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職人の本分

2014/07/06 Sun

いつも拍手ありがとうございます。
やはりこうやって共感してもらえると記事を書いていて嬉しくなります。

■呼吸法入門・・・1

せっかくですので、呼吸法の話も書きたいと思います。
私は、西野流呼吸法を習ってもう24年目になります。
ただ、ここで書くのは、西野流で習ったことではない、ということをまず書いておきます。
あくまでも私流の呼吸法です。

さて、呼吸法、気功、というと、まず、みんなが思い浮かべることは、太極拳であるとかの「形」だと思います。
西野流にも、「華輪」であるとか、様々ながあるわけです。
当然、外から見ていれば、形しか見えないわけですから、「どういうやり方」というに目が行くのは仕方がないのですが、呼吸法、気功にとって重要なのは形ではありません。

では、何が重要か、というと「意守」という概念となります。
意守とは何か、というと、簡単に書くと「体のどこかの部位を意識する」ということです。

記念すべき第一回目なので、何をまずは意守すべきかというと、それは「呼吸を意守する」こと、です。

呼吸というのは、基本は意識しないでも、勝手にできています。
その勝手に呼吸している状態を「意識」するわけです。

その場合、①深呼吸するとかではない、②ただ呼吸していることを観察するだけだ、ということがポイントです。

何かを感じる必要はないですし、特別なことをする必要はありません。
ただ、普通に自然に呼吸している自分を意識すればいい、ということです。

ところが、これが意外と難しいのです。
つい変に呼吸してみたり、1分ぐらいなら意識できても、それ以上になると、つい別のことを考えたりしてしまいます。
一度、3分~5分ぐらい、呼吸している自分を観察してみてください。

これによって得られる一番大きなことは、「今にある」といことです。
人は、過去のことを考えるか、未来の心配をするか、どちらかを常に考えています。

つまり、人というのは、常に今に生きないで、過去の反省と、未来の心配事に今を使っているのです。

このままだと、死ぬ瞬間まで、未来の心配事で終わるのでしょうか。



ちなみに、余談ですが、我が家には、2年半以上生きているハムスターがいます。
平均寿命が2年ですから、もうかなりの長生きです。
飼い主の人間は、いつ死ぬのか、いつ死ぬのか、と心配をしています。
しかし、彼は、「寿命を超えているからもう死ぬかもしれない」と心配しながら生きているということはありません。
彼はいつも「今やりたいことをやって、今を生きている」のです。
彼は人よりも下等なのかもしれませんが、生き方としては「今をしっかり生きています」から、人よりも上の「ハム生」かもしれないと思います。

今日が仮に最後の1日だったとしても、彼だったら、今日生きているということにフォーカスし、今生きているということに喜びを見出して、楽しく生きるのでしょう。

明日の心配ばかりをしている愚かな人間どもよりも、よほど幸せな人生ならぬ「ハム生」だなあ、と彼を見ていて思います。


人は実に愚かです。

明日の心配をし続けて、一生を終えるのですから・・・


私も、ハムスターを見習いたいものだ、といつも思っています。




その「ハムスターの教え」を如何に実践するのか、という話です(笑)

実は、意識を今に持ってくるということは非常に難しいのです。
人はハムスターじゃないからです(笑)

いらんことをいつも考えてしまうのです。
しかし、「あなたは今何をしていますか」と質問されれば「呼吸している」というのが的確な答えでしょう。
生きるために呼吸している、それが今やっていることです。
「今自分はこうやって生きている」これは、過去も未来の心配事も関係なく、今はとにかくこうやって生きているのだ、という実感なんです。



そして、もう一つ重要なことは、「人は2つのことを同時に考えることができない」ということです。
例えば、寝付く時「今日はああだった、あいつは我慢ならない、腹が立つ、失敗した、明日はどうしよう」などなど、人は悩みが尽きません。

全て、過去か未来のために今の幸福な寝付きの時間を台無しにしているわけです。
寝付きの悪い人は、いらんことをああだこーだ、と考えるものです。
その寝付く今とはどういう状態でしょう。
「今にある」ということは、温かい布団に入った幸福の時間・・・ただそれだけです。
世の中には、暖かい寝床で寝れない人が大勢いて、今日という一日を終えることができず死んでいった人たちが世界には統計上15万人もいるのです。

