相場で勝つということ・・・2

2013/11/17 Sun

前回の続きです。

検証の鬼になっていた、ということでしたが、私や私の仲間がどういう目標を持って検証をしていたのかというと次のようなものでした。

週足をベースにして、できるだけ安くていいポイントで買って、その後に10%以上上がる確率を高めたい

いわゆる、週足ベースの逆張り、です。
当時は、手数料も高く、短期売買は不可能でしたから、日足ベースですらしんどかったのです。
2~5%程度の利益では往復で2%強かかる手数料に食われてしまってほとんど利益にはなりません。

ここでやっていた検証というのは、数多くのオシレーターを色んなパターンで組み合わせて、必勝法を探す、というものでした。
こうやって過去検証を繰り返すと、何と勝率98%以上なるモンスター手法が次々に誕生するのです。
こういうものが見つかった時は、もう天下を取った、と感じ、大きな満足感を味わったものです。

もう98%の確率で、買った後に10%以上上がるのですから、間違いなく儲かるはずではありませんか。


さて、ここまで書くと、少なくともシステムをちょっとでもかじったことのある人なら、「あぁ、あの話か」となると思います。

今の時代であれば、もうシステムをかじった人なら常識であることでも、今から30年近くも前となると、誰もそのことについては知識がありませんでした。



あの話とは、何の話なのか、ということですが、我々は、懸命に検証を続ける中で致命的間違いを放置したまま作業を続けていたのです。

まず、この検証を開始するにあたって、最も論拠としていたことが、テクニカル分析の3大原則の1つである「歴史は繰り返す」でした。
しかし、この「歴史は繰り返す」が結構な曲者なのです。

歴史は繰り返す、ということは、どこまでの範囲なのか。

歴史は、100%、寸分たがわずに繰り返されるのか。

ここを深く考えずに、検証をやると、酷い目にあうことになります。

あまり引っ張ってもしかたがありませんから、何が間違っていたのか、というと、

過剰最適化、別名「カーブフィッティング」

ということです。

歴史は繰り返す、というのは、テクニカル分析が機能する論拠であり、これを前提にしなければ、テクニカル分析など何の意味もありません。

しかし、歴史は確かに繰り返すのですが、それは100%繰り返す、ということを意味しているものではありません。

しかし、当時、我々は、「歴史は100%繰り返す」ということを「無意識の前提」に置いていました。
この「無意識である」ということは、多くの場合、大問題を引き起こす原因となるので、相場に限らず非常に注意が必要です。
わかっていてやっているなら修正も効くのですが、無意識であるが故に、修正が効かないのです。
前提が間違っている恐ろしさというのは、その前提によってやっていること全てが無駄になる、ということです。

その「無意識の前提」のために、厳密に過去の値動きに「完全フィット」させるようにオシレーターを使って売買を絞り込んだのです。

どのように作業したか、というと、逆張りですから、過去の突っ込んだところを探して、そこでサインが出るように、たとえばRSIなら30%以下とか、かい離率なら―15%以下とか、設定していきます。
すると、勝率70%とかになります。
勝率を上げるために、さらに別のRCIとかを組み合わせて絞り込んでいくのです。

そして、最終兵器を使います。
それは、勝率を上げるためにかい離率などを操作して、

-15%以下 & -18%以上

という究極のポイントを仕留めに行ったことです。
これは、はっきり言って「禁じ手」でした。
これを使うと、過去検証上では勝率は飛躍的に上がりますが、再現性をスポイルする最悪の禁じ手でした。
ロジックを考えれば簡単に「禁じ手」であることがわかるのですが、当時はそのロジックすら持っていませんでした。
何故それで絞るのか、という意味もわからず使っていたのです。
ただ「指標ありき」だったのです。

こうして完成した「勝率98%のシステム」なるものは、過去検証においては驚異的な必勝法でしたが、いざ実践となると、全くと言って機能しないものとなりました。

過去データに完全フィットさせているので、寸分たがわずに過去が再現しなければ、サインが出ないシステムだったのです。

先ほどの「-15%以下 & -18%以上」という絞り込みが何故「禁じ手」なのか、というと、過去の1点だけにフィットさせていることがこれほどあからさまなやり方は他にない、ということだからです。
かい離率がどこで止まるかは、概ねということはあっても、ピンポイントで仕留めることなど相場のロジックから考えてあり得ません。
相場が下落して止まるところというのは、その時々で違うのが当然です。
概ねということはあっても、ピンポイントで15%下げたら止まる、などあり得ないのは理屈上当然でしょう。

