過去の反省を忘れる

2018/04/01 Sun

■環境認識

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いつもの環境認識です。
日経平均は、2月につけた安値を割ってしまいました。
そして今週はリバウンドになっています。
S&P500も下げた後に戻りとなっていますが、日経よりも弱い感じです。
この差は、ドル円のやや強い戻りの影響が出たのかもしれません。
2月からの下げの特徴は、NYよりも225の方が弱いという状態が続いていたので、ここ数日の戻りの強さは変化が起きているということになります。
米長期金利は、やや落ち着きつつあります。
これは、FOMCでの利上げ決定で、材料出尽くし感が出たことも目先影響しています。
今回の下げの震源になったのは、米長期金利なので、この変化にも注目でしょう。
何にしても、今回の下げは、米長期金利から、NY株、そこからの225という流れになっているので、引き続きFRBの動向と米長期金利に注目です。

さて、いつもの考察ですが、再び今は、上げ相場の押し目なのか、下げトレンドに入ったのか、ここが知りたところです。
客観的にチャートを見て、上昇トレンド継続というのには、無理があるチャートになってきています。
NYは、まだ2月の安値を割っていないのですが、もし安値を割るようなら、NYも下げトレンドが確定ということになります。



■過去の反省を忘れる

1月中に、もっと上がりそうだから買いという相場観を持っていてやられた、という人はかなりいると思います。

次に、2月上旬になって、大きく下げて、戻りかけたところで、安値を打ったから、買いだという相場観を持って買って、再び下げてきてやられた、という人も結構います。

そして、3月上旬に安値をつけて、また戻ってきたところで、買いだ、という相場観で買ってまたやられる。

そして、今・・・再び戻り歩調にあるわけです。


こうやって、何度も何度も相場観で失敗し、損切りもしくは塩漬けを余儀なくされている人の多くが、再び戻ってきたら、また

買いだ~!!

とやる。

これまで負け続けているという 強い実績 を完全に無視して、再び自分の相場観を信じて突撃するのです。

投資家というのは、かくも反省を忘れた人たちで構成されているのだ、とつくづく感じます。

過去の検証をするのなら、チャートなどではなく、まずは、自分の相場観の当たり外れを検証されることを強く強くお勧めします。



そもそも、何故こうなってしまうのか、というと、ここ数年間の上げ相場での成功体験が、がっつりと潜在意識に刻み込まれてしまって、下げても買い、上げても買い、の感覚が習慣的に身についてしまっているんです。

しかし、相場の環境は、一夜にして急変します。

相場は、真夏の翌日に真冬になる、というのが当たり前の世界です。

春が来て、徐々に暖かくなる、というようなぬるい変化ではありません。

なので、心は、環境変化に全くついて行けずに、一つ覚えの戻りでの買いを繰り返しては、爆死する、を本能的にやってしまう、ということになります。

上げ相場においては、下げからの戻りというのは、押し目からの上昇ということになります。
しかし、同じポイントでも、下げ相場においては、戻り天井を掴む、ってことになってしまうのです。

こういうことを繰り返せば、せっかく上げ相場で稼いだ利益の大半を吐き出すことになります。

仮に損切りがきちんとできていたら、下げの初動で負けたとしても、上げ相場の利益の大半は残せているはずです。
そうであれば、これは一連の相場で儲けられたということなのだから、大成功です。

ところが、その後、何もしなければいいのに、いちびって安値を買ってやろうと、手を出してはやられ、手を出してはやられを繰り返すから、上げ相場で得た利益の大半を失う結果になるのです。

これが、損切りができるようになった人が陥る相場の罠です。

下げたら、習慣から買いたくなる。

これは、

禁断症状

です。

環境が激変するのに、その変化に感覚は全くついて行けていないのです。


強い者、頭の良い者が生き残るのではない。変化する者が生き残るのだ。(ダーウィン)


環境は激しく変化するのだから、経験による学習で習慣になってしまった感覚ではまずいと早く気がついて、禁断症状を克服できるかどうか、これが変化対応能力です。

誰だって禁断症状は出ます。

そもそも、人は、変化に弱いのです。生き物とはそういうものなんです。

そういう弱さを如何に克服し、抑え込むか、そして、早く下げ相場に慣れるか、がポイントです。

ところが、この変化対応が実に遅い人が大半なんです。

相場サイクルによっては、
上げ相場に慣れたころにちょうど下げ相場になって爆死。
下げ相場に慣れて、売りが身についてきたところで、上げ相場に変化して、また爆死。
こういう笑い話のような状態に陥る人が多いんです。

