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思考のプロセス

2013/10/14 Mon

思考のプロセスについて、コメントがありましたので、お返事がまた長くなったので、例によって記事に昇格です(笑)


まず、前の記事の裏話的なところから入っていきます。

「トレードはギャンブルかどうか」ということが話題だ、という命題でしたので、この「お題」に対して、私もちょうど連載と絡めて自分の見解があったので、いい機会だと思いました。

しかも、この命題を解くことは、「何故トレードで儲けることがかくも難しいのか」という答えにもつながることだと思っているので、とてもトレードの本質を探るには重要な議論だと思っているのです。


思考プロセスについては、これは、野川氏直伝なのですが、とにかく「何故?どうして?」と疑問を持って、深堀りすることが習い性になっています。

トレードにおいても「何故それは起こるのか?」 (野川氏)ということを徹底的に深堀りすることを習い性にしています。

単に起こった現象を表面的になぞったり、テレビでキャスターの言っていることを鵜呑みにするのは、私にとって最悪の理解なんです。

何故そういう結論に至ったのか、というプロセス抜きにして、答えだけをぱちったとしても、ほとんど意味がありません。

これは、トレードについても同じです。
具体的やり方だけを求めている人が大勢いますが、そんな答えだけをぱちっても、所詮はパチモン、バッタモン、ですよ。



そういう思考から、最も失敗に結びつきやすいこととして、私が日頃注意しているのが

勝手な前提を置かないこと

なのです。

これが思考プロセスにおける最大の障害だと思うので、前提ということについて、フォーカスを当てます。

前提とは、今回の事例ですと「競馬はギャンブルだ」という前提を置いて、だから相場も、みたいな感じです。
競馬はギャンブルだと決めつけてしまうと、競馬と相場はどう違うのだ、みたいな論理展開になってしまいますよね。
今回私が書いたこととは全然違う議論になってしまいます。

それより、「競馬は何もかもがギャンブルなのだろうか」と一般に言われている前提をまずは疑ってかかるわけです。
そうすると、「やり方によってはギャンブルではないのではないか」という疑問が出てくるわけです。

すると「はたして対象物によってギャンブルかどうかと考えることが正しいのだろうか」という疑問に当たります。

みんなが常識として考えていることは、果たして真実なのだろうか

という出発点から考えてみると、「一見すると当たり前」であり「疑問にも思わない」「当然の前提」と思われるようなことが、実は、当然ではない、ということはいくらでもあります。
そこを「本当だろうか」と疑ってかかることで、本質が見えてくることがあるのですね。


同じことで「大勢が思っている相場における常識」が実は、間違いで、誤解に基づく常識だ、ということが結構あることなのです。

デイトレで言えば、一般には「売り板が厚いということは、売り圧力が強い」というイメージがありますが、実際には逆であることが多い、とかです。

この思考パターンは、特にファンダメンタルを理解するにあたって重要だと思います。

業績が良いから株は上がる、という前提は、中長期的には間違いではありませんが、短期的にはそう単純な話にもならない、などです。


私はよく「教科書的」という表現を使いますが、これは、「相場本などで解説されており、常識とされていること」を指します。

この教科書的な理解、つまりは常識が、相場をやる上で妨げになっていることは多数あるのですね。

相場で勝つには将来を見通さないといけない

分散投資してリスクを軽減すべきだ

などでしょう。

特に、「相場で勝つには次に何が起こるか予想しないといけない」「相場を予想で当てることが勝つことになる」「儲かるやり方を見つければ勝てるようになる」信仰はもう熱狂的信者が多いですね。

これなど、実は全ては勝手な前提なんですね。

問題は、自分で勝手にそう思い込んでいるから、全ての出発点がここになってしまって、この呪縛から逃れられなくなってしまっているのです。

この常識や自分の勝手な前提をちょっと疑うだけで、世界が変わるのですが、絶対にその殻を破ろうとはしない人がほとんどです。

何故決めつけがいけないのか、というと、もしその前提が間違っていたら、その先が全て間違いになる、というとんでもない蛇の道になるからなんです。

ですから、この事例ですと、「もし、相場を当てなくても儲かる方法があるとしたらどういう方法なのだろう」と前提を疑ってかかれば、別の道が開けたりするのですが、それをやらないから、無間地獄にどっぷり浸かって出ることができなくなってしまうのです。

