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投機家の発想

2014/11/25 Tue

NHKで火星有人探査の想定ドラマをやっていました。
様々なトラブルが起こりならながらも地球に帰還する、というドラマでしたが、ゲストには宇宙飛行士の毛利衛さんがおられました。

アナウンサーが「実際の宇宙飛行にはもっとトラブルが起きるんでしょうか。」と聞くと、宇宙飛行士の毛利衛さんが次のように言われました。

「それが逆なんです。このドラマはまるで訓練のようです。
実際の宇宙飛行にはこんなにトラブルが続くということはまずありません。
しかし、訓練というのは、ありとあらゆるトラブルが起きるということを想定して訓練するわけです。
そうやって訓練しておけば、実際にトラブルが起きても慌てることなく対処できるからです。
起きるか起きないかじゃないくて、あらゆるトラブルを想定して訓練する、これが訓練なんです。
実際の飛行ではこんなにトラブルがあるということはまずありません。
逆に、これだけ想定していても、想定に無いことも起きます。
ただ、こうやって想定して訓練をくり返しておけば、実際に起こった時には冷静に対処できるようになるのです。」




この宇宙飛行士の訓練の話を聞いていて、実に投機家の発想と同じだ、と感じました。

前の記事で「マクロファンダメンタル分析」というものを書いたわけですが、実は、私はそれが正しいかどうか、ということを世に問うているわけではありません。

また、ジム・ロジャーズ氏のコメントを紹介しましたが、彼が大物投機家だから、彼の言うことは正しいのだ、という意味でもありません。

ちなみに、先日のジム・ロジャーズ氏のインタビューの模様はこちらで紹介されています。興味がある方はどうぞ。

テレビ東京でジム・ロジャーズインタビュー動画




ここが少々考え方として難しいところですし、ああいう記事の書き方をすると、誤解を受けて当然なのですが、私は先行きを予想しているつもりはありません。

私は、経済評論家でもなければ、経済学者でもなく、アナリストでもありません。

ましてや、悲観論者や破滅主義者でもありません。

私は、

投資家、さらに限定すれば投機家

なのです。

一般に、こういう議論になると、何が正しいのか、何が間違っているのか、結論は一つである、という議論になります。
日本経済は大丈夫だ、アベノミクスは正しいのだ、いや、日本は危機に面している、アベノミクスは間違いだ、などなど議論があって、どちらが正しいのか、間違っているのか、を予想しあう、という構図が通常でしょう。

しかし、投機家の発想は、そうではなく、

ありとあらゆるシナリオを想定し、どうなればどうする、ああなればああする、もしそうなったら自分に何ができるのか、そうならなかったらどうすればよいのか、事前にリスク管理できることはないか、を段取りをしていくことを考えているわけです。

あらゆる可能性を排除しない、ということです。

こういった経済予測は、全て可能性の範囲のことです。
そもそも、これが絶対に正しい、ということなど、自然科学の法則でもないのですから、あるはずがありません。

経済の先行きについてのあらゆることは、

可能性

の問題なのです。

特に、極端なシナリオはもしそうなった時に、打撃を受けることから、リスク回避の意味でも耳を傾ける必要があるのです。





このことについて、私は、コメント欄に次のように書きました。

私は、ここで経済議論をしたいわけではありません。

何が正しいのか、間違っているのか、とか、それを議論することについては、経済学者や評論家に任せておけばよい、と思っています。

一方で、私は投資家なんです。
ですから、今後のリスク要因や変動要因を分析し、もしそれが起こった時に何ができるのか、どうポジションを持てばいいのか、を探っているのです。

また、もしもの時に備えて、リスク回避の手段をとっておくべきことはないのか、を探っているのです。

実は、投資というのは、準備ができているかどうかで、結果が全く違ったものになります。
準備で8割が決まるのです。
執行はもうオマケのようなものです。

ここはわかりにくいかもしれませんが、私は、何が正しいのか、何が間違っているのか、というよりも、正しければどれだけ取れるのか、間違っていればどう避ければいいのか、を探っているのです。


ヘッジファンドが何を狙っているのか、その狙いが果たして正しいのか、間違っているのか、それは私にはわかりません。

しかし、狙っている、ということは、そこに大変動を嗅ぎつけており、巨額のポジションを投入する準備をしているということだけは確かなのです。






大変だ大変だ、と騒ぎ立てるつもりはありませんが、100%起こらない、ということはありません。
今年起こったことですら、昨年に予測できた人は皆無であり、それは、過去どんな期間を取ってもそうです。
リーマン・ショックがあれほどのものになると予測できた人もほとんどいなかったでしょうし、将来のほとんどのことは実は見えてはいないのです。

