FC2ブログ

スポンサーサイト

--/--/-- --

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

金融村の掟

2017/09/17 Sun

先日、次のような相談を受けました。

「父親が退職して、その退職金の全て使って8306三菱UFJを買ったようなのです。配当金が目的のようなのですが、大丈夫なんでしょうか。」

というものです。

この質問への答えを通じて、こういった場合、

①個別株をどのように分析するのか

②そもそも退職金をどう考えるべきか


を分けて考えてみたいと思います。

そして、今回のようなケースから、考察を広げて、金融とは、投資とは、どういう世界なのか、を考えてみたいと思います。

なお、私の場合、テクニカル、ファンダメンタルチェックには、Kabutanと、楽天証券のマーケットスピードを利用しています。



まず、このような投資を配当利回り目的投資と言います。

投資の目的には、2種類あって、配当利回りなどを目的にする投資をインカムゲイン狙いと言い、一方で、値上がり期待の投資をキャピタルゲイン狙いと言います。



せっっかく具体例として、三菱UFJが上がっているので、まずは、銘柄分析をどのようにするのか、について見てみたいと思います。

最初に行う作業は、三菱UFJの事実認識です。
環境認識と言ってもいいのですが、今回は敢えて事実認識と書きました。
まずは、今どういう現状かを事実認識する作業です。
当然予想などは含みません。ここが留意点です。

事実認識と予想を混ぜないこと、これが何よりも大切です。
まず、事実を認識し、次に予想を展開する、自分なりの考察をする、ここを完全に切り離して考えることが、多くの人はできていません。
ここは大変重要なところなので、常に事実なのか、予想なのか、確認しながら作業を進めてください。
まず、事実を認識しないと、分析も予想もへったくれも無いのです。
事実を知らないで、いきなり予想する、というのがダメな典型なんです。

ただし、こういった個別銘柄の分析は、やりだすとキリがありません。
細かく見れば、有価証券報告書のチェックだとか、アナリストレポートを読むだとかありますので、今回、これだけは抑えておきたい最低限度のチェック項目を書いて起きます。



では、まずは、テクニカル面のチェック。

2017-01-620.jpg

これは月足です。
過去の値動きを見ると、2011/11の安値318円、他何度か300円台に突入していますが、ここが安値だということがわかります。
最近の高値は、2015/06の936円。その前には2006/04に1950円があります。
目先的に見ると、動きが鈍いように見える三菱UFJですが、結構大きな値幅で上下していることがわかります。



2017-01-621.jpg
次に日経平均との比較チャートです。
値動き的に見ると、日経平均と連動して動いていることがわかります。
リーマンショック前に高値をつけて、リーマン後の低迷を経て、アベノミクス相場で上げ、という流れです。

ここで見てすぐにわかるのは、リーマン後の戻りが大きくアンダーパフォーム(日経平均の戻りに対して戻りが鈍い)しているということです。

この理由は、日銀の金融緩和による銀行の低収益環境が影響している、ということだと思います。
他の銀行株の三井住友、みずほなどもほぼ同じ傾向です。



一方の業績面ではどうでしょう。

予想PERは、9.5倍、PBRは、0.59倍で、割安株だと言えるでしょう。
配当利回りは、2.64%で、まずまずです。
業績の安定度合いは、2012/03期以降は今の利益水準で安定していて、大きな上下はありません。
結果として、ここ3年間の年間配当は18円を維持しています。

もっと遡ると、2003年までは、不良債権処理が続き、赤字や低収益となっており、その後も2005年、2009年と赤字を出しています。
マクロ環境に大きく影響を受ける株だということで、結果として日経平均との連動性も高い、ということになるわけです。



と、ここまでが、とりあえずの下調べの段階で、事実認識です。
書けば長くなりますが、Kabutanなどを使えば簡単にできることなので、これぐらいは見ておきたいものです。



