聖杯は存在するのか・・・4
2015/07/01 Wed
普段コメントを書いてもらっていないシステム派の方とのやりとりがとても楽しくて、コメントありがたく読ませて頂いています。
こうやって議論することで、自分が気がつかなかったことに、気がつくこともありますし、色々と刺激を受けるので、色々と考えが浮かびます。
コメント多く頂いているので、また、総括的に記事にすることにします。
いっぱい書いてもらっているので、全てを網羅できていませんが、私が気になったところだけということで。
こうやって、対立する意見であっても、お互いに相手を尊重しながら、意見交換できていることは、素晴らしいです。
■やり方探し&1000本ノック、どちらがいいのか
どちらにしても、簡単ではなく、時間がかかる、ということ、そして、どちらも努力しても結果がつくとは限らない、ということでしょう。
一方で、論点になっているのは、プロセスが無駄になるかどうか、という部分だと思います。
これは、イメージとしてどう捉えるか、と少し私なりに考えてみたのですが、こういう事例はどうでしょう。
そば打ち職人と製麺機開発。
そば打ち職人を志して、修行をする。
3年、5年、熱心に修行すれば、まかりなりにもそれなりの麺は打てるようになるんじゃないか。
そばを舐めるな、と言われれば、私はそば職人を知らないので、これは想像でしかないのですが、それなりに頑張って修行していれば、プロセスは無駄にはならない、と思います。
一方で、そんな手打ちではなく、自分だけのそば打ち機を開発する、という場合。
そば打ち機の開発に、3年、5年、と時間をかける。
そば打ちの理屈であるとか、頭では理解できていても、もし、機械の開発に失敗すれば、その人は、機械の知識は得ることができても、そば打ちの技術を手にできてわけではない。
実際に、そば打ちの修行をしていないわけだから、そば打ちが上手くなっているわけではなく、そばは打てない。
そば打ちに関しては、素人に近い。
私が、裁量とシステムについて思うのは、この違いなんです。
ただ、何度も繰り返しますが、そば打ち職人としての修行をしっかりした人、ということなので、中途半端に、機械に頼ってみたり、あれやこれやと手を出したり、実戦せずにレシピ勉強をしていた人人というのは、技術をマスターすることはできないでしょう。
後でこれについては書きますが、こういう「中途半端な修行」をしている人が多いように思います。
裁量トレードを練習する、といっても、多くの人がやっていることを見ると、中途半端なんですよ。
修行中なのだから、当然、損失が先行します。
そんなの当たり前のことじゃないですか。
その当たり前のことであるのに、ちょっと負けたら、これではダメだ、とポイする。
本気で最初から勝てると思っているんです。
ピアノの練習を始めた人が、最初からお金を取れる演奏できる、とでも思っているのか。
今日からゴルフ始めました、っていう人が、最初からゴルフで稼げると思っている、とすれば頭がどうかしている。
なのに、相場だけは、最初から稼げると思っている。
そもそも、中途半端な手法探しの手立てとして、実戦してるに過ぎないのなら、そんなのは修行期間に入らないです。
システム&1000本ノックの考察。
もう1つの事例です。
弁護士資格の取得。
これは、弁護士の資格が取れればよいが、取れなければ、何年かの勉強期間というのは、無駄に近くなる。
受験勉強など、他の「資格試験勉強」も同じで、資格が取れればいいけど、取れなければ、つぶしが効かない。
料理人の修行。
コツコツ時間がかかる。資格というものではなく、実力がつくかどうか。
しかし、3年、5年とやれば、それなりの実力は誰だってそれなりにはつく。
本気で頑張っていれば、それなりに腕で飯は食えるようになる。
システムというのが、資格試験に近い性質がある、一方で、1000本ノックは料理人の修行方式。
私のイメージですが、こんな感じです。
もちろん、資格取ってしまえば終わりじゃないのは弁護士もシステムも同じで、そこから先があるのだけれど、とりあえず資格を手に入れれるかどうかがカギとなっている。
■やり方へ到達するプロセスの間違い
ただ、大勢の方がやっておられることを見ていると、どっちつかず、なんです。
中途半端なんです。
資格試験に合格したいのなら、もっと徹底的にやらないとダメ。
「やり方」だけで差別化するって、想像以上に専門的ですよ。
システムの専門家って、半端ない、凄い。
検証でパソコンをブンブン24時間回しているとか普通で、HDDの寿命が1年しか持たないとか、そんなの一般人の常識外だと思いますよ。
ロジックの研究で、徹夜とか、ほんと半端ない。
私には、とても真似できない、と思いました。
でも、それが楽しくて時間の経過を忘れる、ってのがシステムマン(笑)
やり方探し、といっても、自分で研究しているのが本来で、実は、大勢の人は別のアプローチをしています。
他人頼り
です。
本やネット上、商材などで、やり方を探す、誰かに教えてもらおうとする。
自力本願ではなく、他力本願。
でも、他人を頼っても無駄です。
これが、一番ダメなアプローチです。
「やり方を探す」「トレジャーハント」といっても、他力本願で探すわけなので、これは、コメントを書いてくださっているシステム派のみなさんとは、全く違うアプローチであって、
お前らと一緒にされたくない!!
