投資における最も重要な概念 その1
2015/07/28 Tue
前回の記事の拍手、異例の55拍手をいただきました。
ありがとうございます。
「小言の滝行」に共感してもらったものだと思います。
55名の「滝行」の修行僧のみなさん、お互いに励まし合って、今日もご一緒に修行を進めていきましょう(笑)
さて、トレードのイメージとして、みなさんはどのようなイメージを持っておられるでしょうか。
私は、次のようなイメージを持っています。

これは、Ridge climbing つまり、尾根登山という意味ですが、左右が切り立った尾根を登っていく、というイメージです。
ここでは、ちょっとした油断によって、一気に滑落、ということが起こります。
ちょっとした油断、ちょっとした損失、ちょっとした慢心、それが切り口になって、一気に崩壊する、それが滑落。
こういう登山において、一歩を踏み外しただけで、あっという間に滑落するのと同じです。
常に、緊張と集中を必要とする世界。油断は死を招きます。
持っているザイルは、命綱。つまり、損切り。

ところが、命綱なしで登る無謀な登山者が後を経ちません。
恐らく、登山技術のイロハを何も教わっていないからでしょう。
一歩一歩、緊張感を持って進んでいるうちは特に問題は起こらないのですが、ちょっとした油断、ちょっとした隙があると、道を踏み外して、滑落、という現象が起こります。
滑落、というのは、ちょっと勝ちが続いた後、もしくは、少し大きめの損失を出した後、に起こりやすい、ということがわかっています。
そもそも、多くの投資家は、こういうギリギリのところを登っている、というイメージをまるで持っていません。
危険性を認識してはいないのです。
あたかも平地を歩いている、という感じでしょう。
そして、自分だけは大丈夫だ、という根拠なき自信を持っています。
元々、こういうところを歩いているんだ、という緊張感を持って、ザイルを持って、慎重に慎重に一歩一歩歩んでさえいれば、そんなに大怪我につながる確率は低くなります。
ところが、そういう緊張感なしに歩いているものだから、ふとしたキッカケで滑落する人が絶えないわけです。
現実の登山における滑落事故よりも、遥かに高い確率で、相場の滑落が起きているのはこのせいでしょう。

特に危ないのは、登山歴2年目とか、ちょっと慣れたころ。
最初は、慎重に慎重に恐る恐る登っているから、逆に大事故は起こさないもの。
しかし、2年目ともなって、ちょっと儲かってくると、心に油断が起きてくる。
これが危ない。
ちょっとした慢心と油断が滑落を招く。