経済学者がさもこれが正しい、と言っていることも、

殆どの経済予測は、今の延長線上に敷いたものに過ぎません。

しかし、現実には、とんでもない横槍が入ってきて、そんな延長線上をめちゃめちゃにすることが過去から繰り返されてきています。


実はですね、この

とんでもない横槍

ってのがミソなんです。

大事件であったり、いきなりの政変であったり、天変地異であったりと、

そもそも、ですねえ、

そんなこと予測できるはずもないからです。

その予測できない横槍こそが、しかし、大きな影響をもたらすのだから、予測など難しい、というか、当たらないにきまっている、といってもいいぐらいです。

アベノミクス前に、「株価は1年で2倍になる」なんて言ったら、「お前はアホか」で終わりでしょう(笑)

こういうとんでもない横槍こそが、しかし、経済の行方を左右するキーファクターになるから、質が悪いんです。


ということで、どんな想定にしても、100%そんなことはない、と断言することは無理、ということです。

来年株価は5分の1になる、とか・・・

何故なら、あす隕石が衝突して大災害が起きる、というシナリオに対して絶対無いと断言できないならば・・・ってことです。

もちろん、可能性、ってことを当然配慮する必要はありますが・・・




では、何故、こういうシナリオ作りと想定を繰り返すのか、ですが、

宇宙飛行士の訓練の話に戻して、

どんなことを起こるかを予想して訓練する

という発想と、

あらゆるトラブルのシナリオを準備しておいて、出来る限り多くの可能性を想定し訓練する


という発想に大きな違いがある、ということです。

投機家の発想とは、

あらゆるシナリオを排除しない

というところから来ていると思います。

何故なら、当たりもしない予想に資金を投入する、というわけにはいかないからです。

自分の資金を実弾として投入し、リクスを取るわけです。
評論家とは違います。
外れたら「ごめんなさい」では済まないのです。



そして、何故そんな多くのシナリオを準備するのか、というと、その発想は、宇宙飛行士の訓練と同じです。

つまり、

殆どの人が、危機に際してフリーズするのは何故なのか。

どうして初動で対処できなかったのか。


それは、「想定外」だったからです。
そういう想定をしておらず、全く訓練もされておらず、結果として、フリーズしてしまうのです。

そんなことは多分起こらないだろう

そんなことは起きるはずがない


という「予想」をベースに、今の延長線上でしかものを考えてないからです。



多くの人は、活発に将来を予想したがります。
典型的には、相場が上がるか下がるか、当てよう当てようとする試みです。

そして、その発想により使われる道具が、テクニカルにせよ、ファンダメンタルにせよ、勝てる手法にせよ、何を使うにしても同じです。

ファンダメンタルなら、アベノミクスを評価し楽観するなら、これから相場は上がる、ということでしょうし、逆なら下がる、という予想でしょう。

結局、何を使うにしても、それらを全て予想の道具として見ている、という発想なのです。

しかし、そんな予想したところで、どうせ当たりませんよ。

昨年末に今の現実を予想できたでしょうか。たった1年間のことでも今の状況を当てることができたでしょうか。

大方のアナリストの予想を覆す衝撃的GDPが出たのはつい最近のことです。



ファンダメンタルなど使えない、という人の多くが、

①ファンダメンタルは難しくてそもそもわからない

②分析したところで当たらない

③織り込んでしまって後付けになる


④テクニカルでパターン化したい、単純化したい、答えが欲しい


ということがその理由だろうと思います。

特に、そもそも「ファンダメンタルを当てものの道具にしよう」という発想だから、「ファンダメンタルなど使えない」ということになるのです。

当たらないなら、使えない、という単純構造です。

じゃあ、テクニカルなら当たるのか、と言えば、同じです。
当たりません。
足跡の延長線上にどうい秘密があるというのでしょう。
そういう発想そのものに私は違和感を感じます。



一方で、過去ビッグピクチャー(大相場)を主導したのは全てファンダメンタルの大きな変化がそこで起こったからです。

これは、コメントにもありましたが、ちょっと検証すればすぐにわかります。
大きな変化や大きな動きがあった時には、必ずファンダメンタルの変化が背景として起こっています。
そもそも、それが相場だから当然のことですが・・・



