上手い下手の違い 1
2016/08/20 Sat
何事においても、上手い下手というものがあって、
絵の上手い下手
料理の上手い下手
歌の上手い下手
将棋の上手い下手
野球の上手い下手
外科医の上手い下手
大工の上手い下手
などなど、色んな上手い下手、というものがあります。
では、この上手い下手の違いがどうしてできるのでしょう。
野球に関して言えば、野球が上手いのは、練習の賜物。
当然、才能も知識も必要ですが、最も重要なファクターは練習ですね。
野球の知識が豊富だからといって、野球が上手いわけではありません。
スポーツは、全般そうです。
では、身体を使うスポーツだからそうなのか、というとそうではありません。
絵が上手い下手を考えてみると、まずは才能。
しかし、才能だけあっても、練習しないと上手くはなりません。
絵に関する知識も必要です。
ここで絶対に欠かせない要素は、練習なんですね。
絵に関する知識がものすごく豊富な人は、評論家です。
評論家は、絵が上手ではありません。
他の歌にせよ、外科医、大工にせよ、全ては
日々の訓練を続けて上手くなる
という道を辿ります。
ここに例外はほとんどありません。
では、振り返って、何故、相場だけは、知識だけで勝てると思ってしまうのか、ということです。
その理由としてハッキリしていのは、
相場は当てて取るものだ
という理解に行き着きます。
当てて取るのだから、当てる方法がわかればよい
という理屈です。
つまり、それは、
知識
です。
その結果、
どうやったら当てることができるのか、という知識を探すことに大半の時間を費やすこととなります。
他の世界では、こういう知識を豊富に身につけた人を評論家、好事家と言います。
野球評論家、美術評論家など、知識は豊富ですが、美術評論家は絵は上手くはありません。
この知識を求めるということの悪い点は、いくら時間を使っても、上手くはならないということなんですね。
何年も何年もやったところで、一向に上達することはありません。
美術評論家が、美術の知識をいくら蓄えても、絵が上手くならないのは明らかです。
絵の知識が豊富だから、画家になった、など、聞いたこともありませんよね。
それなら、絵の一枚でも書けば少しは上達するものを、知識を求めてばかりでは、上達することは一切無いのです。
長年相場をやっていて、相場経験は豊富なのに、とにかく下手という人は、残念ながら大勢おられます。
こういう人は、その豊富な経験の多くを当て方探しに集中してこられた方が大半だと思います。
上手くならないことに時間を費やしているから、一向に前に進まない。
じゃあ、何故そうなるのか、というと、とにかく目の前の一勝が欲しいからなんですね。
とにかく、目先目先を当てたい、勝ちたい、というそればかりが先行して、当てよう、当てようと必死なんですが、そういう時間の使い方は、積み上がることがありません。
一方で、実戦はまだ早い、お金を賭けるのが怖いからといって、「勝てる方法が見つかるまでは研究中心でやっていこう」という方も結構おられます。
こういう方も、結局、知識を求めて時間を使っておられるわけです。
相場って目の前にお金が絡むものですから、この辺りがすごく難しいわけです。
さらに質が悪いのが、
短期的な勝ち負けのほとんどは偶然
ということです。
この偶然を必然だと勘違いして、爆死する。
これを大勢の投資家が繰り返していることも事実としてあります。
ちょっと勝つと、上手くなった、相場で勝てるようになった、という勘違いしてしまって、悲劇のスタートラインとなるわけです。
相場を初めて数年以内の勝利など、ほとんど偶然なのに、自分は勝てるようになった、と思ってしまうわけなんですね。
こういう、
当て方さえ見つかればという思い
偶然
などが複雑に絡み合うものだから、それが相場の上達を阻む大きな要因になっているのだ、と思います。
こういう誤った考え方を持っていることに加えて、偶然でも大きく勝てたりするものですから、
最初は、地道にコツコツ練習を続けていく
など、なかなかできるものではないんですね。
一方で、カリスマブログを読むと、100万円勝った、300万円勝った、と大本営発表がこれでもかこれでもかと続くわけです。