トレードって、勝ったり負けたり、で、やり方を知れば勝てるようになる、というイメージかもしれませんが、それは違います。
トレードは、勝ったり負けたりを日頃しているのだけれど、どこかで滑落する、というのが真実の姿なんです。
ちょこちょこ勝ったり負けたりで破綻する人などいません。
相場で破綻するのは、ちょっと勝ったことで調子に乗るからなんです。
つまり、儲かったことが原因で、滑落するのです。
みんな、自分だけは違うと思っていますが、ちょっと親戚をたどれば、相場で大損した、という人の一人や二人いると思います。
それほど、相場でやられている人は多いってことです。
相場をやっている = 大損
というのが世間のイメージですし、それは、事実としてほぼ当たっています。
じゃあ、そういう人は、ちょこちょこ負けて、家屋敷を飛ばしたのか、というと、全く違います。
日々のちょこちょこした売買の延長線上にそういう破滅が待っているのか、と言えば、そんな人は一人もいません。
滑落したのです。滑落して、家屋敷を飛ばしたのです。
1万円とか、2万円とか、勝った負けた、と言っていた人が、いきなり100万円単位の損失を出す。
そして資金の大半を溶かす。
これが滑落です。
本当に多いです。
相場とは、正に切り立った尾根を登っているというイメージが正にぴったりです。
慎重に慎重に登っていくのだけれど、どこかで、ふとしたきっかけで滑落してしまい、資金の大部分を消滅させてしまう。
これがトレードの一番恐ろしいところなんです。
これは、何も1トレードで、っていう話でもありませんし、突然何かが起こって暴落に巻き込まれた、ということもありますが、多くはそういう話ではありません。
リーマン・ショック時に、滑落者が続出しましたが、リーマン・ショックとて、1日で下げたわけではなく、2週間もかけて下げたのです。
そもそも2週間もあれば、投げようと思えば、いつでも投げれたのに、それをしなかったから、つまり、自分の意思で持ちこたえたからこそ滑落したわけであって、いきなりのショックでどうしようもなかった、ということでは決してありません。
いつでも対処できたのに、しなかったのです。
自分の意思で持ちこたえようとしたから滑落したのです。
なおのこと、下げに向かってオーバーシュートの買いを断行した勇者の人たちが、枕を並べて討ち死にしましたが、敢えて向かってきたからこそ、滑落したわけです。
多くの滑落は、何ヶ月もかけて起こります。
単なる瞬間的な出来事ではありません。
自分では、普通にやっているつもりが、何ヶ月もかけて、資金の大半を溶かしてしまった、ということが現実には頻発している、ということを知っておくべきでしょう。
恐ろしいのは、「自分では普通にやっている」と思っていること。
つまり、滑落中だということに、無自覚だ、ってことです。
ここ、非常に重要です。無自覚にやってしまうから恐ろしいのです。
相場に魔物が住んでいる、というのは、こういうことを言うのだろうと思いますね。
そして、気がついたら、資金の大半が消えている、という現実の結果が待っているのです。でも、もうその時には遅い、ということです。
デイトレは、基本ポジションを持ち越ししません。
だから安全なわけですが、持ち越ししないでも、滑落は起こります。
ましてや、デイトレーダーが負けのポジションを持ち越すようになったら、滑落確定のようなものです。
この点で、組織に所属しているディラーやプロップのトレーダーの有利なところは、きちんとリスク管理してもらえる環境でトレードできる、ということでしょう。これが大きいです。
管理下でトレードするため、破綻まで行く前に止めてもらえる仕組みが構築されています。
でも、個人は違います。
個人は、これを自分でやらねばなりませんが、そもそもそういう自覚も無いし、管理もできていないから、どこかで落とし穴にハマって、気がついたら、自分が滑落していた、ってことがわかるわけです。
正に、映画シックス・センスのラストのブルース・ウィルス状態です(笑)
とにかく、相場で何を一番避けないといけないのか、というと、この滑落こそ、一番避けるべきことです。
ほんとに大勢がこれで消えていっているのです。
相場を知ったことで、地獄を味わうことになるのです。
相場さえ知らなければ、よかったのに、相場に関わったために、悲惨なことになる、こういう人を大勢見てきています。
多くは、社会的に成功した人。
しかし、皮肉にも自分は特別だ、という思いがあるからこそ、失敗するのです。