暖かい寝床に入れたということは実に幸運です。それに比べればしょうもない心配事など実はどうでもいいことなんです。

しかし、それでも雑念が邪魔をするのなら、「一心に呼吸に意識を集中することで今の自分を取り戻す」ことができます。
つまり、「人は2つのことを同時に考えることができない」のですから、それを利用して、呼吸に意識を集中すれば「今幸福な寝床に入れた」状態で寝付くことができるわけです。
これは、瞑想状態である、とも言えます。

トレード時においても同様で、あーだこーだと色んな心配事で心が乱れるわけですが、その時に、「人は2つのことを同時に考えることができない」ということを利用して、呼吸に意識を集中すれば、あっという間に「意識を心配事から遠ざけること」ができるようになります。

「吐いて、吸って、吐いて、吸って」と意識を戻せば、いつでも「今に戻れる」、つまり、

今に戻るための超強力なリセットボタン

それが、「呼吸の意守」なんです。





■職人の本分

さて、本題に移りましょう。

相場においては、「やり方至上主義」というのは、とにかく超強力なので、人と話していても、常にこの壁に阻まれます。
この思い込みはとにかく強力で、これ以外の重要性をまるで感じないので、それ以外は何も耳に入りません。
そうじゃない、ということはなかなかに理解しがたいことなのでしょう。
今回は、多少はわかりやすくなるかと事例を紐解いてみます。


私は、トレーダーも職人の一種だと考えています。
これまでの記事を読んでもらっている方ならとっくにこの私の思考パターンは理解してもらっていることでしょう。
それは、その上達のプロセスが同じだからなのですが、ところが、そこが一番理解してもらえないところです。
つい先日もこのことを思い知らされることがあって、つくづく「やり方至上主義」について考えさせられました。

とにかく、多くの人は、

トレードとは、どこかに正解があって、その答えを探すものだ、という理解をしているので、その正解探しがトレードの学習なのだ、と考えています。

そして、その正解とやらが見つかったら、即座に利益が出る、と思い込んでいます。

逆に言うと、その正解とやらが見つからない限りは、トレードで利益が出ない、という思い込みもあります。

1000本ノック、とここで書いても、それを「正解を探すための手段」と理解している人がとても多いのです。
というより、そもそも何でもかんでも正解探し、というのが通常なので、そうなることは当たり前といえば当たり前なんですが。

今は、どのテレビ番組を見ても、クイズ全盛ですから、如何に多くの人が、答え、ということにこだわっているのか、がわかる社会現象だと思います。
そして、芸能人でも有名○○大学卒業というと、「賢い」となって、どうでもいい雑学知識の多さをクイズで競う、そして、その知識が多ければ多いほど、「この人は頭が良い」というアホな定義がまかり通っています。
私が思うのは、お笑いなら、お笑いで勝負するのが本分で、お笑いで成功することが頭がいいってことじゃないのか、と思うのです。・
まあ、お笑いの才能はなくても、クイズタレントとして生きているのだから、それはそれで才能なのだろう、とは思うのですが(笑)

こういうことを考えていきたいと思います。
まともにトレードのことを書いても理解されないので、視点をずらします。





大工。
宮大工さんもいれば、注文建築の大工さんもいます。
ここでは、木造建築の大工さんとしましょう。

大切なのは何かというと、①素材である木、②職人の腕、③大工道具、の順でしょう。

いくら腕のいい大工でも、腐った木ではいい家は建ちません。
しかし、いい木が入ったとしても、腕の悪い大工なら、やはりいい家は建ちません。
といって、カンナやノコなどといった道具もいい加減なものなら、やはりいい家は建ちません。

ここで、いい職人になるために、大工にとって、時間を使うべきは、どこにあるのでしょう。

いい素材を見極めるための目を養うことか、木を削ったり、切ったり、家のイメージ、手順などを理解する腕を磨くことか、いい大工道具を探すことか。

みんな大切ですが、一番時間をかけるべきは、やはり腕を磨くことにあるでしょう。

しかも、この腕磨きは、本を読んで勉強する、という類ではなく、実際に家を建てるという行為を通じて、実践で学ぶことが重要となります。

もし、これを怠って、「良い道具探しばかりをしている大工」だとしたらどういうことが起こるでしょう。
もちろん、いいカンナ、いいノコ、は大切なんです。
しかし、大工職人の腕は、それだけで決まるということは絶対にありません。

良い道具を手に入れて、それを毎日毎日手入れして、使いこなす、ということはもちろん大切ですが、それは家を建てるための道具に過ぎません。
その道具が、大工の良し悪しを決める決定的要因にはなり得ないのです。