リーマンショック時にあるトレーダーが、下げに慣れてしまって、売ったら儲かるということで、売って売ってをやっていたら、相場が変化して、気がついたら、上げ相場を売り続けてしまって、せっかくの利益を吐き出したばかりか、トータルで損失を出してしまいました。
せっかくのリーマンショックという絶好の売り環境で、売って負けたのです。

感覚の遅れというのは、そんなものなんです。

やられたままに放置プレイをして塩漬けにしている人は論外ですが、せっかく損切りして、ポジションをなくしたのに、再び底だと思って買ってはやられ、買ってはやられで、気がついたら、上げ相場の利益の大半を吐き出す。

そんなナンセンスなことは、そろそろ卒業すべきです。

どう見ても、相場の流れが淀んでいますし、環境認識的には下げ相場に入ってきています。

こういう時には、もっと泰然と構えて、相場の趨勢を見て、トレンドの変化が見えてくるまでは、

休むも相場

という史上最強の相場戦略を実行すればいいと思います。

今のような波乱相場で、こちょこちょやったところで、取れても知れていますし、取ったり取られたりの中で、再びドカンが来ればあっという間に爆死なんです。

まさに、ハイリスクローリターンの典型です。

まだ、上げの利益が残っていると油断していたら、気がついたら利益の大半が消えてしまった、ということが起きます。

こういう時に無理する必要などどこにも無いと思いませんか。

ノーポジで、勉強したり、資料整理をしたり、そういう時間の使い方をすればいいと思います。

または、旅行に行ったり、好きなことを過ごせばいいんです。



相場で勝っている人を見ると、世間では「どうせどこかで大損するに決まってる。」という評価が普通です。
そして、大半は、その世間の期待を裏切ることなく、きちんとどこかで爆死します。

その世間の期待を裏切ってみませんか。


そのためには、人の本性に逆らい、禁断症状を克服するという難題を克服せねばならないため、勝つための今回書いたような考え方を身につける必要があります。

勝っている人だけが持っている特殊な考え方になります。

小手先のテクニックでは、爆死を克服することは不可能です。



相場は、いつでもやっているのだから、相場が逃げることはありません。

不得意な相場環境だと感じたら、休めばいいだけのことです。

無理して、底を拾う必要などどこにもありません。

そして、誰でもが勝てる簡単な相場がやってきた時に、また買えばいいんです。

海の家は、夏に営業する。冬になったら休む。実に簡単なことです。

相場で勝つというのは、そういうメリハリの繰り返しです。

そうすれば、誰だって、どんな方法でも勝てるんです。

その場合、やり方なんてどうでもいい、ってことです。

難しいテクニカル分析や、数式なんていりません。

相場は、そもそも上げか下げが保ち合いか、しか無いのに、それをデフォルメした数式が魔法の答えになるはずなど無いんです。

ファンダメンタルだって、金利動向とか、大きなものだけで十分です。

要は、習慣的に、コンスタントにやろうとするから失敗するんです。

そうではなく、メリハリこそ秘訣なんです。

そして、勝ってノリノリだからやるのは自己都合。自己都合では相場は勝てません。




もし、今の流れが変わって、上げに戻ったら、また買えばいいだけです。


何をそんなに焦る必要があるのでしょう。

そんなに急がないでも、相場は逃げません。


トレーダーというのは、やり方が間違ったからやられるのではなく、休まないからやられるんです。



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全く勝てない時にまずやること

2018/03/04 Sun

■環境認識

まず環境を見ておきましょう。
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NY株が反落したことで、日経も下げました。
しかし、NY株よりも日経の方が戻りが弱く、下げもきつくなっています。
日経の方は、安値更新が目の前に迫っています。

この中で、今回の下げでは、過去の経験則に反するような特徴が幾つかあります。
①今回の下げでは、日本株の下げが主要株価指数の中でも一番大きな下げとなっている。
②一方で、通常リスクオフでは一番売られるはずのエマージングマーケットの株価があまり下げていない。
③米国長期金利とドル円は、昨年までリンクしていたが、今年に入ってから完全に反対の動きとなっている。


特に不可思議なのが、これまでリンクしていた米長期金利とドル円で、今年に入ってから、米長期金利が上昇しながら、一方でドル円が下げていることです。

米長期金利とドル円の相関

この動きは、米国株売り、米国債売り、ドル売り、となっており、まさに米国売りの様相となってきています。



こういう実際の値動きに対して、考察していきます。

まず、一番知りたいのは、今の動きが、果たして上げ相場の押し目なのか、それとも下げ相場の始まりなのか、ということに尽きます。

米国債とドル円の動きですが、佐々木融アナリストによれば、どうやら日本の機関投資家が米国債を売っているのではないか、との推測がありました。

米国は、今回のトランプ政策によって、さらなる貿易赤字の拡大と財政赤字の拡大が懸念されており、そこから米国売りが始まってきた可能性がある、との憶測を呼んでいます。

これは、債権国の米国にとっては、大変よくない状態なわけで、少しでも政策を間違えば、ドル暴落という厳しい局面に陥る可能性があります。
ドルは、債権国通貨なので、海外からの投資によって頑張って買ってもらわないと価値を維持できない、という基本的性質を持っています。
基軸として、強い通貨であらねばならないのがドルなんです。
これが、弱いドルとなると、全体に与える影響は計り知れないことになります。