日常の勝ったり負けたりなど、これに比べればどうでもいい話。
何年にも渡って安定した利益を出している人でさえ、ちょっとしたキッカケで、滑落し、絶命するのがこの世界です。
こういうことを意識していない、経験していないノービスなら、イチコロでしょう。
みんな目先の技術にばかり目をやっていますが、この滑落の危険ほど重要なことはありません。
滑落さえしなければ、どこかで登れるチャンスはあるんです。
命綱というのは、普段は重いだけです。しかし、滑落した時には、ザイル1本で生き残れるのです。
損切りとて同じ。
普段は、損切りなどしなければよかった、戻ったのに、ということばかりかもしれません。
しかし、ここぞという滑落時に、無傷で登山を続けるには、ザイルは必要なんです。
これを意識せずに、投資などするべきではない、と私は思いますよ。
特に危ないのは、最初から儲かった人、もしくは、投資歴2~3年目の儲かりはじめてしばらくたった人、です。
長年、この世界でやってきている投資家なら、この滑落の危険性については、嫌というほど意識しているはずです。
私が何故、今こうやって生き残っているのか。
投資を始めたころから考えると、大勢の投資家仲間がいました。
しかし、みんなどこかで滑落して、投資家生命を絶たれました。
本当に、死を選択した人もいました。
次々に、滑落して、消えていきました。
多いんです。というより、投資家の末路は、すべからく、最後は滑落死にあり、と思えるほどに、多いです。
伊達や酔狂で書いていません。長年の私の経験上からわかっているから書いています。
だから、言うんです。
一時的に勝つ人は大勢いますし、それこそ億単位で稼いだ人も大勢いました。
でも、最後は、滑落死して、ほとんどが消えてしまいました。
私は、何度か滑落しましたが、ギリギリのところで一命をとりとめ、また、命綱で助かり、そこから這い上がってこれただけなんです。
こうして、滑落の怖さを知って、常に滑落しないことを意識しながら相場に取り組んでいるからこそ、何とかここまでは生き残れているのです。
ただし、明日にはもう、消えているかもしれませんが(汗)
この「最後は滑落死で終わる」という大勢の仲間を看取ってきた経験から言えることは、
相場などやるもんじゃない
ってことでしょうかね。
投資において、一番意識しておかねばいけないことは、何よりも、
如何に滑落しないか
ということなんです。
こんなこと、誰も言いませんし、どこにも書いていませんが、他の何よりも重要なことです。
これに比べれば、他のことは、取るに足りないことばかりです。
取れなくてもいいです。儲からなくてもいいです。滑落さえしなければ。
生きてさえいれば、何とかなります。
ジリ貧でも結構です。
でも投資家生命を絶たれるような負けを喫すれば、もうそこで終わってしまいます。
相場で儲かったと言っている投資家に対する世間のイメージとして「ちょっと儲かったからって有頂天になっているけど、すぐに損するさ!」というものがあります。
妬みや僻みということがありますが、このイメージは、概ね
正しい!!
です(笑)
ほぼ的中します。
何故なら、ほとんどの人は、その後に、滑落するからです。
滑落を逃れて生き残れる投資家は少ないです。
そして、儲かりだした頃が一番危ない、です。
最初から負けて負けてという人は、滑落もしません。
何故なら、無茶しないからです。というか、できないからです。
下手に勝つから、危ないんです。
このこと、すっと入った人は、それなりの経験者でしょう。
確かに、登山技術というのは必要です。
しかし、その技術さえ知れば、登山は可能なのだ、と思っている投資家が実に多いです。
本で登山技術を読んで、登山家のセミナーで教えてもらって、それで、一人前のアルピニストになれるのか、ということですが、大勢がそれでなれる、と思っています。
そもそも登山技術を知ることと、技術をマスターしていることは、まるで違います。
さらには、
滑落しないためには、技術だけでいいのか。
経験は必要ないのか。
精神力は問われないのか。
普通の人が、いきなりマッキンリーに行けるのか、ってことを考えてみてください。
そもそも、初心者と上級者、プロのアルピニストとの差は何なのか。
読んだ本の量か。登山技術の知識の差か。
プロのアルピニストのアルピニストたる所以とは何か。
登山で飯を食うこと、つまりプロの登山家になるということ。
初心者が、本を一冊読んで、いきなりプロの登山家になれるのか(笑)