いいカンナを見つけ出すことが正解だ、という理解は大工としてズレています。





日本料理料理人だとします。

料理人にとってその実力を左右するのは、①食材の目利き、②調理の腕、③調理道具、でしょう。

大工との違いは、料理人にとっては、大工よりも、より「素材の目利き」が重要度を増してきます。
「素材のよさには勝てない」からです。
そして、出汁の取り方、焼き加減、などなど、調理の腕が試されます。

もちろん、調理道具も大切です。
「包丁一本さらしに巻いて」ということで、自分の包丁へのこだわり、道具の手入れ、プロであればあるほど、大切にしているところです。

しかし、「切れる包丁を求めてばかりいる料理人」が成功できるでしょうか。

いい包丁さえあれば、一流の料理人になれる、と思っている料理人は皆無でしょう。

もちろん、切れる包丁を探す時間も必要です。
しかし、それよりも、調理の腕を磨いたり、食材の目利きを上げる努力こそが本分ではないでしょうか。

料理を学ぶ、ということは、何に時間を使うべきなのか、ということです。

包丁探しにばかり時間を使っていてはどうなるのか、ということです。



そして、学ぶ、といっても、学校のお勉強と同じように考えていては問題が起きる、ということです。

料理人も、本で調理方法を勉強する、ということももちろんあります。
知識をつける、ということも大切でしょう。

というか、

本による知識の習得など当たり前の第一ステップであり、単なる入り口

に過ぎません。

そんなこと、ほとんど時間もかからずに誰にでもやれてしまうことでしょう。

これでわかったような気になること自体がおかしいんです。

本を読んで一流になれるのなら、100人が100人全員が一流の料理人ですよ。

それよりも、実際に調理場に立って調理を実践して学ぶということが時間がかかることですし、仕入れも、毎日築地に通うことをつうじて、「土地勘」を付けて、「経験値」を上げて、ひいては時間をかけて目利きをつける、という手順をたどるものです。

そして、出汁の取り方一つにしても、毎日毎日繰り返して、失敗を続けて、そして、次第にわかってくる、というプロセスをたどります。
1年や2年っていうのは、まだひよっこレベルで、5年、10年という時間のかかり方をするのは当然でしょう。



本には書いてあるんですよ。
みんなこんなこと。
調理本を読めばみんな知識としてはわかることです。

調理本を読めば、1日、2日もすれば、一流の料理人とほとんど同じ理屈はわかるんです。

逆に言いましょう。
こんな基礎的知識すら持っていない料理人など新人でもいません。
そして、本を読んで、知識を得たからといって、「俺は一流だ」と思う新人も1人もいないでしょう。
知識を得たからといってそんなことを思う料理人がいたなら、そいつはただのアホです。

そもそも知っていることとやれることは全然別の次元の話です。






それと、意外と見落とされているのは、素材の目利きだと思います。
あまり意識されないことも多いですが、非常に重要です。
「素材のよさには勝てない」のですから、いくら腕のある料理人であっても、素材がダメなら、美味しい料理はできませんし、偶然にも素晴らしい素材に当たれば、「俺は一流になった」と本人が誤解するほどの料理が作れてしまうものです。
本当にいい素材なら、ちょっと塩味だけで焼くだけの料理でも、切って出すだけでも、とにかく美味しい料理に仕上がってしまいます。
しかし、だからといって、

その素材は、あんたが見つけてきたのではなく、たまたまぶち当たっただけだ

ということがほとんどなので、目利きがついた、だとか、腕が上がった、というのは本来おこがましいことなのですが、本人は至って、カリスマ料理人になった気になっていますから、後で痛い目に合うわけです。





一方でこういう世界もあります。

プレハブ建築

回転寿司屋


同じ、家を提供しています。
同じ、寿司を提供しています。

ただ、大工の延長線上にプレハブ建築はありません。

また、日本料理の職人の延長線上にも回転寿司屋はありません。

プレハブ建築も回転寿司屋も、コツは、工場大量生産にあります。
その工場では、大型の機械化された道具によって、徹底した効率的機械化が追求されています。
作業員の腕などここでは関係ありません。
目利きも、そもそも必要ないように品質管理された工場生産品として扱われます。
そこで作業する作業員には、目利きも腕も必要とはされないのです。
とことんの道具による機械化がなされているのです。