「当てるやり方を探す以外に相場で儲ける方法があるとしたら」というちょっとした疑問さえ持てば、無限ループから抜け出せるのに、自分で頑なに思い込んでいる前提を破れないから、一生を「やり方探し」で終わる人が続出するのです。

「前提を破る」「自分の常識を疑ってかかる」ということは、言葉で言うほどやさしいことではありません。
しかし、常にそのように意識することによって、頭も柔軟になると私は思っています。

そういうことからも、「勝手な前提を置かない」「勝手な先入観で物事を判断しない。」ということを常に念頭に入れて物事を考えるようにしているのです。


それにしても、頭の固い人は、常に「これこれは常識だ」とか「こうなって当然だ」など、常に

自分の常識、自分なりの勝手な思い込み

で物事を判断しようとします。

トレーダーにとっては、ものすごく危険なことだと私は思っています。

トレーダーでなくてもダメですが、特にトレーダーとしては(笑)

しかも、年齢を重ねるごとに、どんどん頭が固くなって、新しいことを受け入れることが難しくなってきます。

よく、テレビに向かって文句言っている人がいますが、そういう人の言っていることを聞くと「自分が世界で最も正しくて、他は全て間違っている」と言わんばかりの勢いです。

年齢を重ねた人に多く現れるものですが、

おめぇ、何様やねん!!

とつい言いたくなるような「世界の中心は俺だ」という人が結構多いのには、かなり辟易としていまいますね。

ネット上の口論も結構この手の人が主導していて「自分以外の意見は認めない」「存在してはいけない」という

独善主義

の人たちが跋扈(ばっこ)している状況です。

まるで、京都市中見回り役の新撰組のようで、自分の意見と違えば、間違いであると決めつけ、成敗しようとするのです。

自分と違う意見は、存在してはならない、ということなんでしょうか。

多様な意見があって当然なのに、何で決めつけるかなあ、と思いますね。

人の話をはなっから聞かない、人が話している間からもう反論を考えている、人たちです。

とても多いです。

そういえば、「分割が絶対だ!!」という分割屋さんも大勢おられますね。
分割以外は、全てダメだ、という決めつけ、独善です。


ちょっと相場で利益が出だすと「俺もいっぱしのものになった。このやり方で儲け続けられるのだ!!」と思ってしまいますが、違いますよ。

たまたま自分のやっていることと、相場環境が合っただけですからぁぁぁぁーー!!

ってことです。

心配しないでもすぐに元に戻りますよ(笑)

やり方神話を持っている人がよく陥りやすい罠です。

少し話ずれました、失礼しました(笑)



そうは言っても、自分自身も、つい妙な先入観で失敗することが時々ありますので、そういう時はものすごく反省しています。

絶対に勝手な先入観で物事を判断しない!!

独善主義に陥らない!!

といつも自分に言い聞かせているのです。

それでもやっちゃいますがね。

年齢からじわじわと来ていますねえ。
いずれ、アルプスの少女ハイジの山のおんじになってしまうのか、と思うと、怖い(笑)


最も疑うべきは、

自分の判断、自分の常識、自分が当たり前と思っていること

なのですから、人の話をしっかり聞く、人の話を尊重する、ことを忘れずに。

また話がちょっとずれちゃいましたかね、まあいいでしょう(笑)



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思い込み

2014/12/22 Mon

お久しぶりのぶりの煮付けです。

ちょっと気を抜くと、あっという間に前の記事からもう1ヶ月。
年をとってからの月日は早い・・・

場中にブログを書くと、「こいつは偽者だ」発言に気をつけないといけませんが、うだうだ相場は、やらない、のが最上の策ですからね(笑)

さて、もう気がつくと年末。
トレーダーは、この1年を振り返る時期になっています。
ヘッジファンドマネージャーは、もうこの時期、査定とかあってもう動かないでしょうし、為替のトレーダーも査定前にやられたくないということもあって、ここは様子見で、板が極端に薄くなるので、トリーッキーな動きに翻弄されて、いらぬ損失を出さないようにしないといけない、と思いながら、いつも以上に慎重に売買しています。

