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最近の相場動向など

2013/01/10 Thu

年が明けても強い相場が続きますね。

アベノミクスとか言われていますが、私のイメージとしては、民主党政権下において、世界中からぽつんと出遅れていた日本株がやっと普通の国に戻るのではないか、という期待から買われている、というように感じます。
また、買われすぎていた円も、巻き戻しで円安に振れだした、という感じがします。
ですので、上げている、というより、やっと戻しだした、という感じなのでしょうか。
巻き戻し相場、リワインド相場、という感じがします。


昨年の選挙から続くこの相場ですが、私が株をやっているのを知っている人からは、

「最近は儲かってるでしょう。」

とよく聞かれることがあります。

そこでは「まずまずです。」とちょっと苦笑気味に答えます。

確かに、今年に入ってからは、信用担保規制緩和という追い風で売買が楽になった、という面と、ボラが上がっているので、その分は取りやすくはなっているのですが、その程度でしょうか。

というのは、こういう上げ相場では、普通の人がやるように、単純に飛びついて、持っておけば儲かる、ということになるわけですが、これが結構苦手なんです。

私のように、何もないところでコツコツ取るタイプの投資家は、こういうみんなが儲かってウハウハという局面では、意外と苦戦するのです。
単純に乗っていけないからです。

私の場合は、ですが、間違ってもウハウハということはありません。

こういう時には、むしろ経験の浅い初心者の方が大儲けできたりするものです。
下手に相場の怖さを知らないが故に相場についていけるからです。

これは、前のネットバブル相場でも同じでした。
ネット相場に単純に乗った「カリスマ投資家」が次々に出ていた頃というのは、やはり同じように私は苦戦していました。
単純に買って持ち越しすれば儲かる相場だったのに、それをやらないから、なかなか乗れないのです。

そういう環境下においては、下げたら買い、上げても買いで、とにかくオーバーナイトする、これが最も優れた投資戦略となります。
そして損してもひたすら耐えて上がってくれるのを待つ、という作戦が見事にはまります。下手に損切りしたらすぐに後悔することになります。
ナンピン買いもばっちりはまります。これで一時代を築いたカリスマトレーダーも出現しました。

ランキングで上昇率上位銘柄を買って、持ち越す、ストップ高を買うなど、果敢にチャレンジした者こそがヒーローとなれる相場でした。

ただ、上げ相場だから、といって、デイトレードでも買いなのか、というと、それは結構違います。
実際にやっておられればわかりますが、売りからのチャンスも結構多いものです。
ただ、引っ張ると売りはやられます。
それが上げ相場です。


それにしても、こういう環境は何年振りのことなんでしょう。もう忘れるほど昔です。
ネットバブル以来のことかもしれません。

今は、大勢の投資家にとって、砂漠に降った恵みの雨のような時期でしょう。
もう何年も干からびてカラカラになって、死にかけになっていた動植物たちが、一斉に命の芽生えを謳歌し始めている感じです。

砂漠にできた池には、何故かしら魚まで泳いでいるのですよね。ドキュメンタリーで見ると、そういうシーンがありますが、この魚たちはどこから来たんだろう、と思いますね。

こういうみんなが儲かっている時、というのは、イワシの群れが大きくなってきている時期なので、シャチにとっては、じっくりと待って、ごちそうを頂くチャンスを狙う、という時期にあたるのかもしれません。

というより、こういう時期に、イワシさんには、どんどん増えて、丸々と太ってくれることを希望します(笑)


今は、私のように、砂漠の民であるベドウィン族は、ぬかるみに足を取られて動けません(笑)

食物連鎖の考え方からすると、イワシが儲かっている時期には、その反対側に立つシャチに出番はありません。

人が悪いと言われますが、シャチにとっては、イワシが吐き出した損失こそが利益になるので・・(笑)


こういう環境がもう半年も続けば、また株長者のような人たちがどこからともなく出てくるのでしょう。
砂漠の雨季の時期にだけできた池の魚たちのようです。

そして、この環境で儲けて、「俺もいっぱしのものになったのかも!!」という投資家たちが大勢出てくるものです。
しばらくすると、株のブログも息を吹き返して、FXに負けない状況が再び訪れるのかもしれません。

FXでも、円安が定着すれば、また「円キャリー」が復活するかもしれません。

しかし、その後は、祇園精舎の鐘の音、諸行無常の響きあり、という毎度のパターンが繰り返されることになります。
毎度ですが、その宴の後を逃げ切れる投資家はほんの一握りしかいません。

ほとんどの人が、環境ではなく、自分の実力で儲けたのだ、と勘違いすることがその原因です。
環境が変化したのに気がつかずに、そのまま突っ走って爆死する、という毎度のパターンを描きます。

私は、そういう宴会の後の「残飯あさり」、「落ち武者狩り」を得意としている種類の投資家なのかもしれません、とちょっと自嘲気味に(笑)

おいしいのは、メジャーなポジションが崩壊する時にあるのは、古今東西の相場の歴史が物語っていますから、その時に向けて、今はリフトでカチカチカチと上がっている、というイメージをつい持ってしまいます。



とまあ、ここまでは負け惜しみのようなことを書いていますが、実は、もっと上級者なら、

ここは、イワシになって泳いでみればいいじゃん!!

という「わかっていて、乗っかってみる」「阿呆になって買ってみる」ということができる人だと思います。

無邪気に売買すれば儲かる、という環境ならば、それに無邪気に乗ってみること。

これができれば、より奥義を極めたといえるのかもしれません。

私はまだその域には達していないようですね。

環境変化には気はつくものの、感覚的なことなので、簡単には切り替えできないものです。

ただ、切り替えるといっても、無邪気に乗ることに慣れてしまうと、どうしてもその感覚が体に染みついてしまって、相場の大半の時期である保合い相場で苦戦することになるので、本当にわかってやることと、きちんと切り替えができる、ということが前提になるのですが、これが結構感覚的なことなので難しいと感じます。

とにかく、まだまだ修行不足を感じるこの頃ですが、後5年ぐらいしたらその境地にたどり着けるのかもしれません。

簡単なのは、自分のペースを崩さないこと、そして、得意じゃない環境では無理をしないことでしょう。

損失は自分でいかようにもコントロールできますが、儲けられるかどうかは環境次第ですから、相場に合わせないと仕方がありません。

今は、普段と変わらないペースでコツコツ行くしかありませんね。


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パターン認識と環境認識の違い

2013/01/26 Sat

■コメント頂いたみなさん、お返事など遅くなって申し訳ございません。
トレードが専業なので、ブログは後回しになって週末にしか見ないという傾向もあって、お返事など遅くなることをご承知ください。


■ところで、最近PCが1台不調になってきたので、マザーボードとCPU、メモリー、HDDを買って入れ替えよう、と昨年末から考えて価格コムで部品をあさってはいたのですが、先週まで何となくだらだらとそのままにしていました。
ところが、円高の影響で、パーツの価格がどんどん上がってくるのです。
もう1日単位でじりじり上がる、という状態で、ついつい一昨日に「追っかけ買い」をやってしまいました。
さっさと買っておけばよかったのに、後で後でとやるからこんなことになってしまった、と猛反省です。

これまでは、後で後でとやるほど、価格が下がったものですが、今は真逆になっています。


■しかし、為替はさらに週末にかけて円安に振れていますね。

トラリピ軍団のみなさん、オプション売りのみなさん、大丈夫ですかぁーー!!

環境変化してますよぉーー!!

今一番ホットな通貨が円ですから、世界中の投機資金が集中している感じです。


■とにかく、民主党政権から自民党政権にかわって、相場の環境が大きく変化しています。

一番大きく変化したことは、ナントいっても材料の変化でしょう。

為替にしても、株にしてもそうなのですが、昨年10月までの民主党時代には、総理や日銀総裁など国内要人が何を言っても、相場は無視でした。
野田さんが何を言おうが、何をしようが、相場は完全無視でした。

為替介入をしても、介入時の一時的反転だけ、という状況でした。

つまり、国内要因には相場は無関心で、常にユーロ圏の動向だとか、ドラギ総裁の発言、とか、NYダウの状況とか、全て海外要因によって円相場、国内株が動いている、という状況でした。

しかし、11月以降、海外動向という要因が色々あったのですが、それは大した材料にもならず、安倍総理や日銀総裁の発言、また、麻生さんの発言などまで大きく材料視されて、それによって大きく相場が動く展開が続いています。

つまり、日本株、円相場の相場参加者が見ていることが、これまでは、「海外要因90%+国内要因10%」だったのが、11月からは、「海外要因20%+国内要因80%」、という感じに大きく変化した、と言えるのです。


■過去を振り返っても、これほど国内要因が重視された時期というのは、あまり経験がありません。

そもそも、日本株をやるには、まずは、NYの動向が第一で、日本株というのは、その写真相場だったので、NYが上がれば上がる、下がれば下がる、だったわけです。
なので、ネットバブルの時期でも、アメリカで火がついて、さらに日本で爆発した、という動きでした。
常に海外が主で、国内が従、という関係が続いていました。

昨年あたりですと、上海株の影響が顕著になってきて、10時30分にスタートする上海株の動きに合わせて動く、それまでは上海様子見で動かない、という感じの「常に海外要因で動く2軍市場」というのが日本株の動きでした。

また、ユーロ危機がテーマになっていた夏頃でしたら、「ドラギ総裁」の発言次第で、日本株が大きく上下する、というユーロ次第相場になっていました。

ところが、今や、日本株、円相場の値動きが世界の投機筋の最注目点であり、安倍総理の一言一句が日本マーケットを大きく動かし、そして、それが世界の投機資金のリスクオン、リスクオフにつながっている、という大転換を遂げています。

為替の本にはよく「為替はヨーロッパ時間からNY時間にかけて動くものだ」という解説がなされていますが、それは、日本の材料には無関心だから、という理由によって成り立っていたわけです。
それが、今では日本の要人発言などで動いているのですから、当然円相場は日本時間に大きく上下するようになっています。
現在トレンドは、日本時間から動き出すのです。

こういう環境変化については、単に「為替はヨーロッパ時間からが本番だ」ということを「暗記」+「パターン認識」している人だとついていけない事態となってしまいます。


■ということで、今の環境変化は、単に相場が強いとか弱い、とかいうことを超えて、久々の日本復活、という雰囲気なんだな、と感じています。

これも、今旬のテーマが「アベノミスク」になっていることが要因ですので、当然市場関係者の最大の関心事は、これがいつまで続くのか、ということになっているのでしょう。

このいつまで続くのか、ということに関しては、次のような構造的要因も考えておくべきだと思っています。

為替については、アベノミクスというテーマだけではなく、原発停止の影響があるとは言うものの、2012年には貿易赤字が過去最大になった、ということですが、利子配当などを合わせた経常収支は黒字確保であるとは言え、輸出立国のはずの日本の貿易赤字が過去最高、というのは、これも大きな構造変化が地下で起こっていることを暗示しているのかもしれません。

日本の大手電機メーカーが全滅した、というあたりが、大きな分岐点ではなかったのか、と感じます。

これまでの円高については、大手電機メーカーは、「こんなに円高になったらやっていけません。」と言葉では言いながら、何とかかんとか対応してきた歴史があります。
つまり、やっていけません、と言いながらも、何とかかかんとかやっていって、ガンガン輸出を続けるから、さらに円高になる、というスパイラル構造になっていました。
これは、ソロスの再帰性理論的な構造です。

しかし、昨年がついにいつか来るその終焉だったのでしょうか。
昨年の超円高がそのスパイラルの限界だったのでしょうか。
大手電機メーカーに、完全にとどめさして「いくらなんでも今の為替はやりすぎやろ状態」になって、

オオカミ少年であった大手電機メーカーが本当に全滅してしもた!!