さて、ここからがこの銘柄についての考察ですが、以上の事実確認をベースにすると、私は次のように考えます。

配当狙いという観点からは、現状業績面は安定しており、今の配当水準の18円を今後も維持する可能性は高い。

ただし、過去の実績から、マクロ環境に大きく左右される株なので、経済状況が悪化すれば、減配もあり得るし、再び株価が300円台も視野に入る恐れがある。

一方で、経済が上向き、日銀が今の極端な緩和を終了すれば、日経平均をアウトパフォームすることが考えられる。


ということで、マクロ環境と金融情勢に大きく影響を受けるため、その動向次第で配当も株価も大きくブレることが考えられる、という実にありきたりの結論となりました。(笑)

ただ、ここまでを自分でしっかりと確認しておく、ということが大変大事なんです。
でないと、自信を持って投資などできません。
こういうこともわからずに、何となく投資している人が大勢いるので、この程度の分析は、最低限自分でできるようにしておく必要があると思います。

注釈ですが、私は、割安株インカム狙いはやりませんので、決して、低PER・低PBRがよいという意味で書いているわけではありません。
あくまで、インカム狙いならば、という前提がある場合、という意味での今回の分析です。




さて、最初に三菱UFJのチェックをしたわけですが、そもそも退職金を全部ここにぶち込むことがどうなのか、という話に移りたいと思います。

退職金の資金の性質ですが、これは老後の蓄えという意味では、失えば大変なことになる資金、ということになります。
最低限、年金で生活できる、ということはありますが、しかし、臆病な資金であることは確かです。

一方で、この方のお父さんは、

下手に相場で儲けようとせず、配当利回り目的で持ち続けることを選択した


という点では、正しい選択であったように思います。

同じ投資でも、インカム狙いとキャピタル狙いでは、全く違います。

そして、相場経験の無い退職者が相場に手を出して、老後の大切な資金である退職金を全て失った、という話はよく聞く話です。
そういう下手な色気を出さずにインカムに徹する限り、そんなに酷いことにはならない、とは思います。

ただ、やはり臆病な資金である退職金なので、できれば、分散することが望ましい、ことではあります。

ここで分散というのは、銘柄分散と時間分散、そして根っこのアセットアロケーションです。




三菱UFJが危ない、ということは今の時点ではありません。
しかし、相場の世界に絶対はありません。

東北震災の前には、電力株は、株価も安定しており、高利回りでもあったので、個人投資家にとって最大の配当利回り株であり、安定的な株価と相まって、東京電力が最大の投資先として人気でした。
しかし、待っていたのは惨劇でした。
大勢の配当狙いの資金、主に退職者の資金が大損を被ったのです。

今後も、三菱UFJには、何事も無いかもしれません。
しかし、それは、地雷原を通過する方法は、目をつぶって走り抜けることだ、と言っているのと同じ結果論なんです。

だからこそ、分散することによって、リスクを減らす必要があります。

少なくともセクターを分けて5銘柄程度には分散することが望ましいと思います。

それから、時間分散。つまり、分割です。一気に買うのではなく、時間をかけて買っていくことで、分散しリスクを下げる、ということです。

高配当銘柄は、色んな証券会社やサイトなどで検索できますし、検索結果からここで書いたような感じで銘柄選別すればいいと思います。




ここで、銘柄選別においての裏技を2つ書いておきます。

一つ目の裏技ですが、、それは、配当利回り目的のファンドの組み込み銘柄を参考にする、ということです。
つまり、真似する、ってことです(笑)
プロに目利きしてもらったものを使う、ってことです。

今、私が見ているのは、マネックス証券の投信のコーナーで、ここで、国内株式の配当で検索すると、26件がヒットしました。
この中で、主に配当利回り重視のファンドを選びます。
その一番上はフィディリティのファンドですが、その詳細ページを開いて、投資信託説明書のPDFをチェックします。
そこで、ファンドの運用実績のところに、「組入上位10銘柄」というリストが書いてあります。
これが、このファンドが主に組み入れている銘柄なんです。
このファンドだと、筆頭は、みずほで6.0%、次がヤマハ発動機で5.7%、結局、上位10銘柄で、実に43%となっています。
このファンドの上位10銘柄に投資すれば、概ねこのファンドにかなり近いリターンが得られることとなります。
配当利回りファンドなので、銘柄の大きな入れ替えもそうありませんから、年次報告の度にチェックする、程度で大丈夫です。

