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相場で勝つということ・・・1

2013/11/04 Mon

コメントに、「検証」ということを書いていただいています。
私は、「検証」という言葉を聞くと、ピクンと反応してしまいます。
実は、とても苦い思い出があるのですが、それに触れたいと思います。



相場を始めたきっかけというのは人それぞれですが、知人の紹介や本を読んでなど、とにかく何らかのきっかけで相場を始めたのでしょう。

私の場合、もうはるか昔のことで、今思い出しても何故始めたのか、よくわかりません。
親がやっていたので、その影響だったか、とにかく二十歳過ぎのころです。

あのころ、どういう気持ちだったのか、何がきっかけだったのか。

とにかく、ちょっと相場をかじってみた。

何も知識もなくて、経験もない、始めるということは、誰しもはそういうことだと思います。
誰にでも最初はあるのです。

ちょうど昭和のバブル相場に向かっていくところだったので、ちょこちょこ利益になったりしました。

すると、こう考えたのです。

「こんなに知識もなく、経験もないのに、これだけ儲かったのだから、もっと勉強して知識を増やしていけば、どんどん儲かるはずだ。」

少なくとも、私はそう考えました。

親は、相場が本当に下手でした。
単に博打を楽しんでいる、というだけだったので、何の教えを受けるということもありませんでした。
ですから、当時は、もっぱら本をせっせと読んで、懸命に勉強を始めました。

当時は学生でしたが、一生懸命相場の勉強にいそしむ変な学生でした。
経済学部でしたが、学校の勉強などほとんどせずに、どんどん相場の勉強にはまっていきました。

そうこう勉強していくうちに、1982年暮れのころ、いつものように梅田の旭屋書店の相場本コーナーをあさりに行っていたとき、衝撃的本に出会いました。
林輝太郎先生の書いた脱アマ相場必勝法という本です。
読んだ瞬間に、目からうろこという状態になって、それから毎日毎日その本を読む日々が続きました。
そして、もっと古くから出ている林先生の著作を研究所に直接注文し、5万円の中源線の本やバラコピーまで全てを買いました。
全部で10万円以上だったと思います。
今考えても、旺盛な知識欲だった、と思います。
林事務所の研究部会報の会員にもなって、商品相場レポートも購読しました。

翌1983年、伝説の立花本が出版されます。
(リンクのトレーダーズショップでは1987年4月出版となっていますが、これも再販時のものです。私の手元にあるのは1983年の初版本です。)
もうむさぼるように読みました。
今も手元にこの本がありますが、本の真ん中部分が手垢で薄黒くなっています。
もちろん本はボロボロでバラバラになりそうなほどですから、再販されたものをもう一冊持っています。
子供の頃、百科事典の科学のところを背表紙が千切れるぐらい毎日毎日読んでいたので、結局同じパターンが相場に移ったということだったのかもしれません。
知識欲だけはとにかく旺盛でした。

小学生のころ、家に、友人を呼んで実験を繰り返して、二酸化マンガンに希塩酸をかけて、塩素ガスを発生させてしまい、それを吸って病院に担ぎ込まれたという武勇伝もあるぐらいです(笑)

興味があることについては、何でも知らないと気がすまないという性質を持っているのですが、これは今も変わりません(笑)

さて、これだけ勉強したのですが、当初目論みであった「勉強すればするほど儲かるだろう」ということにはなっていませんでした。

相場を始めた当初は、素直に相場に接していたのですが、知識が増えるに従って、迷いが増えてきて、どうしていいのか、わからなくなったのです。

知識が増えたことで、迷いが深まったのです。

普通の勉強だと、知識が増えれば増えるほど、理解度が増して、正解にたどり着くことが多くなります。
また、学習が進めば進むほど、学力がアップし、入試にしても、大学の専門課程においても、上のランクに上がれるのですが、相場の勉強もこれと同じと考えていた私はどんどん迷宮にはまりはじめました。  

相場の勉強の難しいところはここにあるのですが、当時の私が知る由もありませんでした。



さらに混迷度を深める事件が起こります。

それは、当時珍しかったパソコンを使ったテクニカル分析にはまったことです。
前に書いたので詳しいことはここでは書きませんが、とにかくはまってしまいました。
中学のころからパソコンが好きでプログラムとか書いていたこともあって、すっかりはまってしまいました。

林先生の本にも興味を持ったのですが、私は、同時期に出会ったこのテクニカル分析に完全にはまってしまったのです。
手書きチャートを旨とする林流をダサい、夢がない、と感じたのでした。

それよりも、

コンピューターを駆使して、相場を制覇するのが時代の最先端だろうが!!

と完全に思い込んでしまいました。

ということで、私は、せっかく出会った林先生を捨てて、チャート分析に没頭することとなりました。

それ以来、休みの日は、朝起きてから、夜眠るまで、検証、検証、そして、検証、の毎日でした。
平日も深夜まで検証。
自分の持てる時間は全て検証にかけていました。
命がけ、と言えば大げさですが、そんな感じでした。
全ての時間を検証に賭けたのです。
夜間は、時間のかかるプログラムを回して寝る。朝起きたら検証結果が出ている、という状況でした。
(今ではちょっとしたテクニカルの検証など数秒~数分ですが、昔は、簡単な検証でもものすごく時間がかかったのです。)

とにかく、100を超えるチャート分析手法が組み込まれているチャートシステムを使って、あらゆる組み合わせ、あらゆるテクニカル指標を用いて、当たるサインを探し出す、という

検証の鬼

になりました。

同じソフトを使う仲間もできて、そういう人たちも「鬼のように検証」を続けていました。
私など学生の端くれでしたから、仲間といっても私だけ断トツのペーペーでした。
というのは、1985年当時ですから、PCといっても当時50万円ほどしましたし、チャートソフトは一式で150万円とか、そんじょそこらの投資家にはとても手が出るようなものではありませんでした。
私は、学生でしたが、何とか相場で儲けた金をつぎ込んで買ったのですが、他のユーザーさんはレベルが違いました。

仲間には、資金何十億という仕手筋の方もおられましたし、専用のトレーディングルームを持って事務員を何名か雇ってチャートを書いておられる方もおられました。
仕手筋の作戦本部である事務所におじゃまさせてもらった時は、圧倒されました。
いつか自分だってこうなりたい、そう憧れを持ったものです。

また、数台のPCを24時間フル稼働させて、過去データから、勝てるチャートパターンを見つけようとされている仲間もおられました。
その方も、トレード専用ルームを作っておられました。 

年齢はみなさん私よりも10~20は上の方ばかりで、資金量も億を超える方が大勢おられました。
やっとPCとソフトを買った私とはレベルが一桁、二桁ほど違いました。

しかし、思考パターンは同じで、

みんな、テクニカル分析一辺倒でした。

みんな、勝てるパターンを見つけよう、型を探そう、手法を見つけ出そう、と必死でした。

私はダントツの若手で、ペーペーだったこともあって、そういう人たちにかわいがられて、とても楽しく頑張ることができました。

月に一回ほどある交流会で、お互いに成果を発表しあうのが何よりも楽しみでした。

そんな日々が数年続いたのですが、それほど寝食を惜しんで頑張っているにも関わらず、成果はイマイチだったのです。
 
バブル期に向かう昭和の相場ですから、数か月下がったところを買って持ってさえいれば、儲かる相場だったのに、今から考えれば、何をやってたのだ、と歯がゆくなるぐらいです。

相場は3か月下がれば必ずその後に新高値を付ける、ということを繰り返していました。
高度経済成長を続けていた日本ですから、ファンダメンタル的背景が違い過ぎたのです。
今考えれば当たり前のことですが、当時はまるでわかっていませんでした。
こういう当然理解しておかねばならないファンダメンタル的背景をなんら理解しようともせず、ただチャートしか見ようとはしていなかったのです。

FAIの人たちが次々に億を作っていた時代背景でした。


検証上では、上手く機能するはずのものが、何故か実践においてはまるで機能しない、ということが延々と繰り返されたのですが、当時、そういうことを理解できるような知識もなく、何故そうなるのか、ということがまるでわからないままに、

努力が足りないのだ、もっともっと努力すれば、勝てる方法が見つかるはずだ

とさらに朝から晩まで検証する、という日々が続いていました。

また、あれほど努力を続けているPC仲間の皆さんも実は、私と50歩100歩だったのです。
一時的に儲かることはあっても、継続して利益を出す、ということがなかなかできずに四苦八苦されていました。