私は不思議に思います。
何故、最初からマッターホルンに登れると思っているのか(笑)
初心者と上級者との違いが、登山技術の知識にある、と思っている人は多いですが、長年この世界で生き残っている人は、間違いなく、滑落に対する対応力を持っている人です。
みんな消えていっていますよ。
消えた人は、運とか、相場の責任にするんですが、それは違います。
相場が悪かったからとか、運が悪かったとか、小手先の技術が無いからではなく、滑落への理解と備えが無いから、消えていってしまうのです。
たまたま今回生き残れたとしても、滑落への備えが無ければ、次回に消えるだけです。違いは、早いか遅いか、だけです。

人気ブログランキングへ
ありがとうございます。
「小言の滝行」に共感してもらったものだと思います。
55名の「滝行」の修行僧のみなさん、お互いに励まし合って、今日もご一緒に修行を進めていきましょう(笑)
さて、トレードのイメージとして、みなさんはどのようなイメージを持っておられるでしょうか。
私は、次のようなイメージを持っています。

これは、Ridge climbing つまり、尾根登山という意味ですが、左右が切り立った尾根を登っていく、というイメージです。
ここでは、ちょっとした油断によって、一気に滑落、ということが起こります。
ちょっとした油断、ちょっとした損失、ちょっとした慢心、それが切り口になって、一気に崩壊する、それが滑落。
こういう登山において、一歩を踏み外しただけで、あっという間に滑落するのと同じです。
常に、緊張と集中を必要とする世界。油断は死を招きます。
持っているザイルは、命綱。つまり、損切り。

ところが、命綱なしで登る無謀な登山者が後を経ちません。
恐らく、登山技術のイロハを何も教わっていないからでしょう。
一歩一歩、緊張感を持って進んでいるうちは特に問題は起こらないのですが、ちょっとした油断、ちょっとした隙があると、道を踏み外して、滑落、という現象が起こります。
滑落、というのは、ちょっと勝ちが続いた後、もしくは、少し大きめの損失を出した後、に起こりやすい、ということがわかっています。
そもそも、多くの投資家は、こういうギリギリのところを登っている、というイメージをまるで持っていません。
危険性を認識してはいないのです。
あたかも平地を歩いている、という感じでしょう。
そして、自分だけは大丈夫だ、という根拠なき自信を持っています。
元々、こういうところを歩いているんだ、という緊張感を持って、ザイルを持って、慎重に慎重に一歩一歩歩んでさえいれば、そんなに大怪我につながる確率は低くなります。
ところが、そういう緊張感なしに歩いているものだから、ふとしたキッカケで滑落する人が絶えないわけです。
現実の登山における滑落事故よりも、遥かに高い確率で、相場の滑落が起きているのはこのせいでしょう。

特に危ないのは、登山歴2年目とか、ちょっと慣れたころ。
最初は、慎重に慎重に恐る恐る登っているから、逆に大事故は起こさないもの。
しかし、2年目ともなって、ちょっと儲かってくると、心に油断が起きてくる。
これが危ない。
ちょっとした慢心と油断が滑落を招く。