相場で、全く同じことが再現する、ということはありません。毎回毎回が最初で最後なんです。

このことから、絞り込みには、常に「何故それで絞り込むか」がという理屈が必用なのです。

この勝率98%マジックには、もう1つ欠点がありました。
検証すると、1000銘柄に出て、980銘柄で利益になった、ということで、一見すると「これだけ多くの銘柄で出ているのだから、確かだろう」と思ってしまいます。
実際に、そう思っていました。

しかし、よくよくチェックすると、1000銘柄に出ているサインの日が

全部同じ日

なんです。

つまり、相場全体がそういう動きをしている、相場全体が急落した日に大量サインが出た、ってことに過ぎなかったのです。
結局、全体が突っ込んだところを後知恵で「あそこで買っていれば」にサインを出した、ということに過ぎませんでした。

そして、そもそも「資金管理」がまるでロジックに入っていません。
ですから、1年間で、1回だけ1000銘柄にサインが出る、という結果だったので、実際仮にサインが出たとしても、同時に買えるのは自分の資金の範囲だけ、その他の日は1年中やることなし、という結果になってしまいます。
しかも、そんな急落時にいきなり全軍投入など実際にはリスク管理上できないものです。
従って検証結果というのは、机上の空論でした。


この種の逆張りシステムというのは、最も思いつきやすく、また、勝率を上げやすいので、今でも日足ベースで、移動平均かい離率を使って作るものとして、初心者でもとっつきやすいものであることから、システム初心者から上級者まで、けっこう幅広く使われているものだと思います。
株のシステムトレードの基本中の基本ロジックと言えるでしょう。

ここで最も注意しないといけないのは、再現性&資金管理、です。

特に再現性については、昔我々がやったように極端でなくても、よほど注意していても、陥る罠です。
とにかく、過去検証でいい結果が出ても、まずは再現性を疑う必要があります。

再現性は、システム検証にとって「悪魔の落とし穴」ですから、必ず検証したデータ以外での「処女テスト」をやることが絶対条件です。
フォワードテストをやるために、直近の1年を残して過去5年間で検証し、それで優秀だったシステムを検証期間に入っていない直近1年間で再度テストするなど、徹底して再現性を求めてください。
検証期間は、長ければよい、というものでもありませんが、日足ならやはり5年は欲しいところでしょう。

繰り返し弁護になりますが、今だからこういうことがわかるのであって、30年前のことなのでどうか「バカにしないで」やってください(笑)



もう一点、この系統のロジックで注意しなくてはいけないのが「ブラックスワン・リスク」です。
詳しい説明は省きますが、リーマンショックで大量退場を生んだのもこの種の逆張りロジックだった、ので、ブラックスワンにはご注意ください。
どこかで「絶対的リミット」を発動しないと大変なことになります。
5年間安定して稼ぎ続けていたシステムトレーダーが1ヶ月で退場した、ということがリーマンショック時には、多発しました。
無念のブログ閉鎖が大量発生したのを私は目の当りにしています。
統計上1000年に1度、1万年に一度の確率で起こる、ということが、相場では10年に一度という頻度で頻繁に起こっています。
過去、LTCMが破たんしたのもこれが原因ですし、リーマンショックもそうでした。
統計を信じすぎてはいけません。
過去統計に表れないブラックスワンに注意が必要なのです。


ここでは、システムの話をするためのものではないので、過去の過ちの具体的懺悔は、このぐらいで許してもらいましょう(笑)
株システムには、このようにFXにはないちょとしたポイントがいくつかありますが、これはまたの機会ということで。

システムの話に脱線してしまいました。
システムの話はまた別のところでやることにします。




話を本筋に戻します。

株ブログを読んでいるほぼ全部の読者が考えていることは、

何でもいいから、とにかく勝てるようになりたい

どうしたら勝てるようになれるか、それが知りたいのだ

という切実な思いを持っている人たちが大半でしょう。

こうした切実な思いのなかで、知らず知らずの「暗黙の前提」となっているのが、

どうしたら勝てるようになるのか = 勝てる方法を知ることがその答えだ

という方程式でしょう。

特に意識することなく、ほとんどの人はそう考えていることだと思います。

私もそうでしたし、実は、今でもそう思っています。



ここをそうじゃない、とこれまで書いてきたこともあって、

また手法じゃない、ってことなんだろ!!

