうとしているのだ、ということを理解しなくてはいけません。

所詮は、パクリ、パチリの世界なんです。

そんなものは、誰でもが知っている「一般的エンジン」なんです。

活字にされたり、ブログ、商材に書かれている時点で、それはもう

汎用部品

なのだ、ってことをわからないといけません。

活字にされなかった過去はスペシャルなエンジンであっても、ひとたび活字にされた時点で、もうそれは汎用品に格下げなんです。
タートルの戦略などがいい例でしょう。

活字になっているのですから、自分だけがそれを読んでいるのではない、という当たり前のことに気がつかないといけません。

そもそも優位性とは、相手が知らないから優位性なのです。

汎用品を使った時点で、もうそこには、そもそも強い優位性、つまり他の投資家と強く差別化できるパワーなど最初からないのです。
なぜなら、もうみんなそれを知っていることだからです。
だから、そこに答えを求める方がおかしいです。どうかしています。
ネット上や商材などから何とか素晴らしいスペシャルエンジンをと日夜探しまわっている方も多いですが、その行為自体が、論理的に破綻しているのだ、ということにどこかで気づくべきなんです。



となると、次の作戦としては、2つの道があります。

①自分でスペシャルなエンジンを開発する

②練習してドライビングテクニックを向上させる


レース考えたら、普通は②を選ぶと思います。
ところが、相場界の常識は、パクリも含めて①の道を選択することなんです。

この②の道もあるよ、ということを言いたいだけなんです。

敢えて①の道を選んでもいいのですが、それは思ったよりも厳しいですよ、ということです。
①しか無いのではなく、②もあるけど、練習すればある意味「誰だってそこそこまでは上手くなるよ」そう言いたいだけなんです。

①の道は、どこかにいいエンジンがあるのを探す、という段階から、自分でいいエンジンを作る、という段階にバージョンアップですが、果たしてその努力は報われるでしょうか。
独自のエンジン開発には、ものすごい能力、知識が必要となります。
ボリンジャーと平均足、乖離率でちょいちょい、とは行かないでしょう。

繰り返しますが、検証でならいくらでも利益の出るシステムなど簡単に作れます。
しかし、未来はその延長線上に無いことが多いのです。
もしくは、潜在的なリスクを引き受けているから利益が出ているのか、どちらかのケースがほとんどです。


米軍の話に戻すと、巡航ミサイルなどは、そこらでは売っていません。
途上国が軍備を強化しようと思っても、買えるのは「汎用品の兵器」だけなんです。
そうなると、兵器の差で勝つことは困難になります。
じゃあ、自国で開発するか、といっても、途上国のノウハウではそれも無理でしょう。




そういえば、前にも書きましたが、友人のシステム屋さんが「裁量トレードとて結局はアルゴリズムなのだから、全てシステム化できるはずだ。」と言いました。
そこで、私がやっていることをいくつか詳細に教えて、検証してもらいました。

すると、

ほとんど、トントンか、手数料負けにしかならなかったのです。
毒にも薬にもならない、ってやつです。
中には結構な負けを喫したものもありました。
プラスになったのはほとんど皆無でした。


じゃあ、この「検証」をもってして、私のやっていることは全て無駄で、ダメなことをやっているのか、となるでしょうか。

検証して勝てないのなら、やる意味がない、となるでしょうか。


もし、検証で勝てなければやる意味が無い、というのであれば、私は今だに「サラリーマン」として、次の手法を探す旅に出ていたと思います。

この考え方だと、おそらく、私は一生サラリーマンで終わる可能性が高い、と申し上げておきましょう。

検証して勝てなければ、相場で勝てないのだ

という理屈が正しいのなら、私の知っている回りの裁量系のプロトレーダー全員が、明日から転職することになります。

これは私に限らず、私の知る範囲の裁量でやっているプロトレーダーのやっていること、ほとんどは検証してプラスになどなりませんよ。

もちろん、エントリー、エクジット(利食い、損切り)、環境認識までルール化してもダメです。
プロがやる検証ですから、スプレッドまで考慮し、板情報までチェックした完全版です。
チャートをちょこちょこやって、ココで買ってここで売ってというしょぼい検証ではありません。
しかも、実践となると、そこから「自己インパクト」を考慮に入れる必要がありますから、基本的には更にパフォーマンスは悪化します。

また、私がある友人に教えたやり方でその友人は稼いでいる、ということを野川氏と食事している時に話しました。
すると、野川氏から、「そのやり方ならいくら検証してもマイナスにしかならない。」と言われました。
しかし、現実として、私の友人は、それで生活しているのです。




そもそも、検証してプラスになるのなら、システム化すればいいだけじゃないですか。

何で、朝早く起きて、モーサテ見て、目を血走らせながらDHCのブルーベリーとルテイン飲んで、JINSのPCのメガネで必死で目を守ってモニターを見続けて、クリックしすぎて腱鞘炎になって、おしっこ行きたいのにポジション持っているから我慢して膀胱炎になる必要などあるのでしょうか(ちと興奮気味)

検証して勝てるのなら、アホらしくて裁量などやってられませんよ。

検証で儲かるのなら、私は今頃ハワイかどこかのリゾートで、のんびりラリー・ウイリアムズさんのようにトレードしています。


さて、自分のトレードについては、実は、私は既にこの「検証しても儲からない」という結果を検証前からわかっていました。
機械的にやって勝てるはずがない、ということはとっくにわかっていたのです。
そりゃ、何年もやっているのだからわかりますよ。
伊達や酔狂でこの道で何年も飯食ってはいませんから(笑)
こんなことは、当たり前のことなんです。