じゃあ、自分も、このカリスマと同じことをすれば、すぐにでも同じように勝てるんじゃないか、そう思わせる魔力があります。
そういう人たちは、2000万人いる投資家の頂点であって、彼らが、レスリングの伊調馨選手や吉田沙保里選手以上の競争率を勝ち抜いている勇士だとは全然思っていないわけです。
彼らが、とてつもないトレードスキルとトレードマインドを持っていることなど、完全に無視して、「やり方さえ同じならば」とやってしまって、爆死する、そういうことを繰り返すわけです。
相場を始めるにあたって、まず誰でも考えることは、
どうやったらいいんだろう。
どういう方法をすればいいんだろう。
そうだ、勝っている人の方法を真似すればいいんだ。
しかも、すごく勝っている人の真似をすれば、同じようにすごく勝てるようになる。
ということでしょう。
しかし、そこ隠れている落とし穴は、
吉田沙保里選手だからこそできる技
ということなんですね。
イチロー選手だからこそできる打撃
フォームを真似たからといって、イチローになれるわけでは決してありません。
そこにあるスキルやマインドといったものの違いが見えてはいないわけです。
つまりは、やり方が全て、という相場への理解です。
もうひとつポイントとしてあることが、
勝っている人は、やり方はそれぞれ違っても、トレードマインドやトレードスキルには、一般の投資家とは全く違う共通の特徴がある
ということなんです。
つまり、一般の理解では、やり方にこそ答えがある、ということなのですが、やり方は千差万別なので、そこには答えがない、ってことなんです。
もし、やり方に答えがあるのなら、勝っている人は、一律に正解を実践していてもおかしくないわけです。
一方で、マインドやスキルは、やり方が全く違っても、強い共通点を持っています。
つまり、学ぶべきはこちらなんですね。
ところがこちらは、一朝一夕に学ぶとか覚える、知る、ということではないわけです。
そこがトレードを難しくさせているところだと思います。
では、そういったトレードスキルやトレードマインドは、どうやったら身に付けることができるのでしょう。
結局、訓練、練習、繰り返し、の中で、身につけていく腕とか、目利き、技、といったものに行き着く、ということなんですね。
それには、残念ながら時間がかかっていまいます。
もちろんカリスマの領域までは無理であっても、
時間をかけて練習すれば身に付くものをコツコツ積み上げていく
こういう意識が必要じゃないかと思うのです。
当て方さえわかれば
ということは、誰しも思うことです。
しかし、この「当て方さえ」を追い求めて、10年、20年、30年と、成果が出ないままで、
当て方探しの投資家ゾンビ
と化した亡霊のような大勢の投資家の姿を見るにつけ、つくづく私も思うところはあるんですね。
このゾンビさんたちの特徴ははっきりしていて、
ほんとうに知識は豊富なんですが、やらせたら下手
なんですね。
相場歴何十年なのに、未だに損切り一つ満足にできないし、飛びつき買いばかりで、利食いもちびちびで、ドカンを食らっては転落、を繰り返す、というゾンビ生活をされておられます。
損切りできずに爆死など、初心者レベルのことをベテラン投資家が繰り返しているのが現実なんです。
ベテランなのに、ヘタッピーなんです。
厳しい言い方ですが、相場巧者が損切りできずにオロオロしているなど、あり得ないことですからね。
時折、アベノミクスのような上げ相場に乗れてちょっとは利益を出せても、調子に乗ってすぐに吐き出す始末で、また、地下の棺桶生活を続ける、というゾンビ生活を繰り返しているわけです。
そして数年間、棺桶でおとなしくしていて、再び相場が動き出したら、
上げ相場のラストあたりで棺桶から出てきてちょっと儲かったらまた調子に乗って滑落し、棺桶に逆戻りする
棺桶には、新たに作った塩漬けを一緒に持って入る(笑)
そういう暮らしを何十年と続けている投資家ゾンビさんたちがものすごく大勢いるわけです。
余談ですが、ゾンビさんが、棺桶に戻る際の言い訳が妙に共通しているのですが、それは、
仕事が忙しくなったから!!
