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ファンダメンタルかテクニカルか

2013/07/04 Thu

今日は、昔からの株仲間と久々にお茶をしました。

今週末に控えた雇用統計や中国問題など、色々と意見交換をしました。

その後に雑談で、その友人が

「周りでも、もう株をやっている人がいないから、こういう話もなかなかできません。」

というので、

「そうですねえ、昔からの仲間は二人を除いてことごとく散っていきましたからねえ。」

と話をしていました。

もう30年近く前からの株仲間ですが、大勢いた仲間のほとんどは散っていきました。

こうした雑談をしている中で、彼が、

「でも、そもそもこうしたファンダメンタルの話をするのは、この二人だけでしたからね。」

というので、よくよく考えれば、そうなのだ、と思い当りました。

散っていった仲間は、みんな

テクニカルオンリー

だったのです。

チャートの中にすべてを見出そうと血眼になって十数年、いや、数十年の歳月が経過し、全ての人が消えていきました。

古今東西のあらゆる分析手法を理解し、寝る間も惜しんでチャートの勉強をしてきた人たちであったことを私は知っています。

しかし、結果として、生き残ったのは、ファンダメンタル重視の当時は、「超少数派」の二人だけでした。

私が、

「そう考えれば、ファンダメンタル派のレアな二人が残って、テクニカルオンリーの大勢のみんなは散っていった、とも言えるのですね。」

というと、

「そう言われればそうですねえ。」

と少々驚いた様子でしたが、テクニカル派の人は、みんな散ってしまって、もう現役ではありません。

奇妙な取り合わせに気がつきましたが、これがたまたまだったのかどうなのか。



私は、ファンダメンタル重視ですが、何故ファンダメンタルを見ないのだろうと思います。

前の記事でご紹介した西原さんもそうですが、ファンダメンタル重視です。

ところが、こういうファンダメンタルを見ている人というのは、株にしても、FXにしても、むしろマイナーなんですよね。

これは、昔からそうでした。

唯一、商品先物だけは、儲かっている人は、内部要因だとか、在庫などファンダメンタルを重視している人が多かったと思います。

昔の株仲間でも、チャートの中に全てを求めよう、とする人がほとんどでした。

株本も、チャート本は多く出版されていますが、ファンダメンタルというと、概念的な話が多く、実際の売買にどう使うのかが全く書かれていない学者の書いたようなものがほとんどです。

そもそもどう使っていいのか、まるでわからない。
重要なのかもしれないが、実際の売買に結びつかない、ということなのだと思います。

ファンダメンタルなんて、面倒なんですよね。
色々と難しいし・・・覚えることも多いし。
しかも、ワンパターンにできないし、みんなの好きな「儲かる手法」にならないし、みんなが求めている「パターン化」ができません。

結局、チャートだけでパターン化したい、というのが本音だと思います。

ある「ワンパターンなやり方」を求めて、チャートの中に答えを探している姿、というのが多くの投資家の姿なのだと思います。

ただ、何十年間にわたって、チャートの中に「パターン」「具体的やり方」を探して、そしてそれらの人たちが「誰もいなくなった」という事実にもちょっと目を向けてみるのもいいのじゃないでしょうか。


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ファンダメンタルかテクニカルか 2

2013/07/06 Sat

ファンダメンタル派、という言葉に、少々反響があったようです。

>あらなみさんはファンダメンタル重視だったんですか?
>先日ファンダメンタルについてコメントがありましたのでその時もびっくりしたのですが、今回の記事もまたびっくりです。

ということなど、他少数の大反響(笑)があったので、少々補完する形で記事を書きます。


相場の分析手法には、大きく分けて、「テクニカル分析」と「ファンダメンタル分析」があります。

ファンダというと、一般的には、企業の財務分析を指す、と思われているので、私が「ファンダ派」だ、というと、どうも「財務分析」によってデイトレしている、という印象を持たれたのかもしれません。

ファンダメンタル分析 = 企業財務分析

という方程式です。

残念ならが、少なくとも、財務分析だけでデイトレは無理です(笑)

これは、言葉の定義の問題でもあるので、人それぞれ使い方があっていいのですが、ここは、私のブログですので、とりあえず、「私の定義」を書いておくことで、私がファンダ派だということを「ああ、そういうことか」とわかってもらえると思います。