それと、こちらもよくないニュースですが、appleの減産が伝えられたり、中国のスマホの販売が前年比マイナスになるなど、絶好調であったスマホ関連がどうやら曲がり角に来た、という状況です。
昨年の相場の牽引役であったこのセクターなので、ここが折れると全体に与える影響度は非常に深刻になる情勢です。

何にしても、ここで踏ん張るかどうかが、上げ相場の押し目と言える限界の局面になっています。

ここで踏ん張れなくては、ここから年単位の下げになる可能性がある、というシナリオも考慮すべき状態です。



■全く勝てない時にまずやること

今回もコメントで質問がありまして、「3年目だけれど全く勝てないどころか、さらに悪くなっている。どうなれば勝てる兆しが見えてくるのだろうか。」というご質問がありました。
これについて、長くなるので、記事にて回答しておこうと思います。

まず、負けて負けてというのは、大変お辛い状態だと思います。

しかも、2014年スタートというのは、多くの人が儲かっている時期にもあたりますから、悪い時期に当たったということでもありません。

上げ相場を買っているのに、負けて負けてばかりが続く

そういう状況なので、「どうなれば見えてくるのか」というご質問ですが、それ以前の問題だと思います。

実は、こういう状態というのは、多くの投資家が抱えている問題なんです。
ただ、こういうことを言わないだけで、大勢が同じ状態で悩んでおられることと思います。

こんなことを書くと身も蓋も無いのですが、ほとんどの投資家というのは、下手に売買すれば負けるだけなんです。
なので、本来は、余計な売買などしない、というのが一番いい投資戦略になろうかと思います。
買ったら売買しないで持っているだけというのが一番いい投資法ということです。
それだったら、2014年にスタートしたのだから、少なくとも利益になっていたはずです。
それを売買するから負けるのです。
冷たいようですが、それがほとんどの投資家の実態なんです。

前に、三菱UFJの株を退職金をはたいて買った親が心配だ、という相談がありましたが、買って持っているだけなら、下手に売買するより100倍マシだということなんです。
下手に売買するから負けるのです。



具体的にご質問の方が、どのような売買をしておられるのかは推定になりますが、デイでも同じですが、スイングとして考えると、負けの典型としてあるのは、上がりかけたから飛びついて落とされる、ということを繰り返している、という状態です。

相場というのは、後で見れば、大きく上げているところが目につきますから、つい上がっているところで飛びついてしまいがちですが、そういうところは目先の天井になって落とすことがほとんどなんです。

相場とは、そういう飛びつきたくなるところで大勢を飛びつかせては落とす、というふうにできています。
実際に、上がってきたところでは、出来高が急増しますから、そこで飛びつき買いをしている人が大勢いるわけです。
それが基本的には、下げて水浸しになる、といことを全体として繰り返しているわけです。

そういう「中途半端な飛びつき買い」を続けている限り、10連敗20連敗したとて不思議ではありません。
ここ数年の上げ相場で買っているのに、負け続ける、というのは、間違いなくそういう売買をしているのです。

特に、主戦場とされているTOPIX Mid400銘柄は、銘柄的に見て、業績が安定しているものが多く、大きく動くというよりも、全体の相場環境によって中途半端な値動きで行ったり来たりする、という感じですから、なおのこと飛びつき買いは危険です。