という事態になってしまいました。

こうなると、輸出が止まるので、そこで相場が反転する、という流れが地下で起こっていたのかもしれない、という気がします。

当然、各企業も手をこまねいていたわけではなく、ガンガン海外進出で、国内空洞化スパイラルにもなっていました。

こういう構造変化があるとすると、単に「安倍さんが発言した。金融緩和した。」というだけの一過性のテーマではなく、それは反転のトリガーにすぎなかった、という見方もできるのではないかと思います。
 
つまり、アベノミクスというきっかけで、構造変化的見直しトレンドに入った、とすると、これは結構な期間続くトレンドになる可能性がある、と思うのです。


■また、デフレ目線が外れないと、「待っていれば下がってくる」べきものの値段が、私のPC部品高値買い、のように、待っているとどんどん上がる状況になってくる、という20年間味わったことのない環境に変化している、ということも大きなことでしょう。

これが、デフレからインフレへの変化であれば、この流れについていくしかありません。

大きな環境変化です。
過去の延長線上には無いものです。

こういう環境変化は、過去の延長線上には無いことですから、過去の検証をいくらやっても無駄なんです。

パターン認識ではダメなのだ、というのはこういうことを言います。

さて、これまでは、投資すれば負ける(お金が上がってモノが下がるから)、つまり、

何かに投資すれば失敗する、お金で持っておくのが一番だったデフレ時代

から、

何かに投資しないと、お金の価値がどんどん下がってしまうインフレ時代

への大きな変化なのでしょうか。

何もしない人が勝者となるというデフレ時代は、おかしいと言えばおかしいということも言えます。
リスクを取った人が報われる時代になるべきだ、とすれば、今の政策も必要なことなのでしょう。

ただ、心配なのは、財政規律。
本当に大丈夫なんでしょうか。とても心配です。
きっかけ待ち、という気がしてなりません。


■パターン認識ではない環境変化

環境変化とは、ここで見てきたように、構造的な変化であり、時代のパラダイムシフト的変化です。

過去の延長線上には無い変化なのですから、当然過去のパターン認識をやっても無駄なんです。

相場をパターン認識でしか捉えられない人が多いですが、そうではない構造変化についていけないと、恐竜のように死滅するしかありません。

パターン頭 = 恐竜族

になっては、どこかで死滅します。

相場をすぐにパターン化したい、というのは、パターン化すると楽だからですが、それしか考えていないと、こういう変化にはついていけないのです。

何故なら、相場はこうやって変化することを日常にしているからです。

パターン認識は、過去のパターンが繰り返されることを大前提としていますが、それが環境変化によって崩れるのが相場なのだ、というのが、環境認識派の相場理解なんです。

環境認識派にとっては、過去ではなく、今が大切で、その前提は、パターンではなく、ロジカルに今の相場を考えること、になります。

前提となるものがまるで違います。

そして、「いつ環境が変化するのか」を認識し、素早く対応する努力をする、ことが大切だと考えているのです。

昭和の時代の日本の経済成長のトレンドという環境に乗ったトレード戦略(=昭和のパターン認識)を今の時代に当てはめるのには無理がある、と前に書いたことがありました。

また、デイトレーダー以外の人は気がついてはいませんが、リーマンショック以前と以降では、デイトレード環境は劇的に変化しています。
ここで多くのトレーダーが退場となったことは、記憶に新しいところです。

ここ数か月に起こったことは、これに匹敵するような大きな変化の最中にいる、といってもいいのかもしれませんね。

私も、地味についていっています(笑)


私が最も尊敬してやまない投機家であるジョージ・ソロスの名言です。

「私はあるルールに基づいて投資しているわけではない。 ゲームのルールが変わる瞬間をめがけてトレードを仕掛けるのだ。」


■余談
本日は、晩にNHK大阪ホールで、ハロープロジェクトのコンサートに行ってきます。
とにかく、イベント好きなんです。
みんながはしゃいているのが好きなんです。
人ごみ、大騒ぎが大好き人間です。
静かさを求めるトレーダーイメージとは大違いでしょう。
おっさんが何やってんねん、と言われつつ、感性が若い、と言ってもらいたいところ(笑)
3月、ももクロにも参戦予定・・・
あの幻のチケットと言われる「嵐」の国立&ドームツアーなどにも出没していたりします。
誰だ「若い精気を吸い取ろうと企んでいるのか」という陰口が聞こえてくる(笑)
まあ、「吉川友」(よしかわとも、ではなく、きっかわゆう、愛称・・きっか)押しなんですがね。


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檻の中のネズミ

2013/02/24 Sun

檻の中にずっと閉じ込められていたネズミは、入り口が開いていても、外に出ようとしません。
何故なら、そのネズミにとっての限界は、檻の中なので、外の世界という概念が無いからです。

実際、我が家のハムスターもそうで、入り口が開いていても、外には出ようとは決してしません。
先日など、間違って一晩中開けっ放しになっていたのですが、ちゃんと檻の中で過ごしていました。
冒険心旺盛なハムスターだと、すぐに外へ出ようとする個体もいますが、今のハムスターは、歴代ハムスターの中では、一番臆病なハムですね。



さて、本年に入って、信用取引の担保規制が緩和されました。
年初からの相場上昇もあって、個人の売買代金は、ネット証券を中心として、激増している様子です。

振り返って、自分自身のことを考えると、1月は担保規制緩和が始まったばかりで、檻の中のネズミ状態であったという感じです。
これまで、自分が何年間も馴染んできた限界というものが脳の中にできあがっていて、担保規制が緩和されていても、馴染んだ限界を超えることはほとんどありませんでした。

さて、今、もう規制緩和から2か月近くが経過しようとしています。

さすがの私も、ちょっとずつ檻の外へ恐る恐る出始めている、というのが実態です。
臆病すぎるじゃないか、何やってんだ、という声もあるとは思いますが、それが長年馴染んできた習慣のなせる業なんでしょう。

また、そういう限界を前提としたやり方を続けてきた、という習慣からなかなか抜け出せないでいる、ということでもありました。

まだ、檻の周りをうろちょろしている程度ですが、最近は、担保のことを気にせずにやっとトレードできるようになってきました。

というより、気がつけば、昔ならとっくに担保切れになっていたであろう状態が出てきつつあります。

お前、遅すぎるだろう!!

と言われるかもしれませんが、それが私ですので、仕方がありません。

自然な流れで、感覚が慣れてきて、

気が付けば、そうしていた、気がつけば変化していた

というようなことが私には多いです。

長年デイトレードをやってきた他の人はどうなのか、よくわかりませんが・・・


これは、環境変化に対応する、といったことでも同じです。
もっと要領よくやればいいのですが、なかなか簡単には行かないことが多いのです。

ガンガンの上げ相場なら、

どこかで買って、オーバーナイトすりゃいいんだよ!!

と言われても、長年のリスク感覚がそれを許さない、といった感じです。


実は、自然な感覚をこうやって頼りにすると、私の経験上、本当にその環境に馴染んだ、というのは、だいたいにおいて、3か月ほどかかります。

1か月目は全然馴染めず、2か月目は恐る恐るで、3か月目はだんだんと馴染んできて、4か月目に入るともう昔からそうだった、という感じに慣れてくる、という感覚を持っています。

これは、他の人でも同じだと思うのですが、ようやく値動きも3か月目に入ると、それに馴染んで、抵抗がなくなってくる、というのが、人の感覚的なものなんでしょう。

人の感覚というのは、かなり保守的にできていて、しばらく時間の経過を経ないと、変化を受け入れないものだ、と思うのです。

そういう意味で、昔から、一回りで3か月、というのは、この人が馴染むというサイクルが影響しているのではないか、と思うのです。

林本で言うところの、3か月波動理論、ですが、この人の感覚、というものが影響してそういう変化を起こさせているのでは、という感じを私は持っています。

つまり、トレンドが発生した当初は抵抗する人などもいたのが、徐々にみんなが馴染んできて、そのトレンドに乗っかるのが当たり前になっている時期がちょうど3か月程度で、みんながそう考えるようになる時期を見計らって、相場は皮肉にも反転する・・・というよりも、みんながトレンドが続くと思うということは、もう買いたい帆人は買ってしまったので、次に買う人がいなくなった、ということではないのか、などなど、思っています。

そもそも、トレンドが続くということは、徐々に、そのトレンドに賛成票が入っていくプロセスだ、とも言えます。
全員が賛成票を投じたら、次に賛成票を入れてくれる人がいなくなるので、バケツリレーが成立しなくなります。
反対票の人が寝返ってくる時期、すなわち「懐疑」の時期こそがトレンドにとってしっかりしている時期で、みんなが「そうだそうだ!!」と賛成するようになったら、次の受け手がいなくなるのと同じなので、危険だと考えるべきなのでしょう。

今回の上げ相場も、安値からの反転当初は怖くて買えなかった人たちが、そろそろみんな大胆にオーバーナイトしてくるようになったのでは、とも思いますが、ここらで3か月、どうなるのでしょう。



さて、そういう環境で、1月の投資家別売買代金を見ると、売買シェアの約60%が外人投資家で、約30%が個人投資家でした。

相変わらず売買の60%ほどが外人なので、相場の大きな流れは外人が作る、と考えておくことが必要でしょう。

一方で、担保規制緩和の影響もあって、個人が30%と勢力を高めています。
このうちのかなりの%がデイトレードであろう、と推察されますが、この変化によって、微妙に目先の値動きも変わってきているように感じています。

主体とする投資家がどのように変化し、その結果値動きにどのような変化を生じさせているのか。理解しておく必要があるでしょう。

環境というのは、気がつけば、変化しています。

しかも、たちの悪いことに、ちょうど馴染んだあたりから、また変化するのです。

変化というより、生物の進化のように、よりマーケットは洗練されてくる、といった方がいいかもしれません。
というのは、取れるような値動きには、すぐにみんなが気がついて、参入してくるからです。
そうなるほど、相場で取るのが難しくなってきます。

こうした変化に耐えられない人は、消えていくしかありませんので、厳しい世界だと改めて思います。


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呼値縮小第二弾

2014/07/19 Sat

■新興株の値動きに変化

ここ2ヶ月近く、新興株の値動きが非常によくて、上がりだしたのに飛びついて、放置しておけば、天国に連れて行ってくれる、という夢のような相場展開だったわけですが、今週に入ってから、どうも値動きが鈍ってきています。

そんなこともあって、今週は、昼から相場を放り出して毎日西野流呼吸法に通い詰めていました(笑)。
西野先生が大阪に来られていたことともあって。


確かにストップする銘柄はまだあるわけですが、あれもこれも、というわけには行かなくなってきているようです。

携帯ゲーム系から始まって、ロボット系や、最近では水素系やと、食い尽くしてきたわけですが、次のネタをイナゴの大群が探しています。

ところがどうも、「食い尽くしてしまって、もう食うものがなくなってきたぞぉぉぉーー!」という雰囲気が漂ってきています。
まだ、バイオ系が残っているのですが、まるで元気がありません。

小保方さんが元気になれば、バイオも復活ぅぅぅぅーーー!!

となるのかどうかわかりませんが、ハイテク系、ネット系だけではもう限界なのか、とにかく、適当に利食いしないと、ほとんどが途中でお辞儀をしてしまって、これまでのように

放置プレイ


をしていると、あっという間に損切りという憂き目にあってしまうようになりました。

とにかく、これまでは、「放置プレイという手法」「放置プレイという具体的やり方」「放置プレイからストップを経ての一夜干しプレイ」が儲けのネタだったわけですが、「これで一生食える」ほど相場は甘くありませんので、そろそろ年貢の収め時かもしれません。

こういう「具体的やり方」というのは、その場その場に応じてコロコロ変化するのが当たり前です。

「このやり方で俺は天下を取った」という素人じみた理解は私にはありませんから、

賞味期限切れ

を値動きから読んで、「賞味期限が切れた食べ物は捨てるしか無い」ということで対応するしかありません。

賞味期限が切れたものを食ったら、お腹を壊します。


そもそも、新興株グループというのは、値動きが止まるとパタリと死んでしまいますので、ここをきちんと見極めて、綺麗さっぱり縁を切らないと、えらい目にあってしまいます。

新興株でいい目に合った人は、どうしても手切れが悪くて、いつまでもストーカーのように新興株にへばりついてしまって、資金を減らし続ける、ということをやっていまいがちですから、注意が必要ですが、見ていると手切れが綺麗に出来る人はそう多くありません。

というより、新興でしか稼げない、という人が多いのじゃないかと思います。

新興株のいい動きの時代に、自分を過度に最適化してしまったために、他の相場では稼げなくなったのです。
そして、そのように過剰に最適化してしまった自分を理解していないがゆえに、元には戻ることができなくなります。
特に、「具体的やり方」にこだわっている人、手法に依存している人は、こうなります。
これは、火山の噴火口でのみ生きている微生物のように、特殊な環境でしか生きられないのと同じです。