次の野村アセットの好配当ファンドは、三井住友、日産、日本たばこなどを組み入れていました。

こういったプロの目利きにかなった銘柄を真似して、自分のファンドを自分で作るわけです。
最低限、プロの目利き銘柄なので、酷いことにはならない、ということです。

じゃあ、そのまま好配当型の投信を買えばいいじゃないか、となりますが、投信の問題点は、手数料なんです。
今では申し込み手数料がかからないファンドが増えていますが、問題は、信託報酬なんです。
マネックスのサイトを見ても、低いものでも1%、高いものだと2%もかかっています。
そもそも、2~3%の配当を狙って買っているものなんです。
それが、1~2%も毎年毎年信託報酬で持って行かれたら、実質は、配当からの利益のほとんどが投信会社と証券会社の山分けに終わってしまう、という恐ろしい事実が簡単にわかる、ということなんです。

投資家が取っているのは、リスクだけなんです。こんな非合理なことがまかり通っているのが、この金融の世界なのです。

情報弱者は、常に情報強者からむしり取られる宿命を背負っているのが金融の世界である。

マネックスは、申込手数料が無料ですが、そうでない証券会社の場合、さらに高額の申込手数料が取られてしまうので、さらにリスクだけこちらが取る、という感じになってしまいます。
最初の手数料を何年もかけて払うという具合で、ナンセンス極まりないことです。
リートに投資するファンドとかもありますが、そんなものを買うぐらいなら、そのファンドの組み込みをパクって自分でリートのポートフォリオを組めばいいだけです。
絶対に利回り型の投信などやるべきではない、と思います。
毎月分配という美名のタコ配ファンドなど、論外です。

こんな投信を買うぐらいなら、見えている情報で自分ファンドを作ってください。
どんなヘタレファンドを作っても、投信を買うよりは100倍マシです。

ということで、今回のお父さんは、1銘柄集中投資というリスクはあるものの、

金融プロの搾取の構図にはまってはいない

という点においては、合格点だと思います。


金融の世界では、仕組みを知っているものが常に勝ち、知らない者が常に負けるという弱肉強食の世界です。

無知無能は、金融の世界では、悪であり、搾取の対象者なんです。

これこそが

金融村の掟

なんです。




もう一つの裏技は、株主優待と配当のセットで利回りを考える、ということです。
これは、個人でしかできない投資スタイルなので、資産の一部でもやってみる価値はあります。
といって、これは、ZAIなど投資雑誌に特集が出ていますから、裏技でも何でもないのですが、株主優待銘柄に分散投資することで、意外なぐらいの高利回りが得られます。
もちろん個々の銘柄のファンダやテクニカルはチェックする必要がありますが、個人で持つのでしたら、この観点は結構ありだと思います。
目指せ桐谷さん、ってところです。

この投資のいいところは、

キャピタル狙いのように、投資家同士が奪い合いをするのではなく、会社が出してくれるものを横からもらう

という構図にあります。

つまりは、サバンナの食い合いではなく、定期的にエサが供給される動物園のような仕組み、ってことです。

何が利益の源泉になっているのか、自分の利益はそもそも誰が出してくれているものなのか、を理解しておくことは、大変重要なことなのです。


それが、構造理解につながり、引いては収益の安定になるからなんです。

しかも、株主優待銘柄は、優待狙いという買い手が存在するので、株価が下げれば、その買い手が株価を下支えする、という構図もあるのですね。





しかし・・・以上の銘柄分散をいくらやっても、実は防げないリスクが存在します。

いくら分散したところで、株式市場の性質にあるとおり、全部が下がればやられることになるのです。

ここで、一番問題になることは、テールリスク(ブラック・スワンリスク)なんです。

あまり投資において考えられていませんが、とても重要なことです。

これは、何かというと、

テールリスクとは、マーケット(市場)において、ほとんど起こらないはずの想定外の暴騰・暴落が実際に発生するリスクのことをいいます。 これは、通常、確率的には極めて低いものの、発生すると非常に巨大な損失をもたらすリスク(大幅下落するリスク)のことを指します。