ってことだと思いますよ(笑)
しかし、実は、大勢がやっていることでしょう。
本でかじったり、ブログで探したり、商材買ったり、セミナーで聞いたり、そういうアプローチで、「他人からやり方を手に入れて」相場で勝とうなんて思わないことです。
何故なら、それで勝てるのなら、日本人1億総システムトレーダー、ですから(笑)
誰かを頼って、「やり方」を手に入れようとするアプローチは完全に間違いだ、ってことに早く気がつかないといけないと思います。
1000円のムック本を読んだら、簡単に100万円儲かったよ!!
ないない(笑)
それだったら、相場で損する人など、この世に一人もいないよ。
でも、多くの人はそう思って本を読む(笑)
現役のシステムトレーダーは、「ケチ」で教えないのじゃないんです。
教えたら、そのシステムは消滅するから、「教えたくても教えられない」んです。
ブログに晒したら、システムは瞬間消滅するんです。本に書いたら、瞬間消滅するんです。
システムのエンジンは、隙間なのだから、その性質上、大勢が押し寄せたら閉じる性質があるんです。
相場は、誰かが売ってくれるから買えるのであって、全ては相手さんが必要だ、という当たり前の事実があります。
みんなが勝てる方法を知って、そこで買えば儲かることがわかれば、誰がその勝てるポイントで売ってくれるのでしょう。
売り手と買い手の株数は、同数でないと、売買は成立しません。
相手が売ってくれなければ、買えないのです。それが相場です。
残念なシステムの成立要件とは、
自分だけが知っていて、他人が知らない
というものなんです。
この性質さえ理解していれば、本やネット上でやり方探しをすることが如何にナンセンスかということがわかるでしょう。
事例に出してもらっていた、ラリーの娘さんとか、タートルとか、確かに「周辺の数名に」教えている限りでは有効性は保たれることもあります。
流動性の罠をクリアできている範囲においては、有効性は保たれるでしょう。
システムを他人に教えることは、間違いなくできますし、それは、裁量よりもシステムの方がより簡単でしょう。
タートルシステムを伝授した期間は、確か数日だったと、本に書いてありましたし、そんなものでしょう。
これらの事例は、「あなただけには特別ですよ」ということです。
しかし、それが、一般の人にまで及べば、それは、基本詐欺でしょう(笑)
幸運にも、ラリー・ウィリアムズの娘に生まれて来れれば、一子相伝を受けられるかもしれません。
でも、残念なことに、私はラリー・ウィリアムズの娘ではありませんでした(笑)
ラリーの娘でない限り、教えてもらえる可能性はゼロに限りなく近い、と思いますね。
■定型化
教えるのにあたって、というより、最初は、どんな型でもいいから、定型化から入ると、早いのかもしれませんね。
これは、林先生の本にも書いてあったとおり、「決められた型からスタートする」という方法論です。
実は、私は、デタラメでもよい派なんですが、それだと、初心者の場合、どこから手をつけていいのか、わかりませんものね。
デタラメでもよい派というと、乱暴な、ってなると思うのですが、
泳ぎを教えるときに、教室で、泳法の講義をするより、とりあえず浮き輪を持たせて、プールで泳がす派、なんです。
そして、泳ぎながら、段々泳ぎを覚えていけばよい、という感じです。
この浮き輪というのは、リスク管理であり、損切り。
とりあえず浮き輪さえ持っていれば、溺れないだろう、ってことで。
■1000本ノックの効能
ノックを受けているうちに負けなくなった、という意味が不明、というコメントを見かけました。
では、逆に、問います。
「最初は勝つ方法を知らないから負けるのだ、という理屈ならば、その初心者は、負ける方法を知っているか。」
勝つ方法を知らない = 負ける
という理屈はそもそも通るのか。というよりも、勝つ方法を知らないから勝てないというのなら、
勝つ方法を知らない = 勝ったり負けたりで、トータルトントン
というのが本来ではないのか。
手数料、スリッページ以上に負けるとしたら、負ける才能があるから負けるのか。
上下50%の確率の相場で、何故、人は負けてばかりいるのか。
そうなると、「やり方」以外の要素によって負けたのではないか。
そういう「方法」以外の要素が相場というものにはあるのではないか。
1000本ノックで、最初に学べることは、「どうやったら負けるのか」ということです。
適当にやったら勝ったり負けたりするはずが、考えたら何故か負けばかり(笑)