個人トレーダーも、もうこの時期、無理はしない人が多いのじゃないでしょうか。
ここで吐き出して、嫌な思いで正月を迎えたくない、という思いだからです。
海外では、この節目がクリスマスなので一足早くお休みモードですが、日本ではやはり正月なので、1週間ほど遅れてお休みモードとなります。



さて、私は、西野流呼吸法に通いだしてから、もう24年になります。
ただ、だからといって、「西野流呼吸法マンセー!!」ということはありません。
西野流には西野流なりの問題点もありますし、「西野流さえやっていれば他は不要だ。」みたいな感覚はまるでありません。

今日は、ここのところで、違和感を感じることが結構あるので、その話をしたいと思います。

松寿仙、という漢方?をご存知の方がおられると思いますが、わりと人気の漢方の強壮薬です。
「松寿仙」というのぼりをたてた漢方薬屋が町のどこかにあるところも多いと思います。
昔、ちょっと飲んでいたこともあって、最近、近所にお店ができたので、買ってみることにしました。
そのお店で、漢方薬屋のお姉さん(私よりも年上)と話をしていて、そのお姉さんが「私はもうこの松寿仙を30年以上飲んでいて、健康そのものなんです。なので、検査とかそういうものも受けたことがありません。」と力強くおっしゃるのです。

検査受けてないのに何で健康ってわかるんだ!!

という私の心のツッコミは置いておいて(笑)

それはそれでポリシーだからその人それぞれの生き様に文句を言うつもりはありませんが、いい年齢なのだから、せめて住民検診や血液検査ぐらいはしたほうがいいんじゃないか、と思いました。
このお姉さんは、松寿仙で全ての健康が維持されている、と強く思い込んでいるのです。
事実はどうか、私にはわかりません。
私も、そのお店で松寿仙を買って今飲んでいますから、無意味だとも思っていませんが、だからといって、全ての健康がこれで片付くなどとはまるで思っていません。



実は、呼吸法にもそういう人が結構おられて、自分の健康はこれで全て維持されている、と強く思い込んでいる方です。

そういう人たちは、

他の可能性を全て否定する傾向が非常に強い


のです。

all or nothing

の思想を持っておられます。

これが全てだ、との強い思い込みがそこに見え隠れします。

そして、

他の可能性を全て否定するだけでなく、敵愾心を持つ人もいる

ということも付け加えておきます。

いくつかの分野では特にその傾向が強く、それが争い事の原因にもなるほどです。

自分が信じていることが絶対に正しくて、他の可能性すら認めようとはしない、激しく攻撃することもある

という人たちです。

しかしですねえ、ニュートン万有引力の法則なら、わかるんですが、そういうことじゃない未知の分野では、その手の絶対って、本当に絶対なのか、って思うべきだと私は思いますがね。
少なくとも、他の可能性を否定することはないんじゃないかと。



腰痛持ちの方、大変だと思います。
医者だとか、色んなところに行ってもなかなかよくならない。
ある医者に行ったら、「ここが狭くなっていてこれが原因だから手術したほうがよい」と言われると、もうそれを信じこんでしまう。

原因はこれだったのか!!

と100%信じてしまうのです。

ところが、それを頼りにしてもなかなか痛みが治らない。

つぎに、別の整骨系のところに行くと「背骨の歪みが原因です。これを真っ直ぐにすれば治ります。」と断定される。
すると、それを今度は100%信じこんでしまって、せっせと通う。

しかし、時間が経過しても、なかなか治らない。

別のところに行くと、「骨盤の歪みが原因です。」また信じる。

別のところでは「首がずれているのが原因です。」

別のところでは「あごがずれていることが問題です。」


こう考えると、人というのは、何かを信じたい、おすがりできる何かに頼りたい、という依存心が実に強い生き物なのでしょう。

だから、100%信じる、信じこんでしまう、ということが頻繁に起きてしまいます。

確かに世の中にはわかることもありますが、わからないこと、可能性しか言えないことも多いのだ、ということを私は常に思っています。

とくに、権威者の言うことは威力抜群です。
彼らは、「可能性」という言葉を使わず、基本「断言」ですから、医者にすがっている人は、つい100%そうなのだ、と思い込んでしまいます。




さて、トレードの話に入ります。、

セミナーAに行って、カリスマA講師の話を聞くと、すっかりカリスマAに感化されてしまって、相場に勝つにはこれしかない、と決め込んでしまう。

ところが、半年経過して上手く行かないものだから、また別のセミナーに行ったら、今度はカリスマBが凄い話をしていて、すっかり感化されてしまう。

もうこれしか無い!!