しかし、みんな何故なのか、わからずにもがいていたのです。



妙な若者でしたね。今考えれば。
当時バルブ景気真っ最中ですから、ディスコだ、酒だ、と世の中浮かれていた時です。
周りの同世代の若者が、車だ、女だ、と遊んでいる時に、せっせと検証ばかりしていたのですから(笑)
職場の同僚は、仕事が終わったら、毎日スナックだ、ラウンジだと酒と女三昧です。
その中で、一人、仕事が終わったら、一目散に家に帰って、検証なんです(笑)

しかも、付き合っているのは、10も20も上のおっさんばかり(笑)

今から思えば、もう30年近くも昔昔の話。
しかし、こんな昔から、こんなことをしていた集団があった、ということも驚き桃の木、でしょう。
年をとると、昔話が好きになる。
もう少しお付き合いください。次回。


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相場で勝つということ・・・2

2013/11/17 Sun

前回の続きです。

検証の鬼になっていた、ということでしたが、私や私の仲間がどういう目標を持って検証をしていたのかというと次のようなものでした。

週足をベースにして、できるだけ安くていいポイントで買って、その後に10%以上上がる確率を高めたい

いわゆる、週足ベースの逆張り、です。
当時は、手数料も高く、短期売買は不可能でしたから、日足ベースですらしんどかったのです。
2~5%程度の利益では往復で2%強かかる手数料に食われてしまってほとんど利益にはなりません。

ここでやっていた検証というのは、数多くのオシレーターを色んなパターンで組み合わせて、必勝法を探す、というものでした。
こうやって過去検証を繰り返すと、何と勝率98%以上なるモンスター手法が次々に誕生するのです。
こういうものが見つかった時は、もう天下を取った、と感じ、大きな満足感を味わったものです。

もう98%の確率で、買った後に10%以上上がるのですから、間違いなく儲かるはずではありませんか。


さて、ここまで書くと、少なくともシステムをちょっとでもかじったことのある人なら、「あぁ、あの話か」となると思います。

今の時代であれば、もうシステムをかじった人なら常識であることでも、今から30年近くも前となると、誰もそのことについては知識がありませんでした。



あの話とは、何の話なのか、ということですが、我々は、懸命に検証を続ける中で致命的間違いを放置したまま作業を続けていたのです。

まず、この検証を開始するにあたって、最も論拠としていたことが、テクニカル分析の3大原則の1つである「歴史は繰り返す」でした。
しかし、この「歴史は繰り返す」が結構な曲者なのです。

歴史は繰り返す、ということは、どこまでの範囲なのか。

歴史は、100%、寸分たがわずに繰り返されるのか。

ここを深く考えずに、検証をやると、酷い目にあうことになります。

あまり引っ張ってもしかたがありませんから、何が間違っていたのか、というと、

過剰最適化、別名「カーブフィッティング」

ということです。

歴史は繰り返す、というのは、テクニカル分析が機能する論拠であり、これを前提にしなければ、テクニカル分析など何の意味もありません。

しかし、歴史は確かに繰り返すのですが、それは100%繰り返す、ということを意味しているものではありません。

しかし、当時、我々は、「歴史は100%繰り返す」ということを「無意識の前提」に置いていました。
この「無意識である」ということは、多くの場合、大問題を引き起こす原因となるので、相場に限らず非常に注意が必要です。
わかっていてやっているなら修正も効くのですが、無意識であるが故に、修正が効かないのです。
前提が間違っている恐ろしさというのは、その前提によってやっていること全てが無駄になる、ということです。

その「無意識の前提」のために、厳密に過去の値動きに「完全フィット」させるようにオシレーターを使って売買を絞り込んだのです。

どのように作業したか、というと、逆張りですから、過去の突っ込んだところを探して、そこでサインが出るように、たとえばRSIなら30%以下とか、かい離率なら―15%以下とか、設定していきます。
すると、勝率70%とかになります。
勝率を上げるために、さらに別のRCIとかを組み合わせて絞り込んでいくのです。

そして、最終兵器を使います。
それは、勝率を上げるためにかい離率などを操作して、

-15%以下 & -18%以上

という究極のポイントを仕留めに行ったことです。
これは、はっきり言って「禁じ手」でした。
これを使うと、過去検証上では勝率は飛躍的に上がりますが、再現性をスポイルする最悪の禁じ手でした。
ロジックを考えれば簡単に「禁じ手」であることがわかるのですが、当時はそのロジックすら持っていませんでした。
何故それで絞るのか、という意味もわからず使っていたのです。
ただ「指標ありき」だったのです。

こうして完成した「勝率98%のシステム」なるものは、過去検証においては驚異的な必勝法でしたが、いざ実践となると、全くと言って機能しないものとなりました。

過去データに完全フィットさせているので、寸分たがわずに過去が再現しなければ、サインが出ないシステムだったのです。

先ほどの「-15%以下 & -18%以上」という絞り込みが何故「禁じ手」なのか、というと、過去の1点だけにフィットさせていることがこれほどあからさまなやり方は他にない、ということだからです。
かい離率がどこで止まるかは、概ねということはあっても、ピンポイントで仕留めることなど相場のロジックから考えてあり得ません。
相場が下落して止まるところというのは、その時々で違うのが当然です。
概ねということはあっても、ピンポイントで15%下げたら止まる、などあり得ないのは理屈上当然でしょう。

相場で、全く同じことが再現する、ということはありません。毎回毎回が最初で最後なんです。

このことから、絞り込みには、常に「何故それで絞り込むか」がという理屈が必用なのです。

この勝率98%マジックには、もう1つ欠点がありました。
検証すると、1000銘柄に出て、980銘柄で利益になった、ということで、一見すると「これだけ多くの銘柄で出ているのだから、確かだろう」と思ってしまいます。
実際に、そう思っていました。

しかし、よくよくチェックすると、1000銘柄に出ているサインの日が

全部同じ日

なんです。

つまり、相場全体がそういう動きをしている、相場全体が急落した日に大量サインが出た、ってことに過ぎなかったのです。
結局、全体が突っ込んだところを後知恵で「あそこで買っていれば」にサインを出した、ということに過ぎませんでした。

そして、そもそも「資金管理」がまるでロジックに入っていません。
ですから、1年間で、1回だけ1000銘柄にサインが出る、という結果だったので、実際仮にサインが出たとしても、同時に買えるのは自分の資金の範囲だけ、その他の日は1年中やることなし、という結果になってしまいます。
しかも、そんな急落時にいきなり全軍投入など実際にはリスク管理上できないものです。
従って検証結果というのは、机上の空論でした。


この種の逆張りシステムというのは、最も思いつきやすく、また、勝率を上げやすいので、今でも日足ベースで、移動平均かい離率を使って作るものとして、初心者でもとっつきやすいものであることから、システム初心者から上級者まで、けっこう幅広く使われているものだと思います。
株のシステムトレードの基本中の基本ロジックと言えるでしょう。

ここで最も注意しないといけないのは、再現性&資金管理、です。

特に再現性については、昔我々がやったように極端でなくても、よほど注意していても、陥る罠です。
とにかく、過去検証でいい結果が出ても、まずは再現性を疑う必要があります。

再現性は、システム検証にとって「悪魔の落とし穴」ですから、必ず検証したデータ以外での「処女テスト」をやることが絶対条件です。
フォワードテストをやるために、直近の1年を残して過去5年間で検証し、それで優秀だったシステムを検証期間に入っていない直近1年間で再度テストするなど、徹底して再現性を求めてください。
検証期間は、長ければよい、というものでもありませんが、日足ならやはり5年は欲しいところでしょう。

繰り返し弁護になりますが、今だからこういうことがわかるのであって、30年前のことなのでどうか「バカにしないで」やってください(笑)



もう一点、この系統のロジックで注意しなくてはいけないのが「ブラックスワン・リスク」です。
詳しい説明は省きますが、リーマンショックで大量退場を生んだのもこの種の逆張りロジックだった、ので、ブラックスワンにはご注意ください。
どこかで「絶対的リミット」を発動しないと大変なことになります。
5年間安定して稼ぎ続けていたシステムトレーダーが1ヶ月で退場した、ということがリーマンショック時には、多発しました。
無念のブログ閉鎖が大量発生したのを私は目の当りにしています。
統計上1000年に1度、1万年に一度の確率で起こる、ということが、相場では10年に一度という頻度で頻繁に起こっています。
過去、LTCMが破たんしたのもこれが原因ですし、リーマンショックもそうでした。
統計を信じすぎてはいけません。
過去統計に表れないブラックスワンに注意が必要なのです。


ここでは、システムの話をするためのものではないので、過去の過ちの具体的懺悔は、このぐらいで許してもらいましょう(笑)
株システムには、このようにFXにはないちょとしたポイントがいくつかありますが、これはまたの機会ということで。

システムの話に脱線してしまいました。
システムの話はまた別のところでやることにします。




話を本筋に戻します。

株ブログを読んでいるほぼ全部の読者が考えていることは、

何でもいいから、とにかく勝てるようになりたい

どうしたら勝てるようになれるか、それが知りたいのだ

という切実な思いを持っている人たちが大半でしょう。

こうした切実な思いのなかで、知らず知らずの「暗黙の前提」となっているのが、

どうしたら勝てるようになるのか = 勝てる方法を知ることがその答えだ

という方程式でしょう。

特に意識することなく、ほとんどの人はそう考えていることだと思います。

私もそうでしたし、実は、今でもそう思っています。



ここをそうじゃない、とこれまで書いてきたこともあって、

また手法じゃない、ってことなんだろ!!