最初は、負けてばかりなのだから、負けの事例は積み上がります。
一方で、勝つことは、たまの偶然だから、ほとんど事例にもなりません。
人は、「どうやったら勝てるのか」ばかり考えているものですが、それと同じぐらい重要なのは「どうやったら負けるのか」なんです。
どちらが簡単にわかるのか、というと事例が豊富な「どうやったら負けるのか」なのですね。
よほど記憶力に欠ける人でない限り、アホみたいに負け続ければ、誰だってわかってくるものです。
わからないのなら、それは、途中でポイしたからでしょう。
負けたら意味がない、と思って、途中でポイする人が99%なんです。
ノックを最後まで受けた人なら、ここで書いている意味がわかると思いますよ。
■最適化について
システム志向の人から、裁量の私がこうした質問を受けるというのも何なんですが(笑)
システムは、多かれ少なかれ最適化するものです。
ブレイクアウトというのは、最適化する余地が少ない方法ですが、それでも「どの期間のブレイクか」という期間のパラーメーターは最適化する必要があります。
例に書いてもらっている移動平均クロスは、どう考えても最適化せざるを得ないものです。
パラメーターがある限りにおいて、最適化は避けられません。
ただ、そのチューンナップをどの程度やるか、という意味で、「最適化を随時繰り返すかどうか」ということを最適化しない、という使い方をしている様子です。
この場合、正確には、「過剰な最適化は避ける」という言い方が適していると思います。
前の記事で書いたとおり、私は、堅牢性重視です。
なので、出来る限り、最適化とは縁遠いようなものを求めています。
最適化すればするほど、過去にバックアジャストするわけですから、どんどんカーブフィッティングに近づいていくわけです。
「歴史は繰り返す」というテクニカル分析の原則は、「それなりに繰り返す」という程度でしょう。100%繰り返すことは理屈から言ってもあり得ませんよね。
書いておられる「パラメーターを固定するかどうか」は、「最適化を随時繰り返すかどうか」という意味で使っておられますが、そうなると、過剰最適化の域だと思いますよ。
個別株だと、銘柄ごとに最適化するとか、そういうことも過剰だと思います。
一方で、フィルタールールがあってはいけない、ということはありません。
当然、何らかのフィルターでパフォーマンスが改善するなら、取り入れることはあっても、それは過剰とは言えないのではないでしょうか。
タートルのルールにもフィルタールールがありますが、必要なものだと思います。
ただ、バックアジャストし過ぎることがいけないだけです。
■システムでも裁量でもない第三極
システムにも「調整」があり、裁量にも「ルール」があり、クロスするところはありますが、決定的に違うのは、
①上達のプロセスの違い・・・システムは「検証による開発」であり、裁量は「経験による蓄積」である。
②売買の実行時の違い・・・・システムは「機械的」、裁量は「判断を伴う」。
という部分でしょう。
システムの場合、チューンナップもあるけど、新規開発もあります。
手に入れた一品をチューンナップしながら、頑張って使い込んでいくと同時に、エンジンの開発も重要なので、結構大変ですね。
裁量の場合、基本的ルールをしっかり持っているか、もう少し柔軟に色々織り交ぜているか、結構別れるんじゃないかと思います。
システムに限りなく近い人、そうでない人。
どちらにしても、ルールと規律を身につけて、コメントに書いてもらったように、「上手下手のある世界」なので、鍛錬しながら上達する、のが裁量でしょう。
そして、システムでも裁量でも、シングルストラテジーなのか、マルチストラテジーなのか。
ここで、システムか、裁量か、ということで、議論してるんですが、お互いに根っこに共通する地下水脈が流れていることに気がつきました。
それは、どちらも、勝てるようになるには、
努力して、自分で開発、鍛錬して、今のポジションを得ている
という共通項です。
開発も、鍛錬も、自力本願が基本です。
自力本願という共通項があるわけです。
だから、お互いに議論していても、意見が対立していても、妙な清々しさがあるんじゃないか、と感じているんです。
どちらにしても、結局、やるべきことをやっていれば、モノのなる可能性はあるわけですよ。
じゃあ、この議論を通じて、逆に、一番ダメなタイプが私の中で浮かび上がってきました。
それは、「間違った道」とコメントで書いてもらったとおり、