自分のやっていることは、検証しても、絶対にプラスにはならない、と明確にわかっていたのです。

だからこそよいのです。検証してプラスにできないことをやっているからこそ、私の裁量トレードは今後も有効なのです。

何をバカなこと言ってんだ、と感じられたかもしれませんが、なぜなら、検証してプラスになるようなことをやっていたら、いずれ誰かが気がついて、システム化されてしまって、そこで大資本が入ってきて、エッジなど綺麗さっぱり無くなってしまいますよ。

検証して、プラスにならないからこそ、裁量で今後も永くやっていけるのです。

検証しても勝てないということだからこそ、他人には真似できない職人技という強烈なエッジが生きているという証明にもなっているんです。

全くの逆なのですよ、考えていることが。



結局、検証でわかること、というのは、築地で言えば「築地で仕入れたマグロは概ね上手い」ということだけなんです。
しかし、どこの店に今日はいい大間産が入ったであるとか、今日は入ったものは油の乗りがよいから上手い、であるとか、今日はマグロより、カツオのイイのが入っている、であるとか、そんなこと、検証の知ったことじゃない、ってことです。

腕のいい寿司職人なら、当たり前のこと、仕入れに命を賭けるのは当たり前のこと。
その目利きができるかできないか、によって勝負が決まるわけです。
機械的に魚を仕入れても、一流の寿司屋などにはなりませんよ。
回転寿司屋止まりです。

また、技術面ばかりを気にして、三枚のおろし方、包丁さばき、シャリの握り方、そんなことばかりに気を取られていては、ダメだってことです。
肝心のネタの目利きができなければどうしようもありません。



パクリが悪いとは言いません。どこから始めていいのか、見当がつかない、というのが初心者でしょうから、最初は何かのパクリからスタートするのは仕方がないと思います。

「自分が相場初心者の頃を思い起こしてみると、何を頼りに相場を張ったら良いのかさっぱりわからず、切実に何かよりどころになるようなものを欲しておりましたですね。」

こういうコメントを頂いていますが、私とてそうでした。
とても初心者のころの本音が書いてあって、そうだよなあ、と変に納得しました。
何から見ればいいのか、何から手をつければいいのか、わからないのです。
そして、とりあえず「具体的やり方」からスタートする、となります。

しかし、パクリ専門ではお先が知れています。
ましてや、パチったやり方だけで勝とうということ事態、どうなんでしょう。
本当にそれで勝てるなら、そもそも人に言うでしょうか。これは常識的ものの考え方じゃないですか。



相場で実践的に練習する、繰り返す、ということを、「勝てる手法を探す」という意味に誤解されている人も多いと思います。

練習する、経験値を積む = 技術的な側面のみ、勝てる手法探し

と理解されていると、私の言いたいこととは噛み合いません。
というより、おそらくそれ以外の要素に目が行かないのが始めたころではあるので、これは仕方がありません。

確かに「技術面の向上」という意味も含まれますが、それ以外の要素がものすごく大きいのです。

「腕」「目利き」「胆力」「投資心理の理解」「自己規律、自制心」

あまりピント来られていない気がします。



そもそも、裁量トレードにおける相場の腕というのは、「値動きの研究」だけではありません。

①値動きの理解

②その値動きへの具体的対処技術

③自己規律など心理面の克服


を総合したものです。
値動き研究というのは、その一部なんです。
この総合力を持ってこその腕というものですので、単に検証で何とかなるものではないと思います。


ボトルネックになってくるのは、結局、「心の問題」なのです。
最後まで克服できずに、グタグタになるのがここです。
これを克服できなければ、トータルでプラスにすることはものすごく難しいと私は思います。
そして、この心の問題の克服こそ、最も時間のかかることなのです。



この記事、検証やシステムトレードを攻撃しているようなイメージがあって、ちょっと公開するのを躊躇しました。
また書き足りないところや強調しすぎたことによる言い過ぎがあれば、予め謝っておきます。

システムトレードの成功者も実際にいます。
ラリーもそうですし、ルネッサンスもそうです。
友人にもいます。
私とて取り組んでいます。
野川氏もやっておられます。
ですので、システムトレード自体を否定する気は毛頭ありません。
というか、いいシステムを持っている人は本当に羨ましい限りです。
ただ、そちらを目指すのであれば、裁量トレードとは違う道ですので、より別の面で専門的に頑張らないといけませんし、裁量とは違った厳しさが待っています。

システムで儲かっている、というのであれば、本当にいいことです。ガンガン儲けてください、と言うしかありません。
私のような裁量トレーダーのグタグタ話に付き合う必要などそもそも何もありません。

しかし、そうではない人が、「検証して儲からなければやる意味が無いのか」という思い込みに対しては、それは違う、ということをここで強く言っているだけです。
それを強調したいあまりにこの記事を書いたので、結果としてシステムや検証を否定している、と取られることは心外です。

もちろん、検証して上手く行き、実践でもその通りの利益が出るのならば、それは本当に素晴らしいことですよ。
ガンガンやられてください。何も言うことはありません。決して否定しませんので(笑)
システムで本当に利益が出ているのなら、それは本当にいいことですよ。素晴らしいことです。

ただ、なかなかそうは行かない、簡単じゃないと申し上げているだけです。
システムで成功している人を知っていますが、それはそれはその道で苦労されています。
そして、私など足元にも及ばないほどの専門知識を持っておられます。
システムだから簡単だ、とは行かないのじゃないでしょうか。


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