特殊な環境だから利益が出ただけであって、手法が儲けさせてくれたのではない

ということに早く気がつかないとだめなのですが、

「手法至上主義」を唱える人というのは、

「俺のやり方」が儲けさせてくれたのだ

と固く信じているわけですから、変化に対応できるはずもありません。

しかし、手法至上主義が次から次に恐竜のように滅んでいっても、また、手法至上主義が生産されますから、「永遠に相場は変化しません」(笑)

特に初心者であれば、最初に儲かった味というのは、どうしても忘れられないので、潜在意識の中にがっちりと植え付けられてしまいますから、鳥のひなが最初に見たものを親だと思い込んでしまうのと同じなのでしょう。
どうしても、特定のマーケットや特定の具体的やり方を引きずってしまって、抜けられなくなる、という気持ちはわかります。

しかし、こういうことから、結局、気がつけば、長く生き残っているデイトレーダーは少数ということになるわけです。


そういえば、為替相場も今は膠着状態ですが、昨年までの円安トレンドに慣れた人、儲けさせてもらった人は、今だにどこかでトレンドが出るのじゃないかと、出るのじゃないか、と出ては損切り、もしくは塩漬けを繰り返しているようです。

今が普通ですからね、強いトレンドというのは、異常ですから。

新興株乱舞が異常事態ですからね。同じです。

異常に最適化したら、待っているのは悲劇です。



「徳島の町は、1年中阿波踊りをしているのだ」

という理解の方がどうかしていますよ。

しかし、一方で、

阿波踊りの時期には、阿波踊りを踊れたものが勝ちだ

ってのも事実です(笑)



こういう変化に対応できるかどうか、これがコンスタントさにつながるわけですが、固定化したところにへばりついて、固定化した「具体的やり方」を貫きたいというのが人というものなので、どうしても変化対応は遅れがちになっていますね。

結局は、自分に相場を合わせようとしているだけなのだ、ということに早く気がつくべきでしょう。


強い者が生き残れるのではない。環境に適応できる者が生き残ってきたのだ。(ダーウィン)

私は特定のルールに従ってゲームに参加しているわけではない。ゲームのルール が変化するのに注目しているだけなんだ。(ジョージ・ソロス)



私の好きな名言です。

やり方にこだわっている人にはわからないことかもしれませんが。

さて、ジプシーとしては、次にどこに引っ越しするかなあ、と思案中でしたが、来週からちょうど別の動きが出てきそうです。

まっくろくろすけ は、そろそろこの家ともおさらばです。





■いよいよ週明けの22日火曜日から、呼値の単位縮小第二弾となります。

株式取引 TOPIX100構成銘柄の呼値の単位縮小について

あまり話題になっていませんが、来週から非常に大きな変化がマーケットに吹き荒れます。

これによって、特に影響が大きいのが、8411みずほ銀行でしょう。

まず、みずほの4日間の15分チャートを見てください。
2013-01-408.jpg

FXの人が見たら、「なんじゃこのチャートは!!」とびっくりするでしょうが、株では定番のチャートです。

1ティックの刻み%が非常に大きい(200円の株で1円刻みなので、0.5%)ために値動きがこのようになってしまうのです。

こんな動きじゃあ、儲けることなんて無理だろうが、って思うかもしれませんが、ここに定住している住民は大量にいるんです。

1日に1円動くかどうかという値動きなので、昨日であれば、できるだけ早く200円の買いに指値して、201円で売る、ということをするディーラーが大量に群がっています。
そして、昨日なら、200円の板を見ながら、もし200円の板が危なくなってきたら、200円のトントンで逃げるわけです。
要は、どれだけ早く板に並んで早く買って早く売れるか、の勝負なわけです。

1カイ2ヤリのティック抜き勝負では、1円抜くか、トントンで逃げるか、の勝負ができるわけですから、自分を有利に置いておくこと、すなわちエッジのあるトレードが可能になります。

これは、板売買上のエッジとなりますが、資金の制限がある個人では難しいですし、今は超高速取引が割り込んできているので、ディーラーとて難しくはなっていると思います。

昔は、ディーラーで、チャートなど見ている人は少数でした。
ほとんどがこの1ティック抜き勝負をしている、というのが実態でした。
これをやっていないディーラーは見たことがない、と言うぐらいに定番のトレード戦略だったと思います。
昔は、ディーラー端末が普通の個人が使う発注よりも有利にできていたこともあって、これで稼いでいたのが実態です。
今はよくわかりませんが。

1円といっても、1万株で1万円ですから、株数によってはバカにできません。
資金に制限が無いので、これを100万株とかやるわけです。
また回転が効けば無限にループできます。

みずほ株は、このディラーの1カイ2ヤリの1ティック抜きをする定番銘柄だったわけですが、これからはそれができなくなります。
15分チャートを見ると、値動きの特性がよくわかりますが、私などは、ここ5年以内でみずほを売買したことはありませんでしたが、週明けからちょっと見てみようと思っています。

ちょうど、新興株の動きが鈍くなってきている時期なので、こちらに引っ越しするのがいいのかもしれませんね。
当然、新興とは「具体的なやり方」は全く違うわけですが(笑)


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不調の原因とは

2014/08/22 Fri

朝早起きすると記事の更新ができます。
朝型なので朝は冴えています。
こういう自分の特性も、為替ではなく、株に向いているということなのでしょうか。
為替に比べて変動率が段違いに大きく、よーいどんの時間など特定の時間で動くことがわかっていますので、短期勝負がやりやすい、ということも株の特性でしょう。
決まった短い時間だけで勝負できる、ということも株を好きな原因になっていますね。


さて、

スランプとは何でしょう。goo辞書から引用すると、

「心身の調子が一時的に不振になっている状態。また、実力が発揮できず、成績などが一時的に落ち込んでいる状態。「―に陥る」「―を脱する」」

ということだそうです。

一般的にスランプという言葉はよく使いますし、トレードでも、儲からなくなったらスランプに陥った、と言う人が多いです。

では、

儲からなくなった = スランプ

なのか、ということです。

トレードでは、非常に好調であったものが、ある日突然ダメになって儲からなくなった、ということが頻繁に起こります。

この波は自分の調子が落ちたからこうなるのか、というと多くの場合そうではありません。

ほとんどの原因は

環境要因

によるものです。

これが相場を難しくする原因にもなっています。
他のギャンブルやスポーツであれば、環境というのは大きく変化しないわけですが、こと相場においては環境変化という要因は非常に大きく結果に影響するのです。
しかも、たちが悪いことに頻繁に起きます。


自分では全く同じことをしていても、昨日まではガンガン利益が出ていたことが、まるで儲からなくなる、むしろ損失になる、ということが現実に起こってしまうのです。

ここでチェックしておきたいことは、「昨日までと全く同じことをしていた」ということです。

同じことをしたのなら同じ結論が出るはずだ、と頭では思っていても、結果がまるで違うので、「おかしい、こんなはずはない」とついつい思ってしまいます。

特に、やり方至上主義者、やり方原理主義者、の人には顕著にそうなります。

ということは、ほとんどの人がそうなる、ってことですね(笑)

そういう状態が続くと、何かやり方がまずいのだろうか、方法が間違っているのだろうか、という方向に行きます。

その結果、儲からなくなったことが原因で「何とか利益を出さなくてはいけない」と考えて、無理をしてフォームを崩すのです。

多くの人は、ここで無茶ぶりをして大きな損失を出してしまいます。

大きな損失を出してしまうという原因は、ダメな時に無理をするからなのです。

ここではじめて「スランプに陥った」ということになるのです。

結果に振り回されて自分を見失ったわけです。

しかし、そもそも結果が変化したのは、自分のフォームを崩したことが原因ではなく、環境が変化したことが原因なのですから、原因が違っているのです。



そもそも・・・

好調だった原因そのものが「自分が上手くなった」のではなく、好環境が原因だった可能性が非常に高いわけです。

儲かったのは、アベノミクスの絶好調相場や新興バブルが原因なんです。自分が上手くなったのではありません。

ですから、調子が悪くなった、のではなく、普通に戻っただけ、なんです。

人というのは勝手なものですから、調子が良くなったのは自分が上手くなった、という勘違いをします。

後ろからガンガン追い風が吹いてきている時の

追い風参考記録

が自分の本来の実力だ、という勘違いがあるものだから、儲からなくなると、スランプになった、という勘違いも起こる、というものです。


プロ野球の選手が高校生相手に試合をしたら、簡単に勝てるからといって、それが好調だと言えるでしょうか。

スポーツで言えば、「相手が変わった」というのが、相場で言う「環境変化」に該当します。



相場というのは、突如として簡単になったり難しくなったりします。

対戦相手が大リーガーになったり、小学生になったりといきなり変化するのです。


つまり、トレードというものは、

偶然と環境

の2つに結果が大きく振り回される、ということなのです。

この中で、

上手く行ったら実力、結果が出なければスランプ、という理解をしてしまうものですから、その理解が原因となって崩れる

ということが簡単に起きてしまいます。

全て、

自己中

の考え方です。



しかし、儲かったことは、偶然であって、たまたま環境がよかっただけだ、という理解さえしていれば、崩れることもありません。

なぜなら、元に戻っただけだからです。

今日はたまたま小学生チームが相手だっだけだ、という理解です。


ですから私は、利益が出た時、相場に感謝します。

何故なら、

いい動きが出てくれなければ、どんな高等技術を用いても利益など出ない

ということを知っているからです。



全ては、

マグロ様の気分次第
(大間のマグロ漁師)

マグロ様は偉いんです。

マグロが釣れるかどうかは、マグロ様次第ということ。



マグロが大量に現れた時におもいっきり漁をして、悪天候になれば漁を休む

相手が小学生のときに試合をして、相手が大リーガーだったら試合放棄する

という当たり前のことをしているのです。



そもそも、相場にコンスタントを求めない。


ダメな時は、休めばいいだけです。
ダメな時に無理をするから大損失につながるのです。

天の時を待つ

ってことです。

個人投資家にとって最強の武器とは、何もしない、というオプションが選択できることなのです。

待つことができればどこかで必ず天の時は来ます。

要は、待てるかどうか、です。



逆に言うと、上手く行かなかった時は、天候を読み間違ったのが原因であって、釣り方がおかしくなったわけではありません。

釣り方など、そんなに変わるものではないですし、人によってそんなに大きな違いがあるわけでもありません。

そういうことなのに、ほとんどの人は釣り方にかくもこだわるのでしょうか。

「エサに秘訣が、高級釣り竿がポイントなのか、針の形にコツが」

となるのでしょう。

やり方原理主義とは面白いものですね。

釣り方にこだわっている人は、結局、そもそも、何故、という原因を完全に外しているのです。


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変化対応力

2014/11/01 Sat

昨日はびっくりしましたね。
みなさんどうお過ごしでしたでしょうか。

私は、その時、たまたま決算銘柄で売りと買いを両方持っていて、ジリジリとした展開で苦戦中でした。

そこで、いきなり先物が急騰を始めたのを音声アラームで知りました。
(いつもいつも先物を見られているわけではないので、先物急変を音声アラームで知らせるシステムを組んでいます)

為替チャートを見ると、ドル円が急騰しています。

これは日銀金融緩和か何か金融政策が出たんだ!!

225先物と為替が両方来ているのを見て、反射的にわかりました。

もちろんその時点でニュースを見たわけではありません。

脊髄反射的に売りポジションをほぼトントンで処分し、不動産株買いへシフト。
一気に買いポジションとなりました。

この間、先物が動き出して5秒~10秒程度だったでしょうか。

その瞬間には、売りポジがまだほとんど反応しておらず本当に助かりました。
というより、その瞬間はまだ動いていない売りポジを見ていたので、動いていることがわかりませんでした。
もし切る判断が10秒遅れていたら、ぶっ飛んでいたので爆死していました(汗)




今回のポイントは、バズーカ発射時、私は売りポジションを持っていた、ということです。
これは本当にやばい状況でした。

これを勝利に変えたのは、偏に変化対応力だったのです。

ここには、手法・具体的なやり方とか、読み、予想・予測など、何も関係ない、全く関係ない、ということに強くご留意ください。




この一瞬の反射的行動力によって、デイトレーダーの命運はわかれます。

もし、現場に居合わせることができたのに、呆然と見送ったとしたら、不意をつかれて

フリーズしてもうた!!

ということでしょう。

実は、急変時に人の反応で最も多いのが、このフリーズ状態なのです。




阪神淡路地震の時、たまたま大阪市内の実家にいたのですが、その時、反射的に飛び起きて、みんなの安全確保をしたのは私一人でした。
嫁や親、兄弟、みんな寝床でフリーズしていました。

びっくりして動けなかったのです。

実はこの急変時に動けないという行動は普通です。

でも、デイトレーダーなら、普通ではダメなんです。

こういう急変時にフリーズするか、一気に動けるか。

これは、もう「やり方」とか「手法」とか、「具体的な方法」とか、そういうレベルではありません。

何が勝者と敗者を分けるのか。

やり方じゃない、というのは、こういうことも含まれているわけです。




秀吉は、本能寺の変の時、高松城を水攻めにしており、ジリジリとした展開でした。
秀吉は、光秀の謀反を知って、一気に毛利と講和し、中国大返しをします。
一方で、柴田勝家は、上杉との戦いで動くことができなかったのです。

秀吉が天下を取ったのは、中国大返しができたかどうか、その瞬発力と反射的行動力、変化対応力がものを言ったのは間違いありません。

柴田が目先の戦いに拘泥して動けなかった一方で、秀吉が一気に多返ししたことがその後の命運を分けました。

これは、戦略とか、方法とか、手法、とか、そういう議論ではなく、

変化に対応できたかどうか

変化対応力


それが決め手だったわけです。





今回の黒田バズーカ砲第2弾・・

後でチャートを見れば、何を買っても儲かった値動きでした。

ここで買ってここで売れば、と後でチャートを見れば、誰だって儲けれれます。

買いさえすれば、子どもでも儲かる相場。

その子どもでも買えば誰だって儲けられる時に、実際にポジションメイクできるかどうか、そこが勝負なのです。

これに理屈などありません。

勝てる手法とか、具体的やり方、とか、そんな小理屈などどうでもよいことなんです。

ただただ、リアルでその場で動けたかどうか、これが勝負なのです。

これが

リアルな相場

であり

リアルな戦場


なのです。

頭で小理屈を考えてばかりいる人は死ぬだけです。



こっ、これが戦場

(アムロ・レイ)

そこでフリーズしている人が、後で、ここで買って、ここで売って、と後講釈ばかりしているのは、放っておきましょう。





後で見れば、誰だって、100人中100人がここで買ってれば儲かるよな、と言えるほど簡単なところで、実際に手を出せるかどうか

これが肝なのです。

売っていいか、買っていいか、よくわからない、意見がわかれる、といった、難しいところを難しく取るのが相場ではありません。

難しい戦略ややり方をしないと取れないと思っているかもしれませんが、そうではありません。

ここに手法など関係ありません。どうでもいいことです。

何故なら、「100人が100人ここで買えばいいとわかっている」ところなのですから、手法などいりません(笑)

何が勝者と敗者を分けるのか、そこを多くの人は間違っていると思うのです。

何故、私が具体的やり方とか、手法とか、こだわらないのか。

先日も、テクニカル指標を出していない、と書くと、2名ほど大反響(笑)がありましたが、今日書いたことがその答えの一部になると思います。

誰でもわかるのだから、わざわざテクニカルなど見る必要などありませんものね。



善く戦う者は勝ち易きに勝つ者なり


(孫子)





まず、自分はどういう行動がこういう変化に際してできるだろうか。

もし、フリーズしてしまう口なら、どう考えておけばいいのだろうか。


ポイントは、偏にフリーズしてしまうかどうか、にかかっています。

私とて、最初から動けたわけではありません。

偏に、経験値です。

いつも書いていますが、こういう経験を何回も何回もやって、悔しい思いをその数だけしていることで、動ける体ができてくるわけです。

飛行時間、手術回数、そういうものがものを言う職人の世界。

どれだけ戦場で実戦経験を積んだのか、それが問われる世界です。


つもり売買とか、検証とか、そんなものは経験値には含まれない、というのは、こういうことを言います。

相場も同じです。

ただ、そういうことを知らないで、自分だけは特別だ、という勘違いの新人トレーダーが大勢参入してきては、3年も経たない間に実弾を使い果たしてリタイアする、これを大勢が入れ替わり立ち代り繰り返しているわけです。

新人外科医がベテラン教授と同じように手術できるわけがない、という当たり前過ぎる理屈を知理解していないわけです。

そして、その差のほとんどは、経験値なのです。

もし、最初から心臓外科手術は無理だ、という理屈を新人が知っていたら、最初の3年間は、儲けようと無理せずにトレードができて、結果的に3年以上生き残れる確率が大きく上がるわけです。

稼げるようになるまでには時間がかかる、というのは、何も厳しさを言っているわけではなく、そういう覚悟さえ持っておけば、生き残れるチャンスが大きくなる、ということを言っているわけです。




じゃあ、何故、こんなにも経験値が必要なのか、というと、相場が固定的ではないからです。

そもそも、初心者を中心とした

手法にこだわっている人は、相場を固定的に考えています。


まるで自然科学の法則のようなものが相場に存在する、と考えています。

こうなればこう、こう動けばこう、という方程式を一生懸命に探しています。

しかし、相場は常に変化を繰り返しています。
相場が固定的ならどれほど楽でしょう。
過去のパターンがいつも通用するなら、どれだけ相場が楽かわかりません。

そうではないから、相場は難しいのです。
相場は変化するからこそ難しいですし、変化するから理解するのに経験を必要とするのです。

相場の本質とは変化することです。

このことに本当に気がつくまでに時間がかかります。

また、更に悪いことに、

人はそもそも変化に弱い生き物ですから、その変化に対応できるようになるまで、多くの時間と経験を要するのです。

とても残念ですが、そういうことです。




もちろん、こういう急変時には手を出さないという選択肢もありますし、通常モードでコツコツ稼ぐのだ、という方法論もあります。
逆張りを基本とするので、こういう場面では取れない、ということもあるでしょう。
そういうポリシーで勝っている方もおられますから、それをどうこうと言うつもりはありません。
ですから、こういう場面で取れなければダメだ、というつもりは毛頭ありませんので、確認しておきます。

しかし、こういう急変時は、後で見れば誰だってわかるところですから、そこで取ってしまうことができれば、本当に楽に相場で勝つことができます。
もし、手法にこだわっているがなかなか勝てないのだ、ということであれば、今回書いたことを参考に基本的な考え方を見直すチャンスにしてもらえればと思います。

相場を固定的に考えないとはどういうことか

手法にこだわらないとはどういう意味か


予想しない、というのはどういう意味か

環境認識が大切だ、という意味はどういうことか

予想ではなく、対応が大切なのだ、とはどういう意味か

などなど、なかなかわかりにくいと思うのです。
また、理屈ではなかなか納得できないことだと思います。

今回、具体的な事例がありましたから、わかりやすいと思い、こういうこだわりを

もしかして自分が信じている相場というものがちょっと違うんじゃないか。

と考えられる切り口になればと書いてみました。

繰り返しますが、こうせねばならない、という意味ではありません。




それと、昨日思ったのは、証券系のニュースは遅いので、とにかくその瞬間に何が起こったのは全くといってわかりません。
FX系では、こういったマクロのニュースは早いので、瞬間的にニュースが配信されていることがわかっています。
後で見れば、昨日もFX系ニュース配信ではリアルタイムで日銀のニュースが出ていました。
FX系のニュースは非常に優秀です。
FX系のシステムを常に立ち上げてニュースを流しておく必要がある、と痛感しました。
何が起こったのかがわかれば、より自信を持って対処することができるからです。


昨日は、15時過ぎてから、今度は戦場をFXのドル円に移しての残業となりました。
こういう時は、残業もやりがいがある、ということでしょう(笑)


最も強い者が生き残るのではなく、 最も賢い者が生き延びるでもない。 唯一生き残るのは、変化できる者である

チャールズ・ダーウィン


いつも引用している名言ばかりで失礼します。私は結構ワンパターンだったりします(笑)



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変化対応力 その2

2014/11/02 Sun

いいコメントをいただきましたので、また返信が長くなってしまい記事になりました(笑)


今回の「変化対応力」の記事は、過去のこの記事の実例紹介編となっています。

私にとっての相場の要諦

この記事でご紹介している

千歳基地スクランブル

110km/h Cheetah attack gazelle


この2本の動画ですが、実は私はもう百回以上見ている動画です。
繰り返し繰り返し見て、反射的に動くということを日頃からイメージトレーニングしています。

自分がスクランブルする姿、獲物を狙うチーターのなっている姿、を何度も何度もイメージしています。

今も見てみましたが、千歳基地スクランブルを見ると、今でも鳥肌が立ちました。
この待機とスクランブルの対比こそがポイントなのですよね。
リラックスして雑談しているところからのスクランブル、いつ見てもデイトレーダーの鏡としか見えません。
皆スクランブル時だけに焦点を当てますが、リラックスして待機している、スタンバっている、という姿こそがポイントなのです。
いつでも動けるようにスタンバっていなければ、いざ鎌倉が来た時に動けるはずがないからです。

チーター動画は、獲物を物色するあの顔のいかつさ、そして、一気に勝負に出る姿、そしてハイエナに横取りされるというオマケ(笑)

いつもアルゴに横取りされている自分の姿を見るようで痛々しい・・・




同じ意味で、いざ鎌倉、ということについて書いているこちらの記事もご参考までに。

茨の道 その22

いくつかのご質問に答えて・・いざ鎌倉のところ


同じようなことばかり書いているものですねえ(笑)





さて、今回、フリーズしてしまった、というコメントに対して・・・

フリーズという反応は、普通の状態だと思います。
特に卑下することなどありません。
基本、みんなそうなのです。



まず、考えてもらいたいのは、千歳基地で待機している隊員たちは、そもそもどういう人たちなのか、ということです。

ここを本気で考えてみてください。
といっても、答えを書いてしまいますが(笑)

彼らは、

特別に訓練された猛者たち


です。

いいですか、あそこで待機している隊員というのは、常にスクランブルに備えた激しい訓練を日頃から繰り返している猛者なんです。
あのスクランブルの全ての手順を何百回、何千回と繰り返して、訓練と実践を積んできた猛者たちだからこそ、あのスクランブルが可能だということです。

一度も練習したことがない、そういう実戦の場に立ち会ったことがない、という素人ではない、ということです。
ここがポイントなのです。

そして、あの待機所で待機している間中は、リラックスしているように見えて、

いつスクランブルが来てもいいように常に心構えができています。

ご浪人衆おねげいしやす!!

いざ鎌倉


に対処すべく、常にスタンバっているのです。

それをやっているからこそ、あのように一気にスクランブルで発進できるわけです。

実は、この日頃の訓練、心構え、準備、段取り、の段階でもう95%は終わっています。
残りの5%は、いざ鎌倉時に機械的にボタンを押すだけの作業に過ぎません。



それを日頃から訓練もしていないできるはずがありません。
95%のプロセスが欠けているのにできるはずがないのです。

彼らとて、日頃からの訓練や心構えなしにスクランブルできるわけがない、ということなのです。

つまり、できる人というのは、訓練、実戦、段取り、これを繰り返して上達する、という当たり前のプロセスを経ているということなのです。


逆に言いましょう。

訓練も練習も積んでいない、実戦で経験もしたことがない、そういう状態では、ふつうの反応以上のことができるわけがない!!

ってことですよ。

いや、できたらおかしい(笑)




今回、失敗したということは、このスクランブルということに関して大きな経験をされました。
そして、悔しい思いをされたことと思います。
これは素晴らしいことです。
それこそが非常に大切な経験値なのです。
何も成功体験だけが経験値ではありませんよ。

そういう思いと反省こそが、「何故自分はフリーズしてしまったのか。じゃあ次はどうすればいいのか。」という強い思いを引き出すからです。



前に私のスクランブルの記事を読んだ時に、スクランブルの動画を見ても「へぇ~、こういうこともあるのか。」程度だったのかもしれません。
経験していないから、実感が持てず、他人事だったわけです。

ここで、何が問題か、というと、

自分がこういうことができないという認識をしていないこと

こういうことが問題であるとそもそも理解していないこと


こそが真の問題だ、といいうことです。

そして、殆どの投資家は、やり方探しのみに夢中になっていて、こういうことを問題だとは認識すらしていないのです。

そもそも、実戦練習といえども、ほとんどの人は、「勝てるやり方を探すための実戦」という間違った認識で実戦を行っています。
1000本ノックといっても、勝てる方法を探すためのノックだ、と理解している人が多いと思います。


今回、失敗したことで、真の問題とは何か、について、体感できたと思います。
真の問題を認識できたのではないでしょうか。
それが何よりも重要なのです。

今回こうやって経験をした今、改めて動画を見れば、動画の意味はまるで違って見えるでしょう。

人は、自分が経験したことしか実感を持って感じることができません。

こうしたフリーズの経験を何度もし、情けない思いをすれば、そういうことが実感を持って見えてきます。

これは、実戦で経験をしていない人には絶対にわからないことです。

頭でっかちの人は、理屈や手法で全て片付くと思っているようですが、とんでもない誤解です。

呆然と立ち尽くすことしかできなかった自分を経験しないと自分というものが見えないのです。


日頃からの訓練や実戦を経ないと理屈だけでできるはずがありません。

これは、いざ自分がその場に立ってみて、初めて見える世界です。

いつも書くように、これは、具体的やり方、とか、理屈ではありません。

実際に戦場に立って、経験したからこそ見えてきた自分自身の問題なのです。


本当にいい経験をされたと思います。
ここからがやっとスタートラインです。


ここではじめて、自分は何をすべきか、どうすればいいのか、手法じゃない訓練とはどういうことか、実戦の意味とは何か、本当の練習、訓練とは何なのか、ということを真剣に考えられるスタートラインに立てたのです。



プロフェッショナル仕事の流儀の第一回目放送、エリートでなかった佐野医師、それが何故、超一流の小児心臓外科医になれたのか、ということを、番組で紹介されていました。

とにかく手術回数をこなし、手術の合間合間に、手順を繰り返し繰り返しシュミレーションし、糸の掛け方、針の持ち方、毎日毎日何時間でもひたすらに訓練を繰り返した

今でもどんな若手よりも手が器用に動くし、針と糸の手さばきは誰にも負けない


ということでした。

上手くなる、ってこういうことじゃないでしょうか。


まあ、当たり前過ぎることですが、相場の世界では「何かを知ること」がそれよりも優先される、という不思議な世界なのです。


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変化対応力 その3

2014/11/03 Mon

今回の一連のシリーズで、励ましのコメントや素晴らしいコメントを入れていただき、私も大いに刺激を受けました。

特に、虚無僧さんのコメントは素晴らしいものでしたので、それに加えて、私の意見もここで書いておこうと思います。


>なぜ相場の世界だけが違うと思えるのか、そこが不思議です。


激しく共感(笑)

>問題は、一応の水準になるまでに、あまりのつまらない練習に
>嫌気がさして、大部分の人が続かないということです。


相場の場合、この「つまらなさ」に加えて、それ以上に大きな問題があると思っています。

それは、

不安

です。



楽器などの練習では、「最初はヘタッピーなのは当たり前」という思いがあるので、練習して時間をかけてうまくなろう、と考えるのが普通でしょう。

ピアノでも、最初は、練習曲から始めて、次第に難しい曲を練習する、というプロセスをたどります。

そもそも、ピアノ始めて1ヶ月で、クラブなどでお金をもらって演奏しよう、これで金儲けをしよう、とは誰も考えないでしょう。

練習はつまらなくても、これを続ければ上手くなれる、というプロセス感というか、ステップがわかっていますから、つまらなくても続けられる方法論が確立されているのです。

さらには、そういう練習方法が確立されており、指導者もそのノウハウをベースに生徒を教える、という「教え方」も出来上がっています。

この練習の先が見える、というのは、とても大事なことだと思いますが、それでも、あまりにもつまらない練習に嫌気がさしてしまって、大部分の人はせっかく練習を始めたのに、途中で脱落してしまうのです。



一方で、相場ですが、そもそも問題として、

トレードを練習して上手くなる

という理屈が存在しませんから、

いきなり売買して利益が出なくてはいけない

と考えています。



ここで大半の人が道をそれてしまいます。

何の本を読んでも、いきなりテクニカル分析とか、ファンダメンタル分析とか、分析のことばかりで、

分析 = トレード


と言わんばかりです。

というよりも、みんな売買を始めて、いきなり利益が出るものだ、と考えています。


>あるいは楽譜の読み方ばかり知っていて
>実際の楽器に触れたこともない。
>楽譜を読めることは楽器演奏の条件ですが、
>それだけで演奏ができるわけがないのですけれどね。


結局、分析ばかりしていて、実際のトレードの練習はほとんどしていないので、楽譜だけ読めても、楽器を持つのは始めて、という投資家が多数になるわけです。

ここで、虚無僧さんと私が言いたいこととは、

楽譜が読めるからってピアノが弾けるのか!!

ってことですよ。



さらに、わずかに、指導されたりして、練習に歩み出せた幸運な人たちにも試練が待っています。

それは、

とにかくつまらないこと

派手さがないし、勝てないし、とにかくつまらない。

つまらないから続かない。

しかし、ここまでは、楽器などの練習と同じです。



ところが、相場にはさらなる試練の山が待っています。

それが、

こんなつまらないことを続けていて、何とかなるのだろうか

という不安です。

つまり、

勝てもしないこんなことを続けていて何になるのか、という思いが支配してしまい、つまらない練習に加えて、不安がどんどん拡大し、途中で投げ出してしまう

ということが起こります。

特に私が感じるのは、

相場の上達というのは、徐々に上手くなっているという実感をまるで伴わない

という恐ろしい壁があるのです。

これは、野川氏も言っておられたことですが、相場の上達というのは、徐々に上手くなる、というものではなく、ある日突然見える、というものなのです。

しかも、そのある日突然というのが年単位ってことです。

見えた時に振り返ったら、「ああ、これまでの歩みはこういうことだったのか」とわかります。

しかし、そこから練習を始めたら、また上達が見えなくなる。

しかし、それでも練習を続けていると、またどこかで急に視界が広がってくる。

そこでまた「ここまでの歩みはこういうことだったのか」とわかる。

この繰り返し、という非常に質の悪いものなのです。


これは、登山に似ていると思います。

林の中を歩いても歩いても回りの景色が見えないから、どこまで進んでいるのかよくわからない。
しかし、それでも歩いていると、突然、視界が開けて、景色が一望できるところに出る。
そこでやっと、自分が歩んだ道のりが見えてくる。

この道のりなので、ほとんどの人は、不安になってしまって、途中リタイアしてしまうのです。



さらには、「勝てないと意味が無い」という思いが、追い打ちをかけます。

負けることに意味を見出せない、ことから、そもそも負けてばかりは辛い上に、意味を感じないから、脱落する。




増してや、相場は、偶然に勝てることがあります。
間違って勝ってしまうから、事をややこしくします。
最初のうちは、間違って勝ったとしても、それを自分の実力だ、と勘違いするので、さらにおかしな方向へ進んでしまいます。

その勝ったトレードが、勝つべくして勝ったのか、偶然だったのか。

その負けたトレードが、負けるべくして負けたのか、偶然だったのか。


3年位内の人にはまるで区別はつかないと思います。
結果として、偶然を実力だと勘違いして、悲劇を引き起こすことになります。

そういう勝った負けたという相場の魔力の方が、地味な練習よりも遥かに強いですから、ほとんどの人がここで拝金主義に陥ってしまいます。

拝金主義トラップ

という大きな壁が立ちふさがっているのです。

ちなみに「勝てば官軍、負ければ賊軍」というのは、私の一番嫌いな結果論を肯定する言い回しです。




人を教えた経験がある投資家ならわかると思いますが、このトレード練習の道のりに耐えられる人はほとんどいません。

10人教えても、1人残ればいい方でしょう。
ほぼ全て脱落します。

そもそもは、「プロに教えられれば美味しい話が聞けそうだ」という気持ちから来ていることに加えて、地味な繰り返しに耐えられなくて逃亡する、というのが基本路線です。



何故そうなるのか、というと、ここまで書いたように、いくつもの壁が相場の上達への道を阻むからです。

①練習はつまらない、地味である、おまけに上達が実感できないという壁

②勝てないと意味が無い、というより最初から勝てると本気で思っている壁

③そもそもトレードを練習して上手くなるものだと思っていない、思えない壁

④偶然マジックにより、結果として拝金主義・結果論に陥る壁


⑤そして、大方の想像以上に上達には時間がかかるという壁

第一の壁をクリアしたら、また次の壁、そしてまた次の壁、次々に壁が襲いかかりますから、よほど強い指導をされても、耐えられる人はわずかでしょう。
特に重大な問題となるのが、この③だと思います。
何故なら、概念として存在しない、ということは、最も強力な障害となるからです。

練習はつまらなくても、これを続ければ勝てるようになる、と思っていれば、つまらない練習でも耐えられますが、トレードの場合、そう思えない状況が次々に出てきますから、その壁を乗り越えられないで去っていくのです。




林先生も初期のころに書かれた「商品相場の技術」などの本には、練習方法について、多くのページを割かれていました。
プロの売買譜を紹介するとともに、最初からこんな売買ができるはずがないのだから、練習方法について、事細かに書いてくださっています。

林先生の書かれた初心者の練習の売買譜だけを集めたバラコピーも私は持っています。
初心者がどういうところで失敗するのか、など、練習の売買譜に、林先生がコメントをつけて、ポイントを丁寧に解説してくれているのです。

こういった練習のプロセスを追いかけて実例や、どういう練習をすればいいのか、などなど、繰り返しいくつも実例を含めて書かれており、これらは書籍化されたものでは、恐らく世界で唯一の相場練習メソッド本だと私は思っています。

それぐらい「相場を練習して上手くなる」という概念が一般には無いのです。



私が相場を人に教えたりして見てきての経験から言えば、最初の1年はまだ耐えられても、これが2年過ぎたあたりから不安で一杯になるようです。
そして、一応の目処とする3年目の手前あたりで不安はMAXになり、脱落、脱走、リタイアが相次ぎます。

じゃあ、何で3年はかかるのか、というと、

①目利きができない、つまり、相場が見えていない

②失敗の数が足りない、つまり、どうすれば失敗するのかがわかっていない


ということが主です。

ここらのことが、3年間しがみついていれば、ようやくひよっこながら見えてくるのです。
それは毎日相場を見続けても最低でも3年はかかります。
これは、私の山勘ではなく、大勢を見てきた経験上から言っています。


野川ブートキャンプでも、4年を経て、最後まで残れた者は、10分の1ぐらいでしたから、これがスタンダードな数字なのでしょう。

そして残った者の大半が、相場でプラスを出せるようになっていた・・・というのに


地味な練習メニューに飽き飽きして、自ら脱走したのです。

まあ、覚悟・本気度・・・それまでの奴だった、ってことです。




そもそも、楽器であれ、料理人であれ、大工仕事であれ、旋盤工であれ、医者であれ、どんな仕事でもそうですが、3年で一人前になれる仕事など世の中の技術職では存在しません。

包丁一本で食って行こうと思えば、概ね10年一区切りぐらいでしょうか。

それなのに相場を志して3年を見ずに脱落する、ということは、よほど相場を甘く見ている、という証拠にも思えます。

これは、マクドのバイトができたから、自分は料理人だ、と理解しているのかな、と取られても仕方がないぐらいのインスタントさです。





練習しろ、と言われて、仕方なく練習を続けている。

しかし、1年経過し、2年経過し、それでもうまくなった、儲かるようになった、という実感がほどんどない。

上手くなってきた、という実感がまるで伴わない。

そもそも、トレードを練習する、などどこにも書いていないじゃないか。

勝てもしないし、おまけにこんなにもおもしろくもない、こんなことを続けていて、何になるのか。

こういうことを続けていても意味が無いんじゃないか。

やっぱり、勝つやり方を見つけないといけないんじゃないか。

不安がどんどん大きくなってきて、

そしてついに、

爆発する・・・



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パターン化しないとは

2014/11/04 Tue

寄り付き、まさかの大衆パニックが起きましたね。

寄り付き時、センチメントは強気一色で、イワシの群れがパニック的に株の奪い合いの状況でした。

初動に乗れなかった大衆の群れが、3日後にのこのこと出てきて動き出す、という感じで、想像を絶するほどの買いパニックが寄り付きに来ました。

みんなで渡れば怖くない、という感じで、ここまで来るとは想定外でしたので、びっくりでした。



昔、オイルショックの時に、おばちゃんがトイレットペーパーに群がって、パニックになったのを思い出していました。

「NYは下げているんだけどなあ、どうなってんだ。」

「なんや、このチャートは。」


という感じで、

大衆パニック襲来


連休中に散々ニュースが流れた影響もあって、そのニュースの勢子に煽られたこともあっての大パニックとなったようです。

まるで、ナウシカのオームの群れを見る思いでした。

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今回、週末の急上昇に乗るのは、かなり難易度が高かったと思います。

しかし、今日のパニックを取るのは、イワシの群れが飛び込んでくるのをただ大口を開けて待っていればいいだけなので、デイトレーダーにとって、難易度という点ではそう高くはないでしょう。
時間的にも余裕がありますし、イワシの生態さえある程度見えれば、後は網を仕掛けておくだけだったでしょう。
食物連鎖の上位になるためには、下位の生物の生態を理解しておかねばならないわけですね。

2014-08-77.jpg

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何てチャートだ、って思いませんか?
私は思いました。
いくらなんでもはしゃぎ過ぎやで、あんさん。

買うっていっても、限度ちゅうもんがあるだろうが、、、
(別に値頃感で言っているわけではありません)

そもそも、その企業のファンダメンタルが劇的に変わった、って話でもないわけです。
あくまでも、マクロの金融政策が変更されただけなのです。
それなのに、これらの株は、全体の値動きの倍以上跳ね上がるなんて、なんだろう、と思いませんか。
これがファンダメンタルを考えて、普通の感覚だと思います。

チャートを見ればわかりますが、ここ3ヶ月の動きを2日で超えた、という感じでした。

よくクイズ番組で、「さて最後の問題です。この問題は点数が10倍になります!!」というのがありますが、そうなると、これまでやってきたのは何だったのだ、って感じですが、正にそういう感じで、これまでの3ヶ月はなんだったのだ、という値動きになりました。

これでパニックは一旦落ち着いたので、明日以降は、再びNYや為替などを見ながら、徐々に通常運転になってくる、ということになってくるのだと思います。
そうなると、取るのは難しくなってきます。



私はよく「あらなみさんは、順張りですか、逆張りですか」と聞かれることがあって、答えるのにとても戸惑います。

どちらかに属さないといけないのかなあ、と思うのですが、私の場合、特段、に順張りであるとか、逆張りであるとか、意識してトレードしません。

じゃあ、何を考えてトレードしているのか、というと、イワシの群れを捕まえたいだけなのです。

イワシを捕まえるためには、こっちから追いかけることもあるし、泳いでくる先に網を仕掛けておくこともある、というだけにすぎません。

それを、パターン化して、順張りですか、逆張りですか、と決めつけたいようなのですが、そういう固定化することに、意味があるとは私は思っていません。

そもそも、チャートのパターンをそんなに意識してトレードしていません。

なので、前にも書いたように、テクニカルツールは何も出していません。移動平均すら出していません。見ないからです。

ナンピンもやりますし、乗せもやりますが、それらは結果として使っている技術の一部であって、そんなにこだわることとも思っていません。

そんなテクニック的なことよりも、環境認識こそ重要だと思っていますから、何故そういうものにそんなにこだわりを見せるのかがよくわからない、というのが本音なのです。




さて、大衆というイワシは、時としてわかりやすい動きをすることがあります。

オームの群れになった時です。

そのイワシの動きは、結果としてチャートの動きとなるわけですが、そうは言っても、パターンを固定的に考えようとしても、いつも同じイワシが泳いでいるわけでもありません。

今日は、終わったチャートを見れば、ギャップに向かう逆張り、ということになりますが、じゃあ、パターン認識として、

いつもいつもギャップに向かえばいいのか

と言えば、

そのように相場をパターン化して考えているから、相場が見えないのだ

と言うしかありません。

パターンにこだわっている人は、いつもいつも同じパターンが出れば、そのパターンにこだわって、相場を定型的に閉じ込めようとします。

しかし、相場などそもそも流動的ですから、パターンにいくらこだわっても、全ては毎回毎回別の動きなのです。



ちょと、言いたいことが上手く表現できずにいますので、わかりにくいと思いますが、結構コアなことを部分を書いているつもりでいます。



今日も実例があるので、わかりやすいと思い書きましたが、

相場を定型的に、パターン化して考えることの問題点

ということを要するに言いたいわけです。


みんな、勝てるやり方を探しているわけですが、

そもそもそういう勝てるやり方を探しているということこそが、相場を定型的に考え、パターン化しよう、という試みだ

ということなんです。





話は変わりますが、今回のようなときに、相場が取れたから、といって、決して自分が急に上手くなったわけではありません。

神風

が吹いただけの話です。

マグロ様が大群で来てくれたから、釣れただけで、何もかもが、マグロ様次第です。

これを自分の実力と勘違いして、ドツボにハマる人が結構多いので、ここは要注意しておくべきでしょう。

たまたまマグロ様が来てくれて利益なっただけで、マグロ様が来なければ利益など出ない


という当たり前のことをしっかりと理解しておくこと、これができないから、世間で言われるように

一時的に儲かっても、相場などやっているやつはそのうち大損するに決まっている!!

ということになるのです。

ただ、マグロ様が来たら、すぐに反応できる、という準備ができているかどうか、そこがポイントだったでしょう。


言いたいことが上手く表現できていませんね。
イメージはあるのですが、まだはっきり言葉にできるほどまとまっていない感じです。
今回は、何を言いたいのかわからない、というコメントが続出する悪寒が。。。。




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投機家の発想

2014/11/25 Tue

NHKで火星有人探査の想定ドラマをやっていました。
様々なトラブルが起こりならながらも地球に帰還する、というドラマでしたが、ゲストには宇宙飛行士の毛利衛さんがおられました。

アナウンサーが「実際の宇宙飛行にはもっとトラブルが起きるんでしょうか。」と聞くと、宇宙飛行士の毛利衛さんが次のように言われました。

「それが逆なんです。このドラマはまるで訓練のようです。
実際の宇宙飛行にはこんなにトラブルが続くということはまずありません。
しかし、訓練というのは、ありとあらゆるトラブルが起きるということを想定して訓練するわけです。
そうやって訓練しておけば、実際にトラブルが起きても慌てることなく対処できるからです。
起きるか起きないかじゃないくて、あらゆるトラブルを想定して訓練する、これが訓練なんです。
実際の飛行ではこんなにトラブルがあるということはまずありません。
逆に、これだけ想定していても、想定に無いことも起きます。
ただ、こうやって想定して訓練をくり返しておけば、実際に起こった時には冷静に対処できるようになるのです。」




この宇宙飛行士の訓練の話を聞いていて、実に投機家の発想と同じだ、と感じました。

前の記事で「マクロファンダメンタル分析」というものを書いたわけですが、実は、私はそれが正しいかどうか、ということを世に問うているわけではありません。

また、ジム・ロジャーズ氏のコメントを紹介しましたが、彼が大物投機家だから、彼の言うことは正しいのだ、という意味でもありません。

ちなみに、先日のジム・ロジャーズ氏のインタビューの模様はこちらで紹介されています。興味がある方はどうぞ。

テレビ東京でジム・ロジャーズインタビュー動画




ここが少々考え方として難しいところですし、ああいう記事の書き方をすると、誤解を受けて当然なのですが、私は先行きを予想しているつもりはありません。

私は、経済評論家でもなければ、経済学者でもなく、アナリストでもありません。

ましてや、悲観論者や破滅主義者でもありません。

私は、

投資家、さらに限定すれば投機家

なのです。

一般に、こういう議論になると、何が正しいのか、何が間違っているのか、結論は一つである、という議論になります。
日本経済は大丈夫だ、アベノミクスは正しいのだ、いや、日本は危機に面している、アベノミクスは間違いだ、などなど議論があって、どちらが正しいのか、間違っているのか、を予想しあう、という構図が通常でしょう。

しかし、投機家の発想は、そうではなく、

ありとあらゆるシナリオを想定し、どうなればどうする、ああなればああする、もしそうなったら自分に何ができるのか、そうならなかったらどうすればよいのか、事前にリスク管理できることはないか、を段取りをしていくことを考えているわけです。

あらゆる可能性を排除しない、ということです。

こういった経済予測は、全て可能性の範囲のことです。
そもそも、これが絶対に正しい、ということなど、自然科学の法則でもないのですから、あるはずがありません。

経済の先行きについてのあらゆることは、

可能性

の問題なのです。

特に、極端なシナリオはもしそうなった時に、打撃を受けることから、リスク回避の意味でも耳を傾ける必要があるのです。





このことについて、私は、コメント欄に次のように書きました。

私は、ここで経済議論をしたいわけではありません。

何が正しいのか、間違っているのか、とか、それを議論することについては、経済学者や評論家に任せておけばよい、と思っています。

一方で、私は投資家なんです。
ですから、今後のリスク要因や変動要因を分析し、もしそれが起こった時に何ができるのか、どうポジションを持てばいいのか、を探っているのです。

また、もしもの時に備えて、リスク回避の手段をとっておくべきことはないのか、を探っているのです。

実は、投資というのは、準備ができているかどうかで、結果が全く違ったものになります。
準備で8割が決まるのです。
執行はもうオマケのようなものです。

ここはわかりにくいかもしれませんが、私は、何が正しいのか、何が間違っているのか、というよりも、正しければどれだけ取れるのか、間違っていればどう避ければいいのか、を探っているのです。


ヘッジファンドが何を狙っているのか、その狙いが果たして正しいのか、間違っているのか、それは私にはわかりません。

しかし、狙っている、ということは、そこに大変動を嗅ぎつけており、巨額のポジションを投入する準備をしているということだけは確かなのです。






大変だ大変だ、と騒ぎ立てるつもりはありませんが、100%起こらない、ということはありません。
今年起こったことですら、昨年に予測できた人は皆無であり、それは、過去どんな期間を取ってもそうです。
リーマン・ショックがあれほどのものになると予測できた人もほとんどいなかったでしょうし、将来のほとんどのことは実は見えてはいないのです。

経済学者がさもこれが正しい、と言っていることも、

殆どの経済予測は、今の延長線上に敷いたものに過ぎません。

しかし、現実には、とんでもない横槍が入ってきて、そんな延長線上をめちゃめちゃにすることが過去から繰り返されてきています。


実はですね、この

とんでもない横槍

ってのがミソなんです。

大事件であったり、いきなりの政変であったり、天変地異であったりと、

そもそも、ですねえ、

そんなこと予測できるはずもないからです。

その予測できない横槍こそが、しかし、大きな影響をもたらすのだから、予測など難しい、というか、当たらないにきまっている、といってもいいぐらいです。

アベノミクス前に、「株価は1年で2倍になる」なんて言ったら、「お前はアホか」で終わりでしょう(笑)

こういうとんでもない横槍こそが、しかし、経済の行方を左右するキーファクターになるから、質が悪いんです。


ということで、どんな想定にしても、100%そんなことはない、と断言することは無理、ということです。

来年株価は5分の1になる、とか・・・

何故なら、あす隕石が衝突して大災害が起きる、というシナリオに対して絶対無いと断言できないならば・・・ってことです。

もちろん、可能性、ってことを当然配慮する必要はありますが・・・




では、何故、こういうシナリオ作りと想定を繰り返すのか、ですが、

宇宙飛行士の訓練の話に戻して、

どんなことを起こるかを予想して訓練する

という発想と、

あらゆるトラブルのシナリオを準備しておいて、出来る限り多くの可能性を想定し訓練する


という発想に大きな違いがある、ということです。

投機家の発想とは、

あらゆるシナリオを排除しない

というところから来ていると思います。

何故なら、当たりもしない予想に資金を投入する、というわけにはいかないからです。

自分の資金を実弾として投入し、リクスを取るわけです。
評論家とは違います。
外れたら「ごめんなさい」では済まないのです。



そして、何故そんな多くのシナリオを準備するのか、というと、その発想は、宇宙飛行士の訓練と同じです。

つまり、

殆どの人が、危機に際してフリーズするのは何故なのか。

どうして初動で対処できなかったのか。


それは、「想定外」だったからです。
そういう想定をしておらず、全く訓練もされておらず、結果として、フリーズしてしまうのです。

そんなことは多分起こらないだろう

そんなことは起きるはずがない


という「予想」をベースに、今の延長線上でしかものを考えてないからです。



多くの人は、活発に将来を予想したがります。
典型的には、相場が上がるか下がるか、当てよう当てようとする試みです。

そして、その発想により使われる道具が、テクニカルにせよ、ファンダメンタルにせよ、勝てる手法にせよ、何を使うにしても同じです。

ファンダメンタルなら、アベノミクスを評価し楽観するなら、これから相場は上がる、ということでしょうし、逆なら下がる、という予想でしょう。

結局、何を使うにしても、それらを全て予想の道具として見ている、という発想なのです。

しかし、そんな予想したところで、どうせ当たりませんよ。

昨年末に今の現実を予想できたでしょうか。たった1年間のことでも今の状況を当てることができたでしょうか。

大方のアナリストの予想を覆す衝撃的GDPが出たのはつい最近のことです。



ファンダメンタルなど使えない、という人の多くが、

①ファンダメンタルは難しくてそもそもわからない

②分析したところで当たらない

③織り込んでしまって後付けになる


④テクニカルでパターン化したい、単純化したい、答えが欲しい


ということがその理由だろうと思います。

特に、そもそも「ファンダメンタルを当てものの道具にしよう」という発想だから、「ファンダメンタルなど使えない」ということになるのです。

当たらないなら、使えない、という単純構造です。

じゃあ、テクニカルなら当たるのか、と言えば、同じです。
当たりません。
足跡の延長線上にどうい秘密があるというのでしょう。
そういう発想そのものに私は違和感を感じます。



一方で、過去ビッグピクチャー(大相場)を主導したのは全てファンダメンタルの大きな変化がそこで起こったからです。

これは、コメントにもありましたが、ちょっと検証すればすぐにわかります。
大きな変化や大きな動きがあった時には、必ずファンダメンタルの変化が背景として起こっています。
そもそも、それが相場だから当然のことですが・・・



民主党政権がもし続いていたら昨年の相場はあったでしょうか。

それがチャートからわかることでしょうか。


そういうことです。

つまり、シナリオを考えるにあたって、ファンダメンタルを外して、そもそもシナリオを考えようがありません。

色んなシナリオを考えるためには、ファンダメンタルは不可欠の要素なのです。

マクロタイプのヘッジファンドは、こうしてあらゆるシナリオを考えつつ、リスク・リターンから勝負できる隙間を狙ってきます。

そして、「いざ鎌倉」をじっと待っているのです。

シナリオを作り、スタンバっているからこそ動けるのです。

その発想こそが、投機家として、最も利益を出せる発想だと私は思うのです。

もちろん、他の発想を排除するものではありませんが・・・



千歳基地スクランブル


彼らは、シナリオと訓練、そしてスタンバっているからこそ、スクランブルできる、のです。

実際のスクランブルなど、オマケのようなものです。
8割9割は、スタンバイと段取りで終わっています。

そして、実際に来たらどうするのか、全て段取ってあるのです。

その段取りしていることをくり返しくり返し訓練されているのです。

彼らは、予想しているのではなく、対応すべく準備しているのです。

しかし、多分今日は来ないよ、と「予想」していたら、スクランブルできるはずがありません(笑)




来たらどうするのか、ということと、来るかどうか予想する、とはまるで違う発想なんです。

この当たりもしない予想ばかりで時間を使っている人がすごく多い、のには驚きます。

特に「過去の足跡から次を予測する魔法のパターン」にどれほど多くの人がこだわっており、

「足跡追跡装置」開発にどれだけみんなが努力しているか、驚くほどです。

しかし、そんな足跡からの予想など、横から犬が「ワン!!」と飛び出してきたら、あっという間に横にずれる、ってことなのです(笑)



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諸行無常

2015/02/26 Thu

「男前女子」って聞いたとことがありますか。
女の子然としているよりも、性格がオトコっぽいという感じで、北川景子さんがよく、男前な性格、と言われている代表です。

最近、実は、ひょんなことから、私自身、この「男前女子」が好きなのだ、ということにいまさらながら初めて気がつきました。
何年生きてんだ、と言われそうですが、ある女性とのやり取りの中で、そういえば、とつらつら考えてみると、そうだったのか、って感じで。

外見的には、石原さとみ、とか、そういうなよっとして、助けてあげたいタイプがいいと思っていたのですが、圧倒的に自分の好きなのは「男前女子」。
うーん、頭で考えていることと、実際は違うのだ、と思い知ったわけです。

そういえば、私がお気にになった、5時に夢中・月曜日の若林史江さんも、完璧過ぎるほど完璧な「男前」でした(汗)

これも「無自覚の怖さ」ですかね・・
よくよく考えれば、嫁も実に「男前」なんです(笑)

みなさん、どうなんでしょう。
周りのトレーダーさんたちに聞いたところ、「男前女子は嫌いだ!!」という意見が結構多数派だったようです。
私は例外タイプかもしれませんね。

アンケートができるようなので、よろしかったら投票してみてください。
結果が楽しみです。






さて、最近、何名かの投資家さんと話していて、つくづく「具体的やり方への執念というかすごいこだわり」があるのだなあ、と思えることが続きました。

昨年とか、ムック本であるとか、投資雑誌であるとか、億トレーダーが自分の投資戦略、やり方を書いてくれているような本が数多く出版されています。

億トレーダーの具体的なやり方

これは、手法ジプシーにとっては、ヨダレが出るほと欲しいものでしょう。
大勢が、ムック本や投資雑誌を買ったのだと思います。

セミナーとか、色々と開催されていますね。パンのとか。

さて、そうやって買った本のとおりにして、セミナーで聞いてきてそのとおりやって、どうだったでしょう。
儲かりましたか。

上手く行かなかった方が大半だと思います。
では、何故そうなるのでしょうか。

上手く行かないのは、書いていることがウソだったのか、それとも自分が下手なのか、ってことになるでしょうか。

やり方は、わかった、それは正しい、しかし儲からない。
ここで、手法ジプシーは悩みます。
別のやり方を探そうと再びコレクション活動を開始する、ということでしょう。

じゃあ、本に書いてあることはウソなのか、本当は1億円儲かってはいないのか。

本当だと私が言い切ることはできませんが、ウソではないでしょう。
では、本のとおりにやって何故自分だけは儲からないのか。

手法ジプシーとしては、

「勝てるやり方さえわかれば相場は勝てるはずだ」


という理論と戒律を持っていますから、億トレーダーの真似をすれば、自分も億トレーダーになれる、と思っています。
これだけ具体的に書いてあるのだから、その真似をすればいいのだ、ということです。
また、せっせとセミナーに話を聞きに行っている方も多いでしょう。

しかし、結果はどうだったのか、というと、やはりダメ、という方が大半ではないでしょうか。
私も周りでも、手法をとっかえひっかえ、忙しい人が大勢います(笑)

何故、こういうことが起こるのでしょうか。

不思議だと思いませんか。

この不思議、ということを突き詰めると、重要な考え方のヒントが出てくるのです。

ご自分で突き詰めてください、と言いたいところですが、やさしいので答えも書いていきます(笑)




これには、実は理由があるのです。

2015-01-44.jpg

これは、マザーズ指数の月足です。

これを見て簡単にわかることは、2013年から2014年にかけて、活況相場が続いていた、ということでしょう。
アップダウンがあるにしても、大きな振幅で、特に2013年は、300ポイントがあっという間に1000ポイント超えまで行ってしまいました。
また、昨年も5月から7月にかけて大きく上昇していることがわかります。
今年に入ってからまだ2ヶ月ですが、これはどうでしょう。
どちらかというと、ショボショボですね。

このように、マーケット環境は、それぞれ著しく変化しています。

2013年に始まったアベノミクス相場では、ロケットのように吹き上がる相場でしたから、とにかく、上がる銘柄を買って、持っているというだけでも大儲けでしたし、ストップ高持ち越し、オーバーナイト、ブレイク、なんでもキッカケがあれば、買って持っている、ということで、大きく利益を出すことができる相場でした。

これは、昨年5月から7月にかけても近い動きで、次々にストップ高が連発するマーケットにおいて、強い銘柄についていく、というやり方だけでかなりの利益を得ることができました。

デイトレーダーである私も、強い銘柄に乗って、ストップになったら持ち越す、ということを何度もやっていました。

当時、これが史上最強の「手法」であり「具体的やり方」だったと思います。

この頃に、アベノミクス長者が大勢誕生し、彼らの「具体的やり方」「手法」が、ムック本や投資雑誌に紹介されるようになりました。

彼らが大きく儲けたのは、概ねこの時でした。

天の時があったのです。


その天の時に稼げた方法というのは、今こうして動きが鈍っているマーケットで通用するものでしょうか。

もう一度マザーズ指数を見ていただきたい。
この2月の月足は、ほとんど動いていません。
上下に小さなもみ合いを作っているだけです。
銘柄によってはそんなことはない、と言われるかもしれませんが、そういう何十分の1の確率を当てることは実に難しいんです。

2013年当初であれば、勢いが出た銘柄は、片っ端からストップ高になりました。
ですから、勢いが出さえすれば、飛びついて、ほとんどが「当たり」だったのです。

ところが、今は、勢いが出たといって飛びついても、すぐに「おじぎ」します。

結果、ジャンピングキャッチして飛びついた順張りトレーダーは、全滅を食らいます。


今、このくり返しがマーケットで起きています。
新興メインのトレーダーの多くが2月は苦しんだことだと思いますが、そういう環境なんです。
別に、自分が下手になったわけではありません。
手法がおかしいのでもありません。
マーケットが変化したのです。

たまにはストップ高に行く銘柄があるから、「自分のやるのに限って」と思いますが、勝率が圧倒的に悪いのです。

本に書いてあることを信じてやったら、スカタンばかりを引くはめになった、というのは、こういう理由から来ています。

つまり、

環境が違うんです

なんでもかんでもがロケットのように打ち上がっていた当時とは、環境がまるで違っているんです。

ザクとは違うんだよ、ザクとは!!


そこを全く考えずに、「億トレーダーのやり方」を真似したところで、上手く行くはずがありません。

当時は、とにかく順張りであれば何でもよかったわけです。
そして、ストップすれば持ち越せばよいだけ。

つまり、

素材が恐ろしくいいのだから、塩をパラパラと振ってちょっと炙るだけで、実に上手い料理になった

ってことです。

手法にこだわっている人、というのは、

いつでも、どこでも通用する方法、具体的やり方

を考えておられるのだと思いますが、これだけ素材が変化しているのに、そんなものが本当にあると思いますか。

百歩譲ってFXなら、まだある程度安定した値動きがありますが、こと株式市場においては、素材の変化がすさまじいのは、マザーズ指数の月足チャートを見れば一目瞭然ではないかと思うのです。

素材と調理

手法にこだわっている人というのは、この両者の関係をあまり理解されていないのだろう、と思います。

素材あっての調理であって、調理ありき、ということはありません。

どういう素材が今出ているのか、その素材なら、どういう調理がベストなのか、これは、

素材が主であって、調理は従である

という関係にある、ということです。

決して、調理単独で存在することはありません。

確かに、同じ素材であっても、日本料理、中華、フレンチ、寿司、など、各職人によってのやり方というのはあるにせよ、素材を無視して画一的に調理することはありません。




素材の美味さには勝てない

上手い料理人というのは、素材の美味さを如何に引き出すか、に工夫をこらします。
当然、素材によって、調理法は変わります。
それに対して、下手な料理人は、素材を無視し、小手先のテクニックをひけらかして、せっかくの素材の良さをダメにします。

(野川徹)



ですから、何より重要なのは、素材の目利きということになります。
ただ、目利きというのは、一朝一夕で身に付くものではありません。

だから、相場は難しいのです。

目利きというのは、築地に何年も何年も通いつめて、ようやく身に付くものです。
半年や1年で何とかなる、というようなものではありません。

でなかったら相場は簡単ですよ。

何でもかんでも同じ調理法が通用するのなら、相場など簡単ですよ。
新人でもベテランでも同じです。
バカの一つ覚えで儲かるわけですよね。
同じ手法がいつでも通用するのなら、相場で負ける人など一人もいませんよ。


やり方にこだわっている人を見ていると、こういうことがわかっておられないのだと思います。
とにかく、やり方ありき、であって、素材などどうでもよい、という感じです。

つまり、

超自己中トレード

を断行しています。

今日水揚げされた素材を完全に無視して、手法に固執する。

しかも、大半の場合、

その「具体的やり方」というのは、過去の環境に最適化されたやり方であって、今の環境には通用しない

というものがほとんどなんです。

そもそも、本になって出版される、ということは、「私は過去これで上手く行きました」って話ですから、それが今通用するかどうかなど、わからない、のです。

過去には確かに通用したけど、今はどうかわらない、過去のの遺物なんですよ。


その紹介した人も、今は別の方法をやっている可能性が高いのだから、その人の「過去の成功体験」だけを当てにして、今やったとしても、上手く行くかどうかなど、わかりません。
多くが「いい環境で成功したからその成功体験を紹介します」というものです。

じゃあ、今本当にそれが通用するのかどうか、そんなこと、本人でもわかりませんよ。

いつかまた、ロケット相場が来れば、やったらいいんじゃないですか、ということかもしれません。

手法にこだわる人は、相場が変化している、ということを理解していません。
いつも相場は同じ動きをしているという「無意識の前提条件」を置いていますが、そんなことはありえませんよ。





前にも書きましたが、林先生の本で紹介されていた「具体的やり方」を批判するほとんどの人は、こういう

過去には正しかった


ということをすっかり忘れています。
相場は永遠に同じだと思っているのです。

今の相場と、高度成長期の相場が同じであるはずがないんです。
基礎的ファンダメンタルがまるで違うのだから。
それを同じであるという「奇妙な前提」を置いて議論するから、わけがわならない批判になるんです。

当時通用したことを紹介して、何が悪いのか、ってことです。


そして、

未来永劫同じやり方が通用しなければ、具体的なやり方を紹介してはいけないのか

ってことです。

過去には正しい具体的やり方だったことが、未来にも通用するかどうか、それは環境次第である


ということです。

そもそも、林先生の本は、そんな「小手先のテクニック」の部分に価値があるんじゃなくて、未来永劫使える考え方の部分こそ読むべきなんです。
そういう重要な考え方のところをすっ飛ばして、小手先のところしか読まないから、そういう批判が出るんです。




諸行無常

聞いたことがあると思いますが、仏教用語で、この世の現実存在はすべて、姿も本質も常に流動変化するものであり、一瞬といえども存在は同一性を保持することができないことをいう。

相場を自然科学のように捉えて、一定の法則性を探そうとしても、相場は自然科学ではないので、諸行無常なんですよ。

一定の法則性が一見するとあるかのように見えるので、初心者はそれを探そうとするけれど、その作業は困難を極めることでしょう。
浮かんでは消え、消えては浮かんで、を繰り返しているようなものです。

市場参加者は常に変化しており、同じ人が同じようにやっているということはありません。

変化することこそが相場の本質なんです。

手法に固執している人には、ここが見えていないのだ、と思います。



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パターン認識トラップ

2016/07/31 Sun

『幸運の女神には前髪しかない。』

レオナルド・ダビンチの言葉だそうですが、幸運の女神には前髪しかないため、通り過ぎた後で、慌てて捕まえようとしても、後ろ髪がなく、もう掴むことはできない、という意味です。

もたもたしていると、すぐにチャンスは消えてしまう。

これは、相場においては実にあるあるで、チャンスなどあっという間に消えます。

というより、チャンスがいつまでも続くことを放っておくほど、相場参加者は甘くない、ってことでしょう。

これは、短期売買の原理そのものでもあるのですが、

短期売買とは、まだほとんどの人が気がついていない隙間を、みんなが気がつく前に飛びついて、みんなが気がついて閉じてきたら出る

そういう性質を有している、ものです。

初動に飛び乗って、大衆が押し寄せた時には降りる。

つまり、簡単に言うと、

時間差攻撃

なんです。

短期売買のエッジの多くはこういう時間差のエッジを活用したものとなります。

ただし、「みんなが気がつく前」といっても、早耳とか、インサイダーとかそういう意味ではありませんよ。

最初の兆候や初動が出た時に、素早く反応できるかどうか

という意味です。

これが意外と難しいんです。

初動というのは、過去の動きの延長線上で考える性質を持つ人間にとっては、違和感のあるものですし、逆に向かってみたりしたくなるものです。

いきなりの変化に、人は弱いんです。

しかし、それが続くと、だんだん慣れ親しんできて、それに追随するようになる、という性質を人は持っています。

つまり、今度は、永遠に上げ続けるのだ、と理解するのです。

だから、昨日まで1000円ちょっとあたりでもたもたしていたものが、いきなり大きく上げて1200円とかになったら、もう乗れないとなる一方で、同じ株が毎日上げ続けて2000円になったら、今度はまだ続くだろう、で乗りたくなるわけです。


しかし、もうその時点では終わりの始まりなんです。

1200円では乗れなくても、2000円なら乗れる。それが人の感覚です。

結局、その本能に逆らうようなことをしないと、遅れて押し寄せる大衆の一人となってしまうのですね。

つい最近も、大相場を作ったポケモン相場がありましたが、それがまさしくそういう原理に基づくものだったと思います。



こういう原理があるものなので、始動が遅くて、もたもた考えていたり、頭が固くて方向転換が難しい人という人の性質に、相場は逆らうように動きます。

みんな、チャンス・・・すなわちエッジを探して右往左往しているわけですが、そもそもエッジとはそういう人の性質を乗り越えたところに存在します。


ところが、みんな心に優しいことをしようとするから、もうびっくりするほど遅い。

多くの人の行動パターンを見ていると、何度も何度も繰り返し見せられて、これでもかこれでもか、と確認してから、

よっこらせと動き出す

そんな感じです。

でも、もうそれじゃあ遅いよ。遅すぎるよ。

恐らく、そういう人が多いからこそ、相場のチャンスが繰り返し発生するそもそもの原因になっているのだろう、と思います。

後で考えたら、ってことは多いのですが、その瞬間、リアルで反応できる、という人はそう多くありません。

しかし、短期売買で勝ち残るには、そういう脊髄反射的反応を必要とする局面が多いのです。

人がなかなかできないことができる・・・それがエッジです。

人と同じなら、エッジなどありません。

これは、当たり前のことです。



損切りに躊躇してもたもたしたり、新しいことに遭遇してパニクってフリーズしたり、そういうことで、短期売買を乗り切るのに人は苦労します。

人間、びっくりすると、フリーズしてしまうんですね。

例えば、地震が起きた時。

自分はどう行動してきたか、考えてみてください。

揺れた、と感じた瞬間に、周囲の状況を把握して、すぐに回避行動を取れたでしょうか。

多くの人は、そういう局面ではフリーズして動けなくなるので、そこで動ける力はその人なりの優位性(エッジ)となります。

他人にできなくて、自分にできるからエッジなんです。


エッジとは、比較優位なのであり、絶対的なものではなく、相対的なものなんです。

ここは大事なポイントで、エッジを絶対的なものだと理解している人も多いのですが、それは違います。

人それぞれ得意不得意がありますから、こういう反射能力が無けれダメだってことではありませんが、少なくとも短期売買については、重要な力だと思います。



ただし、トレード対応の場合も反射神経や運動神経のことだ、と同じように考えがちなんですが、地震対応と違って、私はそれだけではなく、むしろその人の持つ考え方にすごく影響を受けていると認識しています。

具体的には、考え方の柔軟性や客観性です。

何故、反射神経だけじゃないのか、というと、トレードにおける変化対応は、秒単位ももちろんありますが、多くは時間単位、日々の変化といった長いものが多いからです。

反射的にできないというのではなく、考え方を変えられないんです。

そういう面で、回りを見ていると、頭の固い人はすごく多いですし、何でそんな固定的にしかものを考えられないのだろう、ってよく思います。

固定的にものを見る癖がついているので、変化に対応できないんです。





じゃあ、なんで、そのように、変化対応にどうしても遅れてしまうのか、固定的にしか考えられないのだろうか?

変化対応に遅れる原因は何なのだろうか?



その答えは、そもそもの相場アプローチの方法にあるんです。

相場に入ってくる人が最初に考えることは、みんな同じで、勝てるパターン探しです。

それは、そもそも相場を固定的に考えているから、同じパターンが単純に繰り返されるという理屈で成立します。

しかし、その前提で相場をやっている限り、上手く行く時期はあっても、すぐに負けに入るの繰り返しになってしまいます。

そうなっても、ほとんどの人は、「相場を固定的に考える」という前提を崩そうとはしません。

だから再び、パターン探しに戻ります。

こうして、パターンに気がついた、終わる、気がついた、終わる、を延々と繰り返すこととなります。

認識できたときには、終わるわけです。

この繰り返しで、勝てないメカニズム、すなわち パターン認識トラップにまんまとはまっているわけです。



とにかく、相場をパターン化して、固定化し、思考停止したい、という意識がいつまでの抜けないので、延々とパターン化を繰り返すため、次のようなトラップにはまってしまいます。

成功を 3度経験 もうパターン 

最初は疑心暗鬼でこわごわやっていても、何度か利益になると次第に自信がついてくる。そしてだんだんと大胆になる。しかし、その時、相場は既に9合目・・・。

結果として・・・・しょぼいポジで結構な値幅を取ったとしても、ラストは、大量ポジ抱えたままでドボンを食らう。。。

これを延々と繰り返すから、トータルでは常に負ける。

相場あるある(笑)


しかも、悪いことに、このトラップにはまっている人は、やり方とか、手法ではなくこのパターン認識トラップにはまった結果負けているのだ、ということに気がついていないことが多いです。

これは相場を予測できなかったらではなく、変化対応が遅れたから負けたのです。

何故なら、最初からきちんとポジを取っていれば、ちょっと下げたぐらいでトータルでは負けません。

負ける時だけ大きいから負けるのです。

では、何故、変化対応の遅れるかというと、そもそもパターン認識とは、ある程度の繰り返しがあってはじめて成り立つものだから、その時には、もう認識できたパターンは、終わりの始まりなんです。

本人は、パターン認識だとは自覚していないケースも多いです。

しかし、「利益が続いてだんだん自信がついて・・・」という時点でそれは、「やっていることを繰り返しの認識をしている」ということなので、すなわちそれこそが広義のパターン認識なんです。

つまり、パターン認識そのものが、変化対応への遅れを導くという、パターン認識トラップにはまってしまっているのです。


そもそも、自分が自信を持ってきた段階(=パターン認識できた段階)というのは、他の大勢の投資家だって気がついてきている段階なのだ、ということを理解せねばなりません。

先ほど書いたように、エッジとは、比較優位なのだから、みんなが気がついた段階では、もうそれはエッジでもなんでもない、ただの大衆行動の一員に格下げなんです。

この段階のチャートを見れば、もう遅いぐらい誰にでもわかるはずなんです。


パターン認識して、思考停止したい、というニーズはよくわかりますが、それで相場が取れるのだったら、相場で負ける人などいませんよ(笑)



とにかく、勝てない人の話を聞いていて思うのは、変化対応が遅いのが特徴的です。

始まりは無視して、終わった頃に押し寄せる

ある程度繰り返して、これで勝てるんだ、となってから、本格化するからどうしても相場に対して遅れる。

言い方を変えると、パターン認識ということです。

結果として、後で押し寄せる大衆投資家となる。

こう考えると、大衆行動とは、パターン認識トラップから発生している、と言ってもいいのかもしれません。

ほとんどといって直りません。というより、そういう自分に気がついていないのです。



毎日毎日、手法探しや相場予測に精を出して頑張っていても、こういう勝つための要領を心得ていないがために、負け組に甘んじる人が実に多いんです。

せっかくいい線まで来ているのに、こういうところでドボンして、トータルではどうしても勝てない。

本人は、手法とか、予想とか、そういうところにしか目が回っていないから、また同じドボンを繰り返す、そういう悪しき循環から抜けだせない。

実にもったないと、見ていて思います。



また、変化についていけない人の特徴として、自分こそが常に正しい。自分中心に世界が回っていると考えている特性があることが多いです。

いわゆる、独善的です。ほんとに多いと思います。

多様な意見がそもそもあって、自分の考えは多くの考えの一部なのだ、という多様性を認めようとしないのです。

若い人でも多いですが、やはり年を取れば取るほど固くなってきます。



じゃあ、そういう考え方や固定観念を取り除くことが果たしてできるだろうか。

ある程度は訓練と経験で鍛えられるものだと私は思います。

これとて、短期売買におけるスキル、職人技、腕、の一部でしょう。

ただし・・・ここを変えようと強く意識して努力することが必要だと思うのです。

それと、やはり環境変化を意識すること。環境など一瞬で変わります。過去の延長線上に相場がいつもある、と思っていたら大間違いの元です。


両方共結構、難しいですよ!!


最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるでもない。唯一生き残るのは、変化できる者である。

チャールズ・ダーウィン



相場もほんと、同じだと思います。



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