という、本業逃避拳炸裂(笑)
ここでは、エッジのある戦略など見つからないのだ、というつもりはありません。
実は、
仮にエッジのあるいい戦略が見つかったとしても、下手でスキルもマインドもダメなら、儲けることなどできない、ということなんですね。
これは、意外と盲点で、やり方にしか興味がないから、こういうことが見えてはいないのです。
とてつもないエッジのある戦略が見つかればいいですが、その可能性は限りなくゼロでしょう。
100%勝てる方法など存在しないのですから、下手ではやはりダメなのです。
前にも書いたとおり、エッジのある戦略というのは、金棒なんです。
いくらいい金棒であっても、鬼の体力がなければ、振り回すことができない、ということなんですね。
これは、ゴルフクラブにばかり金をかけて、練習を大してしないゴルファーと同じです。
問題は、練習不足でスキルが低いことなのに、ゴルフクラブが悪いからだと本気で思っているわけです。
錦織圭選手と同じラケットを使えばエアケイが打てるのか。タイガー・ウッズ選手と同じクラブを使えばタイガーになれるのか。
道具は所詮道具であって、それを使いこなせるだけの力がどうしても必要なんです。
やり方にこだわることは仕方がありませんが、それだけではダメだ、ということを理解すべきなんですね。
ここで、すごく朗報があるわけですが、
どうなったらいつま経っても相場で勝つことができないのか、年月を経てもダメなままなのかは、先輩ゾンビが全て教えてくれているのだ!!
という驚愕の事実です。
どういう考え方をすれば、ゾンビと化すのか、それが明確だということはすごいことだと思います。
やり方は、下手な人、上手い人、千差万別で共通点は見つけられない。
しかし、
下手な人には下手な人共通の考え方を持っており、上手い人には上手い人共通の考え方がある。
そして、この二つは相容れない。
これは凄いことなんです。
私は相場歴が長いですから、大勢の両方を投資家さんたちを見てきています。
帰納的に類推できる事例を豊富に持っているので、こうやってわかっているのです。
投資家の方とちょっと話をすれば、その人がどの程度のレベルか概ねわかる、というのも、こういう判別理由があるからなんですね。
上手い下手を、やり方などでは判別できません。
上手い下手を分けているのは、相場に対する考え方なんです。
どうしたら儲かるのか、ということばかり考えていると思いますが、
どうしたら負けるのか、負け続けている人はどういう考え方をしているのか、を理解する方がずっと簡単なんですね。
さて、投資家ゾンビさんに共通することは、テクニカルに執着されておられる方が多い、ということです。
なので、ちょっとしたファンダメンタルの知識すら持っておられず、相場の勘所やここぞというポイントがほとんど見えておられないんです。
チャートだけなので、メリハリが見えないわけです。
一方で、テクニカルの知識は異常なぐらい豊富で、あらゆるチャートを駆使できる勉強をされておられる。
いわゆる
罫線屋、罫線引き引き足をだし
という相場格言の通りで、
昔、兜町あたりの路地裏で「この罫線を買えば勝率95%」という罫線を、うらぶれたボロボロの服を着て売っていた人たち、と同じなんですね。
チャートで必勝法探し
これは、投資家誰でもが一度は陥る夢であり、落とし穴なんですが、ここから早く抜けだして、
上手くなる道
に入ることができれば、前に進めるものをと思います。
30年間勝ち方探しを続けていて成果がなくても、考え方さえ変えれば1年でみるみるうちに上達できるんです。
そこに必要なのは、考え方を変えることだけなのですね。
こう書いている私も、実は、元ゾンビでした!!
