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何故勝っている人の真似ができないのか

2018/07/08 Sun

savers19さんという方と、コメントでやり取りしていましたが、私のコメントが長くなるので、記事にしました。


あらなみさん
こんにちは。勝ち組(もちろん長期目線で)は、損切り(結構大きな額)してもあまりなんにも感じない。逆に大勝ちしても、さほどうれしいとは感じないと聞きます。でもどんな人もきっとはじめは、悔しさで顔を真っ赤にしたり、喜びで一日中ニタニタするような、普通の感覚を持っていたはずです。

それがどうやって薄い(ある意味人間ぽくない)反応に変容していくのか?を知りたいです。勝つようになった結果、そうなるってことだとは思うんですが、そうなるように訓練したら早く勝つようになるのでは、とも考えてしまいます。

コメントの回答でなくてもいいので、そんな話をぜひ読ませてください。





ご質問の答えですが、これは偏に、

慣れ

なのです。

大事なお金が一瞬にして消える。
逆に、1週間働かないと稼げないお金が数時間で稼げた。

こういう経験が初めてだと、普通は、恐怖に怯え、歓喜に湧き上がって当然なんです。
ポジションを持っているだけで、手に汗がじっとりにじみ、値動きを見る時に震える、という経験は誰にだってあります。

しかし、このアップダウンの繰り返しも10年もやれば、誰でも慣れてくるものなんです。
そして、全てに勝てるわけじゃない、ということもわかってきます。
相場の理想と現実を知る、ということにも繋がります。

慣れ、ということにおいては、他に何でも同じです。

例えば、外科医。
新人と熟練を大きく分けるのが、執刀経験で、誰でも最初は、メスを持つ手が震えることは想像できることでしょう。
しかし、1000例の執刀を経験するとそれが変わるのです。

パイロットは、飛行時間というのが目安になります。
新人は、所詮新人で、ベテランと違うのは、飛行時間なんです。

一般のお仕事とてそうでしょう。
どんな仕事でも、最初は緊張して、ついていくだけで必死。
しかし、年月を経れば、誰でもベテランになるものです。

また、夫婦関係しかり。
新婚時代と5年後、10年後。
あのキラキラした日々はどこに行ったのか。
こちらは慣れたくない(笑)

慣れというのは、いい面と悪い面をもたらしますが、トレードにもその影響は絶大なんです。

だからこそ、「実戦経験」「飛行時間」「経験値」が必要なんです。
相場を始めたら、とにかく実戦しろ、ノックを受けろ、というのは、この「慣れ」をつけるためということが大きいんです。

「経験値」が重要というのは、こういう意味を含むからです。
この点において、シミュレーションでは何の前進もありません。
心が伴わないシミュレーション期間は、経験値には含みません。
何度手術シミュレーションをしたとて、実際の手術では、手が震えることでしょう。
実戦で汗をかかないと経験値は上がらないんです。

目の前でお金が増えたり減ったりしないと、心を鍛えることは絶対にできません。

手法がわかればいい、と思っている人は、このところが完全に見えていないのです。
実際にお金がかかれば、デモトレと同じことなど絶対にできません。


なので、もう一つの答えは、

とにかく怖がらずに、実弾が飛び交う前線に出て、実戦経験を積むこと


です。

それで、お金のアップダウンに慣れる必要があるんです。

勝つ経験でもなく、負けた経験でもなく、「経験」そのものが大事なんです。

負けた経験があるから、人は強くなれるんです。

メスを持つ手が震えていては、いい手術はできません。

この実戦経験、すなわち1000本ノックというのは、このブログテーマにもなっているものです。
そうすれば、誰だってベテランになれます。

ただし、勝てるベテランになれるかどうかは、保証の限りではありません(笑)





あらなみさん、

記事ばりの返信ありがとうございました。この慣れにかかる年月って、大きな個人差があるように思うんですよ。それで考えたのは、やはりちょっと冷徹な、義理と温情に欠ける人の方が圧倒的に慣れるのは早いと思うんですよ。

もっと言いますと、あらなみさんが本当に何年も遠回りしたって言うのは、そういう冷徹な要素がないが故にだったのかなあとも考えたんですよ。いや、冷徹だったら、こんな丁寧に考え方を披露するブログなんて後悔しませんしね。ディスっているんじゃないですよ(笑)。トレーダーに憧れていたんだけど、その性格的な要素はずいぶん離れたところにあった、みたいな感じでしょうか。

BNFさんなんて見ていると、本当に薄いというか感情ない感じしますよね?でもそれって、人の気持ちをわからない冷淡さではなくて、それを知ったうえでやっている深さみたいなものがいると思うんですよ。