と心のなかで思われたなら、私のブログの読者の中でも中級者以上でしょう(笑)


しかし、そういう読者の期待を裏切ることに快感を覚えている私としては、今回真逆のお話をしようと思っています。

相場手法で勝つことは可能である

ごちゃごちゃ言わないでも、勝てるやり方がわかれば勝てるようになる

というお話です。

もっと言えば、

圧倒的優位性を持った手法(システム、ロジック、やり方)さえわかれば、多少甘い資金管理であっても、多少マインドが弱くても、相場で勝つことは可能だ

という衝撃的な話です。

また、そういう人たちも実際に大勢います。

ということですが、長くなりますので、これはまた次回ということで。


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相場で勝つということ・・・3

2013/11/26 Tue

何でもいいから、とにかく勝てるようになりたい

これが多くの投資家の求めていることで、そのために、勝てる方法を知りたい、ということが目標になる、と書きました。

そして、

圧倒的優位性を持った手法(システム、ロジック、やり方)さえわかれば、多少甘い資金管理であっても、多少マインドが弱くても、相場で勝つことは可能だ

という話をする、ということで前回終わっています。

では、早速その話です。



ルネサンス・テクノロジーズというヘッジファンドは、ソロスファンドなどと比べると知る人ぞ知るというヘッジ・ファンドですので、知っている人は少ないと思います。
1988年にスタートしたファンドは、その後10年間で2487%の収益率をただきだし、その後もその勢いは止まっていません。
LTCMショック、リーマンショック、をプラスで乗り切りました。
驚くべきことに、リーマンショック時の2008年には80%という驚異的リターンをあげています。

この通算成績は、有名なソロスファンドやタイガーファンドを大きく上わまわる成績です。

ルネサンスを率いるのは、ジェームズ・シモンズ。
彼は、物理学者です。
ルネサンスの従業員は、200名ほど。
その3分の1が物理学や数学の博士号を持っています。
金融の専門家ではない、というところがポイントです。

現在、シモンズの個人資産だけで1兆円に膨れ上がっていますので、名実共に世界のトップパフォーマーです。

では、何をやってこれだけのパフォーマンスを上げているのか、というと、「数学、物理学を駆使したシステム、手法を完成し、それをシステマチックに運用している」ということがわかっています。

いわゆる、儲かるやり方、手法を見つけ出し、それをシステムとして機械的に運用しているのがルネサンスだ、ということです。

要するに、

圧倒的優位性を持った手法で勝っているファンドである

ということになります。

初心者が考えている理想の姿がこのルネサンスなのでしょう。

ほら見ろ、やっぱりやり方さえわかれば勝てるんだ

ということになりまね。

では、どんなやり方で勝っているのか、となりますが、これは、世界中のあらゆるヘッジファンドや投資銀行などが真似しようと狙っていますが、その具体的手法は謎のままです。
当然の事とは言え、その手法は厳密に極秘事項とされています。

はっきりとわかっていることは、

①短期売買である
②裁量ではなくシステム売買である
③LTCMショックやリーマンショックを乗り越えていることから、裁定取引やサブプライムといった派生商品を駆使しているわけではない

ということだけです。

一説には、「HFTアルゴリズム」の先駆けという話もありますが、それも定かではありません。


さて、前回お話したように、ルネサンスは「圧倒的優位性を持った手法を駆使して勝ち続けている」代表的な事例です。

勝てるやり方さえわかれば勝てる、という代表格であり、それを駆使して、シモンズは、1兆円という個人資産を築きました。


そんなとんでもないファンドの話など、自分たちとは関係ない


と言われるかもしれません。

しかし、このファンドの事例からわかることは、

勝てるやり方さえわかれば相場で勝てるようになる

(もちろんリスク管理とかあるにせよ)

ということを証明しているのです。

これは、間違いのない事実です。

ですから、初心者の方が、「勝てるやり方を探そう、見つけ出そう」としている試みはあながち間違いではありません。

探せば、どこかに間違いなく「勝てるやり方」はこの世に現存しているのですから!!

少なくとも、ルネサンスと同じロジックがわかれば、勝てるのかもしれません。


この他にも、個人トレーダーレベルでも、独自のロジックによって、圧倒的パフォーマンスを出しているシステムトレーダーがいることは事実として私も知っています。
この人たちも、強力な優位性を持った手法を駆使して勝ち続けている人たちです。
規模はルネサンスに遠く及ばないでも、毎年堅実に利益を出しつつけているシステムトレーダーは大勢事実として存在します。




さて、ここからがちょっと問題になる部分ですが、じゃあ、俺も、私も、となる前にちょっとだけ注意点が必要なことがあります。

ちょっと話をわかりやすくするために、野球の話をします。

野球のピッチャーとして成功するためには、どのような努力をすればいいのでしょう。

2つ方法論があります。

①ストレート、カーブ、シュートなど従来からある投球術を地道な練習からマスターする

②魔球を開発する

通常野球少年が野球を始める時には、ほぼすべての少年が①の道筋を辿ります。
②を目指す少年もいるかもしれませんが、それは「巨人の星」の世界であって、簡単なことではないでしょう。

では、「魔球」というのは、絶対に不可能なことなのか。
と言えば、そうではなく、昔はカーブ、シュートしかなかった変化球に、フォークボールを誰かが開発し、そして、ナックルボールなど「魔球」でのし上がった大リーガーがいたわけです。

魔球開発は不可能ではない、ということです。

しかし、その場合、注意が必要なのは、

魔球を開発したのは、大リーガーなど、経験と実績、熟練があったからこそであった、ということ

魔球開発を知識も経験も技量もない初心者が考えても、100%に近く無駄な努力に終わる

ということでしょう。

圧倒的知識と経験、能力がある大リーガーが苦労に苦労を重ねて、開発できるかもしれないのが、魔球というものです。

じゃあ、自分で開発できないから、といって、「魔球の投げ方、使い方」が数万円で手ほどきしてもらえる、というほど世の中甘くはありません。
ネット上を探せば「この魔球をマスターすればあなたも大リーガーになれる方法が3万円で売っている」という可能性は皆無です。

そもそも「みんなが投げたらもうそれは魔球」ではありません。
ただの新種の変化球です。
オンリーワンの使い手であるが故に、魔球として意味があるのです。
もし、それが仮に本当に魔球であったとしても、ネット上で3万円で売られた時点で、魔球の効力は消え失せてしまうのです。



さて、トレードの世界に戻って考えてみた時、我々は、不思議な光景を目にすることになります。

初心者のほとんどが、魔球を手に入れようと努力している

という光景です。

そして、

1000円の本に「魔球の手ほどき」が書いている、と思っている

その本を読めば、練習しなくても、魔球の効力ですぐにでも勝てるようになる、と思っている。

確かに魔球は存在するし、それを使ってぼろ儲けしている人も確かに存在する。

しかし、しかし、しかし・・・それは初心者がちょっと考えたぐらいでわかるものだろうか。

あんたは、ジェームズ・シモンズばりの能力、組織、経験、知識があるんか?

部下に物理学の博士号を持った者が50名いるのか?