具体的には、先のリーマンショックなどがこれにあたりますが、今想定されていることは、次のようなイベントリスクです。

①震災
②戦争
③伝染病


めったに起きることはないけれど、絶対起きないということはありません。
実際に、この2つは今では、リアルに想定されていて、最近では防空訓練までされている状態です。
そして、東南海地震などのリスクも近づいている、と言われており、そのための備えを国や各自治体が進めている、のが現状です。

ここで、金融面の混乱については、あまり語られることはありませんが、こういったテールリスクが起きた時に、自分のアロケーションは耐えられるのかどうか、について、常に意識の片隅に置いておく必要があることだ、と私は考えています。

株だけではなく、そもそも円の価値はどうなるのか、不動産は、などなど、資産全般です。
混乱が起きた時、借金漬けの日本の財政状況を考えると、円の価値と信頼は保てるのか、どうヘッジできるのか、など頭の隅には置いておきたいところです。

テールリスクが発生すれば、三菱UFJ単独投資であろうが、5社に分散しようが、結果はあまり変わらない、ということになるかもしれません。

ここで、アセットアロケーション。

つまり、資産を株だけではなく、他の資産に分散させておく意味がここにある、ということになります。

この内容を書くと、本一冊分になるので、詳細は省きます。




以下、余談ですが、テールリスク時の対策では、通信手段の途絶、取引所の閉鎖によって、どのような影響が出るのか、ヘッジ手段はどうするのか、などなど、今回のテーマからそれるので細かくは書きませんが、考えておく必要があるでしょう。

他に、私は、大した備えはしていませんが、パスポートの有効期限をチェックしておく、車のガソリンは基本満タンにしておく、手元現金は常に持っておく、モバイル用PCの準備、などちょっとした気遣いはしています。

ただ、想定されていないテールリスクこそが一番危険ではあるわけなのですが、これはもうキリがないので。

ちなみに私は、心配性ではなく、普通に考えれば、テールリスク対策はあって当然だと思っているだけです。。。

震災などの物理的備えはやっていても、金融面での対策は何もしていない、ということは片手落ちだと思っているのですね。



人気ブログランキングへ

コメント

Secret

No title

 いつも入魂の記事ありがとうございます。
さてうまい指摘はできないのですが、今回の記事はより具体的という面でいつもの記事と少し違う印象を受けました。(大切な部分はもちろん同じですが。)
 自分の知っている人で専業のトレーダーがいます。別に知人とか友人といった間柄でなく、また1年に1度数分間の電話でのやりとりがある関係なので話をしたいと思いつつも3年ほど控えていましたが、今年の春はおもいきって専業に踏み切った部分と、メンタル的に必要なことの2点を質問しました。
 メンタル部分については「自分の欲をコントロールすること」という言葉でした。
 この退職者は自分の欲をコントロールできた。という1点で充分立派な選択ではないのかなと考えました。またあらなみ様が日ごろ書かれているよけいなことをやらない。という部分にも通じるのかなとも思います。
 テールリスクの部分ですが、可能でしたら預金封鎖についてのあらなみ様の知見について披露していただけませんか?。自分は祖父母から聞く事ができませんでしたが、父から聞いた(終戦直後はよかったその後の物不足がひどかった)話等から飛んでくるミサイルそのものより、それにより生じる経済混乱もしくは混乱に乗じ起こされるかもしれない経済政策については自分でコントロール不可能という点で漠然たる不安はありますが・・・対策があるのかどうか。
 では失礼します。

Re: No title

銀次郎さん、おはようございます。

今回、具体的な質問を受けたので、結果として具体的な回答になって、それを記事にしたため、こうなったってことなんですね。

欲のコントロール、と言ってしまえば簡単ですが、説明しだすとくどいと言われるぐらいの文章になっても書ききれないところですねえ。


預金封鎖についてですが、私もそんなに知識があるわけではありません。

ただ、言えることは、貨幣の価値、というのは単に信用が裏付けになっているだけのことなんですね。
昔、ドルは金と一定額で交換できるという金の裏付けがあったのですが、それも無くなり、今では、アメリカへの信用が裏付けとなっているわけです。
今では、どこの通貨も金の裏付けなどありません。単に国への信用だけが裏付けです。
問題は、ここのところで、この信用が維持できない状況になれば、凄いインフレ、つまりハイパーインフレが起きるわけです。