他力本願で、パクリをやろうという姿勢
じゃないでしょうかね。先程もちらっと書きましたけど、結構生息している感じがします。
言い方凄く悪いけど、ちょっとは自分で考えて努力しないと、ダメなんじゃないでしょうか。
システムであろうが、裁量であろうが、パクリでそこそこのレベルになれた、という人は私の回りでも聞いたことがない。存在しない。
ただ、パクってやろう、と狙っている人は大勢いるけど、みんなダメレベル(笑)
自分は、システムを志しています、って言っても、やっていることは、どこかに美味しいシステムが落っこちていないか探している、他力本願のパクリ屋という「えせシステム屋」って結構いる感じがする(笑)
コメントで書いておられるように、誰もがプロになろうというのではなく、お小遣い稼げれば、という人も多いというのはわかります。
でも、お小遣い稼ぎだから、努力せずパクリで楽にできる、という世界でもないように思いますよ。
システム屋、裁量屋、という一見、対立軸の議論になっていますが、もう一つの流派として、
パクリ屋
ってのがあるんじゃないか、って気がつきました。
自力で、「手法開発」する気もなく、といって、「鍛錬」する気もない。
どこかに美味しいネタが落ちていないか、それをパクりたい、楽して儲けたい、というパクリ屋。
儲けている人を頼みにして、「勝てる方法を教えてください」。
商材を買って、それで勝とうとしている。
とにかく、自分で努力しないで、人に頼って、相場で勝とうとする。
本を読んで、手法をパクってやってみるが、上手く行かなくてポイの繰り返し。
あっちをつまみ食い、こっちをつまみ食い、つまんではポイ、ポイ、ポイ(笑)
システムを開発する努力でもなく、ノックを受ける鍛錬でもない。
パクろうと、人の成果を漁る努力だけをしている
というより、パクることが努力だと思っている、のかもしれません。
ただ、この姿勢を持っている人で、勝てるようになった、ってほとんど聞いたことがない、と私は思いますが、どうなんでしょうかね。
そういえば、1000本ノックで頑張っている人を、バカにしたような人もいましたね。
自分では何の努力もせずに、人が頑張っているのをバカにする。
どういう姿勢なんでしょうかね。多分に僻みもあったのでしょうね。
理屈先行なんですよ。頭でだけ考えて、意味が無い、と決め付けするから、そういう態度に出るんでしょう。
もちろん、先人の知恵を使うこと、教えを請う事を否定するわけではありません。
勉強する、ということは、そもそもそういうことだから。
他の世界では、それで通用したかもしれません。
勉強して、知識を詰め込んだら、合格できる入試であるとか、資格試験であるとか、そういう成功体験が、パクリ思考の温床なんでしょう。
でも、こと、この相場の世界に関しては、パクリだけで、自分では何もクリエイティブに考えようとしない、鍛錬しない、というのでは、厳しいんじゃないでしょうかね。
私も、思い起こせば、昔は、パクろう、あやかろう、と必死でした。
自分で必死でシステムも考えていたけど、パクリも必死だった。
そもそも、ブートキャンプに入隊したのも、パクリ目的(笑)
でも、今、現在、モノになっていることって、全部自分で考えたことであり、鍛錬の結果、理解したことばかりです。
確かに、教えられて、モノになったことはあるけど、それは、ベースとなる基本的考え方とかであって、小手先の技術は、ほとんどがオリジナル、経験から導き出されたものでしかありません。
自分で考えてみる、人に頼らない、こういう姿勢って大事じゃないでしょうかね。
多くのコメントを読んでいて、ふとこういうことを感じました。

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こうやって議論することで、自分が気がつかなかったことに、気がつくこともありますし、色々と刺激を受けるので、色々と考えが浮かびます。
コメント多く頂いているので、また、総括的に記事にすることにします。
いっぱい書いてもらっているので、全てを網羅できていませんが、私が気になったところだけということで。
こうやって、対立する意見であっても、お互いに相手を尊重しながら、意見交換できていることは、素晴らしいです。
■やり方探し&1000本ノック、どちらがいいのか
どちらにしても、簡単ではなく、時間がかかる、ということ、そして、どちらも努力しても結果がつくとは限らない、ということでしょう。