しかも、筋金入りのゾンビでした。
衝撃の事実がここに(笑)
なので、元OBゾンビとして、ゾンビさんたちの気持ちは痛いほどわかります。
明けても暮れても、勝てる方法がないのか、ずっとそれを追い求めて、探して探して探して・・・正に人間を求めてさまようゾンビと同じでした。
毎日毎日、明けても暮れても、勝てる方法・当て方探しの旅を延々と続けていました。
そうなると、探す方法やテクニカルの知識はどんどん増えるのですが、相変わらず相場は下手のままなんです。
私は結局10年間ゾンビの地下生活を続けたわけですが、その驚くほどの努力の成果は、毎年負けという結果でした(笑)
正直に告白しますと、
今の何倍も努力してました!!
相場に関する知識は尋常じゃないぐらいに吸収し、古今東西の必勝法の類は見えるもの全て手に入れようと努力しました。
ただ、
その知識と反比例するように結果はマイナス続きだったのですね。
知識が増えれば増えるほど、負けが増えていく・・・この驚愕の事実に、涙を拭ったことは一度二度ではありません。
今、昔の自分に言ってやりたいことは山程ありますが、たった一言では、
努力の方向が完全に間違ってるよ!!
私の10年間は、失われた10年間だとつくづく思います。
自分の20代という青春の時期の全てを相場研究に費やしたのですが、全てはムダだったのです。
この後、私は、ある人物と出会い、私の誤った考え方を強制削除されたわけですが、この話は前に書いているとおりです。
ここで言えることは、
勝っている人の方法ではなく、考え方を学ぶべきである
ということなんですね。
みんなこの逆をやりたがります。
さて、こういうことも、一度通って、失敗しないとわからないことだと思います。
ただし、一度、
相場で勝っている人とは、知識が豊富な人ではなく、上手い人だ、という意味を考えてみてもいいんじゃないでしょうか。
相場巧者、相場上手、という人が、しょぼ利食いしかできずに、損切りが下手、ということはあり得ないわけなんですね。
そういうことを考えてみてはどうか、と思うんです。
長年成果が出ないのであれば、やり方が間違っているという小手先のことではなく、目標が間違っているから上手く行かない、前に進まない、のじゃないか、と一度は疑ってみる必要があると思いますよ。
我々は、評論家や好事家を目指しているのではないのだから、物知りではなく、相場巧者、上手い人、を目指すべきなんです。

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料理の上手い下手
歌の上手い下手
将棋の上手い下手
野球の上手い下手
外科医の上手い下手
大工の上手い下手
などなど、色んな上手い下手、というものがあります。
では、この上手い下手の違いがどうしてできるのでしょう。
野球に関して言えば、野球が上手いのは、練習の賜物。
当然、才能も知識も必要ですが、最も重要なファクターは練習ですね。
野球の知識が豊富だからといって、野球が上手いわけではありません。
スポーツは、全般そうです。
では、身体を使うスポーツだからそうなのか、というとそうではありません。
絵が上手い下手を考えてみると、まずは才能。
しかし、才能だけあっても、練習しないと上手くはなりません。
絵に関する知識も必要です。
ここで絶対に欠かせない要素は、練習なんですね。
絵に関する知識がものすごく豊富な人は、評論家です。
評論家は、絵が上手ではありません。
他の歌にせよ、外科医、大工にせよ、全ては
日々の訓練を続けて上手くなる
という道を辿ります。
ここに例外はほとんどありません。
では、振り返って、何故、相場だけは、知識だけで勝てると思ってしまうのか、ということです。
その理由としてハッキリしていのは、
相場は当てて取るものだ
という理解に行き着きます。
当てて取るのだから、当てる方法がわかればよい
という理屈です。
つまり、それは、
知識
です。
その結果、
どうやったら当てることができるのか、という知識を探すことに大半の時間を費やすこととなります。