よくいう総合力の一つでしょうが、自分がこのポジを売ろうとした時、どんな人が買ってくるのか?、このへんで買ったやつはいまごろどういう気持ちで握っているのか?みたいな相手側の心理をしっかり考えないといけないので、人の心理を読めない(完全なKY)タイプの冷徹さはダメなんだと思うんですよね。

そして結構早くうまくなる人って、この冷徹な性格が多いのかなあと真剣に考えています。そして私は意外とそんな感じの人間かなあと、都合のいいことを考えたりしています。

この論が合っているなら、あらなみさんみたいな人は希少だと思いますねえ。勝ち組トレーダーなんだけど、人とのコミュニケーションが好きというタイプ。大半の勝ち組は、人との接触を避ける性格の人が多いんだと想像します。






savers19さん、こんにちは。

コメントで書いて頂いたことは、ほとんど私のイメージと同じです。
また、書かれていることは、相場を学習する上で大変重要なポイントが含まれています。

>この慣れにかかる年月って、大きな個人差がある

間違いなく、大きな個人差があります。
人によっては、慣れる必要もなく、あっという間にデキる人もいます。
そもそも、「慣れる必要がない」人がいるんです。

この点が大変重要なポイントを含んでいます。

>ちょっと冷徹な、義理と温情に欠ける人


というのは、確かにそうかもしれません。

実は、これは、別の言い方をすれば、

才能と個性

なんです。

私の場合で言えば、そういう才能には恵まれず、普通の人の感覚であったために、大変苦労しました。

私がこうやってブログを書けるのは、才能が無く、苦労に苦労を重ねているからで、だからこそ、

普通の人が相場で勝つために突破せねばならない障壁がわかる

のです。

本当に才能がある人なら、私がブログで書いていることなどわからないでしょう。
私は、苦労して、理屈で理解せねば仕方がなかったから、わかるんです。



この理屈から、もう一つの大きな真実が明らかになります。

それは、

相場には、人それぞれ才能があって、その才能を無視して、真似ることは非常に難しい

ということです。

勝っている人の真似をすればよい、という普通の習い事の理屈が、単純に相場になかなか当てはまらないのは、才能の部分が大きいからなんです。

この才能の部分というのは、実は、個性とも言える部分です。

人それぞれ個性があって、その個性の部分を無視して、人の真似をするというのは、大変難しいのです。

リスクに対する感応度、リスク許容度、投機気質、長期短期、反射神経、理解力

などなど、人それぞれ違いますから、その違いを無視して、同じことはできません。

そしてそういう才能に裏打ちされた、

相場の技術と熟練度そして目利き

が違います。

それでも、何故真似をしようとするのかというと、

同じことをすれば同じ結果になるはずだというやり方至上主義の理屈

があるからです。

しかし、その同じこと、というのは、やり方だけではない範囲を含みます。
だから、同じことはできないわけです。

イチローのスイングを真似ればイチローになれるのなら、プロ野球の選手はみんなイチロースイングになっていますよ。

カリスマ外科医の真似をすれば、簡単にカリスマ外科医になれるのなら、みんなすぐにカリスマ外科医です。


でも、そうじゃないんです。

勝っている人の真似をしようとしている人は多いと思います。
同じようになりたい、同じように儲けたい、ということで、なんとか真似をしようとするわけですが、なかなか上手く行かない人がほとんどです。

これは、勝っている人が出し惜しみをしているというのではなく、多くの場合、

やり方だけではない才能やスキル、目利きの部分が大きく左右しているからなのです。

言い方が悪いですが、わかりやすく言うと、

やり方が同じでも、下手っピーだったら勝てないよ


ってことなんです。


では、そういう才能や個性を持っていない人はどうすればいいのか。
というと、もうここは、繰り返し慣れるしかありません。

相場で勝つための要素は、3つのMとして、メソッド、メンタル、マネーマネジメント、があります。

このうち、メソッドである、やり方というのは、一瞬で真似ることができますが、それ以外の要素を鍛えるには、普通の人にとっては、気の遠くなるような時間がかかるんです。

しかし、逆に時間をかけて訓練すれば、鍛えることは可能です。

これが、技術とか、上手下手・目利きと呼ばれる部分になります。

メソッドの部分は、シミュレーションでも可能ですが、それ以外の部分が、シミュではダメなんです。
だから実戦、ということなんですね。



私に才能があるとすれば、それは、相場が好きで楽しいという才能と、諦めずに相場にしがみつく粘り気という才能です(笑)