ということで、それでも売買したいという場合には、どうすればいいのか、という対処法に移ります。

まず、上達とか手応えとか言う前に、自分がどういうところで売買しているのかを客観的に見る必要があります。

具体的には、過去のチャートに照らして、どこで買ってどこで売っているのかをチェックしていく作業をする、ということです。

わかって頂きたいのは、過去の自分の売買履歴というのは、宝物だということです。

それをしっかりと検証して、自分の癖を見抜く、という検証をきちんとしないと、

そもそも自分が何をしているのか

がわかっていない、ということになるのです。

負けて負けてという人は、ほとんどこの作業をしていません。

何故こういう作業をしないのかというと、

自分の負けた記録など、何の参考にもならない、と思っている


からです。

いつも書きますが、まずは、

現状分析すること

事実を確認すること


負けている記録なので、辛いことかもしれませんが、自分が何をしているのかもわからないのでは、手の打ちようもありません。

これは、

患者が病院に来た時に、まず診察して、検査して、どこが問題なのかを確認する


という作業と同じです。

そういう検査の作業を無視して、最初から、

どの薬が効きますか、効いた実感はどういう感じですか

と聞かれても、医者は困るんです。

この状態というのは、負けて負けてどうしようもない、という人ほどんどに当てはまります。

そもそも、自分が何をしているのかがまるでわかっていないのです。

検査もせずに、薬を出せ、とか、何の病気か教えろ


と言われても、医者は困ってしまいます。


設備のしっかり整った病院で何をやるかというと、

すごい検査

です。

わかりますか、検査力こそが病院力の違いです。

PETにしても、CTスキャンにしても、すごい設備を整えて何をしているのか、というと、

検査

をしているのです。

すごい機器で治療しているわけではないんです。


ここでも先程の環境認識と同じことなのですが、

まずは事実を確認する

この作業を怠っては、対処法など見つかるはずがありません。

このすごい検査をした結果を見て、やっと現状を把握し、その把握の元に、対処法を考える、というプロセスこそが問題解決への道です。

いきなり、どうしたらいいのか、とか、どういうやり方で、とか、手応えはなど、飛躍しすぎです。

これは、病院に行って、いきなり「薬をください。」「適当に薬を飲みましたが効いてる手応えがありません。」と言っているのと同じだ、ということをまずは理解せねばなりません。

そして、この検査をきちんとして、事実をしっかりと確認できれば、勝つためのプロセスの70%は解決できたも同然なんです。

事実がわかれば、その対処法である 具体的なやり方 は自然と見えてきます。

逆に言うと、事実もわからず、やり方ばかりを追いかけているから、延々と上手く行かない状態を繰り返してしまうのです。

誰にでも当てはまるやり方を求めることは、薬で言えば、何でもかんでも抗生物質を飲むのと同じです。


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資金管理のポイント

2018/02/21 Wed

ご質問があって、大型株の配当利回り株を損切りなしで持つという投資戦略についての意見を求められましたので、記事にて回答します。


まず、資金管理と損切りは、イコールではない、ということです。
損切りというのは、資金管理術の一部となります。
資金管理にはいくつかあって、もう一つの大きなポイントに、ポジショニングというものがあるんです。
これは、レバレッジと言ってもいいかもしれません。

例えば、10万円分の株を持つとします。
これは損切りしないのだ、とすると、リスクは最大10万円となります。
この人の全資金が10万円ならリスクは100%です。
しかし、この人が100万円持っているなら、リスクは10%です。
そうであれば、この人は、10%のリスクで株を持っている、とも言えるわけなんです。
それならリスクはかなり限定的ですので、問題ありません。
ところが、そうなると、今度は資金効率が非常に悪くなるのです。
つまり、レバレッジを下げればリスクも下がるし、レバレッジを上げればリスクは上がる、ってことです。

この

リスクと資金効率をどう上手にバランスさせるのかが、資金管理の要諦

なんです。

私の住んでいる短期売買の世界では、狙える値幅はたかが知れています。
となると、レバレッジを上げざるを得ません。
そうなると、リスクを限定するためには、絶対に損切りが欠かせない必須アイテムとなるわけです。

損切りというのは、リスクを限定できる魔法のツールなんで、それを使いこなせさえすれば、レバレッジを上げることができるんです。

逆に言うと、

損切りを前提としないということは、ポジションが小さいからというリスク管理に頼るしかない

ってことなんですよ。

そうすると、資金効率が非常に悪くなってしまいます。

短期でやってて、単位が小さくて、勝っても負けても大したことがない、しょんべん博打、と言われるような小さな単位でこちょこちょやるしかない、という状態に陥る人が結構いますが、こうなってしまうのは、損切りの問題が大きいんです。

いくらやられるかわからないのに、大きく出ることなど出来るはずがないんです。


本能的にリスクを感じて、ビビってしまうんです。

損切りをしない、できない問題点というのは、実はここにあるんです。

短期売買においてなどでも、チャンスにポジションを大きくできなくてビビっているトレーダーの多くは、結局損切りが下手なのが大きな原因なんです。



関連する話で、前の記事にも書いたとおり、勝つにつれてポジションが大きくなる扇形のポジションは危険、調子に乗って増やすな、ということですが、これはレバレッジの失敗なんです。
そうなれば、損切りを設定していても、追いつかないリスクを背負ってしまうことになります。
というのは、いくら損切りを設定していても、下げというのは一撃で来ることが多く、想定以上のヤラレを招くことは今回でもおわかりのことと思います。
こうなると、損切りをきちんとしていても、レバレッジで失敗して、資金管理が上手くできていない、ってことになるわけです。
ですので、リスクとポジションのバランスと、時間軸を伴った資金管理が必要となるわけです。