一方で、論点になっているのは、プロセスが無駄になるかどうか、という部分だと思います。
これは、イメージとしてどう捉えるか、と少し私なりに考えてみたのですが、こういう事例はどうでしょう。
そば打ち職人と製麺機開発。
そば打ち職人を志して、修行をする。
3年、5年、熱心に修行すれば、まかりなりにもそれなりの麺は打てるようになるんじゃないか。
そばを舐めるな、と言われれば、私はそば職人を知らないので、これは想像でしかないのですが、それなりに頑張って修行していれば、プロセスは無駄にはならない、と思います。
一方で、そんな手打ちではなく、自分だけのそば打ち機を開発する、という場合。
そば打ち機の開発に、3年、5年、と時間をかける。
そば打ちの理屈であるとか、頭では理解できていても、もし、機械の開発に失敗すれば、その人は、機械の知識は得ることができても、そば打ちの技術を手にできてわけではない。
実際に、そば打ちの修行をしていないわけだから、そば打ちが上手くなっているわけではなく、そばは打てない。
そば打ちに関しては、素人に近い。
私が、裁量とシステムについて思うのは、この違いなんです。
ただ、何度も繰り返しますが、そば打ち職人としての修行をしっかりした人、ということなので、中途半端に、機械に頼ってみたり、あれやこれやと手を出したり、実戦せずにレシピ勉強をしていた人人というのは、技術をマスターすることはできないでしょう。
後でこれについては書きますが、こういう「中途半端な修行」をしている人が多いように思います。
裁量トレードを練習する、といっても、多くの人がやっていることを見ると、中途半端なんですよ。
修行中なのだから、当然、損失が先行します。
そんなの当たり前のことじゃないですか。
その当たり前のことであるのに、ちょっと負けたら、これではダメだ、とポイする。
本気で最初から勝てると思っているんです。
ピアノの練習を始めた人が、最初からお金を取れる演奏できる、とでも思っているのか。
今日からゴルフ始めました、っていう人が、最初からゴルフで稼げると思っている、とすれば頭がどうかしている。
なのに、相場だけは、最初から稼げると思っている。
そもそも、中途半端な手法探しの手立てとして、実戦してるに過ぎないのなら、そんなのは修行期間に入らないです。
システム&1000本ノックの考察。
もう1つの事例です。
弁護士資格の取得。
これは、弁護士の資格が取れればよいが、取れなければ、何年かの勉強期間というのは、無駄に近くなる。
受験勉強など、他の「資格試験勉強」も同じで、資格が取れればいいけど、取れなければ、つぶしが効かない。
料理人の修行。
コツコツ時間がかかる。資格というものではなく、実力がつくかどうか。
しかし、3年、5年とやれば、それなりの実力は誰だってそれなりにはつく。
本気で頑張っていれば、それなりに腕で飯は食えるようになる。
システムというのが、資格試験に近い性質がある、一方で、1000本ノックは料理人の修行方式。
私のイメージですが、こんな感じです。
もちろん、資格取ってしまえば終わりじゃないのは弁護士もシステムも同じで、そこから先があるのだけれど、とりあえず資格を手に入れれるかどうかがカギとなっている。
■やり方へ到達するプロセスの間違い
ただ、大勢の方がやっておられることを見ていると、どっちつかず、なんです。
中途半端なんです。
資格試験に合格したいのなら、もっと徹底的にやらないとダメ。
「やり方」だけで差別化するって、想像以上に専門的ですよ。
システムの専門家って、半端ない、凄い。
検証でパソコンをブンブン24時間回しているとか普通で、HDDの寿命が1年しか持たないとか、そんなの一般人の常識外だと思いますよ。
ロジックの研究で、徹夜とか、ほんと半端ない。
私には、とても真似できない、と思いました。
でも、それが楽しくて時間の経過を忘れる、ってのがシステムマン(笑)
やり方探し、といっても、自分で研究しているのが本来で、実は、大勢の人は別のアプローチをしています。
他人頼り
です。
本やネット上、商材などで、やり方を探す、誰かに教えてもらおうとする。
自力本願ではなく、他力本願。
でも、他人を頼っても無駄です。
これが、一番ダメなアプローチです。
「やり方を探す」「トレジャーハント」といっても、他力本願で探すわけなので、これは、コメントを書いてくださっているシステム派のみなさんとは、全く違うアプローチであって、
お前らと一緒にされたくない!!