トレードって、勝ったり負けたり、で、やり方を知れば勝てるようになる、というイメージかもしれませんが、それは違います。
トレードは、勝ったり負けたりを日頃しているのだけれど、どこかで滑落する、というのが真実の姿なんです。
ちょこちょこ勝ったり負けたりで破綻する人などいません。
相場で破綻するのは、ちょっと勝ったことで調子に乗るからなんです。
つまり、儲かったことが原因で、滑落するのです。
みんな、自分だけは違うと思っていますが、ちょっと親戚をたどれば、相場で大損した、という人の一人や二人いると思います。
それほど、相場でやられている人は多いってことです。
相場をやっている = 大損
というのが世間のイメージですし、それは、事実としてほぼ当たっています。
じゃあ、そういう人は、ちょこちょこ負けて、家屋敷を飛ばしたのか、というと、全く違います。
日々のちょこちょこした売買の延長線上にそういう破滅が待っているのか、と言えば、そんな人は一人もいません。
滑落したのです。滑落して、家屋敷を飛ばしたのです。
1万円とか、2万円とか、勝った負けた、と言っていた人が、いきなり100万円単位の損失を出す。
そして資金の大半を溶かす。
これが滑落です。
本当に多いです。
相場とは、正に切り立った尾根を登っているというイメージが正にぴったりです。
慎重に慎重に登っていくのだけれど、どこかで、ふとしたきっかけで滑落してしまい、資金の大部分を消滅させてしまう。
これがトレードの一番恐ろしいところなんです。
これは、何も1トレードで、っていう話でもありませんし、突然何かが起こって暴落に巻き込まれた、ということもありますが、多くはそういう話ではありません。
リーマン・ショック時に、滑落者が続出しましたが、リーマン・ショックとて、1日で下げたわけではなく、2週間もかけて下げたのです。
そもそも2週間もあれば、投げようと思えば、いつでも投げれたのに、それをしなかったから、つまり、自分の意思で持ちこたえたからこそ滑落したわけであって、いきなりのショックでどうしようもなかった、ということでは決してありません。
いつでも対処できたのに、しなかったのです。
自分の意思で持ちこたえようとしたから滑落したのです。
なおのこと、下げに向かってオーバーシュートの買いを断行した勇者の人たちが、枕を並べて討ち死にしましたが、敢えて向かってきたからこそ、滑落したわけです。
多くの滑落は、何ヶ月もかけて起こります。
単なる瞬間的な出来事ではありません。
自分では、普通にやっているつもりが、何ヶ月もかけて、資金の大半を溶かしてしまった、ということが現実には頻発している、ということを知っておくべきでしょう。
恐ろしいのは、「自分では普通にやっている」と思っていること。
つまり、滑落中だということに、無自覚だ、ってことです。
ここ、非常に重要です。無自覚にやってしまうから恐ろしいのです。
相場に魔物が住んでいる、というのは、こういうことを言うのだろうと思いますね。
そして、気がついたら、資金の大半が消えている、という現実の結果が待っているのです。でも、もうその時には遅い、ということです。
デイトレは、基本ポジションを持ち越ししません。
だから安全なわけですが、持ち越ししないでも、滑落は起こります。
ましてや、デイトレーダーが負けのポジションを持ち越すようになったら、滑落確定のようなものです。
この点で、組織に所属しているディラーやプロップのトレーダーの有利なところは、きちんとリスク管理してもらえる環境でトレードできる、ということでしょう。これが大きいです。
管理下でトレードするため、破綻まで行く前に止めてもらえる仕組みが構築されています。
でも、個人は違います。
個人は、これを自分でやらねばなりませんが、そもそもそういう自覚も無いし、管理もできていないから、どこかで落とし穴にハマって、気がついたら、自分が滑落していた、ってことがわかるわけです。
正に、映画シックス・センスのラストのブルース・ウィルス状態です(笑)
とにかく、相場で何を一番避けないといけないのか、というと、この滑落こそ、一番避けるべきことです。
ほんとに大勢がこれで消えていっているのです。
相場を知ったことで、地獄を味わうことになるのです。
相場さえ知らなければ、よかったのに、相場に関わったために、悲惨なことになる、こういう人を大勢見てきています。
多くは、社会的に成功した人。
しかし、皮肉にも自分は特別だ、という思いがあるからこそ、失敗するのです。
日常の勝ったり負けたりなど、これに比べればどうでもいい話。
何年にも渡って安定した利益を出している人でさえ、ちょっとしたキッカケで、滑落し、絶命するのがこの世界です。
こういうことを意識していない、経験していないノービスなら、イチコロでしょう。
みんな目先の技術にばかり目をやっていますが、この滑落の危険ほど重要なことはありません。