先ほど、分析手法には、テクニカルとファンダがある、と書きましたが、全ての分析手法をこの二つに分類するとすると、若干無理があることがわかります。

というのは、では、二つしか分類できないとすると「環境認識」は、どちらに入れればいいのでしょう。

この環境認識という言葉も、かなりあいまいでして、読む人がその人その人の勝手解釈がまかり通っている、と言っていい言葉の代表でしょう。

ある人は、「自分の時間軸よりも長いトレンド」と定義しているかもしれません。
それであれば、環境認識は、テクニカルの範疇に含まれる、ということになります。

私が書くことが正解ではありませんが、私が「環境認識」と理解している範囲は、もっと広義に解釈しているものです。

例えば、「NYの動き、上海指数、セクター分析、225先物」、などの外部要因は、環境認識と理解しています。

これとは別に、内部要因、需給動向として重視している、「ティック情報、板情報、信用情報」、などは、どちらでしょう。少なくとも、テクニカル分析ではありませんね。

これらの情報は、どちらに分類すればいいのでしょう。

少なくとも、テクニカル分析 = チャート情報、だとすれば、価格情報以外のこれら「環境認識」「内部要因」などは、どちらかに分類せよ、ということであれば、「ファンダメンタル分析」ということにとりあえずしている、というのが私の「勝手解釈だ」ということでした。

どうも、お粗末様でした。これで理解していただけましたでしょうか。

こう書けば、私が「環境認識派」であって、環境認識を重視している、ということは、熱心な(?)読者の方であれば先刻ご承知でしょうから、納得されたのではないかと思います。


ただ、これは、ともかく「私の解釈」であって、野川氏の定義とも若干違うと思います。

言葉の定義は大切だと思います。
定義によって、イメージするものがかなり違いますし、誤解を生む元凶にもなります。
また、定義によって、「物事の理解が進む」ということでもあります。

少なくとも、ファンダかテクニカルか、と言われれば、私は、価格情報以外(環境認識)を重視する立場ですので、ファンダ派、ということになります。

もちろん、テクニカル無視ではありません。

チャートは見ていますが、チャートで全てを読める、というテクニカル派ではない、という意味です。

もう少し補足すると、そうは言っても、環境認識だけを見ていて、財務情報は無視かい、ということでもありません。

決算は、めちゃめちゃ重視しています。

もちろん、昨日の雇用統計なども、リアルタイムで為替を売買していました。
雇用改善によって、QE3の早期縮小がどうなるのか、かたずをのんでみていますので、マクロもしっかり見ています。
 
為替を売買するのに、チャートだけを見て、雇用統計などイベント無視など、私には考えられません。

要するに、これだけを見ている、ということではなく、全方位見ている、ということなのです。

人は、「単純化」するのが好きですから、テクニカルじゃなかったら、ファンダだけ、みたいに考えることも多いかと思います。

特に、テクニカル派という一派の人たちの多くは、「価格にはすべてを織り込むから、ファンダなど不要だ!!」という意見を持っておられます。

テクニカル派 VS ファンダメンタル派

というような「対立構造」が好きですから、「どちらか選ばんかい、おらおらおら!!」という人が多いんです。

甘党ですか、辛党ですか?

両方好きです(笑)

これを書くと、非難が殺到する(笑)恐れもありますが、分割だけが全てだ、という分割屋さんもいます。

どうも、All or  Nothing 的発想が好まれているようなのですが、物事はもう少し複雑なのだと思うのです。
 
私は、分割も技術の一部ではあるが、それが相場の全てではない、と思っています。

立花さんの本はすごく読んでいますし、尊敬もしていますが、私は立花派ではなく、チャート屋でもなく、敢えて言うなら、西原派です。

何派であっても、それはそれで私がとやかく言うつもりはありませんが、単に「私は違う」ということです。



そもそも、私は、

チャートは結果だ

と思っています。

結果の足跡です。

刑事モノを見ていると、捜査するのに、「犯人の足跡」を辿る、ということは鉄則ですが、しかし、足跡だけを辿っていても、犯人には辿りつけません。
因果関係とか、交友関係とか、事件の前後のいろんなことを総合して、推理すること、これが刑事モノの定番だと思うのです。