民主党政権がもし続いていたら昨年の相場はあったでしょうか。

それがチャートからわかることでしょうか。


そういうことです。

つまり、シナリオを考えるにあたって、ファンダメンタルを外して、そもそもシナリオを考えようがありません。

色んなシナリオを考えるためには、ファンダメンタルは不可欠の要素なのです。

マクロタイプのヘッジファンドは、こうしてあらゆるシナリオを考えつつ、リスク・リターンから勝負できる隙間を狙ってきます。

そして、「いざ鎌倉」をじっと待っているのです。

シナリオを作り、スタンバっているからこそ動けるのです。

その発想こそが、投機家として、最も利益を出せる発想だと私は思うのです。

もちろん、他の発想を排除するものではありませんが・・・



千歳基地スクランブル


彼らは、シナリオと訓練、そしてスタンバっているからこそ、スクランブルできる、のです。

実際のスクランブルなど、オマケのようなものです。
8割9割は、スタンバイと段取りで終わっています。

そして、実際に来たらどうするのか、全て段取ってあるのです。

その段取りしていることをくり返しくり返し訓練されているのです。

彼らは、予想しているのではなく、対応すべく準備しているのです。

しかし、多分今日は来ないよ、と「予想」していたら、スクランブルできるはずがありません(笑)




来たらどうするのか、ということと、来るかどうか予想する、とはまるで違う発想なんです。

この当たりもしない予想ばかりで時間を使っている人がすごく多い、のには驚きます。

特に「過去の足跡から次を予測する魔法のパターン」にどれほど多くの人がこだわっており、

「足跡追跡装置」開発にどれだけみんなが努力しているか、驚くほどです。

しかし、そんな足跡からの予想など、横から犬が「ワン!!」と飛び出してきたら、あっという間に横にずれる、ってことなのです(笑)



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コメント

Secret

備えあれば憂いなし

あらなみさん、お久し振りです。
わたしがコメントしようかなと思っていたことがそのまま記事になりました。まったくです。講談の名作に、東京は愛宕山の八十六段の階段を馬で駆け上がる間垣平九郎の話がありましてね、わたしの師匠の十八番なんですが、そこで言わんとする教訓は、物事を成し遂げる人間というのは、準備からしてまったく違っている、(もちろん道中もですが)。だがそれも見ている人間からはなかなかわからないもの、というお話なんです。

それにしても投機家でなくとも、日本をリードするいわゆるお利口さんたちが、もう少し結果責任を意識するなら世間のありようも多少違ってくるとも思いますが、それを許す国民ということかと思います。

Re: 備えあれば憂いなし

ハルトモさん、こんにちは。お久しぶりです。

おっしゃるとおりですね。
この記事の内容は、「当てて取る」と思っている人からすればあまりピンとは来ない内容だと思います。
「どうやって当てるか」ということだけを考えているので、段取りとか準備と言われても、何故それが必要なのか、意味不明という感じで・・・

上手い人の真似をしようとする人は、どこで買って、どこで売って、というのを真似しようとするわけですが、そういう人を見ると「門前の小僧」と思うのですね。
何故なら、最後の形だけしか見えていないからなんです。

ケーキ作りで言えば、ラストの飾り付けの工程だけしか見えていない、ってことです。
生地作りから、焼き、クリーム作りなど、その前にやる作業を全て省略して、最後の仕上げだけを真似して、それでできる、と思っているからつい「門前の小僧」呼ばわりしてしまう・・・


>それを許す国民ということかと

というより、許したくなくても、他に選択肢が無い、という悲惨さ、というべきかと・・・

No title

我が身を振り返ってみると、いろいろ考えているようでいて、ただ考えているだけw、の感覚的売買をやってきましたですね。
多くの個人投資家も似たようなものでしょう、多分w

私も相場を始めてそろそろ丸10年になりますが、流石にこれだけ相場を見続けていると、相場の変化、というものに対して薄らぼんやり感じたりすることもありますが、、、
それに対して対応しているか?、と、いうと、非常に怪しい。

例えば、震災時には、
「ああ、これは08年10月のようなハイテンションパニック相場だわ」、
とか思いつつ、ドル円80前半で打診買いとかした覚えありますねw
そう、ついつい日頃の値頃感覚を持ち込んだわけです、ハイテンションパニック相場とか思っていたにも関わらず。

アベノミクス相場も、その強さは相当に感じてはいましたし、ダメな民主党の反動がくる、くらいには当時思ってはいましたが、、、つい売りを入れたりして売買を乱しましたね。