滑落さえしなければ、どこかで登れるチャンスはあるんです。
命綱というのは、普段は重いだけです。しかし、滑落した時には、ザイル1本で生き残れるのです。
損切りとて同じ。
普段は、損切りなどしなければよかった、戻ったのに、ということばかりかもしれません。
しかし、ここぞという滑落時に、無傷で登山を続けるには、ザイルは必要なんです。
これを意識せずに、投資などするべきではない、と私は思いますよ。
特に危ないのは、最初から儲かった人、もしくは、投資歴2~3年目の儲かりはじめてしばらくたった人、です。
長年、この世界でやってきている投資家なら、この滑落の危険性については、嫌というほど意識しているはずです。
私が何故、今こうやって生き残っているのか。
投資を始めたころから考えると、大勢の投資家仲間がいました。
しかし、みんなどこかで滑落して、投資家生命を絶たれました。
本当に、死を選択した人もいました。
次々に、滑落して、消えていきました。
多いんです。というより、投資家の末路は、すべからく、最後は滑落死にあり、と思えるほどに、多いです。
伊達や酔狂で書いていません。長年の私の経験上からわかっているから書いています。
だから、言うんです。
一時的に勝つ人は大勢いますし、それこそ億単位で稼いだ人も大勢いました。
でも、最後は、滑落死して、ほとんどが消えてしまいました。
私は、何度か滑落しましたが、ギリギリのところで一命をとりとめ、また、命綱で助かり、そこから這い上がってこれただけなんです。
こうして、滑落の怖さを知って、常に滑落しないことを意識しながら相場に取り組んでいるからこそ、何とかここまでは生き残れているのです。
ただし、明日にはもう、消えているかもしれませんが(汗)
この「最後は滑落死で終わる」という大勢の仲間を看取ってきた経験から言えることは、
相場などやるもんじゃない
ってことでしょうかね。
投資において、一番意識しておかねばいけないことは、何よりも、
如何に滑落しないか
ということなんです。
こんなこと、誰も言いませんし、どこにも書いていませんが、他の何よりも重要なことです。
これに比べれば、他のことは、取るに足りないことばかりです。
取れなくてもいいです。儲からなくてもいいです。滑落さえしなければ。
生きてさえいれば、何とかなります。
ジリ貧でも結構です。
でも投資家生命を絶たれるような負けを喫すれば、もうそこで終わってしまいます。
相場で儲かったと言っている投資家に対する世間のイメージとして「ちょっと儲かったからって有頂天になっているけど、すぐに損するさ!」というものがあります。
妬みや僻みということがありますが、このイメージは、概ね
正しい!!
です(笑)
ほぼ的中します。
何故なら、ほとんどの人は、その後に、滑落するからです。
滑落を逃れて生き残れる投資家は少ないです。
そして、儲かりだした頃が一番危ない、です。
最初から負けて負けてという人は、滑落もしません。
何故なら、無茶しないからです。というか、できないからです。
下手に勝つから、危ないんです。
このこと、すっと入った人は、それなりの経験者でしょう。
確かに、登山技術というのは必要です。
しかし、その技術さえ知れば、登山は可能なのだ、と思っている投資家が実に多いです。
本で登山技術を読んで、登山家のセミナーで教えてもらって、それで、一人前のアルピニストになれるのか、ということですが、大勢がそれでなれる、と思っています。
そもそも登山技術を知ることと、技術をマスターしていることは、まるで違います。
さらには、
滑落しないためには、技術だけでいいのか。
経験は必要ないのか。
精神力は問われないのか。
普通の人が、いきなりマッキンリーに行けるのか、ってことを考えてみてください。
そもそも、初心者と上級者、プロのアルピニストとの差は何なのか。
読んだ本の量か。登山技術の知識の差か。
プロのアルピニストのアルピニストたる所以とは何か。
登山で飯を食うこと、つまりプロの登山家になるということ。
初心者が、本を一冊読んで、いきなりプロの登山家になれるのか(笑)

私は不思議に思います。
何故、最初からマッターホルンに登れると思っているのか(笑)
初心者と上級者との違いが、登山技術の知識にある、と思っている人は多いですが、長年この世界で生き残っている人は、間違いなく、滑落に対する対応力を持っている人です。
みんな消えていっていますよ。
消えた人は、運とか、相場の責任にするんですが、それは違います。
相場が悪かったからとか、運が悪かったとか、小手先の技術が無いからではなく、滑落への理解と備えが無いから、消えていってしまうのです。
たまたま今回生き残れたとしても、滑落への備えが無ければ、次回に消えるだけです。違いは、早いか遅いか、だけです。

人気ブログランキングへ