さらに具体的に掘り下げると、書いておられる投資戦略は、配当利回りをフロア(支え)として、粘るという考え方ですね。
つまり、配当利回りは、株価が下げれば下げるほど、上がりますから、それが最終防衛ラインになる、という戦略です。
大型株は、業績もそれなりに安定しているだろう、という前提もあります。

こういう戦略ももちろんあると思いますが、いくつか考慮しておくべきポイントがあります。
大きくは、資金管理上の問題点、マクロの問題点とミクロの問題点です。
具体的には、3点です。
一つ目は、損切りをしない、となると、やはり資金効率との兼ね合わせが問題になろうかと思います。
2つ目は、本格的下げ相場に遭遇していない、という点です。
3つ目は、配当は変化する、個別企業は事件事故とは無縁ではいられない、ということです。


配当利回りというのは、業績が安定していれば支えになりますが、本格的な不況時期に突入すると、業績そのものが傾いて、減配や無配ということが起こり得ます。
そうなると、相当な下げが起きることは、過去の月足チャートを見れば簡単にわかります。
そうなった時に、今の戦略で耐えられるのか、ということは考慮しておくべきでしょう。
今の安定した相場環境や景気動向が続く、という前提での投資はあまりにも近視眼的だと言えます。



暴落というのは、必ず将来も起きます。


これは100%間違いありません。

この100%起きることに対して、損切りなしというノーガード戦法で戦いを挑むというのですから、本来は相当な覚悟が必要なわけです。

1929年の世界恐慌時には、ダウ平均が実に89.5%の下げとなりました。株価は10分の1になりました。
1987年のブラックマンデーでは、たったの1日で22.6%の下げとなりました。
1989年の日本のバブル崩壊では、日経平均が80.4%の下げとなりました。株価は5分の1になったのです。
これが、ダウ平均や日経平均で起きたことですから、個別企業ではさらに悲惨な下げになったのです。
そこまでは、ということであっても、少なくともリーマン・ショック級程度のことぐらいは近い将来に想定しておかねばいけません。

ちなみに、こういう下げに比べれば、今月の下げなど、かすり傷以下の押し目程度です。
今回の下げで「我慢が大事」と思っているのであれば、将来の爆死の原因を作っただけのことだと思います。



こういうマクロ面でのリスクと共に、ミクロ面では、この企業なら絶対に大丈夫などということは絶対にありません。
あの大企業であった東芝がどうなったか。
安定収益の代表企業であった東京電力の配当狙いで、老後の資金を突っ込んでいた多くの人が311でどれほど悲惨な目にあったのか。
などなど、過去の事例で枚挙にいとまがありません。
311までは、安定配当、配当利回り株の代表企業と言えば、東京電力だったのです。
私の友人も電力株で配当利回りを享受していましたが、311で見事に散りました。
そういったリスクに耐えられるのか、をご自分の中で考えておくべきだと思います。
マクロだけでなく、こういった個別株のミクロのリスクに対応するためには、銘柄分散も欠かせないでしょう。

ここに書いた色んな前提を考慮した結果、あらゆるリスクを想定してやられているのであれば、問題は無いと思います。


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相場を難しくしている原因

2018/02/18 Sun

相場は、少し落ち着いてきましたね。

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NY株の戻りはかなりのもので、半値戻しどころか、3分の2戻しを達成する勢いです。

震源地であるNY株は、ここまで戻っていますが、下げの要因の一つと言われていた米長期金利は高いままで張り付いている状態です。

こうやって見ると、今回の下げは、ボラティリティショートのスクイーズだけで終わりなのか、とも思えるような勢いです。

そうであるならば、フラッシュ的な下げだけで、また何事も無かったかのような上げトレンドが継続する、という可能性も高まってきました。

VIXも大きく低下してきています。

ただ、VIXは、そもそもは原因でなく結果なので、単純にVIXが下げたからよかったとは言えないのではないか、と思っています。


対して、225の戻りは非常に弱いです。
これは、注目されていたドル円相場が、昨年来の安値を割った、ということが大きく影響している模様です。

ここから、本格下げの入り口なのか、はたまた、絶好の押し目となるのか。
どちらになるかはわかりませんが、自分の相場観などの思い込みでやると痛い目に合うことになるので、事実を客観的に見ることからシナリオを構築し、失敗したらさっさと逃げること、しか無いと思います。