要は、常日頃の相場感覚を引きずって、対応できてないわけです。

アベノミクス相場の反対、相場が天井を迎えて下落に転じるとき、は、いつかは来るのでしょうが、ここが個人投資家の致死率が一番高いときでしょう。
買いは全てしこりとなってとことん持っていかれる、という相場です。

この変化というのは凄いもので、直近2~3年の相場の日常感覚でやっていたら必ず死ぬ、という相場ですw

値頃感覚をことごとく打ち破ってくるので、「この相場、何かちょっと違うぞ」、とか、誰もが思ったりするんでしょうけれども、、、
やってる事はそれまでと変わらず、とりあえず買ってみる→損切の繰り返し、またはしこりとなって持ってかれる。。。

こういった変化は、かつて経験していても、対応するのが感覚的に困難なのですね。

ですから、変化への対応、という事を、常日頃から意識しておかないと、ついついこれまでと同じような感じの売買で対応してしまう、と、いうことになるのでしょうね。

と、いうか、、、何か他人事のように書いてしまいましたが、、、

対応できなければヤラれてしまうし、上昇でも下降でもどっちでもいいですが、値頃感覚をことごとく打ち破ってくるような、ファンダメンタルズに後押しされた、強力、かつ、ちょっと乗るのが怖いような相場、これをモノにしなければ、資産なんて飛躍しないんじゃないですかね。切実なんですよ。

No title

こんにちは。
一連のファンダメンタルズに関するエントリ、大変興味深く読んでいます。
何となく、あらなみさんのトレードをフルーツ牛乳さんのようなプライスアクション系のように誤解していましたので、特に。

「裏にある理由がなんであれ、全てを織り込んで価格と出来高に現れる」というのは(絶対の?)真実かと思いますが、確かに理由を知っている(と信じている)方が張っていて安心感はあるようにも思えます。
また昨今の太陽光バブル崩壊とかタカタのエアバッグのように明確なファンダの変化がカタリストになって、大きな値動きと厚い流動性を確保してくれるのはデイトレーダーにとってはありがたい事ですよね。

未だ今一つ、あらなみさんのおっしゃる「ソロス流」というのが腹落ちしていないので、じっくり考えてみたいと思います。


ところで、全然関係ない話ですが、アマゾンのKindleストアでパンローリングの本がバーゲンになっているようですね。
昨日だったかツイッターで知りました。
期間限定なのか永続的なのかよく分かりませんが、マーケットの魔術師シリーズとかゾーンが567円と格安。
ウン千円もする高額本が80%オフとかいうのもありました。
重たい投資本を何冊も持ち歩くのは不可能ですが、キンドルなら可能です(笑)
別にパンやアマゾンの関係者じゃありませんが、皆様のご参考まで。

No title

↑いや、そう言えばキンドル版の元の値段そのものが紙版よりどの位安かったのかどうかも知りませんので、バーゲン/セールなのかは不確かです。
失礼しました(汗)

Re: No title

タカユキさん、こんにちは。

書いておられること、よくわかります。
それが正常な人の感覚というものだと思うのです。

人は、どうしてもそれまでの延長線上でものを見る、考える、という習性があります。
それが悪いものではありませんし、正常な感覚でしょう。
昨日までの延長が今日であり、明日である、ということです。

しかし、これがこと相場となると、若干問題になってくると思うのです。

大相場というのは、過去の延長線でものを考えていたら乗ることは不可能です。
それが大きな変化だからです。

そういった「チェンジ」に乗るためには、バックボーンとなるものが無ければ難しい、と私は思っているのですよね。

少なくとも、私には、チャートがこうなったから、という理由だけで突撃は、無理です。

Re: No title

gr8さん、こんにちは。

指標を使わなければ、プライスアクション、というのは、全てテクニカルの範疇ですからね。
確かに、指標は見ていませんが、プライスアクションには注意しています。

先程も書きましたが、「みんなが西に向かって走りだした」という理由だけでは私は動けないんです。
西に何があるのか、という理由が欲しいわけです。
何故、西に向かった方がいいのか、本当に行くだけの理由なのか、ってことです。

タカタは、訳のわからない動きで翻弄されますが、内部要因がその原因なのですよね。
早速、売り禁になってしまいましたが・・・

アマゾンの件、早速見てみました。どうも古い本ほど安くなっている様子ですね。情報ありがとうございます。
パンの本は、重いし、高いですからねえ。

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Author:あらなみ
職業:個別株投機家・専業デイトレーダー

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