と心のなかで思われたなら、私のブログの読者の中でも中級者以上でしょう(笑)


しかし、そういう読者の期待を裏切ることに快感を覚えている私としては、今回真逆のお話をしようと思っています。

相場手法で勝つことは可能である

ごちゃごちゃ言わないでも、勝てるやり方がわかれば勝てるようになる

というお話です。

もっと言えば、

圧倒的優位性を持った手法(システム、ロジック、やり方)さえわかれば、多少甘い資金管理であっても、多少マインドが弱くても、相場で勝つことは可能だ

という衝撃的な話です。

また、そういう人たちも実際に大勢います。

ということですが、長くなりますので、これはまた次回ということで。


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コメント

Secret

No title

上げ相場なら天井の一点までとにかく買いで粘れば利益になりますよね。たまにナンピンとかしたりして。

下げ相場も同様ですけど。

最終的にはどこかでヤラれるわけですけど、ヤラれ過ぎなければよいわけで、、、

まあ、言うは易しです。

No title

私は、資金管理さえ確実なモノを持っていれば、多少のぽんこつロジックであったとしても相場で生き残れる、生き残り=勝ちに限りなく近づく・・・・・と思っています。
なんだか次の記事がすごく楽しみです。
あらなみさんの事だから・・・・どんなドンデン返しが待っているのか(笑)

> しかも、そんな急落時にいきなり全軍投入など実際にはリスク管理上できないものです
これも株とFXの大きな違いの一つですねぇ。
通貨の場合は普通なら・・・・銘柄は限られていますし、やりようによっては常に一点集中の売買も出来ます、ほぼやってます。
ただし、いつもの銘柄が動かない期間入りになると大変ですけど、アハハハハ。

Re: No title

タカユキさん、こんにちは。

コメントの難しい記事にコメントありがとうございます。

とりあえず次の記事を読んでもらうということで。

Re: No title

たつじさん、こんにちは。

今回は、どんでん返しなしの真っ向勝負です(笑)

株は多数の銘柄があることが大きな特徴です。
この選択肢を味方につけるか、敵に回すかでかなり違ってきますね。

低位株

あらなみさん、こんばんは。

相場必勝法ですか。
僕が思うに、安く買って高くる。
シンプルにこれだけだと思います。
具体的には、数年間底で動いていた低位株を昨年末の様な動きが出てきたときに買って2-3倍になったら売るのが一番固いかと思います。
売ったらまた安い低位株を買って2-3倍になるまでほったらかし。
基本底練りした銘柄は倒産に近い悪材料がないと下落もしれてますし。
歴史のある企業でなぜか低位で放置されている銘柄ありますよね。
タイミングだけしっかり見て、タイミングが来るまでひたすら銘柄をピックアップしておけば良いと思います。

10年前ってどんな状況だったんだろうかという疑問から、最近色々調べていたらこういうことに気づきました。
1年前に気づいてればよかったと後悔してます。
オリンピックで下落した後にでも狙ってみます。

No title

ごちゃごちゃ言わないで勝てるやり方をデイに当てはめて考

えて見ましたが私の頭に浮かんだのは

強い銘柄に乗る

でした。
例えばテクニカルをいくら勉強してもそれに反応してくれる大人がいなければ全く意味がない訳で。

単純に強い銘柄に乗っていれば多少甘いインでも荒めのカットでもボラでカバーしてくれる。

そんな理由からです。

あとは手を出す必要のない時は手を出さない。

文章にすると当たり前すぎてアホみたいですね。。



Re: 低位株

歳三さん、こんにちは。

コメント欄が、何か必勝法探しのような展開になってきてしまいました(笑)

意図と若干違いますので、早々に次の記事をアップせねばと。

Re: No title

株人さん、こんにちは。

それぞれの得意技という点で、そういう得意技を駆使する人も大勢おられます。

ただ、結構技の部分があるのですよね。

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No title

あと、大きい売買を心がけることも大切だなと思います
為替はとくに規則正しくごちゃごちゃチャートがやってきますので、視線が詰まっていますと当然損切りの嵐です
どうしてそこで長大線が出るのか過去チャートを見れば一目瞭然ですが

Re: No title

名無しのトレーダーさん、こんにちは。

ごちゃごちゃに巻き込まれて死亡するのは、株も同じですね。
ごちゃごちゃ対策が決めてだったりしますよね。

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プロフィール

あらなみ

Author:あらなみ
職業:個別株投機家・専業デイトレーダー

Twitter: @aranami718

旧ブログ:
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あらなみの相場技術研究所

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