ってことだと思いますよ(笑)
しかし、実は、大勢がやっていることでしょう。
本でかじったり、ブログで探したり、商材買ったり、セミナーで聞いたり、そういうアプローチで、「他人からやり方を手に入れて」相場で勝とうなんて思わないことです。
何故なら、それで勝てるのなら、日本人1億総システムトレーダー、ですから(笑)
誰かを頼って、「やり方」を手に入れようとするアプローチは完全に間違いだ、ってことに早く気がつかないといけないと思います。
1000円のムック本を読んだら、簡単に100万円儲かったよ!!
ないない(笑)
それだったら、相場で損する人など、この世に一人もいないよ。
でも、多くの人はそう思って本を読む(笑)
現役のシステムトレーダーは、「ケチ」で教えないのじゃないんです。
教えたら、そのシステムは消滅するから、「教えたくても教えられない」んです。
ブログに晒したら、システムは瞬間消滅するんです。本に書いたら、瞬間消滅するんです。
システムのエンジンは、隙間なのだから、その性質上、大勢が押し寄せたら閉じる性質があるんです。
相場は、誰かが売ってくれるから買えるのであって、全ては相手さんが必要だ、という当たり前の事実があります。
みんなが勝てる方法を知って、そこで買えば儲かることがわかれば、誰がその勝てるポイントで売ってくれるのでしょう。
売り手と買い手の株数は、同数でないと、売買は成立しません。
相手が売ってくれなければ、買えないのです。それが相場です。
残念なシステムの成立要件とは、
自分だけが知っていて、他人が知らない
というものなんです。
この性質さえ理解していれば、本やネット上でやり方探しをすることが如何にナンセンスかということがわかるでしょう。
事例に出してもらっていた、ラリーの娘さんとか、タートルとか、確かに「周辺の数名に」教えている限りでは有効性は保たれることもあります。
流動性の罠をクリアできている範囲においては、有効性は保たれるでしょう。
システムを他人に教えることは、間違いなくできますし、それは、裁量よりもシステムの方がより簡単でしょう。
タートルシステムを伝授した期間は、確か数日だったと、本に書いてありましたし、そんなものでしょう。
これらの事例は、「あなただけには特別ですよ」ということです。
しかし、それが、一般の人にまで及べば、それは、基本詐欺でしょう(笑)
幸運にも、ラリー・ウィリアムズの娘に生まれて来れれば、一子相伝を受けられるかもしれません。
でも、残念なことに、私はラリー・ウィリアムズの娘ではありませんでした(笑)
ラリーの娘でない限り、教えてもらえる可能性はゼロに限りなく近い、と思いますね。
■定型化
教えるのにあたって、というより、最初は、どんな型でもいいから、定型化から入ると、早いのかもしれませんね。
これは、林先生の本にも書いてあったとおり、「決められた型からスタートする」という方法論です。
実は、私は、デタラメでもよい派なんですが、それだと、初心者の場合、どこから手をつけていいのか、わかりませんものね。
デタラメでもよい派というと、乱暴な、ってなると思うのですが、
泳ぎを教えるときに、教室で、泳法の講義をするより、とりあえず浮き輪を持たせて、プールで泳がす派、なんです。
そして、泳ぎながら、段々泳ぎを覚えていけばよい、という感じです。
この浮き輪というのは、リスク管理であり、損切り。
とりあえず浮き輪さえ持っていれば、溺れないだろう、ってことで。
■1000本ノックの効能
ノックを受けているうちに負けなくなった、という意味が不明、というコメントを見かけました。
では、逆に、問います。
「最初は勝つ方法を知らないから負けるのだ、という理屈ならば、その初心者は、負ける方法を知っているか。」
勝つ方法を知らない = 負ける
という理屈はそもそも通るのか。というよりも、勝つ方法を知らないから勝てないというのなら、
勝つ方法を知らない = 勝ったり負けたりで、トータルトントン
というのが本来ではないのか。
手数料、スリッページ以上に負けるとしたら、負ける才能があるから負けるのか。
上下50%の確率の相場で、何故、人は負けてばかりいるのか。
そうなると、「やり方」以外の要素によって負けたのではないか。