全く違う世界です。

職人技の延長線上にはないんです。

ここもわかっておかないといけないことではないのか、と思うところです。

ここをごっちゃにしている人が非常に多いこともとても気になっているところなんです。

逆に言いましょう。

工場でのラボの研究の延長線上に職人がいる、ということなどあり得ません。

お互い相容れない、と言っても言い過ぎではないぐらいの距離があるのです。



ここについて、実に中途半端なアプローチをしている人が多いことがわかっています。

一体、何をしたいのか、なんちゃって検証、なんちゃって裁量、みたいな実に中途半端なことを繰り返している人たちです。

専門的にやっても厳しい世界なのですから、中途半端さは、結局、どっちつかずになって、成果が全く得られないことになるのです。





そしてさらにわかっておかないといけないこと。

大工、寿司職人、ともに、

一流でなくても、曲がりなりにもそれを仕事としてなんとかかんとか食ってはいける、ってことです。

もちろん、収入は低いかもしれませんけど、マイナスにはなりません。

ここが私の世界との大きな違いなのです。


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練習をしていて気がつくこと

2014/10/18 Sat

注目番組のご紹介です。

炎の体育会TV ★“松岡修造”熱血テニス合宿~目指せ!未来の錦織圭★

2014年10月18日(土) 19時00分~20時54分


また精神論か、と言われるのを承知の上で、少しばかり解説。


やり方だけだ、と考えている人には無縁の話ですが、トレードの練習を続けて半年、1年と経過してくると、あることに気がつくようになってきます。


そのあること、とは、

トレードで勝ち残るということは、結局自分との戦いを制することではないのか

ということを実感として感じるようになってきます。

最初は、どうしてもやり方だけにこだわっているので、半信半疑で練習を始めたのは間違いありません。

しかし、半年、1年と練習を続けているうちに、自分の損益を見ていると、ある傾向に気がつくようになってきます。


その傾向とは、冷静に、計画通りにやっているトレードではほとんど損失は無いにもかかわらず、トータルとしては負けてしまっている。

どうしてだろう、とよく見てみると、

負けているトレードというのは

①そもそも計画に無かったことを衝動的にやっていることとか

②負けたから悔し紛れにやったこと、リベンジするつもりで返り討ちに合ったものとか

③勝って調子に乗ってついつい何となく手を出したものとか

④ポジションが無くて寂しいから、単に暇だからといって手を出したもの、やりたいからという理由でやったものとか

⑤スイングなのに、何となくデイトレに手を出したものとか


⑥体調不良とか、個人的問題で心理状態が悪い時に、つい手を出して切れてしまうとか

そういうことが足を引っ張っているということに気がついてくるのです。


こういうことがきっかけで、ある日突然に総崩れする、切れてしまう、という恐ろしいことが起こるのが相場です。

ベテランですら、あれほどコンスタントに勝っていた人が、ある日突然に一気に崩れて、木っ端微塵に砕け散る様を私は何度も見てきています。

しかし、これは手法とか、具体的やり方とか、そういう問題ではありません。



こういうことが、半年から1年と練習を続けていれば、みんな気がついてきます。

これは、最近でも、練習を始めている複数名話を聞いたところ、みんな異口同音に言っていたことです。



そして、これまではやり方だけにすごくこだわっていたのだけれど、実感として、

結局、トレードで勝つということは、自分との戦いに勝つということなのかもしれない

と思い始めるようになるのです。

そうなれば、一皮むけた状態、ということになってきます。

逆に言えば、具体的やり方にしか興味が無い人というのは、実は、こういう実践をしばらくの期間続けたことがない人で、頭の中で理屈ばかりをこねている人だと言えるのかもしれません。

誰でも、実際に1年間練習を続けていれば、実感できることだと思います。

そうなってくると、これまでやり方探しに夢中だった自分から、実際に利益を残すための戦いへとチェンジできる基礎が出来てきたということなので、そこからは時間の問題で勝ち組に回れるスタートを切った、ということになると思うのです。



しかし、そもそも残念ながら、

トレードは練習して上手くなるものだ

という概念がほとんどありませんから、そういう地味な練習をしようという人はいません。

何かを知れば(その何かとは勝てる方法ですが)勝てるようになる、と思っているばかりなので、こういうプロセスを踏もうとはしないものなのです。

本を100冊読むことはしても、練習はしない

負けては意味が無いと思って、すぐに諦める


負けるのは、勝つ方法を知らないからだ、と思っているから、そもそも練習するという概念が無い

ということです。




さて、この合宿の予告編で松岡が言っていた言葉で、

取れるか取れないかなんてわかんないんだ、そんなの!!