さて、こうやって落ち着いてくると、ここまで我慢していた人はホット一息でしょうし、手を空かせていた人は、待ってましたとばかりに、押し目買いをしたくなる局面だと思います。

結果として、今回は、それが正解になるのかどうかはわかりませんが、ほとんどの人にはそう見えてしまうものなんです。

何故そうなるのか、というと、

人というのは、慣れと習慣で動く

ものだからなんです。

この習慣というものは、人の行動の大半を支配しているもので、繰り返すことによって、脳にその回路が出来上がってしまいます。

だから、朝起きたらまず何をするか、とか、歯磨きはどの歯からやるか、風呂に入ったらどこから洗うか、通勤電車のどの位置に乗るか、などなど、ありとあらゆる人の行動を支配しているものなのです。

人である限り、この習慣の呪縛から抜け出すことは容易ではありません。

これは、行動パターンだけでなく、考え方の習慣も同じです。

特に頭の固い人というのは、自分の習慣的にやってきたことを破ることがとても苦痛です。

新しい考え方や別の習慣を取り入れるということは、よほどの事が無ければできないようになってしまっているのです。

普通の人でも、この習慣破りをすると、すごく不快に感じるものなんです。

夫婦喧嘩の大半が、お互いの習慣破りから来ている、ことなどから見ても、習慣というののがどれほどのパワーを持っているかがわかります。



さて、本題に戻って・・・

2013年からスタートした上げ相場は、2016年に一旦大きな押し目を作ったものの5年間に渡り続いてきています。

これは、長期に渡る日経平均のチャートです。

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(画像をクリックすると拡大します。)

こうして見ると、今回の下げは、下げというよりも、まだ、ちょっとした押し目程度だということがわかります。

こうした長期のチャートは、あまり見たことが無い人も多いと思いますが、チャートは長期であればあるほど重要なんです。

基本的には、ここまでの5年間は、押せば買うと儲かる、という状態が繰り返し叩き込まれてきました。

しかし、長期のチャートで見る限り、この5年間というのが、例外的なものであった、ということはすぐにわかります。

こうして多くの投資家は、この5年間の上げ相場というぬるま湯にどっぷりつ浸かってやってきているので、上げ相場に乗っていく、という習慣がついてしまっています。

そうなると、下げてくると、すぐに買いたくなる、そこが底に見える、という感覚が習慣的に起きてしまうのです。

5年間にわたって繰り返し叩き込まれた習慣です。

何故高値で腹いっぱい買ってしまうのか。

毎回にわたって同じ失敗を繰り返すのか。


という答えがここにあります。



相場で生き残るのが難しいのは、この

相場が、習慣という人としての本能、習性を破るような動きをするからである


と言えるのだと私は思っています。

慣れきった動きから、別の次元の動きに変化するその相場の変化に人は、本能的についてはいけないのです。

ここが相場を本当に難しくしていると思います。

習慣による輪ダチから抜け出すのは容易ではありません。

もし、相場が人の習慣にやさしい値動きをするのなら、相場で損する人などいません。

相場の動きが、人の習慣破りをするからこそ、相場で多くの人が負けるのだ


ということを強く意識しておかねばいけない、そう私は常に自分に言い聞かせています。

慣れきった時が一番危ない


ぬるま湯にどっぷりと浸かって、安心している時は、危機的状態にある

そう自分にいつも言い聞かせているのです。


私は特定のルールに従ってゲームに参加しているわけではない。ゲームのルールが変化するのに注目しているだけなんだ。(ジョージ・ソロス)

このソロスの言葉のとおり、

ゲームのルールは突然変わるのです。これが相場を難しくしている最大の要因なんです。



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現在の環境認識と対応 その2

2018/02/10 Sat

激動の一週間でしたがお疲れ様でした。

今週の下げの原因として有識者から言われているのが、ボラティリティショートのスクイーズです。

これは、相場が動かないことに賭けていた向きの損切りがこれだけの変動をもたらした、という説です。

いままで、相場が安定的に推移していたので、相場が動かないという方向に賭けるポジションが大きく膨らんでいた、ということだそうです。

相場は、上か下かに賭けるという以外に、動くか動かないかに賭ける、という方法があり、今回は、この動かない方に賭けたポジションが膨らんだところで、爆発した、ってことが原因として言われています。


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日経新聞とかでも話題になっていましたが、典型的的なものがこのVIXショートのETFで、年初には4万円だったものが、一瞬でほぼゼロまで暴落しました。
個人投資家もかなり買っていたようですが、買っていたほとんどの人は、この商品の持つリスクを知らなかったのだろうと思います。