他の世界では、こういう知識を豊富に身につけた人を評論家、好事家と言います。
野球評論家、美術評論家など、知識は豊富ですが、美術評論家は絵は上手くはありません。
この知識を求めるということの悪い点は、いくら時間を使っても、上手くはならないということなんですね。
何年も何年もやったところで、一向に上達することはありません。
美術評論家が、美術の知識をいくら蓄えても、絵が上手くならないのは明らかです。
絵の知識が豊富だから、画家になった、など、聞いたこともありませんよね。
それなら、絵の一枚でも書けば少しは上達するものを、知識を求めてばかりでは、上達することは一切無いのです。
長年相場をやっていて、相場経験は豊富なのに、とにかく下手という人は、残念ながら大勢おられます。
こういう人は、その豊富な経験の多くを当て方探しに集中してこられた方が大半だと思います。
上手くならないことに時間を費やしているから、一向に前に進まない。
じゃあ、何故そうなるのか、というと、とにかく目の前の一勝が欲しいからなんですね。
とにかく、目先目先を当てたい、勝ちたい、というそればかりが先行して、当てよう、当てようと必死なんですが、そういう時間の使い方は、積み上がることがありません。
一方で、実戦はまだ早い、お金を賭けるのが怖いからといって、「勝てる方法が見つかるまでは研究中心でやっていこう」という方も結構おられます。
こういう方も、結局、知識を求めて時間を使っておられるわけです。
相場って目の前にお金が絡むものですから、この辺りがすごく難しいわけです。
さらに質が悪いのが、
短期的な勝ち負けのほとんどは偶然
ということです。
この偶然を必然だと勘違いして、爆死する。
これを大勢の投資家が繰り返していることも事実としてあります。
ちょっと勝つと、上手くなった、相場で勝てるようになった、という勘違いしてしまって、悲劇のスタートラインとなるわけです。
相場を初めて数年以内の勝利など、ほとんど偶然なのに、自分は勝てるようになった、と思ってしまうわけなんですね。
こういう、
当て方さえ見つかればという思い
偶然
などが複雑に絡み合うものだから、それが相場の上達を阻む大きな要因になっているのだ、と思います。
こういう誤った考え方を持っていることに加えて、偶然でも大きく勝てたりするものですから、
最初は、地道にコツコツ練習を続けていく
など、なかなかできるものではないんですね。
一方で、カリスマブログを読むと、100万円勝った、300万円勝った、と大本営発表がこれでもかこれでもかと続くわけです。
じゃあ、自分も、このカリスマと同じことをすれば、すぐにでも同じように勝てるんじゃないか、そう思わせる魔力があります。
そういう人たちは、2000万人いる投資家の頂点であって、彼らが、レスリングの伊調馨選手や吉田沙保里選手以上の競争率を勝ち抜いている勇士だとは全然思っていないわけです。
彼らが、とてつもないトレードスキルとトレードマインドを持っていることなど、完全に無視して、「やり方さえ同じならば」とやってしまって、爆死する、そういうことを繰り返すわけです。
相場を始めるにあたって、まず誰でも考えることは、
どうやったらいいんだろう。
どういう方法をすればいいんだろう。
そうだ、勝っている人の方法を真似すればいいんだ。
しかも、すごく勝っている人の真似をすれば、同じようにすごく勝てるようになる。
ということでしょう。
しかし、そこ隠れている落とし穴は、
吉田沙保里選手だからこそできる技
ということなんですね。
イチロー選手だからこそできる打撃
フォームを真似たからといって、イチローになれるわけでは決してありません。
そこにあるスキルやマインドといったものの違いが見えてはいないわけです。
つまりは、やり方が全て、という相場への理解です。
もうひとつポイントとしてあることが、
勝っている人は、やり方はそれぞれ違っても、トレードマインドやトレードスキルには、一般の投資家とは全く違う共通の特徴がある
ということなんです。
つまり、一般の理解では、やり方にこそ答えがある、ということなのですが、やり方は千差万別なので、そこには答えがない、ってことなんです。
