損切り考 2

2018/07/05 Thu

損切りが難しい、という話をやはりよく聞きます。
特に初心者にとっては、一番難しい問題のようです。
前回、損切り考を書きましたが、少し難しい話でもありましたので、
そう思っている人向けに、具体的事例を含めて、
もう少しわかりやすく損切りの考え方を書いてみましたので、
損切りが難しいという方は、読んでみてください。



時々、こういった質問が来ることがあります。

「7717ブイ・テクノロジーを買って持っています。
業績もいいし、藤戸アナリストの推奨もあって買った
のですが、下げ続けているので、かなりの損失になって
どうしたらいいのかわかりません。」


リアルで具体的過ぎる事例ですが、こういう悩みは投資家なら、
経験があることだと思います。
今の時期でしたら、同じような悩みで悩んでいる方もいることでしょう。
ご本人にとっては、ブイ・テクノロジーがこの先どうなるのか、
これが何よりも大切なことになるわけです。



さて、多くの投資家の頭の中は、今の時点から、

「これからどうなるのだろうか」

という相場の見方しかありません。

ブイテクが下げてしまった、という現実を受け止めて、
ここからどうなるのだろうか。
もし、反転する見込みがあるのなら、買ったままキープだし、
まだ下がりそうなら、損切りするしかない。
という考えを持っていることでしょう。
これが、一般的な相場に対する取り組みであり、
疑問も持たずにずっと続けて来ている考え方です。

そういえば、2016年にこういう相談もありました。

「120円でドル円を買って、110円に下げてしまいました。
まさか100円割れは無いと思うので、持っていようと思いますが、
大丈夫でしょうか。」

(その後100円を割れで損切りとなる・・)


どちらも、早期の段階で損切りが出来なかった結果、大損になった悲しい事例ですが、
損切りをすればよかったのに、というだけでは、これはなかなか解決しない問題なんです。

つまり、

上げたり下げたりしながら、気がつけば、もしやもしやで、
ジリジリと下げられてしまった。
戻ったら売ろうと思っていたら、また下げる、仕方がないから、
塩漬け、となって、さらに下げる


ということになるので、もっと根本的なことを解決しないといけません。



実は、ここでの一番の問題となっていることは、

買ったエントリーの時点で、損切りを決めていなかった


ということなんです。
全ての根源はここにあります。

損切りというのは、エントリーした根拠が失われた時点で行うもの

です。

つまり、ブイテクであれば、ブイテクを買った時点で、どう考えて買ったのか、
を根拠に損切りしないといけません。

3万円で買ったのなら、これから上がるだろうで買っているわけですから、
もし、買った時点でのレンジを安値を割ったら損切りする、であるとか、
8%以上下げたら間違いを認めざるを得ない、とか、買った時点の想定が
間違いだった、となった時点で損切りすべきものです。

それを、下げた後(損した後)になってから、

「今から戻るだろうか、下げるだろうか」

と考えるから、ずるずると引っ張る結果になってしまうのです。

買った根拠が、これだけ下げて崩壊しているのだから、
もうこれからどうなるか、など関係ないんです。
既に、間違ったことが確定し、終わったことなんです。

ドル円なら、120円で買った時に、もしどこまで下げれば、この
買ったという想定が間違いだったと認識できるか、ということで、
想定が間違いだったと認識できるポイントが損切りポイントとなります。

買った時点において、どこで損切りするかを決めておいて、それを確実に実行すること

一言で書くとこれだけのことですが、これが出来ていない投資家がほとんどと
言っていいでしょう。

これができないのなら、そもそもそのトレードでいくら損失が出るのかもわかりません。
非常に危険です。

損切りというのは、エントリーの根拠が失われた時点で、機械的にやるもの
であって、損が出た時点の読みでやるものではない




今回の事例で、ブイテクがここから大きく戻ってトントンで決済できた、ということ
もあり得るでしょう。
しかし、その経験は、悪しき成功体験となって、また同じことを繰り返すことになります。
そうなれば、いつか大損する目を育てている、ということに過ぎません。

そういう人は、今死ななくても、将来確実に死にます。
今助かったとしても、時間の問題だけのことなのです。


人気ブログランキングへ



コメント

Secret

No title

あらなみさん
こんにちは。勝ち組(もちろん長期目線で)は、損切り(結構大きな額)してもあまりなんにも感じない。逆に大勝ちしても、さほどうれしいとは感じないと聞きます。でもどんな人もきっとはじめは、悔しさで顔を真っ赤にしたり、喜びで一日中ニタニタするような、普通の感覚を持っていたはずです。