今年に入ってからの動きを除けば、非常に優秀な上昇トレンドですから、テクニカル的には何の問題もない状況でした。

しかし、このトレンドというのは、

単なるチキンレース

だったのです。

ファンダメンタルを理解せずに相場をやる、ということの恐ろしさは、こういうところに出るのだとつくづく思います。
過去には、スイスフランショックなどもありましたが、こうした事例は、テクニカルだけを見る危険性の典型的なものだと思います。
どういうリスクがその商品に内在しているのか、ファンダメンタルを見ずには絶対にわかりません。
もし、ファンダメンタルがわからないのなら、絶対に手を出してはいけないのです。
そういう意味で、私はファンダメンタルがわからない仮想通貨には手を出せずにいるのです。



さて、今回の下げの振幅を大きくした原因としては、間違いなくボラショートがあったと思いますが、ここで2つのシナリオが考えられます。

一つ目のシナリオは、ボラティリティショートだけが原因という説。
もしそうならば、そのポジションが解消されれば、再び上昇トレンドに戻る、というシナリオです。
少し深い押し目になったけれど、それはポジション解消によって、終わったので、ここから再び上昇に戻る、ということです。
そうであれば、今月後半に目先の押し目が終わって、再び上昇トレンドが始まる、ということになるでしょう。



2つ目のシナリオは、そういうきっかけがあったにせよ、大きな流れとして、ここまでの上昇トレンドが一旦調整に入って、リスクオンからリスクオフに転換した、と見るものです。

そうであるならば、乱高下がしばらく続いた後に、相場はグズグズしながらも、戻っては売られを繰り返して、3ヶ月から1年程度は低迷する、というものです。
こちらのシナリオなら、過去のチャートを見るとわかるとおり、どんなに短くても3ヶ月以上先に底を打つということになるので、少なくとも5月あたりまでは買うのは控えるのがいいということになります。

ここまで2年近く、順風満帆で上げてきていたわけですが、これは、金融緩和による金融相場、すなわち過剰流動性相場であった色彩が強いのです。
それが、FRB、ECBの引き締めへの政策転換によって、いつ流れが変わってもおかしくはありません。

リーマン・ショック前も、過剰流動性相場があったわけで、それをFRBが放置したことによって、その反動で強烈な下げに見舞われることになりました。

過剰流動性相場は、放置すればするほど、その後の反動が激しく襲ってきます。

山高ければ谷深し

最悪だったのは、1929年の大恐慌。
これも過剰流動性相場を放置した結果もたらされたものです。

緩めればいいと思っている今の日銀と違って、FRBはこうした教訓を忘れてはいないでしょうから、今、多少株式市場が荒れても仕方がないと考えていると思います。

今回の下げなど、過去の暴落に比べれば、かすり傷程度のものです。
今の範囲なら、ちょうどいい調整程度で、どうってことはありません。

中央銀行の政策に変化なしと考えれば、今後いつ本格調整に入ってもおかしくない、と見ることができるでしょう。



米国債の金利上昇も原因として言われていますが、これもきっかけとしてはあったんだろうと思います。
ただ、2%後半に上がった金利が、この先3%をどんどん超えてくる、というシナリオを持っているアナリストは少数です。

この先、どんどん株が下げるようなら、さすがにFRBの金融政策にも変更が出るでしょうから、これだけを原因とするのも無理がありそうです。



ここで気になるのは、株とドル円の動きの違いです。

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典型的リスクオフ相場であった、2008年のリーマンショック時だと、ドル円の急落を伴っていました。
これは、リスクオフ時においては、
①日本が債権国であるので、リスクオフになると、国内機関投資家が海外リスク資産を売って国内に戻す
②投機筋が低金利の円を借りてドルで運用するリスクポジションのリワインド(巻き戻し)

という動きをすることから起きる円高現象、つまり、レパトリエーションが起きる、というのがリスクオフ時の通例なわけです。
2016年の下げの時にも同じようにドル円も下げています。

ところが、今回は、そのドル円の強い下げの動きが起きておらず、レンジ内の動きに留まっています。

まあ、2017年の株の上げにドル円がついてきていないので、その反動も無いといことも言えるのですが。。。

そう考えると、今回は、リスクオフではなく、一時的な株の価格調整の動きだったのか、と考えることもできるのかもしれません。

月足で見たTOPIXも、調整がもう少しで終われば、単なる押し目と言える動きであろうかと思います。

米金利上昇による米債投資があるのかとか、このあたりの詳しい事情は、アナリストの見解を調べてみて、わかればまた書いてみたいと思います。


それと、妙に弱いのが上海です。
アメリカと中国という2大国の株価が弱いわけですが、これは中国当局の引き締め姿勢が原因とのことですが、上海株の動きも気になって見ています。
下手をすると、伏兵の中国発の第二弾の下げということあり得ると思って見ています。