私は、チャートという足跡だけではなく、セクターという交友関係とか、全体の環境や財務というそこに犯人が至ったいきさつ、とか、もっと「原因」を知りたい、と思っているのです。

チャートは結果です。原因ではありません。
何故、そのように動いたのか、という原因は他にあります。
その原因を見て、シナリオを構築したい、というのが私の考え方なのです。

結果だけを見て動けば、どうしても出遅れます。
値動きが出てから、対処するのですから、どうしても遅くなるのです。
また、既存のトレンドにこだわって、なかなか頭を切り替えすることができません。

しかし、原因を辿れば、先んじることも可能だと思うのです。

例えば、マクロ要因で見れば、

リーマンショックなど、ショック安が起こる前から、サブプライム問題で騒ぎになっていたのですから、ファンダメンタルを見ていれば、暴落前から「やばい」ということは誰の目にも明らかでした。

民主党政権から自民党政権にかわって、アベノミクスという大胆な政策がうちだされたからこそ、上昇トレンドがこれだけ続くわけで、そこに注目することは当たり前だと思うのです。
そもそも、QE3によって、世界的に株高が続いているなかで、日本だけが出遅れていたわけですが、それがアベノミクスによって、一気に「出遅れ修正」が来たわけです。
そういう海外と国内のファンダメンタル的背景がなければ、こんなに大きなトレンドが続くはずがありません。

どこかで終わらねばならない運命のQE3がそろそろ終盤に差し掛かっているということは雇用の動きを見ればだんだんと見えてきているわけですから、FOMCに向けてどういう動きが出るのか、ということに注目するのは当たり前だと思うのです。
急落したとて、突然来たことではなく、ファンダメンタル要因から見えていた中で起こったことです。

こういったことは、チャートだけ見ていてもわからない、と思うのです。


ファンダ派に関して、本の紹介をというリクエストもありましたが、これはおそらく「財務分析の本」という意味においてだろう、と思って書かれたのだと思いますが、ここまで説明した意味でのファンダという観点ですので、ご紹介できる本は、現在のところこちらの一冊しかありません。

30年勝ち続けたプロが教えるシンプルFX

読んだ方も大勢おられると思いますが、恐らく、読めばなるほどとは思っても、いざ実践となると、使いこなすにはとても難しいものだと思います。

チャート本と違って、パターンを当てはめるというわけにはいきませんから、これは使いこなせるようになるまでとても時間がかかるものだと思ってください。





しかしながら、とにかく、私の周りには、テクニカル派がものすごく多いです。
ほとんどそうだ、と言ってもいいでしょう。

チャート以外無視、という一派です。

というより、実は、その多くが、チャート派という仮面をかぶった「パターン派」なのです。

やはり、Aだから買い、Bだから売り、という単純さがいいのだと思います。

チャートだけでパターン化したい、というのが本音なのでしょう。

これは、コメントにもありましたが、

>>結局、チャートだけでパターン化したい、というのが本音

>この気持ち、すごくよくわかります。
>激しく理解できてしまう自分がいます(汗)。
>自分にもわかること、手の届く範囲のことでなんとかしたいんです。
>ファンダというと、いったいどこからどこまでか、なにをどうとりついて行けいばいいのか、
>本を手にとってもたいてい耳慣れない言葉や数字の説明に終始していて、読んでも読んでもつかみどころなくいっこうにわからないし、さらにだからなんなのかもわからないので、嫌になるのですよね。
>とても自分の手におえる気がしないという感じで。

>ところが、ファンダと比較するとテクニカルは非常にはっきりとしているし、勉強し甲斐があるように感じてしまいます。
>小さい時からなじんだ学習スタイルにも合いますし・・・。

パターン化への道は、「手法第一主義」への道でもあり、「やり方がわかれば勝てる派」につながっていく、投資家の本流になるのだと思います。

特定の手法をマスターすれば、勝てるようになる、と考えている人は、基本的に「テクニカル派」に含まれるんじゃないかと思います。

私の周りを見ても、ほとんどがこのタイプでした。

(念のため、「やり方がわかれば勝てる派」はテクニカル派に含まれる、と言っているだけです。全部ではありません。)

そして、ほとんどが消えていったのです。


こう考えると、

チャート派という仮面をかぶった「やり方がわかれば勝てる派、パターン命派」に対抗する意味において、「相場はそんなに単純じゃない派、ハイブリッド派」というのが私の本性かもしれません。