というのがありました。

ああ、ほんとにテニスに勝つということと、相場で勝つことは似ているな、と思う瞬間でした。

この一言のだけでも、この番組を見る価値はある、と思いました。

相場に置き換えましょう。

取れるか取れないかなんてわかんないんだ、そんなの!!

全くといって同じ(笑)

そもそも、そのトレードが取れるか取れないかなどわからない、しかし、常にそういう状況の中で、最善を尽くす、そして、やれることをやる、そして結果を待つ、それが相場なんです。




私も学生時代、テニスに夢中になっていた時期がありました。

だから、松岡の言うことは本当によくわかります。

私自身は、当時テニスの技術習得に必死でした。

技術さえ身につければ強くなれる、そう思って練習していました。

しかし、練習でできることが、試合ではまるでできないのです。

練習では決まっているショットがまるで入らない

練習ではラリーが続くのに、試合では簡単にミスしてしまう

挙句の果てには、ブチ切れてしまって、どうしようもなくなる


という下手なテニスプレイヤーの典型的な姿でした。

練習王子、とは私のことでした。

結局、今はわかっていますが、テニスで強くなる、ということは、自分との戦いを制しなくてはならないのです。

それが当時まるでわかっていませんでした。



トレードは、お金がかかった真剣勝負です。

その本当の意味が、理屈ばかり頭でこねている人や手法にしか興味がない人はわかっていません。



それは、当時、練習王子であった私のテニスに対する姿勢と同じなのです。

人は、理屈だとか手法とか、そういうところじゃない部分で相場に負けてしまうのです。

いや、相場に負けるというよりも、弱い自分に負けてしまうのです。


(なお、トレードにおいては、練習といえども、実弾投入ならば、そこにはお金がかかっているものなので、実戦です。テニスの練習とはかなり意味が違います。ここで使っている練習の意味がテニスとトレードでは違うことに留意ください。)



もちろん、圧倒的に勝てるやり方、手法があれば、そんな精神論など吹き飛びますよ。

どうしたって勝てるのだから、心が弱くても折れることなどありません。

じゃあ、それを見つければいいんだな、ってことになるじゃねえか!!

しかしですね・・・

そんなものが、自分だけに見つかる可能性など、それこそ砂浜でダイヤの原石を見つける以上に難しいです。世界中の投資家が血眼になって探してもなかなか見つかりませんし、一方で、大勢が見つけたらそれは終わりという悪質な性質を持っているからです。

すなわち、ほとんど可能性がないこと、宝くじを当てること、であって、それを一生懸命に探しても、それは所詮は、宝探し、トレジャーハンティングとしての楽しみではあったとしても、現実的ではない夢の世界の話だ、ってことにはなりませんか。

宝くじで3億当たったら、ということと、トレードで圧倒的に勝てる方法が見つかったら、ということと、そんなに違いがないことにどこかで気がつかないと、前には進めないと思います。

