リスク感覚と分割
2016/08/26 Fri
昨日、ある新人トレーダーの方とお昼を食べていていい話があったので記事にします。
その方は、デイトレで、トレード歴まだ数ヶ月とかなんですが、何と勝っています。
何かコツのようなものがあるのだろうと思って話を聞いていたのですが、なるほどと思ったことがありました。
話をしていて、気がついたのが、分割売買をしている、とのことでした。
これは誰に教えられたわけでもなく、自分の感覚でやっておられるので、凄いと思って、さらに話を聞きました。
何故、分割しているのか、というと・・
「一発でやるということは、当てもののような気がするんです。回りをみていても、一発で当てようとしているように感じて。。。」
「リスクがあるので、とりあえず最初に買ってみて、様子を見ながら次を繰り出すということをしています。」
と言われていました。
ちなみに、そんなに相場本も読んではいないので、
「分割、ナンピン、乗せ、試し、という言葉を知っていますか。」
と聞くと
「全く知らない」
ということ。
何も知らないのです。
知らないのに、乗せ、ナンピンをやって、そして、試し玉まで使うのかよ!!
とちょっと私は焦ってしまいました。
ほぼ天才じゃないか!!
そして、
「こういうやり方は間違っているんでしょうか。」
と言われたので、
「もちろん間違ってはいませんよ。というより、凄いリスク感覚に驚いています。」
と答えました。
こういうものには、やはり天性のものがあるのだ、と思いました。
さて、私は分割を使いますが、決して、分割万能論者ではありません。
むしろ昔ブログ上では分割派の方とは対立することもしばしばでした。
しかし、リスク管理において、分割を使う、というのは正しい選択でもあると思っています。
相場は、この一点と当てられることはほとんどありません。
特に逆張りにおいてはそうで、ある程度のゾーンで、行ったり来たりの繰り返しの中で、レンジを捉える、という戦い方になります。
そういった部分で、分割というのは優れた手法だろうと思うのです。
もちろん、お話した人のように
リスク管理を優先するために分割を使う
というのが正しい作法であって、
やられたから悔し紛れに引かされナンピンする
というのは、リスク管理上から論外なわけです。
一般には、この論外である「引かされナンピン」のことを「ナンピン」と言う傾向があって、ここを大きな勘違いしている人が大勢いますが、最優先すべきはリスク管理であって、そのための戦略がナンピンであり、乗せなんです。
といういうことで、私自身は、特に利食いにおいて分割を使うことが多いです。
何故なら、エントリーは狙いすませても、利食いは狙いすますことができず、どこかで利食いしなくては仕方がないからです。
10分割とか、20分割に及ぶ時もあります。
これは、板の厚さの関係もあるので、アイスバーグ注文という意味もあるのですが、利食いは狙い澄ますわけに行かないので、こうすることが多いのですね。
エントリーも、順張りでは、狙いすましができますが、逆張りにおいてはやはり難しいため、5分割とかはザラに使います。
ただ、時間軸は短いので、悠長に分割する暇が無いことが多いのは、デイトレの宿命ですね。
スイング、特に数日間とか持つ場合は、ギャップや目先のブレのリスク軽減のために分割することはさらに合理的だと思います。
もちろん、リズム取りなど相場の波に乗って行くようなやり方だと、中心技術になるので、ここは専門家が大勢おられますね。
分割については、相場の波の乗り方、として解説されることがほとんどですが、そういった
値動きと分割
という概念に加えて、
リスク管理と分割
という概念も非常に重要ですので、最近あまり語られることがなくなってきた分割ですが、昨日、聞いた話をきっかけに書いてみました。
ちなみに、私の分割は、ほとんどが等分割です。
不当分割がいいとよく言われますが、私はそうは思いません。
というのは、そもそもややこしい、ということもありますが、不当分割だと、結局、ラストの玉に重点を置くのだから、当てもの感覚にならないか、という思いがあります。
結局、一番安い(と思っているところ)を大きく行くわけだから、それは狙っている、と理解されるのじゃないか、ということです。
特に、試しからいきなり本玉という感じだと、完全に当てものじゃないか、という気がしてなりません。
また、不当分割は、マーチンゲール的匂いがして、コツコツドカンに繋がる恐れすら感じてしまうのです。
簡単なのは、教科書的ですが、2分割一括手仕舞い、だと思いますが、私は利食いを分割することが多いので、一括エントリー2分割手仕舞い、という感じでしょう。
最近は、あまり分割について議論する場も少なくなりましたが、10年以上前は、実に華やかでした。
林派、林一門の方は、基本分割派なので、よくこちらにも訪問されて、分割至上論を述べられていたことが懐かしいです。
私は、分割よりも、環境認識を優先すべきだと思っていますので、分割至上論には反対でしたが、決して分割を否定するものではありませんでした。
特定の環境においてこそ、ナンピンは活かされる
という思いがあります。
くれぐれも、分割とは、リスクを軽減するための戦略であって、拡大するものではない、という理解を前提に考えてください。
これだけ書いても、
「ナンピンなどを勧めて、破産するじゃないか。」
とか、書いてくる人が多いので、これは甚だしい勘違いだと事前に書いておきます。
全てにおいて優先されるべきはリスク管理で、その土台の上にこういった分割などの技術があるのです。
これは、私の友人が、本能的にやっていたリスク管理のための分割、というものと合致します。
本能的にこれができる、ということは凄いことだと思いました。
ほとんどの人の分割が、悔し紛れの爆死ナンピンなので、これができる人は少ないと思います。

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その方は、デイトレで、トレード歴まだ数ヶ月とかなんですが、何と勝っています。
何かコツのようなものがあるのだろうと思って話を聞いていたのですが、なるほどと思ったことがありました。
話をしていて、気がついたのが、分割売買をしている、とのことでした。
これは誰に教えられたわけでもなく、自分の感覚でやっておられるので、凄いと思って、さらに話を聞きました。
何故、分割しているのか、というと・・
「一発でやるということは、当てもののような気がするんです。回りをみていても、一発で当てようとしているように感じて。。。」
「リスクがあるので、とりあえず最初に買ってみて、様子を見ながら次を繰り出すということをしています。」
と言われていました。
ちなみに、そんなに相場本も読んではいないので、
「分割、ナンピン、乗せ、試し、という言葉を知っていますか。」
と聞くと
「全く知らない」
ということ。
何も知らないのです。
知らないのに、乗せ、ナンピンをやって、そして、試し玉まで使うのかよ!!