そもそも、金利が高い通貨を買うキャリー・トレードが上手く行かないのは、インフレが原因なのですね。

デフレに慣れきっている今の日本では、お金の価値こそが「価値基準」として通用しているわけですが、それは国や日銀に対する信用があってこそ、のことです。
もし、この信用がぐらつく事態が起きた時に、どうなるか、ということは考えておきたいと思っています。
そして、その信用がぐらつく事態とは、どういう時に起きるのか、ということも考えていますが、これは、通常時ではなく、何かの有事があった際ということになろうかと思います。
日本の財政は、信用の上にあぐらをかいており、平常時にも関わらず、毎年毎年大量の赤字状態を延々と続けています。
もし、今後、何かあった時、どうするのでしょう。

終戦直後の混乱時もそうですが、海外に目を向ければ、アルゼンチンやブラジルなど、国の信頼が揺らいだ結果、ハイパーインフレが巻き起こった事例はいくつもあります。

年間数千%の物価上昇 = 貨幣価値の崩壊、が現実に起きているわけです。

現金 = 安全、というのは、あくまでもデフレ思考の発想です。

ということで、テールリスクをカタリストとした円の崩壊、というシナリオは想定しておく必要があると私は思っています。

No title

私は本業でまれに環境コンサルタント的な業務をやることがありますから、~調査結果報告書とかを書くこともありますけれども、一応は調査結果という事実を基に記述をしなければならないわけなのですね。たとえ調査結果が予算不足で数量が不十分だったり、調査の仕様がイマイチ的が外れてたり、調査結果が何らかの傾向や事実を示唆するようなものでなくとも、何とか苦心して、調査結果を基に、という形をとって、それっぽく体裁を整えて纏めなければならないわけです。

材料不足でも無理くり何か書こうとすると感想文のようになってしまうのですが、後でツッコミが入ってもある程度は言い逃れが効くことを想定して、調査結果を基にアレコレ苦心して文章を書くという、まあ少し不毛なお仕事をやったりすることもございます 笑

さてさて、投資においては、この調査結果というものをすっ飛ばして結論に至る、つまり投資するということが多々あるのですね。

何となく上げると思った、とか、下げ止まると思った、とか。

普通のビジネスの社会ではそういう個人の感想は通用せず、その結論に至った背景をたとえ形式的ではあったとしても求められるものですが、個人投資の世界は、ビジネスではなく遊びの世界にしてしまっても全く問題ないわけですからね。後でツッコミが入れられることを恐れることもないわけなのです 笑

対象の固定について

さすがファンダメンタルズなどにも詳しいんですね。
記事でも触れておられますが、あらなみさんは、銘柄や商品の固定についてどう考えられますか?

相場技法を強調される立花義正は電機製造会社の管理職まで上った技術者で日本電気(NEC)、シャープ、東通工(ソニー)など、「親しみのある」というより一般人が比較にならぬほど経験した分野で相場技術の固めをした後に、パイオニアへ収斂して成功しました。林輝太郎も小豆時代は論文まで書くほど調査研究を重ねて、小豆を冠する著書も出しております。

特に始めてから数年の、市場構造の理解に抜けが多く、しっかりした技術も身についていない練習段階において、市場、業種、商品・銘柄を固定する重要性や、「なかなか儲からないから」と対象をコロコロ変えてしまう危険性、一方で成功者の本を読んでいると、先物や商品など色々手を出して、最終的に今やってるものを主とするようになったという事例が多くて迷うのですが、対象を固定し過ぎることで相場全体における共通現象の理解が遅れたり、本当は自分の手に合う市場や対象があるのにそれを知らずに時間を失ってしまうことなどもあるのでしょうか。

単純に機会という面だけで見ると継続して多数の銘柄等の場帳をつけてチャートも毎日見ていると、明らかに行き過ぎからの反転が見え仕掛けの機会と思える、しかし、その対象について「にわか」程度のことしか知らないため、控えていたら案の定の展開になってしまったということも多くて悩むのですが。

No title

アベノミクス相場はそれまでの愚図ついた相場を構成する複数の要因が立て続けに変化して、流れが流れを呼ぶ、加速するといった相場でございましたね。

また、相場においては、織り込み済のことや、人々の概ねの予想、あるいは期待されていたことが、裏切られた。。。そういった事態に変化すると大きなショックが相場を走ることになります。

3.11レベルの天災なんかも、これは勿論予期などできようはずもないですから、相場に大きなショックを与えますね。

こういったものを所謂、環境変化というのですが、変化した、と、認識するためには、現状の相場の状況や、それを構成する要因、過去から今の状況に至る経緯、といったものを認識しておく必要があるのですね。で、ないと、何が変化して、それがどの程度のインパクトがあるのやら?とかも掴みようがないですわけですからね。

環境変化で相場も変化するわけですから、これは即ち、今まで通用していた手法が通用しなくなる、と、いうことでもありまして、即ち、切り替えが必要になってくるわけです。。

ここで多くの投資家が混乱に陥る状況になります。

混乱がメンタルの乱れを引き起こして、立て続けにやられまくる、そういった事態が多発することになります。

これは、何となく相場をやっていて、それである程度やっていけていると、そういう風になりがちなのですね。特定の環境下でたまたま成功をおさめてしまっていると、成功体験ががっちり潜在意識に刷り込まれてしまうのです。

これが、怖い、のです。混乱の渦にありながらも、パブロフの犬のように、かつて通用したやり方にいつまでもしがみついてしまうのですね。

これが、怖い、のです。繰り返しますが。

相場で一発屋はある程度いても、どん底から這い上がって復活した二発屋、は恐らくレアではないかと思います。

・・・

ちなみに私が滑落レベルでヤラれてしまったのは、相場をやり始めて七年目くらいでしたかね。

知識としては、こういった変化の怖さ、というものも知ってはおりました。

私は長年こちらのブログを拝見させていただいておりますが、例えば2009年4月の記事の「上達のプロセスこそ秘訣23,24」とかもリアルタイムで読んだりしていて、ふむふむなるほどなぁ~、とか感心したりしたものです。環境変化に関する非常に良い記事でありましたね。環境変化怖いなぁ~、注意しないかんなぁ~、みたいな。私が滑落したのはその4年後くらいでしたかね。

実に活かせておりませんね 笑

自分なりの結論

しばらく旅先で考えていたのですが、林輝太郎らは相場をゴルフに例えていますが、ゴルフは対象が静的で固定されているので、失敗すれば嫌でも己の実力不足が原因だとはっきりわかる。しかし相場は対象が動き回っているので自分の実力で取ったのか、たまたまそうなったのかがわからないことが多い。相場は対象が動き回るものを捉える狩りに例えたほうが適切だと思うんですよ。

狩りで言えば、

 どの季節に、どの狩り場で、どの類の、具体的にどの獲物を、どういう状態の時に、どの道具を使って、どのように捕るか

ということですが、これを相場で言えば、

 どういう景気の時に、どの市場で、どのような業種・商品の、具体的にどの銘柄を、どのような変動をしている時に、どのテクニカルなど判断基準を使って、どの建玉操作で捕るか

ということになります。

自分の身を危険に晒す狩りで成果を得ようとするなら、それぞれは可能な限り安定した同じものにしておいた方がいい。同じ場所で同じ獲物を追いかけて同じ道具を使って獲ろうとし続けていれば、必然的に各要素について詳しくなっていく、それは成功率が上がる以上に、知らないが故の失敗をどんどん避けることができるようになる。相場では失敗による損失を避け、その額を抑えることは儲けに等しいか、それ以上の価値がある。

特定の狩場や、特定の獲物、特定の道具だけに依拠すれば、機会が少なくなり、視野や経験が狭くなるのは仕方ないが、ありがちな失敗を舐め尽くしておらず、その克服も中途半端な段階では失敗を避けることを優先した方がいい。その上で、余裕がある時に縁があったものに対して手を出してみるべきではないか、というのが今の考えです。縁があるということは、準備が整っているということであると思うんですよ。余裕がない状態で一発逆転、一攫千金を追いかけて不慣れなものに挑むと、どこかの歯車が狂っていてまず上手くいかない。

Re: No title

タカユキさん、レス遅くてすみません。
忘れていたわけではないんですが。。。

現状認識をきちんとせずに、答えだけ出そうとしても、それは難しいですよね。
相場だけが特別ではなく、他のビジネスと同じだってことなんです。

Re: 対象の固定について

砂人さん、今晩は。レス遅くなりました。

対象物の固定というのは、昔と今では少し違ってきていると思うのです。

昔の小豆というのは、年がら年中といっていいぐらい、仕手戦だの何だのでいい動きが続くものでした。

トレンドも、こんなに簡単でいいのかと思えるぐらい出るし、常に何らかの動きがあるいい銘柄でした。

逆に、今、こういう属性の銘柄があれば、みんなが寄ってたかってトレンドフォローを仕掛けるので、こういう動きにはならないと思います。
今は、投資家の戦略や技術が向上しているので、それが値動きにも反映されてしまっているのです。

昔は、証券マン、商品取引員の言いなりに売買している顧客が大勢いて、チャートも見ずに、多くが業者の言いなりで売買していた牧歌的な時代だったのです。

トレンドフォローなど誰もしない時代だったからこそ、いいトレンドが出たのですね。

これは、ドル円など、通貨でも同じような傾向が出ています。

通貨も、タートル戦略を使えば、簡単に儲かった時代があったのです。

そういうしっかりとしたいい値動きがある時代であれば、銘柄固定でも全く問題ないと思うのです。

しかし、今の相場で、そういう「常にいい動きをしている」銘柄を探すのは難しくなってきていると思います。

株式市場では、任天堂やソフトバンクなどが常に動いていますが、任天堂とて、一昨年あたりから動意づいただけであって、それまでは底練りのしょぼい値動きで、難易度は高かったのではないかと思います。
また、動意づいてからの値動きと、それまでの底練りの動きとは、同じ銘柄とは思えない変化が起きています。

こういうことから考えると、今の時代の相場で、銘柄固定が果たして昔のように成立するのかどうか、少々疑問に感じますね。

相場は変化しています。この変化を前提に考えないと、昔をそのまま当てはめても、今の時代機能しないことは非常に多いのですよね。

しかも、その変化は、難しく変化していますので、非常に質が悪いです。

Re: No title

タカユキさん、こんばんは。

一定の環境が続けば、その環境に徐々に最適化してきて、それに適応する、ということが起きるので、それで儲かれば、この世界で生きていける、となるわけです。

問題は、「この」世界、ってことなんですね。

この世界であって、変化が前提とされてはいないわけです。

そして、しばらくすると、環境が変化して、お決まりのドボンとなる、という定番メニューが起きるわけですね。

Re: 自分なりの結論

砂人さん、こんばんは。

固定か変動か、ということもありますが、相場は、必然か偶然の境目が極めて難しい、という性質を持っている、ってことだと思います。

たまたま当たったのか、それとも必然的に狙ったものなのか、どちらかわからないのです。

そして、環境変化という要素が絡んできます。

当たりが続けば、実力だと思うのは必然で、そこで環境がフォローだったという認識が無いままに、変化を受け入れることができずに、ドボンに至るわけです。

①偶然と必然、そして②環境変化、相場のこうしたわるさによって、最後は負けに落ちてしまう、ということなのだろうと思うわけです。
FC2カウンター
プロフィール

あらなみ

Author:あらなみ
職業:個別株投機家・専業デイトレーダー

Twitter: @aranami718

旧ブログ:
あらなみの相場技術研究所別館

あらなみの相場技術研究所

あらなみのトレード水先案内人

カレンダー
09 | 2018/10 | 11
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -
カテゴリ
最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
相場本検索
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

相場格言
amazon

検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。