ジェームズ・シモンズさんがとてもやさしい人で、自分のやっていることを商材としてみんなに3万円で提供を始めた、なんてことはエイプリルフールの冗談か何かでしかありません。
また、もし3万円で提供されだしたのなら、その瞬間にそれは3万円の価値もないものに消え失せるでしょう。



私自身、昔、勝てるやり方探しを懸命にやりました。
しかし、その方法論たるや、誰でもが知っているような指数をちょこちょこいじくって、ここで買ってここで売って、というようなお粗末なものでした。
ボリンジャーを工夫して、ここで買ってここで売って、とか、そんなもので儲かるぐらいだったら、世の中に負ける人などいません。

(何故か情報商材の多くが判で押したようにボリンジャーが大好きなのは、一見すると儲かるように加工されているからでしょう。)

ジェームズ・シモンズのような力量がなかったが故に、普通の人が普通に考える程度の範囲にとどまっていた、ということでした。

勝てるやり方探し、というアプローチ、すなわち「魔球探し」という方法。

果たして、それは近道になるのでしょうか。

私は、残念ながら特別な才能はありませんでした。
必死で探した「魔球」でしたが、見つけることはできませんでした。

そこで「仕方がなく」私は、結局、従来からある、ストレートやカーブ、シュートを繰り返し練習する、という当たり前の方法で、やっと前に進むことができたのです。

魔球を探す暇あったら、たまには練習しろよな、その方が結局早いって

という理屈もあるのだよ、って話でした。

私が後悔しているのは、魔球探しに懸命に努力し、心血を注いで、時間を使ったのですが、同じその時間を、地味な練習売買に費やしていたら、結局、もっと早く、結果的に楽に、儲けられるようになったのではないか。

という思いが今でもすごくしているのです。

何年も何年も魔球探しに費やしたわけですが、そのほとんどが無駄な回り道でした。

ですから、まずは、地味であっても、従来からある相場の見方などをマスターし、実践経験を積んだほうが近道であった、ということも十分にあり得るのだ、と魔球探しをしている人にはお伝えしたいと思っています。




私が目が覚めたのは、野川ブートキャンプに入ってからでした。

そこで、行われたことは、

従来からある古びたやり方を繰り返し繰り返し練習させられたことです。

やってもやっても儲からない。

それでも、繰り返し繰り返し練習をする。

その繰り返しの中から、次第にわかってきたことは、

相場で取るというのは実はこういうことだったのか。

ということだった、というのは前にも書いたとおりです。

魔球を見つけることが相場で取ることではなかったのか、と理解した瞬間でした。


これは、とっても面白いことがあります。

やってみないとわからない

のです。

職人のおやっさんが、何故最初に単純作業を新人にさせるのか、というのと同じです。

まずは、実際に売買して、体で値動きを覚えないと、何も始まらないのですね。

頭のいい人は、理屈で考えて、すぐに小理屈で「そんなの意味ねえよ」って話にしてしまいますが、自分でやってみて、初めて「そういうことだったのか」ということが世にはいっぱい存在するのです。

ここで読んで「ふーん」と頭でわかったつもりでも、全然それはわかってはいません。

これは、ハワイを紹介しているテレビ番組を見て、ハワイをわかったつもりになっている人と同じです。



そして、そうやって時間をかけて、経験を積んでから、目利きができてから、魔球を探す、ということを考えても遅くない、のではないか、そう思うのです。

勝てる手法を見つける、ということは、投資家の究極の目標かもしれません。
この道何十年という強者がみんなこぞって探し回ってもなかなか見つからないものです。
それを、右も左もわからない初心者が最初からいきなり見つけられるものだろうか、という話でした。

私の経験から申し上げて、絶対に無理でしょう。

砂浜で、ダイヤの原石を見つけるようなものです。

ダイヤの原石は確かに存在する。
しかし、砂浜の中に埋もれている。
しかも、目利きすらない。


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私にとっての相場の要諦

2014/04/13 Sun

コメントの御返事遅くなって申し訳ございません。
最初に読んだ時に反射的に返事を書いてしまえばいいのですが、ちょっと考えてみようとか思うと、筆が遠のいてしまって、今回のようなことになってしまいます。

ただ、今回、こうやってまとめてお返事を書かせていただいてわかったことがあります。
とても重要なことに気がつきましたので、それを記事にしてメモっておこうと思います。


いただいたコメントを回答していて、かなり複数の方への回答が似たようなものになったことに気がつきました。

ということは、同じようなことで悩んでおられる、もしくは、気にされている、ということだ、ということになります。

その気になる部分の根っこに「ポジポジ病」にある、ということは、ある程度記事を書いた時にも意識していたのですが、これほどコメントに繰り返されているということは、大勢の悩みでもあるのだ、ということがわかりました。


まず、ポジポジ病をどうするか、という問題ですが、これに対して、「相場は待って取るものである」とか、「いつも売買してはダメだ」「勝つためには売買を絞らないと」という方法論がほとんどの回答になるのだろう、と思います。

しかし、この回答では、風邪をひいたら風邪薬を処方するのと同じで、対症療法に過ぎない、ということだと私は思っています。
どういうことか、というと、風邪薬、というのは、風邪を根本から治療するものではなく、風邪の諸症状を抑えるだけに過ぎません。
そうではなく、もっと根本である、体の免疫を向上させる、とか、冬には、風邪を引かないように暖かくしておく、だとかもっと根本的な話が必要だと思うのです。
つまりは、相場というものへの考え方の違いが根っこにある、ということです。




そういう意味で、ポジポジ病についての話は、より根本的な相場の理解の違いという話から進めないといけない、という思いをコメントの御返事を書いていて思いました。

まず、ポジポジ病の人は、私の相場の根本的理解とは、かなりほど遠いところにおられます。

では、その相場の根本的理解の違いとは、どういうことか、というと、

私は、

相場の値動きの大半はわからない

という理解をしています。

というより、ほとんど全てに近くわからない

ということです。


これはどういうことか、というと、相場はそもそもチャートなどにかかわらず上げたければ上がるし、下げたければ下げます。
イエレンさんがちょっと発言すれば動きますし、ドラギ総裁のコメント、黒田バズーカ発射、など、マクロ要因に加えて、個別企業の発表、事件、などあらゆる要因によって、相場は動いています。

そういう相場の値動きは、予知能力でも無い限り、わからない、のです。

そのわからないことを、多くの人は、わかろう、とするから、しんどい、そう思います。

わからないものは、わからない、それが私の認識の基本中の基本です。

では、わからないのなら、取ることもできないじゃないか、ということになりますが、

そのとおりです(笑)

全くわからないのなら、当たるも八卦、当たらぬも八卦なので、取ることはできません。



ちょっと話を脱線させて、じゃあ、ある人は、そのわからないを基本にして、エントリーなど気にせずに、エクジットのみに注目して、損小利大を心がけたらいいじゃないか、という人もいます。

もしくは、一点で捉えるのが難しいのなら、分割して対応すべきだ、それが当て屋じゃないという意味なのだ、という人もいます。

それに対しての私の考えですが、「本当にエントリーはサイコロでいいのか」「分割さえすれば新興株でもやっていけるのか」という疑問があるわけです。

そもそも、エクジットのみ、とか、分割のみ、と言っている人こそが、そういう「やり方」にこだわっているのではないのか、とも思います。

そういう「それだけ」と言っている人でも、暗黙知、つまり、理屈では言っていないが、ある特定の環境、を探しているか、そこへ住み込みしている、か、どちらかじゃあないのか、つまり、環境認識とセットではないか、と思うのです。



さて、本題に戻ります。

私の場合、その「値動きの大半はわからない」、ということをスタートとして、マーケットの観察を続けていると、時々、瞬間的にせよ、「あっ、ここはチャンスかも」という隙間を捉えることがあります。

この「隙間」と言う表現は、言い換えれば「価格裁定のチャンス」とも言えます。

そして、この「価格裁定のチャンス」というのが、エッジの正体ということになります。

これは、

今は正しくない価格で売買されているが、いずれ正しい価格に修正される

という値動きを捉える、ということです。

基本は、

他の人の多くは気がついていないが、自分だけは隙間が開いているということが見えた

という2つの条件によって成立します。

その裁定するチャンスがマーケットには時々訪れるのです。

そもそも、相場で買いポジションを取るという行為はどういうことか、というと、

いずれ上がるだろうものを今買っておくこと、そして高くなったら儲けて転売したい

という行為になります。

消費税が5%から8%に引き上げられるのなら、5%のうちに買っておけばよい

という考え方は、3%のエッジの裏付けがあるものです。

このようにはっきりわかっていることだけなら楽ですが、相場の場合、実に見えにくいのですが、例えば、トレンドを味方につける、といった場合、トレンドが出れば続く、という過去の相場の習性を踏まえて、トレンドにくっついて行く、というエッジを使おうという行為となります。