当然のことながら、上げすぎた株の単なる調整の動きなのか、本格リスクオフの流れに変わったのか、については、もう少し動きを待ってみないとわからないわけですが、ヒントになるのは、このドル円が昨年の安値である107円を割ってくる動きになるかどうか、と見ています。



ちなみに、本格リスクオフになったとしたら、過去の事例を見ればわかるとおり、2008年のリーマンショック以降で、本格上昇相場は、2013年の5年間の低迷を待って始まっています。
2016年年初からの下げでは、年末まで調整が続きました。
そう考えると、全く慌てて買う必要はありません。



どちらにしても、月足チャートを見ればすぐにわかりますが、2016年から始まった上げトレンドは、特殊な環境であり、それが永遠に続くということなどありえません。

新興市場を見てみましょう。
このジャスダック平均など、これが永遠に続けば相場はほんとに簡単なんですが、そうは行きません。
2017-01-800.jpg

このジャスダック平均を見ると、

今回は、まだちびっと下がっただけ

なのですね。

このちびっと下げだだけで、大きな損失を抱えてしまうってことは、どういうことかというと、

扇型のポジション陣形

を取っていることが原因なのです。

相場が順調に進めば進むほど、ポジションが大きくなるから、少し下げだだけでも、致命傷を負うのです。

ここで何とか耐えることができたとしても、もし、今後本格下げになれば、根こそぎやられる、ということになります。

今回、凄い下げだ、と感じている人も多いかもしれませんが、

まだちびっとしか下げてない

です。



2006年に天井を打ったジャスダックが、低迷を経て上げ相場に転換したのは、実に7年後の2013年からです。
この時間感覚を見ておかないと、下げの途中や低迷時期につい買ってしまう、ということをやらかしてしまいます。

経済のファンダメンタルは順調、という政府のコメントなどは絶対に信用してはいけません。
これは、平成の大暴落時でも、リーマン・ショック時でも、繰り返し政府のコメントとして言われていたことです。
私は、この政府見解を聞いていて、吹き出しそうになりました。
何で、毎回同じことしか言えないのかと(笑)



相場は、一旦ガツンと下げを食らうと、戻り売りの波動に転換してしまうことがほとんどなので、そう簡単に戻ることは難しくなります。

これは、ここまで楽観で来ていた投資家に水を浴びせたような状態になって、トントンなら逃げたい、という心理にさせることが原因です。

自分だけでなく、みんなが扇型にポジを膨らませてきた結果起きるのが、大きな上げトレンドです。


そんな楽観的なポジを取ることに冷水が浴びせられれば、みんな慎重にならざるを得ないですから、結果として起きることは、かなりの時間調整なんです。



最初に書いたボラショートのスクイーズだけなら、再び上昇トレンドに戻ることも考えられます。
しかし、本格リスクオフのシナリオも十分あり得ますから、ここからは、ここまでの順風満帆が再び来ると思わずに、環境変化に対応することがサバイバルへの道だと私は思います。





繰り返しますが、こうした相場のシナリオとポジション管理とは別物です。

ポジション管理を優先して、シナリオを見ていく、という順番でないと、生き残ることはできません。

リスクさえ優先して対処しておけば、シナリオに沿って相場に戻ることは簡単なんです。




投資家がよくやる失敗としてあるのは、まだ時間調整が済んでいないのに、慌てて買うことです。

これは、値ごろ感から来るものです。

特に、第一波を上手く逃げられた人が、調子に乗って最初の戻りかけで買ってしまう、ということがよくあります。

こうして、最初の下げで上手く逃げられた人も、第二波、第三波で息の根を止められる、ということが多発します。

何故そうなってしまうのか、というと、

ここまでの順風満帆な相場のトレンドに心が最適化してしまって、その感覚が抜けないから起きる現象なんです。

上昇トレンドに乗る成功体験が心に植え付けられて、環境変化に対応できないことが大失敗の原因となるのです。

多くの投資家は、これまで続いたことが今後も続くと勝手に思い込んでいます。

しかも、その経験とは、たかが1年や2年といったものだけなんです。

しかし、相場が環境変化することは、過去からずっと同じく続いています。

多くの人は、環境変化にあまりにも弱いのです。

習慣的に植え付けられた体験を手放すことができないのです。

それでは、絶滅した恐竜と同じ運命を辿るだけです。




最後にソロスの言葉を書いておきます。

まずは生き残ること

私は特定のルールに従ってゲームに参加しているわけではない。ゲームのルール が変化するのに注目しているだけなんだ。

私の金銭面の成功は、私の将来の出来事を予想する能力とは際立って対照的だ。

(ジョージ・ソロス)



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