もし、やり方に答えがあるのなら、勝っている人は、一律に正解を実践していてもおかしくないわけです。
一方で、マインドやスキルは、やり方が全く違っても、強い共通点を持っています。
つまり、学ぶべきはこちらなんですね。
ところがこちらは、一朝一夕に学ぶとか覚える、知る、ということではないわけです。
そこがトレードを難しくさせているところだと思います。
では、そういったトレードスキルやトレードマインドは、どうやったら身に付けることができるのでしょう。
結局、訓練、練習、繰り返し、の中で、身につけていく腕とか、目利き、技、といったものに行き着く、ということなんですね。
それには、残念ながら時間がかかっていまいます。
もちろんカリスマの領域までは無理であっても、
時間をかけて練習すれば身に付くものをコツコツ積み上げていく
こういう意識が必要じゃないかと思うのです。
当て方さえわかれば
ということは、誰しも思うことです。
しかし、この「当て方さえ」を追い求めて、10年、20年、30年と、成果が出ないままで、
当て方探しの投資家ゾンビ
と化した亡霊のような大勢の投資家の姿を見るにつけ、つくづく私も思うところはあるんですね。
このゾンビさんたちの特徴ははっきりしていて、
ほんとうに知識は豊富なんですが、やらせたら下手
なんですね。
相場歴何十年なのに、未だに損切り一つ満足にできないし、飛びつき買いばかりで、利食いもちびちびで、ドカンを食らっては転落、を繰り返す、というゾンビ生活をされておられます。
損切りできずに爆死など、初心者レベルのことをベテラン投資家が繰り返しているのが現実なんです。
ベテランなのに、ヘタッピーなんです。
厳しい言い方ですが、相場巧者が損切りできずにオロオロしているなど、あり得ないことですからね。
時折、アベノミクスのような上げ相場に乗れてちょっとは利益を出せても、調子に乗ってすぐに吐き出す始末で、また、地下の棺桶生活を続ける、というゾンビ生活を繰り返しているわけです。
そして数年間、棺桶でおとなしくしていて、再び相場が動き出したら、
上げ相場のラストあたりで棺桶から出てきてちょっと儲かったらまた調子に乗って滑落し、棺桶に逆戻りする
棺桶には、新たに作った塩漬けを一緒に持って入る(笑)
そういう暮らしを何十年と続けている投資家ゾンビさんたちがものすごく大勢いるわけです。
余談ですが、ゾンビさんが、棺桶に戻る際の言い訳が妙に共通しているのですが、それは、
仕事が忙しくなったから!!
という、本業逃避拳炸裂(笑)
ここでは、エッジのある戦略など見つからないのだ、というつもりはありません。
実は、
仮にエッジのあるいい戦略が見つかったとしても、下手でスキルもマインドもダメなら、儲けることなどできない、ということなんですね。
これは、意外と盲点で、やり方にしか興味がないから、こういうことが見えてはいないのです。
とてつもないエッジのある戦略が見つかればいいですが、その可能性は限りなくゼロでしょう。
100%勝てる方法など存在しないのですから、下手ではやはりダメなのです。
前にも書いたとおり、エッジのある戦略というのは、金棒なんです。
いくらいい金棒であっても、鬼の体力がなければ、振り回すことができない、ということなんですね。
これは、ゴルフクラブにばかり金をかけて、練習を大してしないゴルファーと同じです。
問題は、練習不足でスキルが低いことなのに、ゴルフクラブが悪いからだと本気で思っているわけです。
錦織圭選手と同じラケットを使えばエアケイが打てるのか。タイガー・ウッズ選手と同じクラブを使えばタイガーになれるのか。
道具は所詮道具であって、それを使いこなせるだけの力がどうしても必要なんです。
やり方にこだわることは仕方がありませんが、それだけではダメだ、ということを理解すべきなんですね。
ここで、すごく朗報があるわけですが、
どうなったらいつま経っても相場で勝つことができないのか、年月を経てもダメなままなのかは、先輩ゾンビが全て教えてくれているのだ!!