また、行き過ぎたものは戻る、というオーバーシュートを使ったものも、過去の性質のエッジを利用しよう、というものです。

この銘柄は常にレンジを作っている、という銘柄のレンジをエッジとする人もいるでしょう。
特定のグループに属する銘柄がどういう値動きの性質があるのか、そういう銘柄に住み込みすることで見えることもあるのです。


ちなみに、林先生が、小豆のナンピンを得意とされていたのは、小豆の構造上の上限と下限が決まっていたから、という理由があります。
価格の上限である16000円近辺まで上がると「中国産の輸入拡大」となり、価格下限の6000円近辺まで来ると「中国産輸入規制&ホクレン買い支え」が入る、という構造上&実際の過去値動き、のボックス圏にあった、という環境認識が暗黙の了解としてあって、それを「前提」に、ナンピンをする、というのが本当の答えだということです。
同じことを粗糖でやらないのは、下限も上限も全然検討がつかないからで、構造上の仕組みを熟知していれば、当然のことです。
そして、鞘を得意とされておられたのは、先限が常に大衆買いで高いという構造上の問題と、当限に回って、現物売りを常に仕掛けてくるホクレンや商社筋など、機関を味方につける、という当然の構造問題への理解があったからなのです。
買い方である大衆は、現引きすることはできませんから、売り方である商社が渡すと脅せば相場は当限に向かって下げ続けます。
 当限を支配しているのが実弾を持っている売り方の商社なのですから、そちらに付くのは当然なのです。
価格が上がれば、農林水産省に、中国からの輸入拡大を働きかければいいだけですから、儲けたのための仕組みができていたわけです。
こういった「規制あるところにエッジあり」という原理原則は今の株式市場でも・・・
ここから、鞘滑り取り、などの技術も出てきたわけですが、これらも全ては構造上の問題を熟知すればこそ、であって、「やり方ありき」では決してありません。
そして、こういう構造が無くなった今では、これらの「手法、具体的やり方」は全て白紙なんです。
これは当然です。
私の持っている「林研究所バラコピー」であるサヤ取り、滑り取り、などは、全てお蔵入りです(笑)


本来、あるべき価格ではないと自分が見えるところに今の価格があれば、そこが裁定するチャンスとなります。
トレンドが続いて今後も上げが続くという前提なら、今の価格は安いわけです。

とにかく、こういう何らかの環境による構造上のエッジをベースにトレードすることは、私にとっては「楽」なんです。

繰り返しますが、上手な損切りと、利食いをしっかりすること、で勝てる体質にはなれますが、それでも、大きく動いてくれる対象を選ばないと大きく利食いできない、そもそも、その銘柄はどこかで大きく動くのか、トレンドが出るのか、とか、流動性が低く損切りが難しくない、など、環境を選ばないといけない、と私は思うのです。



さて、「基本、相場の大半の期間はわからない」と書いた一方で、エッジ、隙間、裁定チャンス、と書きました。

では、そういう相場の理解を前提とすると、どういうトレードをやるのか、ということになります。

基本相場の大半の期間はわからない、のですから、ほとんどポジションを持っているということはありません。

これを基本としながら、じっとひたすらに、隙間を待つ、ということがトレードになります。

そして、待っていたものが来れば、一気に攻撃する。

この繰り返しが、私のとっての相場なんです。

これが、多くの人が持っている概念と違うので、常に相場で売買をしていないといけない、落ち着かない、というものとは正反対のものとなります。

つまりは、ポジポジ病とは、対局にあるトレード、ということになります。
というより、私の理解している相場の姿から見れば、ポジポジ病など、そもそも、存在すらしない、ということになります。

私から見れば、ポジポジ病の人は、単に相場で遊んでいるだけか、もしくは、自分が相場の全てを理解しているという誇大妄想癖がある、ということかもしれませんが、多くの人がここで大問題を抱えているようです。
 
その大問題とは、

「そもそもエッジが何かわからない。エッジが見えないから、メリハリをつけろと言われても、いつどのようにつけていいのかわからないのだ。」

というものです。

じゃあ、逆に聞きますが、

「エッジが全然見えない、自信がないというのなら、そもそも90%以上の人が負ける相場で何故勝てると思うのか。」

ということになりませんか。

もちろん、数撃ちゃあたる、ということでやっている人もいるでしょうが、それでも、何らかのエッジをベースに攻撃しないと、ただ闇雲に引き金を引いて何になる、と思うのです。

自信がない、相場が見えない、どうしていいのかわからない、のなら、何故そんなに売買をそもそも繰り返すのか、ということにならないでしょうか。

そういう自信がない、見えない、という人でも、何となく売買している、という局面もあれば、待って待って、ここだ、という局面はないでしょうか。
その両局面が同じウエートになっていないでしょうか。
トレンドの乗るというのなら、本当にトレンドに自信があってやっている売買だと言えるところだけで売買していますか。

私が見ていると、とにかく下手な人は、とにかく、いらんことしい、だ、ということが見て取れます。
何でそんなことするかなあ、何を根拠に売買しているのか、さっぱり理解できない、ということを平気で繰り返している一方で、「勝てない、勝てない」と言うのです。

いらんことしい、をやめろ!!

といっても、制御できない、我慢できない、ようです。

これは、たばこをやめようとして、やめられないのと同じかもしれません。



私がトレードを実際にやっていて、

「今これをやっていて、これは意味のあることなんだろうか」

「これを続けていて、将来に向けて意味のある行為なんだろうか」


ということをいつも気にかけています。

というのは、たまたま当たったから勝ったとか、これを将来再現できない、となったら、それは勝っても負けても、大した意味を持たないトレードだ、ということになってしまいます。

たまたま勝った、とか、負けた、ということに一喜一憂したところで、それを繰り返しても、刹那的な話なだけで、継続して勝てるトレーダーにはなれません。

なので、勝ったトレードでも、「これはやるべきではなかった」というものがありますし、負けたトレードでも、「今回はたまたま負けたけれど、これはいいトレードだった」と思えることも多いのです。


とにかく、基本、見えない相場で、隙があるまで待つことは、私にとっては、当たり前のことなんです。




ちょっとあれもこれもと付属をつけたのでポイントが絞れていないように見えますが、私のポジポジ病に対する見解、そして、そもそも相場に対する考え方がわかってもらえれば、と思い記事を書きました。



とにかく、下手な人の売買を見ると、何のメリハリも無い、常にベタベタベタベタ売買しているということが非常に目につきます。

私自身のの売買のイメージは、というか、心がけているものは次の動画の状態です。

千歳基地スクランブル

常に待機、だからこそ10秒後には発進、いつ見ても素晴らしい動画です。

敵機の機影も無いのに、いつも飛んでいたら、燃料切れになった時に、敵機が現れるものです。

そもそも、トレンドを取りたいのなら、トレンドが出たときにどれだけ儲けられたか、が勝負であって、保合いでもコツコツ稼ぐ、っていう話には絶対なりません。
保合いでは、損しないこと、つまりは、保合いではできるかぎりやらないことが目標になるわけです。

要するに、トレンドを狙うのであれば、

①結果としてトレンドが出た時にどれだけ稼げたか

②結果としてトレンドが出なかった時にどれだけやらずに済んだか

この差し引きが利益として残る、ということになるだけなんです。

このメリハリを基本として私は相場をやりますから、ベタベタベタベタやっている人を見ると、ほんとに下手だなあ、と感じます。
そうやって勝てればいいですが、そういう人は結局トータルで負ける人が大半です。
トレンドを取ろうとして何故保合いに手を出すのか、というと、「いいところで買いたいから」というのが大半ですが、そんないいところで簡単には買わせてくれませんよ。