と100%思いこむ。

しかし、3ヶ月経過して、次第にあの熱狂と燃え上がる炎はどこかへ消え去ってしまう。


こういう人、本当に多いんです。回りを見ていて思うのですが、

何でこんなに信じこんでしまうんだろう

と思うほどです。

というより、常に

all or nothing の思い込み

なんです。

何故、多様性を認めようとしないのか、それが全てだと思い込むのか、という感じですが、イノシシのように思い込んだら、もう止まらないという人を大勢見ています。

これは、トレード事、というより、日常他のことでも、常に「all or nothing の思い込み」を繰り返しているから、トレード事とて、その単なる一環に過ぎない、ということだろう、そう思います。


よく話題になるのが「ナンピン」でしょう。
ナンピンの話をすると、もう「頭から否定する」輩が大勢います。
「自分がボロ負けした経験から」なのか、「権威者がナンピンを否定しているから」なのか、わかりませんが、話すら聞こうともせずに否定する姿は、奇妙に感じます。

しかし、ナンピンなど、そもそも相場技術の一環として、私は普通に使っていますし、本日前場でも、空売りを利食いするのに、4分割で買い下がりしました。

もう、当たり前の技術で、当たり前のテクニックなのに、何で、頭ごなしに否定する輩がいるのか、私から見ると、全くといって意味不明です。

そもそも、ナンピンで勝ったら何故いけないのか、不可解(笑)

恐らく、ナンピンの技術をリスク管理の問題と混ぜこぜにして、闇鍋にしているからだと思いますが、もう少し勉強された方がいいと思います。

自分の信じたこと以外を拒絶する、攻撃する

真っ直ぐなんでしょうね。
いい人なのかもしれません。
戦前であれば、青年将校だった人でしょう(笑)

ちぇすとぉぉぉぉーーー!!

でも、相場で勝つにはちょっと、って感じなんだと私などは思いますがね。



思い込み激しい人というのは、まだ、人生経験が浅い、ということもあるのかもしれません。

キャバクラ嬢に入れ込んで、貢ぐ君する、というのも経験が浅い故の事例でしょう。
会社の金を使い込んで、女に貢ぐ、男に貢ぐ、ということも、経験値足りない、という典型です。

髪の毛茶髪に染めたイケメン兄ちゃんなら、女性経験豊富で騙すの難しそうですが、ナップサック背負ったアキバ系オタク兄ちゃんなら、童貞っぽくて、いかにも騙せそう、と思うでしょう。

手練手管のお姉さんにかかっては、経験の浅い若者なら、イチコロでしょう。

これと同じことが、相場にも言えるのですよ。
経験が浅いから、思い込みも激しくなってしまう、ということです。

いい言い方をすれば、一途

しかし、

酸いも甘いも噛み分けてきた百戦錬磨の武将なら、そんな「白か黒か」「0か100か」「右か左か」思考には乗らないのが普通です。



相場は、そもそも、狐と狸の化かし合い、ってところがありますから、童貞では太刀打ちが難しいんです。

キャバ嬢 VS ホスト、の戦いに、ノコノコエロ本中学生が迷い込んだら、イチコロ、って話しです(笑)

ここでは、「純情とか、一途」、というのは、「獲物とか、エサ」と同義語なんです。

本をいくら読んでもわかりませんよ。経験しないと。

いくらパターン覚えても無駄無駄。

あっちの方と同じく、こっちの方も(笑)

だからこそ、小さな資金で経験値を積むこと、くり返し覚えること、成功と失敗を繰り返すこと、がどうしても必要なんです。

しかも、年単位の時間。

まあ、しつこいようですが、1000本ノック理論です(笑)