そういう「方法」以外の要素が相場というものにはあるのではないか。
1000本ノックで、最初に学べることは、「どうやったら負けるのか」ということです。
適当にやったら勝ったり負けたりするはずが、考えたら何故か負けばかり(笑)
最初は、負けてばかりなのだから、負けの事例は積み上がります。
一方で、勝つことは、たまの偶然だから、ほとんど事例にもなりません。
人は、「どうやったら勝てるのか」ばかり考えているものですが、それと同じぐらい重要なのは「どうやったら負けるのか」なんです。
どちらが簡単にわかるのか、というと事例が豊富な「どうやったら負けるのか」なのですね。
よほど記憶力に欠ける人でない限り、アホみたいに負け続ければ、誰だってわかってくるものです。
わからないのなら、それは、途中でポイしたからでしょう。
負けたら意味がない、と思って、途中でポイする人が99%なんです。
ノックを最後まで受けた人なら、ここで書いている意味がわかると思いますよ。
■最適化について
システム志向の人から、裁量の私がこうした質問を受けるというのも何なんですが(笑)
システムは、多かれ少なかれ最適化するものです。
ブレイクアウトというのは、最適化する余地が少ない方法ですが、それでも「どの期間のブレイクか」という期間のパラーメーターは最適化する必要があります。
例に書いてもらっている移動平均クロスは、どう考えても最適化せざるを得ないものです。
パラメーターがある限りにおいて、最適化は避けられません。
ただ、そのチューンナップをどの程度やるか、という意味で、「最適化を随時繰り返すかどうか」ということを最適化しない、という使い方をしている様子です。
この場合、正確には、「過剰な最適化は避ける」という言い方が適していると思います。
前の記事で書いたとおり、私は、堅牢性重視です。
なので、出来る限り、最適化とは縁遠いようなものを求めています。
最適化すればするほど、過去にバックアジャストするわけですから、どんどんカーブフィッティングに近づいていくわけです。
「歴史は繰り返す」というテクニカル分析の原則は、「それなりに繰り返す」という程度でしょう。100%繰り返すことは理屈から言ってもあり得ませんよね。
書いておられる「パラメーターを固定するかどうか」は、「最適化を随時繰り返すかどうか」という意味で使っておられますが、そうなると、過剰最適化の域だと思いますよ。
個別株だと、銘柄ごとに最適化するとか、そういうことも過剰だと思います。
一方で、フィルタールールがあってはいけない、ということはありません。
当然、何らかのフィルターでパフォーマンスが改善するなら、取り入れることはあっても、それは過剰とは言えないのではないでしょうか。
タートルのルールにもフィルタールールがありますが、必要なものだと思います。
ただ、バックアジャストし過ぎることがいけないだけです。
■システムでも裁量でもない第三極
システムにも「調整」があり、裁量にも「ルール」があり、クロスするところはありますが、決定的に違うのは、
①上達のプロセスの違い・・・システムは「検証による開発」であり、裁量は「経験による蓄積」である。
②売買の実行時の違い・・・・システムは「機械的」、裁量は「判断を伴う」。
という部分でしょう。
システムの場合、チューンナップもあるけど、新規開発もあります。
手に入れた一品をチューンナップしながら、頑張って使い込んでいくと同時に、エンジンの開発も重要なので、結構大変ですね。
裁量の場合、基本的ルールをしっかり持っているか、もう少し柔軟に色々織り交ぜているか、結構別れるんじゃないかと思います。
システムに限りなく近い人、そうでない人。
どちらにしても、ルールと規律を身につけて、コメントに書いてもらったように、「上手下手のある世界」なので、鍛錬しながら上達する、のが裁量でしょう。
そして、システムでも裁量でも、シングルストラテジーなのか、マルチストラテジーなのか。
ここで、システムか、裁量か、ということで、議論してるんですが、お互いに根っこに共通する地下水脈が流れていることに気がつきました。
それは、どちらも、勝てるようになるには、
努力して、自分で開発、鍛錬して、今のポジションを得ている
という共通項です。