ということで、結局、いつものまた「くどい」結論にむりくり持ってきた、ということで(笑)



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ファンダメンタルかテクニカルか 3

2013/07/10 Wed

今からもう30年近くも前のことですが、私は、東京へ行くと、何度か人形町にあった林輝太郎投資研究所の事務所に立ち寄って、林先生にお話を伺っていました。
 
事務所に行って、バラコピーを買ったりもしたのですが、やはり当時、林先生から直接お話を伺える、というのがとても楽しみでした。
 
林先生は、とても気さくな方で、アポなしで唐突に事務所を訪問した私にも、結構時間を取ってお話をしてくれました。
 
繰り返し言われたのは、当時からPCを使っていた(当時としては非常に珍しかったですが)私に対して「複雑なものはダメですよ。」ということだったのを思い出します。
 
ある日、事務所に顔を出すと、商品先物の業界紙の記者らしい人が先客でおられたので、聞くともなしにお二人のお話を聞いていました。
 
別に聞き耳を立てていたということでもなかったのですが、聞くともなしに聞こえてきたのは、林先生が業界紙の記者に結構しつこく質問していたことです。
 
「何か情報ないの?」
 
「何かいい情報あるでしょ?」
 
それを聞いて、私は最初、冗談でも言っているのかと思っていたのですが、そうでもなさそうでした。
そこで、業界紙の記者は、それに答えて、話をしていたように思います。

横で聞いていた私は、当時、生粋の「相場技術論派」だったので、そのやり取りに「衝撃を」受けてしまいました。
 
ほぼ「放心状態」でした。
 
こっ、これは、これは、聞いてはいけないものを聞いてしまった!!
 
夢じゃ、これは夢でござる、夢でこざるぅぅぅぅーーー!!
 
と夢遊病者のようになって、そこで記憶が途切れてしまいました。
 
何で、相場技術論の総帥たる林先生ご自身が、業界紙記者ふぜいに「情報ないの?」とねだっているのか!!
 
その衝撃もあって、その記者の後に、私が先生とやり取りした内容はまるで思い出せません(笑)
 
 
私自身は、当時、相場技術論で突出していた「青年将校」でした。
 
ですから、相場技術以外は、外道だ!!
 
それ以外は、見てはいけないものだ。相場は技術でのみやるものであって、他に目をくれる奴は、「ちぇすとぉぉぉぉーーー!!」みたいな乗りでしたので、その衝撃は、計り知れないものとなりました。

しかし、
 
何と、総帥が裏切ったのです!

その後、数日間は、放心状態だったように思います。

林先生は、実は、当て屋だったのか?
 
しかしながら、当時はそれでも、頼るべきは、林先生しか当時見当たらなかったので、やはり技術論を黙々と勉強していました。
 
先客として、立花義正さんでもおられたら、また私の運命は変わっていたのかもしれません。
一度でいいから実際にお会いしたかった方でした。
 
結局、当時、何故林先生が「情報をねだっていたのか」ということについては、自分の中で消化不良のままで時間だけが経過していました。
 
ただ、その後、林先生が出されていた「林レポート」を2年間ほど購読したのですが、それは、「商品先物の相場予測レポート」であり、その内容は、ファンダメンタルと需給動向、内部要因(要するに仕手情報など)、そして、テクニカル、というものでした。
 
この「林レポート」に対しても、相場技術論の青年将校である私は、「全くといって納得できない状態」で、2年間購読して、結局、2年で購読をやめました。
 
(研究部会報は、10年以上購読していましたが・・・)

林先生が、本で書いておられること(要するに技術論、分割論)と、実際に事務所で会った時に話をしておられる内容(業界情報など)や、林レポートで書いておられる内容(ファンダなど)が、考え方において、大きくかい離していることについて、結局、私は理解できないままで、悶々とする日々を送ることになりました。
 
まだ私は当時、純粋な技術論王国の国粋主義者の青年であったのです。

 


それから年月は経ち、十数年後、私は野川ブートキャンプに入門しました。
 
実は、前にブログでブートキャンプのことを書いた時には、書けなかったことがあります。
それは、ブートキャンプ当初、実践訓練をやっていたトレードの大半は、「ファンダメンタル重視」だったのです。
そもそも、需給動向や内部要因に起因するようなトレードがほとんどでした。
 