さて、私はどちらかというと順張り思考ですから、逆張り思考の方が私に賛同してくださるのを最も嬉しく思っています。

技術的には、相対立する立場の者同士が、共感できること、それこそが本質なのだろう、そう思うからです。


権威者の言うことなど頭ごなしに信じてはダメだと私は思いますね。
例え、尊敬するジム・ロジャースやジョージ・ソロスが言っていた、としても、私は決して100%信じることなどしません。

間違いであってもなんでも、自分で考えることです。
しかも、結論は、常に不明確でしかありません。

白か黒はっきりさせないといけませんかね。

「答え」がどうしてもいりますか。

そもそも、何でそうなるのか、というと、

安心が欲しいから、パターン化したいから、考えたくないから・・・はっきりとした答えが欲しい。だから思い込む。

ということでしょう。

でもねえ、

安心したいんだったら、そもそも相場なんかやっちゃだめでしょう。

リスクを楽しむ、可能性を信じて飛び込む、ぐらいの気概がないと、相場などやってられませんよ。

そして、そんな白黒思考で、考えたくないのなら、相場で勝てるのか、と思いますね。

プリンターでも、白か黒、じゃなく、グレーとか、カラーとかあるわけで・・・

白黒思考ではなく、相場は常にグレー思考ですよ。

自然科学ではないのだから、過去と同じ値動きなど、存在しない。

全ては可能性でしかありません、答えなどそもそも存在しない、私はそう思いますね。

その「存在しないもの」を追い求めているからしんどいんです。そのことに早く気が付くべき、だと思いますね。


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無自覚の怖さ

2015/02/04 Wed

コメントありがとうございます。

例によって、私のレスが遅くなってすみません。

参考になるコメントがありました。私のレスが長くなりますので、記事で書いておこうと思います。



悠々さんからのコメントです。

あらなみさん、はじめまして。3年近く前にFXを始めたものの、今なお勉強中の者です。当時ネット上の情報の怪しさに辟易しながら、あらなみさんの書評ブログに辿り着きました(立花さんの本、とても良いものでした)。
以来ずっとステルスで講義を受けていたのですが、この記事のパンさんへの返信に感銘を受け、思わず書き込んでしまいました。少し前の記事へのコメントですみません。

>「全部自分の都合」

まさしくはっとしました。自分も似たような事で悩んでいて、「期待通り含み益が出たのは良いけどどう見ても上値ブロックされてる、切りたいああ切りたい、でも利確はできるだけ遅らせろっていうし待つしかないのか……あーやっぱりナイアガラ来ちゃった」みたいな事の連続で、こういう場合にどうすれば良いのか分かりませんでした。

ですが恐らく(違ったらすみません)、こんなジレンマも結局は『自己都合』なわけですよね。自ら相場を動かす事ができない以上は相場に合わせて動くしか無い。……当たり前にも程があり、今まであらなみさんがそう言われる度にうなずいてきたというのに! 今回ようやく一歩先の意味に気がつけたように思います。初心者と上級者の差は、言葉の含意を受け取る能力にもあるのでしょう。

たぶん、決断そのものは自由なのだろうと思います。「どうにも上値重いし切ってドテン」「サポートが信頼できそうだから押し目買い」はどちらも相場に合わせようとした選択。しかし「損失出したくないから利確」「利益を引っ張る練習のために待ち」だと自己都合。相場判断そのものより自己都合で売買する事が、そして何よりそれに気づけていない事こそが大きな問題。とても大切な事を聞かせて――否、少しだけ解らせて頂きました。ありがとうございます。

(だってあらなみさんいつも言ってたじゃん! 俺自身いつも自分に言い聞かせてるじゃん! なのにまるで解ってないような事が、相場にはきっと沢山あるんだよ、俺たちゃ評論家じゃないんだ!)