開発も、鍛錬も、自力本願が基本です。
自力本願という共通項があるわけです。
だから、お互いに議論していても、意見が対立していても、妙な清々しさがあるんじゃないか、と感じているんです。
どちらにしても、結局、やるべきことをやっていれば、モノのなる可能性はあるわけですよ。
じゃあ、この議論を通じて、逆に、一番ダメなタイプが私の中で浮かび上がってきました。
それは、「間違った道」とコメントで書いてもらったとおり、
他力本願で、パクリをやろうという姿勢
じゃないでしょうかね。先程もちらっと書きましたけど、結構生息している感じがします。
言い方凄く悪いけど、ちょっとは自分で考えて努力しないと、ダメなんじゃないでしょうか。
システムであろうが、裁量であろうが、パクリでそこそこのレベルになれた、という人は私の回りでも聞いたことがない。存在しない。
ただ、パクってやろう、と狙っている人は大勢いるけど、みんなダメレベル(笑)
自分は、システムを志しています、って言っても、やっていることは、どこかに美味しいシステムが落っこちていないか探している、他力本願のパクリ屋という「えせシステム屋」って結構いる感じがする(笑)
コメントで書いておられるように、誰もがプロになろうというのではなく、お小遣い稼げれば、という人も多いというのはわかります。
でも、お小遣い稼ぎだから、努力せずパクリで楽にできる、という世界でもないように思いますよ。
システム屋、裁量屋、という一見、対立軸の議論になっていますが、もう一つの流派として、
パクリ屋
ってのがあるんじゃないか、って気がつきました。
自力で、「手法開発」する気もなく、といって、「鍛錬」する気もない。
どこかに美味しいネタが落ちていないか、それをパクりたい、楽して儲けたい、というパクリ屋。
儲けている人を頼みにして、「勝てる方法を教えてください」。
商材を買って、それで勝とうとしている。
とにかく、自分で努力しないで、人に頼って、相場で勝とうとする。
本を読んで、手法をパクってやってみるが、上手く行かなくてポイの繰り返し。
あっちをつまみ食い、こっちをつまみ食い、つまんではポイ、ポイ、ポイ(笑)
システムを開発する努力でもなく、ノックを受ける鍛錬でもない。
パクろうと、人の成果を漁る努力だけをしている
というより、パクることが努力だと思っている、のかもしれません。
ただ、この姿勢を持っている人で、勝てるようになった、ってほとんど聞いたことがない、と私は思いますが、どうなんでしょうかね。
そういえば、1000本ノックで頑張っている人を、バカにしたような人もいましたね。
自分では何の努力もせずに、人が頑張っているのをバカにする。
どういう姿勢なんでしょうかね。多分に僻みもあったのでしょうね。
理屈先行なんですよ。頭でだけ考えて、意味が無い、と決め付けするから、そういう態度に出るんでしょう。
もちろん、先人の知恵を使うこと、教えを請う事を否定するわけではありません。
勉強する、ということは、そもそもそういうことだから。
他の世界では、それで通用したかもしれません。
勉強して、知識を詰め込んだら、合格できる入試であるとか、資格試験であるとか、そういう成功体験が、パクリ思考の温床なんでしょう。
でも、こと、この相場の世界に関しては、パクリだけで、自分では何もクリエイティブに考えようとしない、鍛錬しない、というのでは、厳しいんじゃないでしょうかね。
私も、思い起こせば、昔は、パクろう、あやかろう、と必死でした。
自分で必死でシステムも考えていたけど、パクリも必死だった。
そもそも、ブートキャンプに入隊したのも、パクリ目的(笑)
でも、今、現在、モノになっていることって、全部自分で考えたことであり、鍛錬の結果、理解したことばかりです。
確かに、教えられて、モノになったことはあるけど、それは、ベースとなる基本的考え方とかであって、小手先の技術は、ほとんどがオリジナル、経験から導き出されたものでしかありません。
自分で考えてみる、人に頼らない、こういう姿勢って大事じゃないでしょうかね。
多くのコメントを読んでいて、ふとこういうことを感じました。

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