確かに、無いとは言いません。宝くじとて誰かは当たるのは確かです。しかし・・・

私は、ドリームキラーかもしれません。

しかし、現実は現実です。



それなら、もっと可能性があることにパワーを注げばいいのではないか。

そんな可能性の無いことよりも、別の道、ルートがあるのなら、地味でキラキラはしていないけれど、着実に前に進める方がいいのではないか、とは思わないでしょうか。



ちょっと話はそれましたが、それが練習して上手くなる、という道であり、その道での気付きの部分のヒントが今回の番組にはある、ということです。




そのポイントは、何か、ということになりますが、それを理屈で言えば簡単なことです。

私のブログでは定番のものですが、要するに、

人事を尽くして天命を待つ

ということです。


本当に人事を尽くせたと言い切れるのか

天命を待つ、ということを本当に理解しているか


常にトレード・バイ・トレードで反省を繰り返すこと、これが私のトレードでもあります。

やるべきことをやり、結果に(勝ち負けに)引きずられない


こんなこと、理屈で言えば簡単ですし、誰だってわかります。

しかし、この一見簡単そうに見えることが非常に難しいことだ、と気がつくには、これまたかなり時間と経験が必要になるものなんです。



金がかかっている、プレッシャーがある、そういう中でも、理屈どおり行動すればよいとわかっている。

テニスでも、練習と試合と同じようにすればいいだけだ、と理屈ではわかっている。


でも、できないのです。



どうしても結果に振り回される自分がいる。

やることをやればよいといっても、ついいらんことをして自滅する。

それが人というものです。


オリンピックの舞台で、ショートで真央ちゃんが崩れてしまったことに衝撃を受けた人も多かったでしょう。

あの演技、過去に見たことが無いほどの状態でした。


それが人というものです。




本番において、自分との戦いを如何に制するのか。

克服には、とても時間もかかりますし、難易度も非常に高いです。

それを如何にして克服しようとしているのか、そのヒントが熱血テニス合宿、にあるということです。

世の中、全てを理屈で乗りきれる、と思っているかもしれませんが、そうではありません。





また同じような内容になってしまって、飽き飽きした、というコメント続出なのを覚悟して、最後に、ちょっと今回の話題に関連していることで、ちょっと気がついたので、ついでに標語をご紹介して終わります。

油断大敵、火の用心、マッチ一本火事の元

トレーダーとして読んでも、よく出来た標語だと思います。

ちょっとしたきっかけ、ちょっとした入り口、トレーダーが崩壊に至るのは、初期消火を怠ったちょっとしたことが契機になることがほとんどです。

一見すると、トレードとは何の関係もない体調であるとか、精神状態であると、そういうちょっとしたことが

千丈の堤も蟻の穴より崩れる


という状態を引き起こすのが相場の恐ろしいところです。

あれだけコンスタントだったのに、あんなに堅実なトレードをしていたのに、という人が一気に崩壊する場面を私は何度も見ています。

何が何でも、総崩れだけは防いでくださいね。

例えば、資金が半減したら、どんなことがあってもトレードストップする、とか、絶対ルールを決めておくことは大切です。

奈落へ落ちる前に、止めること、覚えておいて損は無いです。

そうは言っても、既に発狂状態にある自分を止められる可能性は低いのが現実ですが、どこかで意識に置いておいてください。

自分を守れるのは自分しかありません。

是非、他山の石としたいものです。



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1000本ノックの効能

2015/04/17 Fri

今朝の日経読んだら、一面に、またシャープが金融支援受けるとか。
この会社一体どういう経営してんだろう。

ベンチがアホやから野球でけへん!!


と言ったピッチャーがいたけど、その通りやねん。

戦略の失敗は、戦術では補えない

ってことで、その典型やん。
従業員とかかわいそう。ベンチがアホやから。

ブームを追いかけすぎなんやな。やっていること見れば。
プームで事業拡大して、それをやりすぎてことごとく失敗に回るを繰り返す。

ちょっと儲かったらかといって、お調子に乗って事業をアホみたいに拡大して、バーストする。


どこかの投資家さんのようですが(笑)
是非、他山の石としたいもの。




さてさて、さわさんからいただいたコメントがとても参考になるので、それをヒントに1000本ノックについて書いてみました。


父が昔、昭和の高度成長期の頃、グラフ用紙に手書きチャート書いてたのを思い出しました。当時はパソコン無いですし短波ラジオで株価を聞いて付けてた光景懐かしいです。今の時代に手書き?と聞き思わず書き込みました。デイトレであれば月足は見る事ないですがスイングでもPCで十分と思います。

あらなみさん、虚無僧さんがおっしゃる事が非常に的を付いて素晴らしいです。「何が見えてくるのか?」という質問に自分なりに思う事がありレスしました。
1000本ノック、練習していけば誰でも見えてくると自分も思います。見えれば今度は獲り方になってくると思います。
ここが自分では重要だと思いました。
デイトレであっても当然獲り方は十人十色なわけでその段階まできて練習繰り返していると自分の得意な獲り方が絞られてくると思うんです。自分に合うやり方を振るいかける段階を経て選別していったと思います。
昔はやたら一日通してすべての取引に入ってやってました(笑)
無駄取引も損失も多くありましたが、ここでの練習経験は通過しないと自分には一体何が向いていて(何が出来て)何が向いてない(何が出来ない)のかが、まったくわからないですよね。
あらなみさんのおっしゃる通り実際やらないとわからない訳ですね。経験しないと。
特に初心者は負けても、負けても辞めずに続けないとわからない。
ハッキリ言って当然お金はかかります。そこで辞める人、何かを得る人に分かれてくるんだと思います。
結局、「何か見えてくるもの」は他人に教えてもらうのではなく自分で見ないと気が済まないという人が生き残っていくんだと思います。
他人のやり方、獲り方ってほんと、どうでもいいと思います。
それぞれの自分のやり方があり、こだわる部分もあり、それが規律に繋がる部分であったり・・・・。