……失礼しました。素人丸出しで大恥掻きそうで震えてます。毎年きれいにスプレッド分ずつ授業料払ってるような未熟者ですが、あらなみさんのおかげもあり取引内容自体は幾分ましになってきていると感じます。今後もご指導いただけたら幸いです。長文失礼しました。





悠々さん、ご自分で気がつかれたのですね。

「全部自分の都合」


これはなかなかできることではありません。

基本無自覚にやっているので、自分で気がつくことは稀です。



この件も含めなのですが、まさしく悠々さんが書いておられるように、人というのは、

やってはいけないと知っているのに、無自覚でやっていること

ということが、実に多いのです。


他人のことなら気がついても、自分のこととなると、まるでわかっていない、ということは実は非常に多いんです。


例えば、

待たされると、イライラする癖に、平気で人を待たせる

あの人は人の話を聞かない、といいながら、自分は全然人の話しなど聞いていない

人の話を全く聞かずに、自分のことしかしゃべらないから、会話が成立しない

なんだあいつ偉そうに、というあなたがもっと偉そうなんですけど

人が困っている時にまるで助けようとしない癖に、自分が困っている時、誰も助けてくれない、と怒る

政治家は自分の事しか考えていない、と文句を言うが、それを言っている本人こそ自己中で、自分勝手

あの人は本当に迷惑な人だ、と言っているあなたが今やっていることこそ本当に迷惑なんですけど

人から無視されたと怒るのだけど、自分こそ全く他人に配慮しない

高校生が電車の車内でうるさい、と言っているおばさまたちの方がよほどうるさい

ニュースを見て、ひどい奴がいるものだ、というあなたのやっていることの方がよほどひどいですから

メールの返事よこさない、と言っているあなたからきちんと返事もらったこと無いんですけど

世話をしたのに感謝もない、と文句言っているあなた、自分が世話をされても、一言もありませんよね




とまあ、いくら書いても書ききれないほど、自分のこととなると、見えてはいないのです。


これは、基本的に、人は自己中心的であり、結局は、自分の事にしか興味が無い、ということから来ています。

その傾向が強いか弱いかはあっても、大なり小なりこの思考の癖はある、ということです。

本人には、悪気は無く、気がつかないだけで、特に「天然系」の傾向がある人はこういうことを本当に平気でやってしまいます。
見ていて、見事過ぎて、笑ってしまうことすらあります。



トレードでもこの傾向は同じです。

自分はきちんとやっている。

ルールに基いてちゃんと相場を張っている。


そういいながらも、やっている内容を見ればメチャメチャ。

感情の赴くまま、自分の都合のまま、守銭奴むき出しで、それを隠そうともしない、という感じです。

そもそも自覚が無いから、隠すこともできないのですが。

相場は相場に対して正しくあるべきであって、拝金主義になって、守銭奴になったら、相場では確実に負けます。

相場は相場の都合で動いているのであって、その人が勝とうが負けようが、そんなことは全く関係ありません。

しかし、本人は、守銭奴になっている自分自身に対する自覚が全くといって無いことが多いのです。

守銭奴になれば、結果的に、相場に追い込まれて、最悪のところで売買してしまう結果となることは、目に見えているわけです。

相場がそのように動くからです。

というより、むしろ、大勢が守銭奴となって自爆することで、そういう値動きを自らが演出するという結果になるわけです。



回りから見れば、「何熱くなってんだ」そんなことしてたら負ける、ということがわかっていても、本人にはその自覚が無いのです。


tenさんが同じことで、次のように書かれています。

株をやりはじめた頃はわかっている様でわかってない事や頭ではわかったつもりになっていてもいざ戦場に出ると自分の行動と考えのチグハグを正していく事からはじまり・・・

このとおりですね。
わかっているつもりで、戦場に出れば、全部すっ飛んでしまって、まるで行動が伴わない、という事体に陥るわけです。
理屈で知っていることと、実際にできることとはまるで違います。

知行合一、といいますが、まさにこのことです。


こうやって今私の書いたことを読んでいても、「誰か他の人のことでしょ。」という感じで、実際に守銭奴やっている人が読んでいることを私はよく知っています(笑)

自分のことだとはつゆほども思っていないのです。


この

無自覚

ということが実に恐ろしくて、先ほどの「天然ボケで平気で人に迷惑をかける」のと同じ状態になっています。

悠々さんが図らずも書いておられるように、わかっているはずで、そうしてはいけないと自覚しているはずなのに、やっていることは、全然違う、普通にやってしまっている、ということが頻繁に起きるわけです。


上級者に指導される機会がある幸運な人を除けば、そういう自分を修正してもらえる機会は殆どの人が持っていません。

というより、そういう千載一遇とも言える幸運でさえ、自分勝手な目先の欲望で、反故にしてしまう、自分の思いを優先してしまう、という事態が起きるということを知っています。
それほどに、自己都合取引というのは、深刻で抜けることが難しいと言えるでしょう。