とちょっと私は焦ってしまいました。
ほぼ天才じゃないか!!
そして、
「こういうやり方は間違っているんでしょうか。」
と言われたので、
「もちろん間違ってはいませんよ。というより、凄いリスク感覚に驚いています。」
と答えました。
こういうものには、やはり天性のものがあるのだ、と思いました。
さて、私は分割を使いますが、決して、分割万能論者ではありません。
むしろ昔ブログ上では分割派の方とは対立することもしばしばでした。
しかし、リスク管理において、分割を使う、というのは正しい選択でもあると思っています。
相場は、この一点と当てられることはほとんどありません。
特に逆張りにおいてはそうで、ある程度のゾーンで、行ったり来たりの繰り返しの中で、レンジを捉える、という戦い方になります。
そういった部分で、分割というのは優れた手法だろうと思うのです。
もちろん、お話した人のように
リスク管理を優先するために分割を使う
というのが正しい作法であって、
やられたから悔し紛れに引かされナンピンする
というのは、リスク管理上から論外なわけです。
一般には、この論外である「引かされナンピン」のことを「ナンピン」と言う傾向があって、ここを大きな勘違いしている人が大勢いますが、最優先すべきはリスク管理であって、そのための戦略がナンピンであり、乗せなんです。
といういうことで、私自身は、特に利食いにおいて分割を使うことが多いです。
何故なら、エントリーは狙いすませても、利食いは狙いすますことができず、どこかで利食いしなくては仕方がないからです。
10分割とか、20分割に及ぶ時もあります。
これは、板の厚さの関係もあるので、アイスバーグ注文という意味もあるのですが、利食いは狙い澄ますわけに行かないので、こうすることが多いのですね。
エントリーも、順張りでは、狙いすましができますが、逆張りにおいてはやはり難しいため、5分割とかはザラに使います。
ただ、時間軸は短いので、悠長に分割する暇が無いことが多いのは、デイトレの宿命ですね。
スイング、特に数日間とか持つ場合は、ギャップや目先のブレのリスク軽減のために分割することはさらに合理的だと思います。
もちろん、リズム取りなど相場の波に乗って行くようなやり方だと、中心技術になるので、ここは専門家が大勢おられますね。
分割については、相場の波の乗り方、として解説されることがほとんどですが、そういった
値動きと分割
という概念に加えて、
リスク管理と分割
という概念も非常に重要ですので、最近あまり語られることがなくなってきた分割ですが、昨日、聞いた話をきっかけに書いてみました。
ちなみに、私の分割は、ほとんどが等分割です。
不当分割がいいとよく言われますが、私はそうは思いません。
というのは、そもそもややこしい、ということもありますが、不当分割だと、結局、ラストの玉に重点を置くのだから、当てもの感覚にならないか、という思いがあります。
結局、一番安い(と思っているところ)を大きく行くわけだから、それは狙っている、と理解されるのじゃないか、ということです。
特に、試しからいきなり本玉という感じだと、完全に当てものじゃないか、という気がしてなりません。
また、不当分割は、マーチンゲール的匂いがして、コツコツドカンに繋がる恐れすら感じてしまうのです。
簡単なのは、教科書的ですが、2分割一括手仕舞い、だと思いますが、私は利食いを分割することが多いので、一括エントリー2分割手仕舞い、という感じでしょう。
最近は、あまり分割について議論する場も少なくなりましたが、10年以上前は、実に華やかでした。
林派、林一門の方は、基本分割派なので、よくこちらにも訪問されて、分割至上論を述べられていたことが懐かしいです。
私は、分割よりも、環境認識を優先すべきだと思っていますので、分割至上論には反対でしたが、決して分割を否定するものではありませんでした。
特定の環境においてこそ、ナンピンは活かされる
という思いがあります。
くれぐれも、分割とは、リスクを軽減するための戦略であって、拡大するものではない、という理解を前提に考えてください。
これだけ書いても、
「ナンピンなどを勧めて、破産するじゃないか。」
とか、書いてくる人が多いので、これは甚だしい勘違いだと事前に書いておきます。
全てにおいて優先されるべきはリスク管理で、その土台の上にこういった分割などの技術があるのです。
これは、私の友人が、本能的にやっていたリスク管理のための分割、というものと合致します。
本能的にこれができる、ということは凄いことだと思いました。
ほとんどの人の分割が、悔し紛れの爆死ナンピンなので、これができる人は少ないと思います。

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