特に②については、やらないことが「目標になる」ということです。
この意味は非常に重要です。
吐き出さなければ相場で勝てるからです。


110km/h Cheetah attack gazelle

群れを適当に追いかけてもガゼルが捕まえられるわけではありません。
狙いを絞って、ここだというタイミングで一気に勝負に出る、そういう勝負どころを自分で持てているのかどうか、ということだと思うのです。
下手な人は、とにかく延々と走り回っている狩りの下手なチーターのようです。
適当に走っていればそのうちガゼルが来てくれるとでも思っているのかもしれませんが、走り疲れてバテたところで、チャンスが回ってくる、ということの繰り返しになってしまうだけです。
自分が諦めてやめた途端に、いい動きが出て、地団駄を踏んだ、という経験は多くの人が持っていることでしょう。



相場は所詮は「勝負事」なんですよ。
勝負弱ければ決して相場では勝てません。
この「勝負の要諦」をわかっていないで相場を張る人が非常に多いと私は感じます。
やり方であるとか、手法にばかりこだわる人がほとんどで、勝負の要諦を気にする人は少ないですが、ここが実はコツなんです。

下手な人は、メリハリがなく、とにかくベタベタベタベタと平面的に相場を張ります。

それでは、勝てません。

そもそも、相場の利益は、どれほど我慢出来たか、の我慢比べ大会の結果なんです。

やりたいのを我慢し、勝負どころで勝負する恐怖を克服し、利食いを引っ張る我慢をし、損切り続きを耐える、要するに、どれだけ我慢できたか、という我慢の量が利益の量なんです。

そういう我慢もできずに、心のままに(要するに大衆化して)やりたいようにやっていては、ほとんどの人が負ける相場で勝てる道理がありません。

デイトレは比較的安定していますが、それでも、月に数回の勝負どころがあって、そこを制したかどうかが、分かれ目となる、という人が勝っている人の中でも多いんじゃないでしょうか。
これが、スイングなら、もっと頻度が低くて、年に数回、さらには数年に一回の大相場を仕留める、など勝負どころを如何に制するか、そして、きちんと引き際を綺麗にできたか、がトータルにどれほど影響するか、を理解することです。
こういうことは、何年も相場を張ってはじめてわかることで、これこそが勝負の要諦なんです。

相場が勝負事である、ということ、勝負の要諦を理解すること、ここが勝者と敗者を分けるポイントだと私は思うのです。


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相場で勝つコツ その1

2015/01/07 Wed

コメントを書いていただいていたみなさん

レスが遅くなってすみません。
気まぐれなもので、ブログから離れると、離れっぱなしになってしまいます。
読んですぐに書こうと思いつつ、実に素晴らしいコメントが続くものですから、私も覚悟を持ってコメントを書こうと思っていると、ついつい遅くなりました。
申し訳ない。
越年してしまいました。
まあ、そういうブログだと思って、コメント書いていただければ助かります。


今回、とても素晴らしいコメントが多数寄せられていますので、記事へ転載して、私のコメントを書いておきたいと思います。


まず、タカユキさんからのお便りです。

グレー同盟認定どうもありがとうございます。(笑)

私は最近ちょっと出世しまして、中小企業の創業者の二代目社長と話す機会が増えたのですが、それで最近よく考えることがあるのですが、普通に平凡に生きていると、自分自身でものを考えて決断して選択する、と、いう事に、人はあまり慣れていないのではなかろうか?と思うのです。

自分で決断し、リスクも受け入れたうえで、自分で仕切ってコントロールしていく、と、いう感覚でしょうかね。

他人様が用意してくれたものを受け入れることに慣れきってしまって、疑問を感じることすらなく、ひたすら受け身、が染みついてしまっている、という。

取り敢えず勉強して、取り敢えず大学入って、取り敢えず就職して、取り敢えず仕事頑張って、、、主体的にやっていることならいいのですが、大体数は取り敢えず、という感じでしょうから、よくよくものを考えて自分で切り開いていく、という習慣がついていないのではないかと。。。

社長と話をしたりして思うのは、ものを決断するにあたって、経験が足りないので、妥当であろうと思える自信が持てない、ということと、何かアクションを起こした際のリスクをとても怖がっている、このリスクというのが、金銭面ではなく、間違ってしまう自分というものをとても怖がっている、というのが透けて見えてしまうのですね。

ですから、言う事は、コストを削減しましょう、とかの誰でも言えるような取り敢えず正しいとされるような事ばかり。実務面での具体的な提案、決断ができないのですね。いくら私が感情を抑えて、ドン・コルレオーネの如く、理を説いて丁寧に説得しても、、、決めれない、判断は取り敢えず保留して検討してみます、な感じなんですね。今まで誰かが用意してくれた、誰かが決めてくれた、でも、アンタが決めなイカンのやで。

相場は全て自分で決断して自分でケリをつけなければなりませんから、普通に平凡に生きてきた人にとっては向いてないのでしょうね。



立花氏や林先生、またその縁でたどりついた林系株式掲示板、あらなみ様のブログやコメント欄の皆様、のおかげで、相場への理解を深めるきかっけとなって、今まで何とか相場を続けてきてこられています。

自分ひとりだけで相場と対峙していたならば、やはり未だに暗闇をさまよう様な感じであったかもしれないですね。

感謝の一言でございます。



相場は厳然として、上手い、下手、があります。

この事は初心者の頃はよく理解できませんでしたが、、、

心にやさしいゆらゆら動きの時にタラタラ手を出して、いざ相場が変化を示して動き出した時にはビビッて疲れてヤラレて動けない、なんてのは、下手というかヘタレそのものです。

下手は共通して一定の時期にドカンと連続してヤラレていますが、損して冷静さをなくして切れている、胆力のない自分が見えてくるはずです。知らずに乾坤一擲の勝負をする、の逆バージョンやってるわけですね。

誰でも最初は下手なわけですから、こういう事を何度か繰り返して身に染みてこないと、分からないわけです。

最初から上手く儲けようとは思わず、修業期間のつもりで経験を積むことに重きを置いて、とにかく経験値を増やすのが吉だと思うのです。

相場は報酬が大きいですから、苦労しても、それだけの価値は十二分にあると思います。






タカユキさん、こんにちは。

>普通に平凡に生きていると、自分自身でものを考えて決断して選択する、と、いう事に、人はあまり慣れていないのではなかろうか?と思うのです。

実はですね、私も最近このことに大いに気付かされたことがあったのです。
具体的には書きませんが、タカユキさんの書いておられること、私の言いたいことと同じでした。
むちゃくちゃ共感しますし、共感するあまり、ブログ記事に転載してしまいました。

相場の値動きの理解という点で、私は「何故考えてもわからないのだろう」と思っていたのですが、実は、結構多くの人が、そもそも考えてなどいないのではないか、ということがわかったのです。

これはどういうことか、というと、表面的な出来事だけをなぞっていたり、他人の受け売り、単なる思いつきや悩み事を「考えている」と思っている、という人が結構いる、ということが最近わかりました。

考える、ということは、自分の発想ですし、もっとロジカルに色んな方向から問題を解く作業だと思うのですよ。

結局考えないから、決まりきったパターンに当てはめようとするし、難しい環境など無視する。
自分で考えないから、答えをとにかく欲しがる。

そして、リスクから逃げる。
リスクというのは、タカユキさんがおっしゃるように、自分の考えたことで行動を起こす、ということです。
当たり障りのない結果など、考えたうちに入りません。


>相場は全て自分で決断して自分でケリをつけなければなりませんから、普通に平凡に生きてきた人にとっては向いてないのでしょうね。

おっしゃるとおりだと私も思います。
自己責任というのは、そもそも自分で考えられる人が取るべきものであって、そうでなければ、責任など取れません。
こういう決断に慣れていない人は、「問題の先送り=損切りできない」などなど、あらゆる点で相場に向いていないわけです。

いいコメントありがとうございます。
いいコメント過ぎて、レスが遅れました(汗)


立花さんや林先生のことは、実に多くの誤解から来る誹謗中傷が多いような気がしますからね。


>心にやさしいゆらゆら動きの時にタラタラ手を出して、いざ相場が変化を示して動き出した時にはビビッて疲れてヤラレて動けない、なんてのは、下手というかヘタレそのものです。

実にいい表現をされますね。感心して読んでいました。
これも書いておられるとおりだと私も思います。
これ以下のコメントも含めて、実は、多くの人が「何故相場で勝てないのか」ということを非常に鋭く、そして、端的に書いてもらっています。
実に素晴らしいと思いました。
タカユキさんが、ここで書いてくれていることを本当に理解したら、劇的に変わることができると思います。
ただ、こうやって端的に書かれていると、既にわかっている人にはわかるのですが、そうでない人には実感が伴わないものだろうと思います。
ここだけでも、解説の記事が書けますね。どこかで書ければ書いてみたい素晴らしい素材です。