>1000本ノック、練習していけば誰でも見えてくると自分も思います。

これは心強いお見方参上で、私にとってはありがたいお話です。

相場経験が浅い人は、みんな、頭で考えれば、理屈で理解すれば、わかる、そう思い込んでいます。

学校のお勉強や試験勉強の延長線上にトレードもある、と思っているのですね。

つまり、答えのある世界、相場に正解がある、と思ってるんです。

だから、試験勉強と同じで、「答え」を欲しがる。

その気持ちは痛いほどわかります。

かつて、私自身がそうでしたから。

でも、トレードはちと違うんですよ。

そこの部分をさわさんが言葉にして表現してくださっていますが、多分経験していない人は何を熱く語っているのか、わからないと思います。

そして、みんな最初から勝てると思っているから、大きく出て、まともな経験回数をこなすことなく、特攻をかけて自爆して終わるのです。

こういう人、嫌というほど見ていますが、ほんとに最初から自分だけは儲かると思ってるんですよねえ。

10年、20年続けていて、儲かっていない人が大半なんですよ。
そういう世界なのだから、本を一二冊読んだ初心者がいきなり勝てるはずがありません。


一方で、続ければ見えるのだから、最初は「どうやったら儲かるか」という視点よりも、「どうやったら続けられるのか。」「どうやったら生き残れるのか」という視点の方が重要なんです。

生き残ってコツコツ続けてさえいれば、さわさんが言われるように、見えてくるものがある、ということです。

少なくとも、私は、月足チャートをせっせつ手書きするよりは、効果的だと思いますよ(笑)

だから、3年間負け続けても、続けられるだけのロットしかやらない、というのが最善の策なんです。最初は。
勝てると思っているから途中で挫折することになるので、負けると思っていれば、続けることはそう難しくはありません。
どうせ負けると思っているのだから、無理しない、つまり、生き残れる確率が飛躍的に上がるわけです。

じゃあ、何が見えるのだ、ってことですが、これはさわさんが書かれていることも含みますが、相場で勝つために重要なことが全てってことになります。

つまり、全ては経験から学ぶべし、ってことです。



でも「とにかくやれ!!」では納得できない。
理屈が欲しい・・・ってのが頭でっかちの人の特徴でもありますので、今回は、2つばかりその学べる事例をあげたいと思います。

それは、

心理面がこれほど重要なことだったんだと気がつく

何をやれば負けるのか、それが見えてくる


の2つです。




まず、心理面。

心理面って、「ああ、わかってるよ。本とかに書いてあることだろ。」と思っておられると思いますが、本当にわかっていますか。
分厚い本とかに難しく書いてあって、そこで何を言っているのか、わかりますか。投資心理って。
こんなこと、やってもいない人が、頭で考えたって理解など絶対にできませんよ。
字面を追っているだけのただの畳水練です。

これも、ノックを受けて、自分と向き合わない限り、本を読んでもどうしようも無いことの一つです。



最初はとにかく、いらんことをやりまくるんです。
それで負けまくる。
手法にこだわろうがなんだっていいんですが、どうせいらんことやりまくって、連戦連敗するに決まってるんです。

さらに、やけになってあっという間にドツボにはまる。

ほとんどもう駄々っ子のような状態になって、手が付けられなくなる、という経験を繰り返すんです。

もうそれは、おもちゃを買ってもらえなくて、おもちゃ売り場で泣き叫んでいる子どもと同じですよ。

一方、おもちゃを買ってもらったら有頂天になる。


その時、自分というものと対峙する瞬間が訪れる・・・

俺って、こんなに情けなく、弱い人間だったのか!!

まるで子どもじゃないか、全く成長できていなかったのか!!

もっと冷静でまともにものを考えられる大人だと自分では思っていたのに、相場の前では、ただの駄々っ子じゃないか。

精神年齢は、5歳のままなのか、俺は??