それがどうやって薄い(ある意味人間ぽくない)反応に変容していくのか?を知りたいです。勝つようになった結果、そうなるってことだとは思うんですが、そうなるように訓練したら早く勝つようになるのでは、とも考えてしまいます。

コメントの回答でなくてもいいので、そんな話をぜひ読ませてください。

Re: No title

savers19さん、こんにちは。

ご質問の答えですが、これは偏に、

慣れ

です。

大事なお金が一瞬にして消える。
逆に、1週間働かないと稼げないお金が数時間で稼げた。
こういう経験が初めてだと、恐怖に怯え、歓喜に湧き上がって
当然なんです。
ポジションを持っているだけで、手に汗がじっとりにじみ、
値動きを見る時に震える、という経験は誰にだってあります。

しかし、このアップダウンの繰り返しも10年もやれば、
誰でも慣れてくるものなんです。
そして、全てに勝てるわけじゃない、ということもわかってきます。
相場の理想と現実を知る、ということにも繋がります。

慣れ、ということにおいては、他に何でも同じです。

例えば、外科医。
新人と熟練を大きく分けるのが、執刀経験で、誰でも最初は、
メスを持つ手が震えることは想像できることでしょう。
しかし、1000例の執刀を経験するとそれが変わるのです。

パイロットは、飛行時間というのが目安になります。
新人は、所詮新人で、ベテランと違うのは、飛行時間なんです。

一般のお仕事とてそうでしょう。
どんな仕事でも、最初は緊張して、ついていくだけで必死。
しかし、年月を経れば、誰でもベテランになるものです。

また、夫婦関係しかり。
新婚時代と5年後、10年後。
あのキラキラした日々はどこに行ったのか。
こちらは慣れたくない(笑)

慣れというのは、いい面と悪い面をもたらしますが、
トレードにもその影響は絶大なんです。

だからこそ、「実戦経験」「飛行時間」「経験値」が必要なんです。
相場を始めたら、とにかく実戦しろ、ノックを受けろ、
というのは、この「慣れ」をつけるためということが
大きいんです。

「経験値」が重要というのは、こういう意味を含むからです。
この点において、シミュレーションでは何の前進もありません。
心が伴わないシミュレーション期間は、経験値には含みません。
何度手術シミュレーションをしたとて、実際の手術では、
手が震えることでしょう。
実戦で汗をかかないと経験値は上がらないんです。

目の前でお金が増えたり減ったりしないと、心を鍛える
ことは絶対にできません。
手法がわかればいい、と思っている人は、このところが
完全に見えていないのです。
実際にお金がかかれば、デモトレと同じことなど
絶対にできません。


なので、もう一つの答えは、とにかく怖がらずに、
実弾が飛び交う前線に出て、実戦経験を積むことです。
それで、お金のアップダウンに慣れる必要があるんです。

勝つ経験でもなく、負けた経験でもなく、
「経験」そのものが大事なんです。


負けた経験があるから、人は強くなれるんです。
メスを持つ手が震えていては、いい手術はできません。

この実戦経験、すなわち1000本ノックというのは、
このブログテーマにもなっているものです。
そうすれば、誰だってベテランになれます。

ただし、勝てるベテランになれるかどうかは、
保証の限りではありません(笑)

No title

現在ホットな話題である米中貿易摩擦ですが、7/6の追加関税発動を市場が織り込み済みか否かが分からなかったため私は数日前にポジションを縮小しました。7/6時点では材料出尽くしで上昇したことにより結果的には機会損失となりましたが、分からない以上はポジションを落とす以外の選択肢がなかったと考えています。

今後この問題がどうなっていくか分からないため、デイを超える時間軸でのエントリーは当面できないことになり、大変もどかしい思いをしています。マクロのリスク評価の難しさを実感しています。