という驚愕の事実です。
どういう考え方をすれば、ゾンビと化すのか、それが明確だということはすごいことだと思います。
やり方は、下手な人、上手い人、千差万別で共通点は見つけられない。
しかし、
下手な人には下手な人共通の考え方を持っており、上手い人には上手い人共通の考え方がある。
そして、この二つは相容れない。
これは凄いことなんです。
私は相場歴が長いですから、大勢の両方を投資家さんたちを見てきています。
帰納的に類推できる事例を豊富に持っているので、こうやってわかっているのです。
投資家の方とちょっと話をすれば、その人がどの程度のレベルか概ねわかる、というのも、こういう判別理由があるからなんですね。
上手い下手を、やり方などでは判別できません。
上手い下手を分けているのは、相場に対する考え方なんです。
どうしたら儲かるのか、ということばかり考えていると思いますが、
どうしたら負けるのか、負け続けている人はどういう考え方をしているのか、を理解する方がずっと簡単なんですね。
さて、投資家ゾンビさんに共通することは、テクニカルに執着されておられる方が多い、ということです。
なので、ちょっとしたファンダメンタルの知識すら持っておられず、相場の勘所やここぞというポイントがほとんど見えておられないんです。
チャートだけなので、メリハリが見えないわけです。
一方で、テクニカルの知識は異常なぐらい豊富で、あらゆるチャートを駆使できる勉強をされておられる。
いわゆる
罫線屋、罫線引き引き足をだし
という相場格言の通りで、
昔、兜町あたりの路地裏で「この罫線を買えば勝率95%」という罫線を、うらぶれたボロボロの服を着て売っていた人たち、と同じなんですね。
チャートで必勝法探し
これは、投資家誰でもが一度は陥る夢であり、落とし穴なんですが、ここから早く抜けだして、
上手くなる道
に入ることができれば、前に進めるものをと思います。
30年間勝ち方探しを続けていて成果がなくても、考え方さえ変えれば1年でみるみるうちに上達できるんです。
そこに必要なのは、考え方を変えることだけなのですね。
こう書いている私も、実は、元ゾンビでした!!
しかも、筋金入りのゾンビでした。
衝撃の事実がここに(笑)
なので、元OBゾンビとして、ゾンビさんたちの気持ちは痛いほどわかります。
明けても暮れても、勝てる方法がないのか、ずっとそれを追い求めて、探して探して探して・・・正に人間を求めてさまようゾンビと同じでした。
毎日毎日、明けても暮れても、勝てる方法・当て方探しの旅を延々と続けていました。
そうなると、探す方法やテクニカルの知識はどんどん増えるのですが、相変わらず相場は下手のままなんです。
私は結局10年間ゾンビの地下生活を続けたわけですが、その驚くほどの努力の成果は、毎年負けという結果でした(笑)
正直に告白しますと、
今の何倍も努力してました!!
相場に関する知識は尋常じゃないぐらいに吸収し、古今東西の必勝法の類は見えるもの全て手に入れようと努力しました。
ただ、
その知識と反比例するように結果はマイナス続きだったのですね。
知識が増えれば増えるほど、負けが増えていく・・・この驚愕の事実に、涙を拭ったことは一度二度ではありません。
今、昔の自分に言ってやりたいことは山程ありますが、たった一言では、
努力の方向が完全に間違ってるよ!!
私の10年間は、失われた10年間だとつくづく思います。
自分の20代という青春の時期の全てを相場研究に費やしたのですが、全てはムダだったのです。
この後、私は、ある人物と出会い、私の誤った考え方を強制削除されたわけですが、この話は前に書いているとおりです。
ここで言えることは、
勝っている人の方法ではなく、考え方を学ぶべきである
ということなんですね。
みんなこの逆をやりたがります。
さて、こういうことも、一度通って、失敗しないとわからないことだと思います。
ただし、一度、
相場で勝っている人とは、知識が豊富な人ではなく、上手い人だ、という意味を考えてみてもいいんじゃないでしょうか。
相場巧者、相場上手、という人が、しょぼ利食いしかできずに、損切りが下手、ということはあり得ないわけなんですね。
そういうことを考えてみてはどうか、と思うんです。
長年成果が出ないのであれば、やり方が間違っているという小手先のことではなく、目標が間違っているから上手く行かない、前に進まない、のじゃないか、と一度は疑ってみる必要があると思いますよ。
我々は、評論家や好事家を目指しているのではないのだから、物知りではなく、相場巧者、上手い人、を目指すべきなんです。

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