当時は、
 
「テクニカル分析の大家である野川軍曹が、何故そのような下世話な情報をベースに銘柄選択をしているのか」
 
私は、そんなことを学ぶために入門したのではない。
 
私は、テクニカルをベースに、どうトレードしたらいいのかを学ぶためにのみ、キャンプに入ったのだ。
 
青年将校であった私のそういう思いがあったので、当初ものすごい違和感とともに、とにかく「わからない」というものでした。
 
ファンダメンタルをベースにトレードを仕掛けるので、バリバリのチャート派の私にとっては、「全然わからない」のです。
 
しかも、なじみの株ではなく、異分野である「商品先物のファンダメンタル」なので、私にとっては、チンプンカンプンでした。
 
しかし、とにかく「ぶら下がろう」ということで、くっついていきました。

しかし、「チャートだけじゃなく、理解が難しいトレード」で、しかも、運の悪いことに、トレンドに乗ろうとして、乗れない、損切りになる、ということが続いたため、一部の練習生は、反発しだしました。
 
言われていることがわからない上に、負けるものですから、暴徒化したのです。
 
キャンプ開始から半年、ここで、キャンプは大きな転換を迎えます。
そういう「ファンダメンタル」などを置いておいて、もっと基礎的な、みんながわかるような、テクニカルをベースにコツコツとやるようなやり方、に方針転換するのです。
 
私が、前のブログでキャンプの記事を書いた時に、何故このように書けなかったのか、というと、そもそもそういう「何故ファンダメンタル重視なのか」ということが理解できてはいなかったから、でした。
私自身が理解できないことは、書けません。
 

 
さて、月日はさらに大きく流れて、これは最近のことです。
野川氏と食事をご一緒した時に、私は次のように尋ねました。
 
「トレードで勝つには、何が大切なんでしょう?」
 
とてもシンプルな質問ですが、答えるのがものすごく難しい質問でしょう。
 
野川氏は、日本酒をぐびっと飲んでから、即座に次のように答えました。
 
「総合力、、、、でしょうね。」
 
私は、これを聞いて、「ああ、なるほど、素晴らしい表現をする」と思いました。
 
私は、野川氏の言いたいことがすぐに理解できたので、その後はこれについて会話することはありませんでした。
 
昔は、これを言われても、まったく理解不能だったと思いますが、今でははっきりとわかります。
私自身もここ数年でそれなりに進化できている、ということだったのでしょう。
 
野川氏の言いたかったことは、
 
テクニカルも大事、エントリーエクジットの手法も大事、しかし、リスク管理やマインドの問題、その前にある環境認識やファンダメンタルも大事、そういう各ファクターを総合できる力を持っている、ということが大事なのだ
 
ということなんです。
 
今だからわかるということになりますが・・・
 
当時のブートキャンプを振り返って、当初、野川軍曹がやりたかったことは、環境認識や銘柄選別については、テクニカルも使うが、ファンダメンタルも用いる。そして、エントリーエクジットのきっかけ、つまり「トリガー」には、テクニカルを使う、というものだったのです。
 
そして、さらに30年前を振り返って、
 
林先生が何をされていたのか、というと、結局、環境認識と銘柄選別について、テクニカルとファンダメンタルの両方を用いていた、ということだったのです。
 
実は、同じだったのです。

 
こういうことに、私自身は、30年前には、どうしても理解できなかったのですが、最近になって、ようやくわかるようになった、というお粗末様なことでした。
 
私が、これをわかるようになるまでには、林事務所を訪問してから、20年以上の年月を費やすことになったのです。
 
今思えば、林先生がやっておられたことは、「当然のことだ」とはっきりとわかります。
逆にチャートだけで全てを理解することなど、難しい、ということがわかります。
 
商品先物は、特に、内部要因と呼ばれる需給動向分析が欠かせません。
そういう情報を記者から仕入れておられたのでしょう。
野川氏も、内部要因重視の師匠ゆずりでしたので、内部要因を重視されておられました。
 