と呆れるほどに、弱い自分を見ないといけないわけです。

投資心理とか、分厚い本に難しいことが書かれていますが、トレード心理で一番重要なことは、そんなに難しいことじゃない。

駄々っ子になる情けない自分をきちんと見る、ってこと、それが重要なんです。

じゃあ、大人になるにはどうしたらいいのか。

それは、駄々っ子である自分にまずは気がつかないといけないわけです。

そういう反省があって、初めて目が覚めるのですから。

自分がそんな子どもじゃない、まともな大人だって思っているうちはわかってないだけです。

経験していないから、まるで自分を理解していないだけなんです。

そういう経験を積んでみることが、1000本ノックなんです。

そして、相場から鍛えてもらう。

この気がつくことと、鍛えること、両方をノックで経験を積むわけです。


鍛錬と言いますが、鉄は鍛えられてこそ鋼になる。

一般社会生活において、殆どの人は生温い生活しか送ってきてはいないんです。
ほんとに悲惨な逆境に遭遇している人は現代日本では稀です。
ほとんどの人は、まるで鍛えられてはいないわけです。
だから、弱い心のままで大人になってしまっている。
それを相場に鍛えてもらわないと、勝てる大人にはなれないんですよ。

ちょと儲かったからって有頂天ホテルに舞い上がったり、ちょっと損したからといって駄々っ子になったり、そんな弱い心で相場に勝てるはずがありませんよ。

それで長年勝ち残れるなど、常識で考えてもあり得ませんよ。


そんな人が、手法をいくら頑張っても無駄です。土台が腐っているだから。

そんな人が、間違ってラッキーで勝てたとしても、どうせその後に簡単に崩れるに決まっています。
そんな人・・山ほど見てきています。
世間で言う「相場で一時的に勝ったとしても、どうせそのうち損をするよ!」という常識はここから来てるんです。

一時的に勝つことは誰だってできるんです。相場における短期の勝ち負けは偶然に過ぎませんから。でも、その勝ったものを残すことは困難を極めるんです。

その理由は、偏に心の弱さです。

一時的に勝つことと、勝ちを継続すること、この2つは全く別次元の話です。
その別次元を制するのは心の問題です。



逆境こそが人を育てる(吉田松陰)






次に「何をやれば負けるのか」。


こんな負けのことなど興味がある人はほとんどいません。

自分の知りたいのは、勝つことであって、負けることではない、ということでしょう。


しかしですねえ、人は、ほんとに、嫌というほどいらんことばかり繰り返すものです。

それで嫌になって、すぐにやめてしまう。

ところが、頑張ってノックを続けている人は、これを延々と繰り返すと、帰納的な理解が経験値とともに進んでくるんです。

嫌というほと負けを繰り返せば、どんなに鈍い人でも、段々と気がついてきます。

自分って、同じパターンで負け続けているよなあ!!

これをやるから負けるのか!!


という、負けパターンをどんどん蓄積していくことによって、

どうやったら負けるのか

をどんどん理解することになります。

まるで勝てないのだから、勝ちパターンはわからなくても、アホみたいに負け続けるのだから、次第に負けパターンだけはどんどん蓄積していくのです。

実は、

どうやったら勝てるのか、と同じぐらい大切なのが、どうやったら負けるのか、ということなのですが、ほとんどの人は、どうやったら負けるのか、には全く注目していません。

負けるということは、意味が無い、と理解しているからです。

しかし、この理解は、完全に間違っています。


電球を発明したエジソンがインタビュアーに聞かれました。

「一万回も失敗したそうですが、苦労しましたね。」

すると、エジソンはこう答えました。

「失敗ではありません。うまくいかない方法を一万通り発見しただけです!!」

このうまくいかない方法を発見していくのが、ものづくりの基本。



製薬会社の新薬開発も、死にたくなるほどのトライ・アンド・エラーのくり返しだ、ということを見たことがあります。

トレードだってまるで同じなんです。

何をしたらダメなのかを理解することは、何をしたらいいのか、を理解するのと同じぐらい重要なことなんです。

勝つことと負けることは表裏一体なんです。

そもそも、最初はほとんど勝てないのだから勝ちの事例など積み上がらない。
いくら望んでも事例が無いのだから仕方がない。
しかし、負けの事例ならいくらでも積み上がってくるわけです。
負けまくりなのだから(笑)
だから最初は、負けの事例を帰納的に理解すればよい、ってことなんです。
極端には、最初は、負けの事例集めのためにトレードをやる、と思っているぐらいでもよい、ってことです(笑)

なので、

負けたら意味が無い

と考えて、すぐに挫折する、ということを大勢がくり返しているのを見ると、私はいつも「もったいないなあ」と思うのです。



どうして自分はこうも負けてばかりなのか、と思ったことはありませんか?

その理由は、

負けの数がまだ全然足りないからですよ(笑)


前にも書いていますが、

私などは、負けの回数においては、誰にも負けないぐらい負けてますからね(笑)




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あらなみ

Author:あらなみ
職業:個別株投機家・専業デイトレーダー

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