>最初から上手く儲けようとは思わず、修業期間のつもりで経験を積むことに重きを置いて、とにかく経験値を増やすのが吉だと思うのです。

林先生が書かれていたとおり、このようにできれば、上達もぐんと早くなるわけですが、本当にできていないですね。
みんな「守銭奴」になって、「拝金主義」に陥ってしまっている。
これじゃあ、せっかくの1000本ノックも効果10分の1じゃん、って思ってしまいますが、それもまた修行のうちなのでしょう。

まあ、そもそも、「守銭奴」である限り、相場心理面も含めて、勝ちを継続することは非常に困難なことにどこかで気がつかないといけませんがね。




ザクさんからのお便りです。

タイトル:林本「副読本」に感謝

********************
ザクです。いつも記事の更新を楽しみにしていますが、私のレベルでは、なかなかコメントを書くこともできず、久しぶりの投稿となります。

今回の記事は、私が非常に苦労していることに触れてくださいました。

得意じゃない値動きの時は、やらないこと

これが非常に難しい。今年を振り返ってみても、勝てるかどうか分からないようなところで勝負して、結局、勝ちを減らした1年でした。環境優位性をよく考えて、よくよく厳選して勝負すれば、もっとパフォーマンスが上がるのに、これができないのは何故でしょう。来年こそ、無駄な売買を減らしたいと思います。

それと、林本の「読み方」的なお話は、大変、参考になりました。私は誤解しておりました。林本に対してではなく、林本に対するあらなみ様のスタンスについてです。以前のシリーズ「茨の道」で、各会派の記事があったと思いますが、その中で「分割屋」が出てきて、「林一門」に対する見方を書かれておりました。私はそれを読んで、あらなみ様は林先生本人に対しても割と批判的な立場なのかなと。今回の記事で、全く逆であることが分かり、林先生に対する深い思いが伝わってきました。大変、失礼しました。確かに、時代背景というものを常に意識して読まないと、考え方の部分が理解されないと思いました。

ただ、99.9パーセントの人は、そんなことに気がつかないまま読むわけですから、林本は、やはり難しいと思います。気づけというのも無理なような気がしますし、気づかずに、その人なりの理解で相場にチャレンジして人生を棒に振っている人もいるのかもしれません。自己責任とは言え、酷な気もします。そんな中、あらなみ様の記事は、林本の「副読本」となっており、私を含め、多く人の助けになっていると思います。いつも感謝しています。






くり返しますが「やらない」という選択肢は、非常に重要です。
これをしっかり取るか取らないかでトータルの損益が決まります。
「待つFX」という本がありましたが、まさしく相場は、待つことこそが究極奥義でもあります。

じゃあ何故これが難しいのか、できないのか?

実は、こういう「何故?」「何故?」「何故?」を自分で考える習慣をつけることが相場上達の秘訣でもあるのですが、ここでは私の考えを書いておきますね。

幾つか原因がありますが、

①常に何かポジを持っていないと損をした気分になる、ポジを持っていないと儲からないという誤解

②ヘタレで損切りできずに引きずっている

③儲かって奢る、損してリベンジする、という間違った理由でトレードをする

③相場が好きで持っていないと落ち着かない、相場で遊んでいる、博打をしたいだけの相場中毒者

④そもそも目利きがなく、何がチャンスかわからないから、「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」をやってしまう

⑤そもそも考えておらず、何となく相場を張っている


などがその理由で、これらの複合要因によって待てないということが起こります。

これら一つ一つ、解説すると、ブログの記事並になるので、詳細はまたどこかでぼちぼち書きますが、

何となく相場を張って勝てるんだったら、負ける奴なんておらんわい、アホンダラ!!

と言っておきます。


それと、こうやって列挙しましたが、やっている本人は、これらを

無自覚でやっているのです。


だから実に危険なのです。本人に自覚がないところが危険です。

特に、やっていないと落ち着かないギャンブル中毒系。この隠れ中毒者がものすごく多い。

自分は、「儲けるためにやっている」つもりでも、実は、博打を打ちたいだけ、とか、やってないと落ち着かない、とか、真の目的が見えていないケースがものすごく多いのです。

競馬ファンに、「あなたは競馬を何のためにやっていますか?」と聞いてみてください。

ほとんどが「儲けるため」と答えるでしょう。

パチンコファンも同じでしょう。

そういうことです。

本当の目的を本人は全くといって自覚してはいないのです。



>林本の「読み方」的なお話は、大変、参考になりました。


私の書き方が悪かったと思います。
「分割屋」というのは、分割に特化した人たちで、分割命、という軍団です。

分割屋 = 林先生

ではない、ということですね。

前にもちょっと書きましたが、林先生の事務所を訪れた時、林先生が、業界紙の記者に、ファンダメンタルについて、かなりしつこく話を聞いておられましたが、当時、私は「相場技術論青年将校」だったので、大いにショックを受けました。

しかし、ですねえ、商品先物をやるのに、内部の需給要因、ファンダメンタル、を抜きにして、チャートだけでやることがどれほど不利か、ということを今ではよくわかっていますから、当時の林先生の行動も、今では何の抵抗もなく受け入れられます。

基礎的環境認識の重要性です。

ましてや、みなさんご存知ないと思いますが、林先生は、「林レポート」というファンダメンタルをベースにしたレポートを出しておられたのです。
私は、確か2年間ぐらい購読していたと思います。

当然全て当時の時代背景があるものです。

当時、小豆や生糸、乾繭(聞いたことありますか)、が仕手戦で大いに盛り上がっていました。
買い方が勝つか、売り方が勝つか、なんて話も林レポートに書いてありましたね。内部要因分析という分野です。

こういう相場に対して、現物サヤ取り、限月間サヤ取り、サヤ滑り取り、などサヤ系から、ナンピンをベースにしたトレンドフォローの中源線売買、などなどあらゆる技術を惜しみなく教えてくれたのが、林先生なんですよ。
今では、そういう技術が使える市場がほとんどありませんが、だからといって、ダメだ、ダメだ、となるはずがありません。

そして、そういう小手先の技術よりも、ずっと大切な、相場をするにあたっての基本的な考え方は、永久不滅なんです。

私ごときが「林本の副読本」を語るなど100年早いと思いますが、それでもこうやって書いているのは、あまりにも誤解(まあ私から見ればってことですが)に基づくおかしな意見が蔓延しており、それに反論するようなものをほとんどといって見かけないからです。

林先生の本をしっかりと読んでいるとはとても思えないような批判がすごく多いんです。

逆に、私の場合、自分が分割屋ではないので、批判されても自己防衛する必要がなく、善意の第三者的に対応できる、という利点があるかもしれません。
分割のことを書くとすぐに攻撃する、という妙な人たちがいるので、別にそういう人を相手に大切なノウハウを書く必要もありませんから、みんな逃げてしまうのですよね。
分割屋といっても、環境認識の重要性をわかっていて、自分の得意とする環境できちんと稼いでいる人が実際にいるのですからね。

まあ、そこまで読まないと、見えて来ない、ということそのものが問題なのかもしれませんが、批判しているみなさんの多くが「小手先のテクニックしか読んでいない」ということなんですよ。

まあ、そもそも、私は「林一門」ではなく、野川一門なので、この点も何とも言いがたいものが・・・





パンさんからのお便りです。

こんばんは。
zaiはそれこそ一番最初に読んだ本です。図書館で投資コーナーから読み易そうな10冊を一気に借りてその中の一冊でした。
これまで読み漁る程読んでませんが、一年目は良本探しに夢中になっていたかも。amazonでオズのトレード日誌(4千円もした)を知り、レビューをネット検索してあらなみさんの旧ブログを知りました。(アーロンチェアは現役で活躍中でしょうか?笑)
最近はめっきり読まなくなってしまったので、正月に一冊『フラッシュボーイズ 10億分の1秒の男たち』を読もうと思っています。

今年一年こちらのブログには大変お世話になりました。
私は10月始めなのですが、2015はデイトレ3年目に当たります。職人目安の年に自分がどんな成績を残せるか…まだ確立されてない技術が腐る程で不安です。