せっかくの分析情報があるのに、それに目をふさいで、敢えてチャートだけでやる必要などどこにもありません。
 
私もやっと「青年将校」を卒業して、酸いも甘いも感じられる経験を積んだ、ということかもしれない、そう思います。
 
 
 

今回、何故こんなことを書こうと思い立ったのか、というと、最近、私が、ファンダメンタルのこととか、西原メールのことを書くものだから、「それは手法探しじゃないのか」「これまで書いてきたことはなんだったのだ」というご意見が入ったからです。
 
もしかしたら、そう感じておられる方が、もう2~3人ぐらい(そもそも訪問者が少数なので(汗))おられるかも、ということと共に、「がっかりされた」この書き込みを読んで、自分が「青年将校」だったころを懐かしく思い出したからでした。
 
特に、「分割派」の方たちは、「突出した青年将校」の方が大勢おられることは知っています。
特に、その分割派の中でも、「立花会」の人たちの突出ぶりはすごいものがあることも承知しているつもりです。
 
私は、立花さんと直接の面識はありませんので、ご本人が青年将校のみなさんが考えておられるほど、分割屋オンリーなのかは承知していませんが、林先生なら、何度もお会いしていますから、先ほど書いたようなこともわかります。
 
本を書くという場合、林先生などは、「読者の間違った考え方を正したい」という視点で本を書くので、どうしても、多くの人の考え方に対するアンチテーゼとして、技術の部分を強調する、という書き方になることは否めないと思うのです。
 
では、読者が書面どおり受け取って、「すべては分割オンリー、技術オンリー」なのか、というと、実際にお会いしてお話すれば、意外とそうではない、ということもあって当然だと思います。
 
これは、実際に私が体験したことです。
 
 
コメントに書いたことですが、
 
私にとって、手法とは、「たかが手法、されど手法」なんですね。
これも、「all or nothing」という観点から見ると、「どちらかに所属せよ」ということになるのかもしれませんが、トレードの一部を構成していることについては間違いありません。
 
ただ「手法さえマスターすれば勝てるのだ」という意見には組しません。
 
この多くの人の考え方に対するアンチテーゼで、「手法万能論」を否定しているわけなんであって、手法そのものは否定しません、というか、できません。
 
これは、「投資心理が全てだ」とか、「チャートだけ見れば勝てる」「分割が全てだ」ということを否定するのと同じく、「単品勝負」では勝つことは難しい(できないわけではないでしょうが)、と考えているからです。
 
料理に例えれば、「たかがレシピ、されどレシピ」って感じでしょうかね。
 
 
結局、私も「アンチテーゼ」の部分が結構あって、レシピ無用論には組しません。
 
レシピも必用、しかし、レシピだけではおいしい料理はできない派、なんですね。
 
結局、私は、今では、野川氏の言う「総合力派」ということになりました。
 

野川氏とて、林先生とて、そして、西原氏とて、テクニカルの細かい使い方こそ違いますが、総合力を使った似た考え方がそこには存在していたのです。

そうなると、そこには、何か帰納的に「相場の本質的なもの」を私は感じてしまうのです。

そして、今では、私もこの 総合力派 に属します。

 
グレーはいやだ!!
 
白か黒かはっきりしろよ!!

 
と言われても、実に困った、困った、って感じです。
 
相場って、そう単純なものでもないんです。

分割だけ、チャートだけ、板だけ、・・・それでいいのか。

どうしても、単純に見たい、パターン化したい、モノカルチャーで行きたい、という思いがあると思いますが、なかなかどうして、複合的要因をひも解かないと、全体像は見えてこないものだと私は思います。
 

今回、これを書くかどうか迷いました。
今回の記事は、立花会など、青年将校の方から、「ちぇすとぉぉぉーー!!」とされると面倒だな、と思ったからです。
あえて、こんな危ないことをわざわざ書く必用があるのか、とも思いました。
しかし、これが自分が経験したことですし、今の考え方(数年前は違いました。)ですから、それを正直に書いてみた、ということで、またご批判があろうと思いますが、それはそれで仕方がありません。
 
それにしても、とてもいいご意見いただいて感謝します。
このご意見がなければ、こうやっていろんなことを振り返ることもできませんでしたので、とても苦い思い出を懐かしむことができました。
 

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あらなみ

Author:あらなみ
職業:個別株投機家・専業デイトレーダー

Twitter: @aranami718

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