これによって10年以上負けても負けても相場にしがみついてこれたのだから、これが意外と大きいことかもしれません。

ほんとに才能ある人なら、私が書いていることが自然にできて、最初から勝てるのだから、私のブログなど読む必要ありませんよ。

結局、カリスマの真似をしようとして、それで上手く行かなくて、という人が何故上手く行かないのか、じゃあどうすればいいのか、という人が立ち寄る里がこのブログってことですね(笑)



私も、昔は、やり方至上主義でしたから、やり方を求めるために莫大な時間を費やしてきました。

とにかく、当て方さえわかれば勝てると思い込んでいたので、徹底した当て屋でした。

今振り返ると、ほんとうに、やり方、当て方に執着していました。

勝っている人、カリスマが何かを書いていたり、セミナーをやったら、もうすぐさまに飛びついていました。

元祖カリスマ追っかけとは私のことです(笑)

彼らが、どうやって当てるのかを知るために追っかけていました。

でもねえ、恥ずかしながら、追っかけても追っかけても、勝てないんですよ。
こんな無駄な追っかけを10年以上続けていたのです。



ところが、林先生の本には、次のように書いてあったのです。
これを当時読んでいながら、完全に無視して、やり方探し、手法コレクターの道をひたすらに進んでいました。

何故なら、全部地味だからです。全部地味なんです。

相場で勝つには練習により技術を身につけないといけない。

当て方は上手くならないけど、技術はうまくなる。どうせなら上手くなることをやらないといけない。

相場には上手下手があるのだから、下手ではなく上手にならなくてはいけない。

考え方を変えれば、明日からでもプロになれる。


考え方、はぁ、何じゃそれ、って感じですよ。

当時、この言葉を無視しなければ、と今振り返るとどれだけ反省してもしきれません。。。

当時の自分が今の自分のブログを読んでも、多分無視するんだろうな~(笑)
考え方、すなわち思い込みって、ほんとに恐ろしいです。
これは、カルト教団の洗脳と同じです。
思い込んていたらそれ以外が目に入らないんです。

すなわち、当時は、やり方以外は、何も見えなかったですね。よくわかります、うんうん。




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コメント

Secret

No title

記事にまでしていただき、ありがとうございました。

手法なんて探して歩いても意味ないよって、何百回もブログで書かれています。その代わりに、千本ノックをやりなさい、と。ただ読み手としては、千本ノックはするけど、それをいかに効率よく自分の血肉にして、10年かかるところを8年、5年に短縮したいわけなんですよ。

そのキーになるのが、mindset(考え方)なのかと考えたんです。上等なステーキは何もつけなくてもすごくうまいけど、一かけの塩こしょうがあれば、さらにうまさが引き立つとしたら、mindsetがそれに当たるのかと。

ある脳科学の本で、統合失調症の人はトレードうまいみたいなフレーズがあったんです。だから感情を殺せたら、トレードは格段に上達するんじゃないか?と。

千本ノックすることで、その感情殺しの技が上達するんでしょうが、感情殺しをもっと別の方法で鍛えられたら、もっと早く上達するのではないかと思ったわけです。

そう考えて、ちょっと得したことあるんですよ。飲食店で愛想の悪い店員に当たった時、「腹立つわあ」と思わず、「なんかこの人、トレードうまそう」と思えるようになりました。つまりこの考え方でストレスフリーに貢献できたんですよ。

オチがついたところで、もう一つ質問あるんです。

超一流のファンドで、まずトレーダーにやらせる訓練の一つに、「儲けようと意図しない(思わせない)」訓練があると聞きました。具体的にどうやってやるのか、もし知っていれば教えてください。

Re: No title

savers19さん、こんばんは。

恐らく、ルール通りにやることを目的にして売買することだと思います。
これは、システムトレードの感覚ですが、目的を儲けることではなく、
ルール通りにやることに置くわけです。
だから、結果はどうでもよくて、ルールにきちんと従えたかどうかだけを
目的に売買することになります。

No title

あらなみさん

ありがとうございます。やっぱりそうなんでしょうねえ。まあ千本ノックと同じで、淡々とルールどおりにやっていけば、意外と損しない(微増するよ)って感覚を身につけさせて、そこからはまた次のステージへ、ってことなんでしょうねえ。

好きであること

『私に才能があるとすれば、それは、相場が好きで楽しいという才能と、諦めずに相場にしがみつく粘り気という才能です(笑)

これによって10年以上負けても負けても相場にしがみついてこれたのだから、これが意外と大きいことかもしれません。』


同意します。
なにかわからないけれど、面白いと思う。そして、簡単には儲けられないこと。が結構、大きいと思っています。

それこそ、誰もが簡単に儲けられると逆に興味がなくなるような…

Re: 好きであること

タグさん、こんばんは。

相場を始めた当初思っていたよりも、相場はずっと難しいもの
でしたね。
相場は、お金さえあれば誰でも参加できまし、売ること、買う
ことは誰でもできるんです。
しかも、偶然で儲かることもあるわけです。
だから、どうしても安易に考えてしまうものだと思います。
しかし、初期にそう思っていても、続けるうちに次第に
間違っていた、ということがわかってきますね。