No title

>>損切りというのは、エントリーの根拠が失われた時点で、機械的にやるもの
であって、損が出た時点の読みでやるものではない


損が出た時点の読みでやるものではない

損が出た時点の読みでやるものではない・・・

損が出た時点の読みでやるものではない!!!m9っ`Д´) ピシッ

大事なことなので3回繰り返しておきました 笑


結局のところ、こういうところが駄目だから、ヒトは相場でコテンパテンにやられてしまうのでしょうね。やり方とか優位性とかへったくれもないわけです。

どこかでドツボにはまるようbetし続けているわけなのです。

Re: No title

ナンピン太郎さん、こんにちは。

米中貿易摩擦は、結果として織り込み済みで初動は終わりましたね。
概して、来るぞ来るぞ、というものの大半は織り込み済みの反応を
示します。

ただ、この影響をマーケットは過小評価しているように思えて仕方がありません。

こういう予定のイベントは、まず予定された期日における初動と、
じわじわと実態に及ぼす影響が意識されてくる第二波に
分けて考えないといけないものだと思っています。

まず、初動は、織り込み済みでのbuy the factからでしたが、
第二波があると見ているのですがね。

Re: No title

タカユキさん、こんにちは。

サッカーで言うと、負けた時点では、もうホイッスルが
鳴って終わったものだということですね。

それなのに、「泣きのもう一回」をやるから爆死への
道が開けるわけです。

No title

お忙しい中、ご回答ありがとうございます。

>>概して、来るぞ来るぞ、というものの大半は織り込み済みの反応を示します。

追加関税は双方の首を絞めるもので無理筋ということと、直前で回避されるのではという期待もゼロではなかったので個人的には判断が難しかったです。こいつ本当にやるんだ・・・という思いです(笑)。

>>こういう予定のイベントは、まず予定された期日における初動と、じわじわと実態に及ぼす影響が意識されてくる第二波に分けて考えないといけないものだと思っています。

報道などで世界的な供給網への悪影響が指摘されていますので、当面はより慎重に判断したいと思います。トランプが在職中はデイトレだけでも良いかもしれません(笑)。

Re: No title

ナンピン太郎さん、こんにちは。

そうですね。織り込み済みかどうか迷うところでした。

過去の事例では、トランプ当選というイベント時には、
サプライズであったのに、逆に爆走する、という動きが
あってほんとにびっくりでした。
しかも、第二波は、憑き物が取れたような上昇トレンド
が続きました。

こういうイベントをきっかけとしたその後のトレンドは、
注意していれば乗れるものですから、方向性にこだわる
ことなくついて行かねばと思っています。

とにかく、大きな動きが予想されても、どちらというのは、
わからないものですね。

No title

まだまだ思うような利益は得られていませんが、原則として損切りがセットのトレードをやっています。
だから何とか生き残れているのかもしれないですね。

いつも参考にさせていただいています。
ありがとうございます。

No title

あらなみさん、

記事ばりの返信ありがとうございました。この慣れにかかる年月って、大きな個人差があるように思うんですよ。それで考えたのは、やはりちょっと冷徹な、義理と温情に欠ける人の方が圧倒的に慣れるのは早いと思うんですよ。

もっと言いますと、あらなみさんが本当に何年も遠回りしたって言うのは、そういう冷徹な要素がないが故にだったのかなあとも考えたんですよ。いや、冷徹だったら、こんな丁寧に考え方を披露するブログなんて後悔しませんしね。ディスっているんじゃないですよ(笑)。トレーダーに憧れていたんだけど、その性格的な要素はずいぶん離れたところにあった、みたいな感じでしょうか。

BNFさんなんて見ていると、本当に薄いというか感情ない感じしますよね?でもそれって、人の気持ちをわからない冷淡さではなくて、それを知ったうえでやっている深さみたいなものがいると思うんですよ。

よくいう総合力の一つでしょうが、自分がこのポジを売ろうとした時、どんな人が買ってくるのか?、このへんで買ったやつはいまごろどういう気持ちで握っているのか?みたいな相手側の心理をしっかり考えないといけないので、人の心理を読めない(完全なKY)タイプの冷徹さはダメなんだと思うんですよね。

そして結構早くうまくなる人って、この冷徹な性格が多いのかなあと真剣に考えています。そして私は意外とそんな感じの人間かなあと、都合のいいことを考えたりしています。

この論が合っているなら、あらなみさんみたいな人は希少だと思いますねえ。勝ち組トレーダーなんだけど、人とのコミュニケーションが好きというタイプ。大半の勝ち組は、人との接触を避ける性格の人が多いんだと想像します。

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます
FC2カウンター
プロフィール

あらなみ

Author:あらなみ
職業:個別株投機家・専業デイトレーダー

Twitter: @aranami718

旧ブログ:
あらなみの相場技術研究所別館

あらなみの相場技術研究所

あらなみのトレード水先案内人

カレンダー
06 | 2018/07 | 08
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
カテゴリ
最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
相場本検索
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

相場格言
amazon

検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR