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茨の道

2014/03/02 Sun

ザクさん、スーさん、よしこさん、励ましのコメントありがとうございます。
とても嬉しく読ませていただききました。
何が嬉しかったかというと、私が意図していることを3名ともがしっかりと読み取ってもらえていたからです。
なかなか伝えることが難しいし、精神論か、と言われてしまうようなことですが、相場を志すにあたってとても大切なことだと私は考えていますので、それが伝わっていたということは、拙い文章でも何かを伝えられた、ということだとわかりとても嬉しく思っています。

バァーっと突撃してあっという間に消滅するブログが多い投資系ブログの中で、前のYahooブログは2005年7月開設ですから、もうすぐ9年目となります。
ブログの更新回数はできれば週に1回程度はと思っているのですが、細く長くというスタンスで今後もやっていきたいと思っています。

前のブログの連載などを振り返って、今、改めて思うことを書いてみます。


前のブログで「茨の道」という連載を書いていました。


皆さん、どういう動機で相場の世界に足を踏み入れられたのかはわかりませんが、間違いなく、最初に、本なり、成功者の書いたブログなりを読んで参考にされたことだろうと思います。

簡単に儲けられるようになるようなことが多くの本には書いてあり、日々利益の報告をしているトレーダーのブログが溢れかえっています。
中には、この本を読めば、1億円も簡単に手に入る、というような本もたくさんあふれています。
それだったら、自分もその仲間入りに、と考えてもおかしくありません。

何冊か本を読んで、ブログを読んで、そして、そのとおりに相場を始められたことでしょう。

しかし、相場を実際に初めて、すぐに大きな違和感を感じられたことでしょう。

「本やブログに書いてあるほど相場は簡単じゃない。」

ということに気がつくのです。

最初は、上手くいかない理由として、

「まだ、勉強が足りないからだろう」

「知識をもっと身につけなくてはいけない」

と感じて、熱心な人は更に勉強に拍車がかかったことだと思います。

こうして、半年、1年、3年と相場を続けてきて、一向に利益が残らない自分を振り返って、次第に思ったのではないでしょうか。

「何かが違う。」

「自分がこうすれば相場で儲けられると思っていることとは違うのではないか。」

相場を始めたころは、「勉強不足」「知識不足」を儲からない理由にできていたが、さすがに何年も相場の勉強を続けていると、そうも行かなくなってくる(汗)

「本に書いてあることをしっかり勉強して、知識もしっかり身につけた。テクニカル分析もひと通り勉強したし、相場心理が大切だということをわかっている、しかし、結果として利益につながらない。」


さらに悪いことに、

「勉強すればするほど、相場が下手になっているように感じる。」

という人もおられるのではないでしょうか。

知識に反比例して相場で儲からなくなる、という驚愕の事実に直面した方もいたでしょう。

この事実は、これまでの受験勉強や資格の勉強と言った経験則、成功体験からすると、理解不能の出来事でしょう。

「おかしい、何かが違う、しかし、その何かがわからない。」


別の人は、 

「これまで勉強したことで、トータルとしてトントン程度までは確保できるのだが、利益を出していくというところまでは行かない。」

「利益が出て、相場が見えたと思ったら、すぐに損を出してしまうということが続き、結局年間を通じたら負けてしまう。」

「一時的に勝つことができても、どこまで行っても、トータルでは負ける。」


このような状態がしばらく続くと、

「これはやり方が悪いのではないか」

「もっと勝てる方法を探さないといけない」

と考えて、高額のセミナーを受講したり、情報商材を買ってみたりと、手を尽くすこともあったでしょう。
しかし、その結果はどうでしょう。

「何も変わらない」

ではなかったでしょうか。

自分がこうして、暗中模索している中で、相変わらず、勝っている人のブログとかを読むと、今日も勝った、明日も勝った、と威勢がよい。

「こんなに努力しても、自分だけがダメなのか、自分は相場に向いていないのではないか。」

そう感じられた方も多いのではと思います。

「俺のことが何故わかるのだ」

と思った方も大勢おられると思います。

何故なら、私もその1人だったからです。

なので、そういう人の気持ちはとてもよくわかります。

私が辿ってきた道だからです。



年数を重ねた人ほど、それなりに努力してきたという自負もありますので、はっきりと人に言える人はとても少ないのですが、

「何年も努力を続けてきたが、結局相場で儲けることができないでいる。」

という状態に陥っている人は実は大半だ、というのが相場界の実態であることは、過去からずっと変わらない事実です。

しかし、一方で、本を読むと、相場を初めて、半年、1年は苦労したが、それからは右肩上がりで、数年後には1億円になった、という人が大勢いるように思えます。
だから自分だって、と思ってしまうのですが、そういう短期間で成功した人は、実は相当稀で、天性のものがある人に限られている、と私は考えています。
1000人中1人いるかいないかの才能の持ち主だと思っています。
私を含めて、他の999人の凡才が、その天性の人の真似をしようとしても所詮は無理なのです。

では、そういう特殊な才能の無い凡人は、相場をやる資格が無いのだろうか。
いくら努力しても無駄なのか。

この答えを私の実体験からこうやってブログに書いています。




先ほどから、「相場で勝とうとして努力している」というフレーズが何度も出てきています。

この「努力」ですが、ほとんどの人の「努力」が、その「努力の方向が間違っている」ということに私は気がつきました。

どう間違っているのか、というと「勝てる方法を探そうと努力している」というのがほぼ全ての人の努力の方向だからです。

しかし、相場で勝てないでいる人の目利き程度で、「世界中の熟練トレーダーが追い求めている強いエッジを持った道具」が見つかる確率は極めて低い、と言わざるを得ないことはこの前書いたとおりです。

目利きの無い人が、広大な砂浜で、ダイヤの原石を探しているようなものです。

そもそも、テクニカル分析をチョコチョコといじったようなことで、簡単に相場が儲かるのなら、世界中の投資家で損する人はいません。

また、「強いエッジを持った道具」が1000円の本に書いてある、3万円の商材に書いてある、ということも理屈上あり得ない、ということもこの前書きました。
そもそも、情報商材の体験談が全て事実なら、何で未だに相場で損する人が大半なのでしょう。

さらには、やっと見つかったとしても、そういう「それがわかれば儲かるようなエッジ」の寿命は短い、ということも書きました。

じゃあ、そういうエッジ、勝てるやり方、を見つけられなければ、相場で勝つことは不可能なのか。



ここで、もうひとつの道がある、ということを書きました。

従来からある無骨な道具であっても、その使い方を繰り返し練習し、熟練すれば、勝てるチャンスはある

というアプローチです。

無骨な道具とは、既に知られているテクニカルアプローチであり、分割などのテクニックでも構いません。

「ナンピン」のことを書くと、すぐに否定したがる人がいますが、そういう人こそ「やり方」にこだわっているのです。
やり方が答えじゃないということを何もわかっていないと自分で言っているようなものです。


そういう道具を使いこなせるだけの腕と目利きを身に付ければ、時間はかかっても、一歩一歩前進していける、ということをこれまで書きました。

一方で、勝てる方法探しを続けていては、何年努力しても、前に進むことができません。
腕と目利きは、初心者のままです。
こういう「相場歴10年目の初心者」という人は非常に大勢います。
話をしても、驚くほど相場のことを知りません。
何もわかっていない、と言ってもいいぐらいに相場のことを知りません。
何年努力しても、まるで進歩が無いのです。
何故か、というと、努力の方向が全て「やり方探し」に向いていたからです。

「勝てるやり方がわかったら実践を始める」

というアプローチを取る人がかなりいますが、中には、相場歴10年、実戦経験数回、という強者までいます(笑)



私は「飛行時間」という概念を大切にしています。
パイロットにおいては、チーフになるためには、絶対的な「飛行時間」が必要なのです。
つまり、経験値です。
繰り返しによって、培われてくる飛行時間こそ、力の源泉だ、ということは、パイロットでなくとも、トレーダーであっても、同じだと私は考えています。

同じ時間を使うのなら、繰り返せば上達することに時間を使うべきだ

というのが私の考え方です。

今、自分でやっていることは、上達することでしょうか。

何年も勉強されてこられた方であれば、もう知識は十分だと思います。



成功の経験、失敗の経験、その両方共が大切ですが、特に重要なのは、失敗の経験です。

ここも多くの誤解があって、失敗トレードは、やっても単なる無駄だ、と考えている人がとても多いことです。

しかし、自転車の練習にしても、スキーの練習にしても、「どれだけコケたか」ということが上達の道であるように、トレーダーにとっても、どれだけ失敗したか、という経験は得難い実戦経験となることは間違いありません。

私自身は、デイトレーダーですから、今でも誰よりも多くの損失、失敗トレードを日々積み重ねています。

1日10回失敗した人と、1ヶ月、相場を見ていただけの人、どちがら成長できると思いますか。

コケるのが怖いからといって、家で本を読んでいて、スキーが上達するでしょうか。

誰よりも、トリプルアクセルでコケたのは、浅田選手ではないでしょうか。

しかし、相場のアプローチにおいては、

「家で本を読んでスキーの上達を図る」

「正しい滑り方を理解してからゲレンデに行く」

ような人が実に多いのには驚きます。

ちょっと前にも、「半年ぶりに実践してみたが、2日負けたのでまたシミュレーションに戻る。」という人がいました。
典型的な方です。
勝てる方法が見つかるまで、永遠にシミュレーションを続けてください(笑)





ものごとには、失敗や試行錯誤がつきもの。そういう時期、期間が必ずある。
それなのに、株式投資をする人は、必ず「はじめから、そして一回の売買ごとに利益をあげなければいけない」と思っているのは、たいへん間違った考え方である。

これは、林輝太郎先生の

「株式上達セミナー」

の本の冒頭に書かれているものです。
この本を読んだ方も大勢おられると思いますが、こういう「本当に重要なところ」を飛ばしてい、やり方のみを読んでいるという人が多いと思います。

林先生というと、「ナンピン(しかも引かされナンピンと理解)」「FAI(これは時代に最適化)」しかその著作から読み取っていない人が大半ですが、林先生は、繰り返し、「練習しろ、練習しろ」と本で書いておられます。
練習売買について、これだけ言及され、相場の厳しさを愛情を持って説かれているこういう著作を頭ごなしに批判する人も多いのですが、そういう人は、そこから「やり方のみしか読んでいない」のではないか、と思います。

「具体的なやり方」というのは、時代時代で変化することが相場の常です。
これは、林先生の本で紹介されていることとて例外ではありません。
こんなこと、相場をやる上においては、当たり前以上に「当たり前だのクラッカー」なことです(笑)
批判する人こそ、相場のことをわかっていない、となります。
それを批判されては、具体的なことなど書くことはできません。
10年後、100年後も通用しなくてはいけない、というルールなのなら、1日後とて変化する相場なのですから、具体的なことなど一切書けません。

しかし、一方で、林先生の考え方、相場の上達についてのアプローチは、時代を超えて残っていくものだと私は思っています。

相場が安易だと書いている本ばかりが溢れる中では、今でも異色の存在だと思います。

私が、このブログで書いていることは、この林先生の延長線上にあるものかもしれない、この本を開いて、そう改めて思いました。

最後に先ほどの本からもう一節。

株式売買の勉強は、生き字引のように、いろいろなことを「知る」ことではない。
もしそうなら、本を読む数に比例して上手になっていくはずである。



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あらなみ投資科クリニック

2014/03/05 Wed

小児科、内科、外科、投資科とありますが、投資科特有の病を列挙してみました。

「具体的やり方」ということと同等、もしくはそれ以上に以下の病をどう克服するのか、ということがとても重要になってくるのですが、多くの投資家は、こういう病にほとんど無自覚で、ただひたすらに「勝てるやり方」のみを求めている、探している、というのが現状ではないか、というのが、当あらなみクリニックの見解です。


■無計画シンドローム

エントリー時に、売りか買いしか考えておらず、どうなったら損切りして、どうなったら利食いするのか、など何も考えずに投資する病。
いきあたりばったり症候群とも言う。
絶対に発病してはいけない病なのに、投資科に来る患者の9割がこれにかかっている国民病でもある。

特に「ナンピン時発病症候群」として、投資家の間では非常に恐れられており、これを併発すると、地獄に落ちることが多く、その場合の致死率は非常に高い。
恐ろしい病である。

また、そもそもエントリーそのものも「場当たり的」に売買している投資家も多いが、特にそれが悲惨になるのは、デイトレードの現場で、これをやると感情に流されて10回中10回損切りになることが知られているが、本人は至って真剣にやっているつもりなので、恐ろしい病である。



■有頂天ホテル症候群

ちょっと儲かると、気が大きくなって、「アホ」になる恐ろしい病である。
これにかかると、自分は天下を取ったような気になる、「これで自分もいっぱしの者になった」と思った時が発病の合図である。
せっかくの利益をあっという間に吐き出してしまう恐るべき破壊力があるが、本人はほとんど無自覚でやってしまう。
後で気がつくこともあるが、ほとんどの場合、この症状はわかりにくく、「相場の責任」にしたり「運が悪い」と思ってしまったりして、なかなかこの病にかかったと自分で見抜くことは難しいという性質を持っている。
実に恐ろしい病である。
しばらく利益が続くと、かなりの人が発病し、吐き出しに至る。
ほとんど例外なく羅漢する国民病でもある。
ちょっと儲かった時に他人に「儲かった儲かった」と吹聴する投資家も多いが、世間の人は「どうせあいつはすぐに大損するさ」と思われていることを本人だけが知らないでいる。
そして、その世間の期待どおり「大損」して終わることがほとんどであるが、実はこの症候群のせいだということはあま知られていない。

この病を克服出来た人を上級者と言う、というぐらいに一般的だが、自覚している人は少なく、繰り返し発病する投資生活習慣病でもある。
特徴は明確で、儲けた後に簡単に吐き出すということを繰り返すので、損益を見ていればわかる。
別名「傲病」とも言う。
王陽明が「人生の大病はただこれ一の傲の字なり」とといたが、投資科に来る患者の多くが羅漢しているのにもかかわらず全くといって自覚がないという恐ろしい病である。



■ブチギレ症候群

肛門科の切れ痔と同じぐらい(いやそれ以上(笑))投資科では定番の病で、蔓延している病である。
これに羅漢すると、我を忘れて、「気がついたら血のついたナイフを握っていた」状態になっている。
多くの投資家がちょっとした失敗でいきなり発病し、負のスパイラルに陥るが、発病している時には本人には自覚が無いことが多いという厄介な病気である。
人によって、切れやすい人がおり、そのような人は投資家に向いていない。
この病を克服するために、禅寺に修行する人もいるが、なかなか治ることはない。
対処法としては、自覚出来た時には、すぐにパソコンの電源を切って、外に散歩に出るなどがあるが、実行する人は少ない。
リーマン・ショック時に、多くの投資家がこの病を発病し、死に至ったことで知られている。



■計画変更シンドローム

予定していた損切りができずに、なんだかんだと理由をつけて損切りを遅らせて、爆死する恐ろしい病である。
これを発病すると、あっという間に投資家としての死に至る。
致死率が高い。
特にこれも、ナンピン時発病症候群として恐れられている。



■鳥頭症候群

同じ過ちを何度も何度も繰り返す恐ろしい病。
記憶障害かと間違われることも多いが、普段の生活は普通におくれているので、そうではない。
いたって普通の人であるのに、トレードにあたってのみいきなり記憶障害を起こす。
十数回同じ間違いを繰り返しても、また同じ間違いを続けるなど、普通の人から見ると「この人大丈夫か」「こいつアホなのか」と思うぐらいの失態を繰り返す恐ろしい病である。
この病も、投資科に来る患者の多くがかかっている国民病でもある。



■青い鳥症候群

勉強すれば未来が読めるようになると勘違いして、懸命に、未来予測のための手法を考えたり、どこかに未来を当てるものがあるはずだ、売っているはずだ、と予測ツールを探したりする病である。
自分は相場を予測できる、未来が読めると勘違いしている。もしくは、いつか読めるようになる、と思っている誇大妄想壁を併発している。
どこかに青い鳥がいると思って、懸命に探すが、みつからなく、いずれ失意のうちに消えていくことになる恐ろしい病である。
発病してから、失意のリタイアまで、3~30年と大きな幅があるが、自分はこの病にかかっているという自覚が全く無いところがこの病の恐ろしいところである。
専門医が見ても、なかなか見分けがつかず、ましてや素人では判断できない、という実に危険な病であり、この病で一生を無駄な時間に費やす投資家が後を絶たないという恐ろしい病でもある。



■尊師依存症

誰かにおすがりすれば何とかなると思って、尊師を探す病である。
投資業界では、この尊師依存症の人たちのことを別名「カモネギ症候群」とも言い、投資顧問や情報商材のカモとして大変重宝されている。
この依存症の人が大勢いるおかげて飯が食えている多くの業界関係者がいるので、一概に悪い病気とも言えない。
ただ、本人には、自分がカモにされているという自覚に乏しいことは、やはりこの病でも同じである。



■誇大妄想癖

大勢の投資家が儲けられないでいるにもかかわらず、自分だけは違う、と思ってしまう誇大妄想を持ってしまう病である。
周りのみんなが損しているにもかかわらず、自分だけは、儲かると勝手に思い込んでおり、しかも、100万円を1年で1億円にできる、などという誇大妄想を勝手に思っている。
誇大妄想を描いているので、実に安易に投資に走ってしまいあっという間に爆死する。
そもそも、初心者ではじめて投資するにもかかわらず「最初から利益が出ると思っている」という、他人から見たら、単なるアホであり、ドン・キホーテである。
特に、初心者に多い病である。



■ポジポジ病

有名すぎる病気なので、特にコメントも不要。
いつもやって儲かるのならやればよいのだが、そうではないことがわかっていない。
「休むも相場」という意味が理解できていない。
というよりも、むしろ「保合いの難しい時期にやって」「いいトレンドが出た時に早々に利食いしてしまい、値ごろ感からエントリーできない」「天井になってから強気になって始める」という真逆の対応をしがちである。
そもそもは、環境を見極める目利きに問題があることが多い。
難しい相場で取る必要はなく、誰がやっても勝てるところで取ればよい、というポイントが見えていない。
なので、結局は、簡単なところで怖気づいて消極的になり、難しいところで「ムキ」になって突撃したりする。
気の毒な話である。
孫氏曰く「善く戦う者は勝ち易きに勝つ者なり」



■お勉強シンドローム

投資を試験勉強と同じく、勉強して知識を詰め込めば上手くなると思っている勘違いである。
勉強して、知識を増やせば試験に通ったという成功体験を多くの人が持っているので、それと同じようにやろうとするが、いくら知識を増やしても、一向に上達しないことにどこかで気がつくことになる。
投資の上達=知識の詰め込み、と勘違いしている可哀想な人たちである。



■つもり売買依存症

つもり売買では、確かに技術的な部分は克服できる可能性があるが、心理的なことは克服できないままに時間が経過してしまう。
技術面の克服は、極端には数日で可能なのに対して、心理面の克服は、年単位の時間がかかる、ということをつもり売買の人はわかっていない。
そもそも、実践では損するのが怖いからつもり売買から抜け出せない、という人までいるが、そもそも「その恐れ」を克服することが先決だということがわかっていない。
勝てる方法がわかるまでつもり売買で練習する、という理屈を持っているが、結局は、つもり売買をしていた期間は、時間の無駄遣いであった、ということは後になってわかる。



■自然消滅症候群

最初は夢を持って投資を始めたに違いない。
しかし、1年、2年、そして気がつけば5年、10年、20年、一向に成果が出ない状態が延々と続き、投資界から自然に消えていくように去っていく。
寂しい病である。
いくら努力しても、その努力が成果に結びつかない。
何故だろう、こんなにも努力しているのに、と思って10数年。
当たり前である。
努力の方向が間違っているのだ。
畳の上で、いくら何年もスキーの練習をしてもスキーが上手くならないのと同じで、努力の方向を間違っては、いくら努力しても、成果など出るはずがない。
この病は、「お勉強シンドローム」と併発していることがほとんどである。
ところが、そういう畳水練の投資家が実に多く存在し、そして、自然に消えていく。
寂しい病である。



■手法依存症

何につけてもこれが決定版の投資科の病だろう。
特に多くの言を費やす必要もない。



■特効薬タイガーバーム

以上の投資科の各種病に効くという特効薬、魔法の薬、タイガーバーム。

それは、もうみなさんおわかりのとおり「1000本ノック」ということになります。
繰り返し経験し、失敗を何度も経験することでしか、克服しようがありません。
頭で考えても、なかなか難しいということは、私自身、そして、大勢の人を見てきてつくづく感じるところです。

最初からいきなり儲かるなどという誇大妄想を捨てて、小さな単位で繰り返し練習する、それ以外の方法論を私は持ちません。

今は昔と違って、実に少額投資家にとっていい環境になりました。

1000本ノック、結局これかい(汗)

ということで、お後がよろしいようで(笑)



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彼を知り己を知る

2014/03/21 Fri

ネタを探そうと思って、過去のブログのコメント欄を久々に読んでいました。

そこで、「あらなみブログは結局何を言おうとしているのかわからない」というコメントがありました。
苦笑しましたが、そう思われても仕方がない、ということもありそうです。

このブログは、何かを教えてやろう、だとか、初心者を指導する、とかで書いているものではなく、自分の書きたいことをつれづれに書いているだけなので、そもそも何を言いたいのかなど、自分でもわからないわけです。

そして、この「何を言おうとしているのか」という方の裏にあるのは、「どういうやり方が正解というのかが書いていない」ということでもあると思います。

投資以外のブログや本を読む目的が楽しみ、ということとに対して、投資系のブログや投資本を読む目的というのは、「どうやったら勝てるようになるのか」という目的に収斂している、ということが大きく違います。
そのための情報収集であったり、勉強であったり、という意味合いで読むのでしょうから、当然、何を言いたいのかがわからなければ、読む価値も無いのかもしれません。

私のブログについては、誰かを教えてやろう、ということではなく、私自身の体験を綴っているだけなので、その足跡で参考になることがあれば読み取ってください、という程度なんだろう、と思います。



もう一点は、大勢の投資家の方と接していると、はっきりとわかるのは、「儲からない人には共通した考え方が存在する」ということです。

やり方というのは、儲からない人でも、儲かっている人でも、意外と似たようなことをしているものなのですが、投資に対する考え方については、両者はまるで違います。

しかし、儲かっていない人は、やり方のみを工夫して儲けよう、という考えしかありませんから、いつまで経っても、初心者から抜けることができないのです。

ただ、この話は、見えていない人から見ると、「要するに何が言いたいのかわからない」ということになるんだろう、と思います。

そう思うからこそ、角度を変えて、視点を変えて、いろんな角度から記事に書いてきたつもりです。

このことは、「脱皮」という表現で過去ブログでも書いてきたことですが、「虫じゃあるまいし脱皮だと、コラ!!」というお叱りも受けてきました。

儲からない方の共通した特徴としては、

相場を自分の型にはめようとしている

ということがあります。

移動平均から何%下方乖離したら買い

など、

型にはめて、パターン化しようとする試みです。

こうなったら買い、こうなったら売り、というパターン化の試み

これを延々と続けているわけです。

確かに単純化できれば、相場は簡単ですが、相場は生き物ですから、毎回フレッシュなわけです。
それをパターン化しようとする試みは、そもそも相場の本質からずれている可能性が高い、わけです。

年中ダウンコートを着る、というパターン化は、季節の変化で通用しないように、相場局面局面の変化ということをまるで意識していない試みだろう、と思います。

昨年、ちょっとアベノミクス相場で上手く行ったら、「自分もいっぱしの者になった」と自信を深めた方も多かったと思いますが、局面が変われば、そんな自信などあっという間に崩壊したことでしょう。

何故こうなるのだ、というのではなく、それが相場の本質なのだ、ということです。

春夏秋冬があるのが相場であって、これはいつの時代でも変わりません。

時代の流行りもの

にたまたま乗れたのだ、という自覚なしに、それを「型」とか「パターン」とかで理解してしまうから、ちょっと時間が過ぎれば、負け組に入るのです。



じゃあ、時代時代に応じて、次から次に変わっていかないといけないものなのか。

というと、実はそうとばかりも言えない方法論も存在します。

ここまで書いたことは、「個別株主力銘柄」を対象とした投資戦略について、という前提があります。
というのは、株投資家のほとんどは、このカテゴリーに入ると思いますし、私もそうですから、それを前提に書いています。

しかし、そうじゃない投資対象ならどうなのだ、ということも一方ではあるわけです。

まず、FXについて、ですが、FXは、熱帯雨林の気候という感じがします。
どちらかというと、季節感が少なく、雨季と乾季ということは確かにあるのですが、冬と夏というほどの違いはありません。
ある程度、自分のやり方というものから、アプローチしても、季節性をそんなに気にする必要性が個別株主力対象と比較すると薄いのだろうと思っています。
テクニカルなアプローチも、FXの方が合っているように思います。
時に、スコールも降りますが、その「スコール狙い専門」という専門家になってもいいでしょう。
しかし、それでも、アベノミスク相場など、大きなトレンドが出る時と、今のように保合いに入ったところとは、同じパターン化、型という観点で見ると、難しいのだとは思いますが、それでも、個別株主力ほどの季節性はやはりありません。



もう一つの別のアプローチとして、得意なやり方を探すのではなく、得意銘柄を探す、という戦略があります。
特にこれは、流行りもんに流されないこだわりのトレーダーの生き方、ということになります。
4000銘柄近い銘柄があるのですから、その中で、自分に合ったものを見つけてくる、というものです。

例えば、海面に近い環境では、気候の影響をモロに受けて、波が荒かったり、穏やかだったりと、大きく変化するのに対して、深海の環境では、年中穏やかな環境が維持されており、その深海の環境で、

深海魚

となって暮らす、という方法です。

海岸線の波打ち際では激しい波が起こりますから、御するのも大変ですが、深海1000メートルでは常に穏やかな環境が続いています。

その穏やかな環境の中であっても、動かざるを得ないちょっとした動きを狙う、というものです。

実は、私の周りのトレーダーでも、私のように 流行りもん を追いかける、というより、深海魚となって生計を立てる、という方の方が多いのです。
 
というより、その方が、ぶっちゃけ、楽なのです。

深海魚なら、チョウチンアンコウのように、チョウチンの明かりにふらふらと寄ってくる小魚をパクリ、とやるためにじっと待っている、というようなやり方が通用するのです。

エナリスやソフトバンクでナンピンなどすれば即死ですが、そうじゃないものもある、ってことです。

バシバシにレバレッジをかけたFXで、ナンピンでのリスクコントロールが難しいのは当然です。

こういうやり方の議論というのは、深海と波打ち際を同列で見るから、おかしな議論になるのです。

やり方だけの議論など、所詮ナンセンスなんです。

これは、環境も考えずに、「ダウンコートは必要かどうか」の議論をしているのと全く同じです。
ナンセンス過ぎます。

夏の海岸と冬のスキー場で、同じ服装で通そう、という試みのようなものです。



それから、難易度、ということもあります。

投資本とかを読むと、出来高の大きな銘柄を投資対象に選べ、ということがよく書いてあります。
こんなもの、そもそも信じたらダメです。
それを読んで、みんな負けているのですから、そういうことを全て疑ってかかることがポイントなんです。

こういう「先入観」「前提」を疑いもなく受け入れることもあって、初心者ほど難しい銘柄を難しいやり方で取ろうとする傾向が強いようです。

確かに、お金さえあれば、他の競技と違って、いきなりトップの土俵に立てるのが相場の特徴ですが、初心者マークを付けたドライバーが、いきなりF1レースに参戦しようとするのですから、驚きです。

プロ対プロが激突しているハイリスク銘柄に、カモがネギを背負って、おまけに鍋とポン酢まで持ってきた、という状態になるのは当たり前のことです。
アドウェイズやクルーズなど、動きが早いのでついやりたがるのはわかりますが、そこで激突しているのは、百戦錬磨の剣闘士だ、ということをしっかり自覚して参戦するべきでしょう。

身の丈を知れ、己を知れ、ってことです。

私の周りで、儲けている人を見れば、みんな「自分を知っています」
これは1人の例外もありません。
「相場が上手い」「相場で儲けている」といっても、その人達にアドウェイズをやらせたら、ボコボコに負ける人の方が多いでしょう。

相場の上手い人、というのは、自分の限界を知って、自分のできる範囲で、精一杯自分に有利な局面を待って待って、その環境を利用して儲けている人のことを言うのです。

アドウェイズでバシバシ取れないといけないのだ、という理解とはほど遠いものです。
これも、儲けられない人が考えていることとは、まさしく「真反対」の事実でしょう。

ハイリスク銘柄をやって短期間で億トレーダーになった人の本などを読んで、真似しよう、とするからそうなるということもありますが、億トレーダーは、普通の初心者とは、経験も才能も残念ならが違います。
そもそも、才能が違います。
そういう人は、私を含めての普通の人とは全く違うのです。

これも、「やり方がわかれば儲かる」「同じやり方をやれば同じ成果が出る」と思い込んでいるカモの悲しい結末でしょう。

負けて負けて負けて、というのなら、とりあえずアドウェイズやクルーズからは手を引くことです。



要は、自分の力量を考え、今の自分の力では、どういうところに自分の環境を置いて、その環境に合ったどのような生き方を選ぶのか、ということなのですが、これを考えている人は、負けているほど少ないものです。

そして、深海とて、時に大きな水流があることもありますが、そういう時は「やらない」のです。

荒れだしたら手を引く、という最強の武器を使うのです。

個人投資家にとって、この「やらない」「手を出さない」という武器ほど強力なものはありませんが、この最強の武器を駆使する人も、負けている人ほどいません。

それは、「自分の環境」ということを全く意識せず、というより、全く理解すらしておらず、ひたすらに「自分のやり方、型」ばかりを追いかけているからだろう、と思うのです。

逆に、保合いに弱い私のようなタイプは、保合い出したらやらない、という武器を使います。

自分の得意な環境に合わなければ、いくらやっても吐き出すだけです。
特に、勝って兜の緒を締めよ、ということは非常に重要なのですが、それを知らない人がほとんどです。


彼を知り己を知れば百戦して殆うからず  (孫子)

何という意味深い言葉でしょう。
とにかく、前回の病気の記事もそうですが、マーケットの分析ばかりして、己を知らなすぎる人が多すぎます。

やり方が間違っているから負けるのではなく、己というものを知らないから負けるのです。


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あらなみ

Author:あらなみ
職業:個別株投機家・専業デイトレーダー

Twitter: @aranami718

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