こんばんは。
北斗の拳には継承者が4人いました。ジャギは問題外として、剛のラオウ、柔のトキ、(特に個性がなかったようなので)正統派のケンシロウ。同じ流派でも個性によって質が変わります。

例えが幼稚で申し訳ありませんでした(笑)

No title

下手ッピーとは何ぞや???現象面から捉えてみるとしましょう。

・・・

ちょっと儲かった後にソッコーで飛ばしちゃう。光の速さで飛ばしちゃう。儲けた額全部どころかそれ以上飛ばしちゃう。

こういった症状が現れていれば、それは紛れもなく下手ッピー・・・です。

とにかくソッコーで飛ばす。2倍3倍の早さやあらへんで!!!



でも理屈で考えればオカシイですよね???

そりゃ勝ったり負けたりはするでしょうよ、でも、何で負けるときだけは矢の如き速さで飛んでくんだ?って話です。

それは、、、

出処進退の絶望的なまでのヘタクソさがそうさせているのです。

枚数増減のタイミングがおかしいっていう話ですね。

で、ボコボコになるまでやる。儲かった額全部飛ばして更にマイナスにまで食い込んでもうガンガンできなくなるまでやりきって燃え尽きてようやく我に返る。

できれば、そこまでいく大分手前のほうで我に返っておきたいですよね 笑

負ける自分を知る

負けるというのは、負けるようなことをやるから負けるんですよ。負けるようなことをさせる自分がいるから負ける訳です。
上手いとか下手とかいうのは、まぁ無知というのはあるでしょうが、負けるようなことをさせる自分の本質が、材料やら何やらの”理由”や土地やら仮想通貨やらの”対象”や「もう幾ら突っ込んだ」「後がない」「今回は絶対に当てなければならない」とかの”状況”に反応して、拡大していく失敗をそのまま継続するとか、さらに衝動的に資金を突っ込むとかして、爆死に至る訳で、上手かろうが下手だろうがさして関係ないんです。

飛将軍と謂われた太田収や中野島公会堂を寄付した岩本栄之助は自殺、兆円稼いだ鈴木久五郎はスッテンテン、松村辰次郎も大失敗、長者番付に名を乗せた「最後の相場師」是川銀蔵 も最後はほとんど資産なんか残らなかった、あれだけの才を誇ったリバモアも派手な女を妻としたために最後は金を減らして自殺した訳です。彼らが下手であったとか、才能がなかったなんてことは有り得ない。でも失敗するようなことをさせる自分を知り尽くして、それを克服することができなかったことだけは確かなんですよ。

人間というのは、相場師として成功する才能はピンキリでも、この失敗する才能だけはほとんど万人平等というか、少なくとも酷い失敗をして簡単に破産したり自殺する程度の失敗の才能だけは与えられている。だから相場に関わると九割の人間が退場し、長期では残った一割のさらに一割しか残らないということになると洋の東西問わず江戸時代の昔から謂われてるんです。

「勝つ人の真似」なんてのは、せいぜい知識、それも消化できていない断片程度のことで、状況に反応して負けるようなことをする自分というものをひたすら実践の中で見つめて、それにどう付き合っていくか、どう対処するか、それを成し得る有効な方法は何なのかを延々作っては壊し、作っては壊ししながら調べながら積み上げていく、それこそが本当にやることなんですよ。「資産を増やす」とか、「儲けた金でどうしよう」とか、「相場だけで食っていく」とか、そういうこととはまったく全然違う、まるで別の方向、別の次元のことで、まるでかけ離れている。

林輝太郎が、「素人の考えていることはまったく逆で、ゴルフの球をまったく反対の方向に打とうとする、それどころか自分に向かってゴルフクラブをフルスイングするようなことを平気でやっている」といったことを言っていたのは大体そんな所だろうと思いますよ。本能や本質から来る、「人に言えないような失敗」を繰り返しながら自分を知って、それに対処する方法を確立していった人だけが最後に勝者になっているんじゃないですか。

Re: 負ける自分を知る

砂人さん、おはようございます。

大変重要な視点だと思います。

コメントに対するお返事が長くなってしまったので、
記事にしておこうと思います。

貴重なコメントありがとうございます。
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プロフィール

あらなみ

Author:あらなみ
職業:個別株投機家・専業デイトレーダー

Twitter: @aranami718

旧ブログ:
あらなみの相場技術研究所別館

あらなみの相場技術研究所

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