逆に言えば、そういうほとんどの人が克服できないままの困難さを克服できたからこそ、少数の勝ち組へ脱皮できたのだ、とも言えるのだと思います。

簡単に克服できることなら、みんなとっくにやっています。


結果として、無手勝流で、自分勝手なトレードを延々と続けることになってしまうのです。

そして、自分では、

きちんとやっているつもりになっているから、何故上手く行かないのだろう


と頭を抱えることになるわけですが、

実は、全然きちんと出来てなどいないことがそもそもの原因なんです。

これは、自己中で自分勝手な自分都合取引だけではありません。

他にもいくらでもそのようなことは起こっています。

ただ、無自覚なだけなんです。

全部、やってはいけない、とわかっているけど、無自覚でやっている、というところに問題があることです。


では、どうしてその悪の状態から脱出するのか、ですが、先ほど書いたように、上級者が見れば、簡単に見抜きます。
何故なら、そういう状態を克服できた人が上級者だからです。

しかし、そういう機会が無い人はどうすればいいのか、というと、一つあるのは、自分のトレードを客観視するために、トレード記録を詳細につける、ということがあります。

何故エントリーしたのか、何故エクジットしたのか


これを詳細に記録するのです。

こうすると、「そこで書いた何故」という部分に問題が出てくることが多々あることに気がつくでしょう。

こういう記録を取っていないと、どうしても、客観的に自分のトレードが見れないことから、無自覚におかしなことをやっていることが、記録を取ることで炙り出されてくるわけです。

そこで書いたことが、相場の都合であったのか、それとも自分の都合であるのか、はっきりと見えてきます。

それだけではなく、トレードを客観視することによって、自分は何をしていたのか、が改めて気がつくことにもなってきます。

自分でやっている売買は、ご自分が思っているほどわかってはいません。

自分で何をやっているのか、はっきりと自覚できている人は多くない、と思います。

その場、その場では、取ろう、取ろう、勝ちたい、勝ちたい、当てたい、当てたい、ということが必死で、気がつけば、守銭奴となっている、ということに陥ってしまうからです。

実戦とシミュレーションが何故これほど違うのか、と気がつかれた方もおられるかと思いますが、金がかかると人は変わります。

こういう記録は、面倒なので、やっていない人がほとんどですが、これをやると、かなり違ってくると思います。

1000本ノックで、より効果的に練習する方法は、練習記録をきちんとつける、という地味で面倒なことなんです。


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現実と思っていることのギャップ

2015/03/07 Sat

「男前女子か女の子女子か」のアンケートご協力ありがとうございます。

5件ぐらいしか投票無いかと思っていたら、62件も投票いただきました。

2015-01-52.jpg


結果は、意外や意外なことに、「北川景子ばりの男前女子」が終始リードし、現在も56.5%の獲得票数となってリードしています。

これは、事前の私のリサーチと違う結果になって、少々戸惑い気味なのですが、これが答えというものでしょう。

しかし、現実もてているのは、「女の子っぽい女性」なのだと今でも思うのですがねえ。

ただ、石原さとみという例が悪かったのか、とにかく女性からの嫌われ度が凄いですからね。
女性は、女子アピールする女性が基本嫌いです。
実は、女性のほとんどは男前女子に投票されたと思うので、その推定投票数12票を引くと、女の子女子が逆転します。
という読みもありますが・・・

また、投票してもらって、いろいろコメント読んでいて、とてもおもしろくて、コメント入れてくださったみなさんにも感謝します。
よろしければ、前の「諸行無常」の記事の投票フォームから、「結果を見る」、見てみてください。

付加的に、属性アンケートにも答えてもらっているのですが、これを見ると、40歳代の方が多いものの、年齢は幅広く分散されていることがわかります。
性別は女性が20%強ぐらいでしょうかね。意外と多いという感じです。
こういう投資系ブログですので、女性はほとんど見ていないと思っていたのでかなり意外でした。
それから、アンケートにコメント入れてくださっているのは、女性が結構多いことに気がつきました。
地域特性は、やはり東京が20%強。大阪、愛知と都市圏が続きますが、非常に多くの地域に分散されていて、ネットとはどういうものか、改めて感じますね。






さて、私は、「女の子女子」が圧倒的にリードすると思ってアンケートしたのですが、結果は逆でした。
実は、トレードにおいても、似たようなことが結構多くて、「こうやったらうまく行くのではないか」と思っていることが、現実にはほとんど機能しない、ということが非常に多いんです。

自分の思っていることと、現実とが違う

ということです。

自分では、こうすれば儲かるはずだ、と思って一生懸命続けているのだけれど、結果はトータルで負けてばかりが続く、という感じで、その回数が少ない、もしくは時々しかやらない、という場合、悪質なことに無意識でやってしまうので、

自分が一体何をしているのかを理解できていないというケース

が多いんです。

これも、無自覚の恐ろしさです。

その結果、反省につながらなく、結果として次回もまた同じことをやって負ける、ということを延々と繰り返すことになります。

スイングの現場でかなり頻繁に起こることとしての代表例ですが、

売買しているうちに徐々に儲かりだして、段々調子にのってポジションが膨れ上がり、気がついたらパンパンに買っていた。そして、そういう時に限って、ドカンを食らってトータルマイナスに沈む

これを繰り返している人が結構多いんです。
特に、やり方至上主義の人は、上昇トレンドに乗っかっているだけという自覚があまり無いので、そのトレンドの崩壊というチキンレースで、岸壁から一緒にダイブしてしまうわけです。
しかも、最初はちょろちょろしかやっていなかったのに、儲けが出てくると、ポジションが増えるので、最後は悲惨な末路となります。

チャートを見れば、10上がって2下げただけなのに、大損するのはそのせいです。

儲かってきたということは、だんだん危険ゾーンに入っているということなのだから、徐々に減らしていけばいいものを、お調子に乗って増やすものだから、ワンパターンで最後のドカンに満玉で付き合う、ということを何度も何度も繰り返すわけです。
これを無意識にやるから、また次回も繰り返す。
もう10回では効かないぐらい繰り返している猛者の方もおられると思いますね。

前に、ある方と話をしている時、その方が「今年前半のここまでは結構儲かった。」というので、私は、「今年後半ここから何もしなければ今年は逃げ切りですよね。是非、何もしないことをオススメします。」と言いました。
しかし、そこで止めることができるはずもなく・・・
ってことですよ。




また、スイング、デイトレに関わらず、コツコツドカンを繰り返す。

この場合、二通りありますが、①よくわかっていないケース、②やってはいけないとよくわかっていてもやめられないケース、です。

実は、「わかっちゃいるけどやめられない」という人が非常に多い。

これは、過去、やられたのを我慢して復活できた、という「最悪の経験」をしたがために、またそれを期待することから来ているわけですが、これをやっている限りは、いつまで経っても初心者の域を自分は出られていないのだ、という自覚をもたないとダメだと思います。

自分では勝とうと思って、よかれと思ってやっていることに間違いないのだけれど、結果として、やってはいけないこと、ダメな禁断の果実に手を出している、ということです。

しつこいようですが、こういう人は、トレードで最も大切な自己規律の意味を理解できてはいないのでしょう。





トレード結果を分析する場合、エントリーエクジットに目が行くのはわかりますが、反省はそこだけではありません。

そもそも、今これをやるべきだったのか

何で引きずったんだろう

結局、調子に乗っていらんことをした


とか、こういう反省こそがとても重要なのです。

利益を一時的に出すことは、結構誰でもできるんですよ。

トレードは運の要素がかなり多いから、です。

いい全体のトレンドや新興ブームが来れば、それに乗れれば、誰だって利益を出せます。

でも、その一時的にせよ出せた利益を確保できる人はそう多くはありません。

結局、守れないで自滅するんです。


これが現実です。

この自滅ってこと、よくよく理解しないといけませんが、みんなが思っているのは、「やり方が間違ったからだ」とか、やり方に答えを求めるのが普通なので、また将来同じ自滅を繰り返すことになるんです。

しかし、現実は、自滅しただけなんですよね。


どこかで、結果の損益に大きく影響しているのは、具体的やり方よりも、こういうことなのだ、ということに気がついたら、変われるんですが、見ているとなかなかに難しいことですね。


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