良いお年をお迎えください。
新年からもよろしくお願いします。




トニー・オズの本も批判の多い本の一つですね。
「具体的なことが何も書いていない」
要するに、批判の多くが「手法を書いていない」ということだと思いますが、それを知りたいのでしょう。
そういうコメントが結構多い本です。
手法もきちんと書いてあるんですがね。
どういうテクニカル分析を使って、ボリンジャーとかそういうのをどう使うのか、を書いていないと、批判されるようです。
不思議ですねえ。


フラッシュボーイズ、買いましたが、まだ読んでいません。
なので何とも言えません(汗)
読みたいものが多すぎて、どうしようもないので、こういう流し読みできない本は、どうしても後回しになってしまう・・・


アーロン、バリバリの現役選手ですよ。
やっぱりいいですねえ、アーロン。
10年使っていますが、全然ヘタレないです。
アーロンチェアって24キロもあるって知ってましたか。
知るはずもないか(笑)
メチャクチャ重いんです。何でこんなに重いのかわかりませんが、だから頑丈なんでしょうかね。。

最近は、アーロンモドキの高級事務椅子が結構出ていますよね。
友人もそういう7万円とか、そういう椅子を買ったりしていますが、私が座ってみて思うのは、やっぱりアーロンには叶わない、ということです。
全然アーロンがよい、比較にならない。

私は元々、椅子に座っていると、足の付根が痛くなる、腰が痛くなる、というタイプでしたので、1時間も続けて座っていると、足がしびれる、とか、腰痛で常に立ったり座ったりを繰り返さないといけない状態でした。
しかし、アーロンにしてから、そういうしがらみとは一切おさらばできました。
確かにアーロンは高いんです。15万円ぐらいだと思います。
しかし、腰痛とか、そういうことと天秤にかければ、そして10年使っても全くヘタれないことを考えれば、もうタダのようなものですよ。

次買うとしても、間違いなくアーロンでしょう。
それほど気にいっていますね。

腰が痛くなるから椅子が苦手、って人結構多いんですが、私から言わせれば、

「そんな安モンの椅子だから椅子が苦手になるんだ!!」

って事にすぎない可能性が高い(絶対とは言えませんが)、ってことも知っておく必要、ありますよ。

デイトレーダーにとっては、椅子こそ最強の相棒ですからね。





gr8さんからのコメントです。

長かったデイトレ修行2年目が終了しました。
最後の最後に大アマロスカットの連続で前場までの利益を吹っ飛ばし、本日マイナスで終了。
前場終了時には今年の損益が何とかプラスになりそうだったので、これで半ドンにしようかとも思ったのですが、スケベ根性出して案の定やられました(笑)

とは言え、お陰さまで月間としては(カレンダーベースでの区切りには余り意味がないかもしれませんが)これまでに無い好成績となり、「分かってるけど出来ない」状態から少~し前進して「分かって、頑張れば何とか出来る(こともある)」状態になってきた気がします。

今年もあらなみさんのブログとコメント(あらなみさん以外の方も含め)には精神面で大変助けられました。
ありがとうございました。
ともすれば挫けそうになる、先の見えないトンネルの中で、遠い出口の明かりのようです。
多分こっちの方向に進んで行けば良いのだろうと、勇気を頂いております。

良いお年を。
来年も宜しくお願い申し上げます。






頑張っておられる姿、目に見えるようです。

月間利益、というのは、私も気にしますし、気にしないデイトレダーはいないでしょう(笑)

次3年目ですよね。
一番苦しい時期だと思いますよ。
というのは、1年目、2年目だと、「まだ経験が足りないからだ」と自分を納得させれる余地があるのですが、さすがに3年目ともなると、そういう言い訳ができない雰囲気になるのですよね。
なので、3年目に挫折するケースが非常に多いんです。
3年もやってきて、こんなのだったら、自分には才能が無いんじゃないか、ってどうしても思ってしまうのです。

特に、株の場合だと、専業ってケースが多いので、さすがに3年目にもなると、本当に苦しくなる。

でも、ですね、この3年を乗り越えると、ウソのように見えてくるものがある、ってことも、多くの経験者語る、という事実なんです。

毎日毎日デイトレ修行を続けて、3年間、トンネルの中のような暗闇が続いていたので、もう後1日、後2日とヘロヘロになってきているところで、4年目、いきなり光がぁぁぁぁぁぁぁぁーー!!

って感じになるパターンが非常に多いです。

まるで、セミの幼虫が、地上に出てきて、成虫になる、って瞬間があるんですよ。

これが、「徐々に成長が感じられる」ということであれば、耐えられるのでしょうけど、地上に出た瞬間、それは突然やってくるので、地下生活している間には何も見えないんです。
実にこれが挫折の原因にもなっていますよね。

じゃあ、一体全体何が見える、って言うんだ、と思われるでしょうが、これがまたまた・・・傑作な話しでして、

私がこのブログで何度も何度も書いているようなことが、

わかったぁぁぁぁぁぁーーーー!!


という感じで、本当に理解できる、っていうだけの話なんです。

だから、特別なことがわかった、という話では全くなくて、理屈ではみんながわかっているようなことが「本当に実感できた」っていう意味なんです。

ところが、

理屈では自分はわかっているつもりでいるものですから、そもそもわかっていない自分がわかっていない。

それが、3年、4年とトレードの実践を続けていると、実感として、体でわかった、という瞬間を迎えるわけです。

表現が難しいですが、そういうことなんです。

つい先日も、ある修行僧から、

「○○など、色んなことがこの1年でわかりました。」

と言われたので、

「そのわかった、って話だけど、3年前から何度私がくり返して言ってきたか、わかってるか?」


とずっこけましたね。笑い話のような本当の話です。

話を聞いているから当然知っている。しかし、「知っているだけ」で、「まるでわかってはいない」ってことなんです。

そんな話が、もうアホみたいに大量にあるわけです。

じゃあ、何でそういう話になるのか、ってことなんですが、

二人エッチと一人エッチの違いを二人エッチをしたことが無い人に説明する

という例がわかりやすいかと思います。

何でこんな例を持ってくるのか、というとちゃんとした理由があって、

両者ともに、技術的な問題があるにはあるが、それよりも、実際にやってみないとわからないことの方が遥かに多いのに加えて、両者ともに、精神面における慣れ(経験値)という問題が実に大きく関わってくる

ということなんです。

エッチもトレードも、実際にやってみなくてはわからないこと、実感できないことが非常に多いことに加えて、慣れから来る熟練度が何よりもモノを言う

という点で非常に似通っている、ということなんです。

と真面目な顔をして何を言っているのやら、と思わないように。
至って、まじめに書いています。

だから、両者とも、マニュアル本を先に読むよりも、

やってみなはれ!!


ってことです。

自分の子供にトレードを教えるとしたら、どうするのか、というと、

とにかく水着を着させて、プールに叩き込む


ということをすると思います。
なので、これは本音です。

言ったってわかりませんよ、絶対にわかりません。
この数年で私が一番感じているのはこれです。
いくら口で説明しても時間の無駄です。

やってみなはれ!!

でしか、上達の道はありません。

しかも、

トレードは、エッチよりも遥かに困難ですし、時間も恐ろしくかかる

ここもみんな誤解していますね。

エッチよりも、簡単だと思っている

最初から、AV男優のようにできると思っている。
どんな誤解やねん、と思いますね。見ていて。

最初は、オズオズ、震えながらに決まってるじゃないですか(笑)

しかも、相場は、童貞のハンディなど一切無い!!

回りを百戦錬磨のAV男優に囲まれて、女優を奪い取らないといけない

という苛酷さなんです。

童貞モノ、という希少性?は、あっちの世界にはあっても、相場の世界には無く、食われるだけの獲物となる、ってことです。

童貞は、最初から、負けるに決まってるんですよ。

戦う前から100%決まっている。


そんなこともわからないことがそもそもおかしいんです。



話が勝手にそれてしまいましたが、いよいよ試練の3年目、頑張ってください。

私から一言、申し上げておきます。

最初から相場の才能がある人などほとんどいない。

何故なら、相場で勝つには人の生存本能・防衛本能に逆らうことが必要だからだ。

それをマスターするには、想像以上に多くの時間と経験を積まなければならないが、相場を始める誰もがそのことをわかってはいない。


そして、相場は、何かを知って勝てるようになるのではなく、練習して上手くなるものである。

だからこそ、上手くなる練習に時間を使うべきであるのに、不思議なことに、ほとんどの人は勝てる方法探し、という上達しないことに全ての時間を費やしているのである。



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