銘柄選択の重要性
2016/06/04 Sat
いいコメントを頂いて、そのお返事が長くなったので、記事に昇格、といういつものパターンです(笑)
銘柄を変えると勝てない、となった時に、
それなら勝てる銘柄だけで勝負すればいいじゃん!
ということに気がついた・・・というコメントがありました。
まさしくそうなのですよね。
これ、結構奥義です。
FXと株の最大の違いは、「銘柄選択」にあるんです。
FXの場合、それぞれの組み合わせによって個性が無いとは言いませんが、相場の見方やトレード戦略において、銘柄格差はそう大きくありません。
しかし、株の場合、4000銘柄あって、そこで何を選ぶかは、非常に大きな違いとなります。
何を選ぶかで、トレード戦略も戦術も何もかも変わってくるからです。
同じなのは、トレードについての考え方だけ、ということだと思います。
いつもコメントをいただく虚無僧さんと私では、対象銘柄も、時間軸も全く違っているので、結果として、やっていることもまるで違う、ということで、正に対極といってもいいぐらいです。
しかし、トレードについての考え方は全く同じで、いつも虚無僧さんのコメントは共感することばかりなんです。
ところが、虚無僧さんがやっている銘柄を私が真似して、私の時間軸で攻めたら、結果は負けばかりとなるでしょう。
虚無僧さんに銘柄を教えてもらって、負けばかりとなって、「何だよ、虚無僧さん!!全然ダメじゃないか!!」って私が言うナンセンスさですが、実は、多くの人が、このナンセンスさをわかっておられないように思います。
ここがわかっていない投資家は、何でもかんでも、同じようにやろうとします。
正にこれこそが「手法第一主義」なんです。
勝てる方法さえわかれば、何でも通用する、という勘違いです。
特に、傾向として顕著なのが、ノービスの若葉マークのトレーダーが、人の真似をしようとして、「上手い人は、ブランジスタやアキュセラをやっているから、自分もやらなければ!!」と思ってしまうことでしょう。
ツイッターなどで囁かれる人気株をやらないといけない、という強迫観念を持たされている人は、このブログのコメントを読むだけでもわかりますが、かなり多いように思います。
トレード戦略も違う、腕も違う、経験値も違う、時間軸も違う・・・なのに、銘柄だけを同じにしようとする。。。
そして、自分の庭を捨てて、人の庭で勝負する。
自分の庭と同じようにやればよい、と思ってるんです。
しかし、個別株において、このごちゃまぜをすると、絶対に上手く行きません。
そもそも、トレード戦略や時間軸は、どの銘柄を選択するか、によって違います。つまり「従」なんです。
こういうことを理解していない人は、意外なほど多いようです。
例えば、新興株と大型低位株を同じようにトレードするなど、ドブに金を捨てるようなものでしょう。
ブランジスタと富士通を同じように売買できるはずがありません。
FXの方は、これを読んでもさっぱりわからないと思いますが、個別株には4000銘柄、それぞれに個性があって、値動き特性が大きく違うのです。
個別株トレーダーの目利きというのは、この銘柄それぞれの個性を理解する、というところで時間がかかるのかもしれません。
ちょっと前に、TOPIX100の銘柄においては、刻みが小さくなり、値動き特性は一気に変化しました。
HFTの影響も大きかったとは言え、この影響も大きくて、証券会社のディーラーが稼げなくなって、中小証券のディーリング部門が次々に廃止されたことはその象徴でしょう。
ということで、個別株で勝っているトレーダーは、多かれ少なかれ、それぞれが、「自分の庭」を持っていて、その庭を中心に攻める、ということをしています。
どんなに勝っているトレーダーでも、他人の庭に入ったら、全然勝てない、など当たり前のことなんです。
勝っている人は、何をやっても勝てる、そういう方法を知っている、と思っている人も多いと思いますが、まるっきりの勘違いです。
勝っている人は、自分の庭から出ないから、勝手知ったる我が家でのみ勝ってるんです。
この自分の庭を機関投資家用語では、「ユニバース」、つまり「自分の対象銘柄」ですが、これをどうするかは、みなさんが興味のある「やり方」よりも重要なんです。
機関投資家の多くは、東証一部に限定し、売買代金や時価総額でフィルターをかけてユニバースを選別しています。
ユニバースをどう決めるのか、というのは、どうやるのか、よりも重要です。というより、どうやるかとセットです。
ということで、何をやるかは、どのようにやるか、より前にある、ということです。
そして、もっと言えば、あれもこれも勝てるようになる必要な全くありません。
どこか一つの銘柄群、分野で、専門家になれば、それで食っていけるんですよ!!
ここは、強調しても強調しすぎることがありません。
あれもこれものよろず屋よりも専門店。
寿司&洋食という店よりも、寿司専門店やフレンチ専門店。
そういうことです。
人の能力には限界があるのだから、特定の専門分野で中央突破するのが一番の早道だと思います。
そして、
新興人気株をやらないと、トレードでは勝てないのだ!!
といった強迫観念などさっさと捨てることです。
そんなの誰が決めたんでしょう。
闘技場で戦うのは、プレデター同士にさせておけばいいんですよ(笑)
相場歴10年とかのベテラントレーダーがしのぎを削って戦っている戦いの場に、わざわざ初心者が「鴨が葱を背負って行く」ことなどありませんよ。
というより、そもそも鴨を呼びこんでるんじゃないか、との疑惑すら・・・(笑)
カリスマが呼んでるからって、ふらふらと行っちゃダメですよ。絶対に。悪いことは言わないです。
行くからには、何もかも自己責任。
死して屍拾う者なし
が相場の掟なんです。
よくよく考えてください。騙し騙されが基本の相場で、善意の呼びこみがあると本気で思っていること事体どうなんだ、ってことはありませんか。
まあ、明らかに、「自分のためにする呼び込み」している人、時々見かけますねえ。注意しましょうね。誰とはいいませんが(笑)
バケツリレーの次の受け手を、みんなが探しているものなんです。
そもそも投機において株を買うのは、次の受け手に渡すために買うんです。
そのバケツリレーを受けるのは勝手ですが、最後は階段から落ちるというチキンレースだということを夢々忘れてはいけません。
こんなのに、まんまと引っかって、詐欺師を攻めている人をよく見かけますけど、引っかかった人も悪いんですからね。
個別株って、箱庭のようなところがありますから、誰かが買えば上がるし、誰かが売れば下がる、というせこい動きをするのが現実なんです。
ここもわかった上でやらないと、と思いますよ。
個人で動かすことなどあり得ない為替市場とはここが違います。
ただし、一つだけ注意点としてあるのは、
そういった株の習性とか、属性は、時間の経過で変化してしまう
ってことです。
だから、ある特性があったとして、上手く行ったとしても、それが未来永劫続くことはない、ということは覚えておくべきでしょう。
よくあるのが、特定の銘柄で上手く行ったことに味をしめて、その株に執着することです。
ところが、月単位、年単位でみると、その株の特性は変化する(ファンダメンタルの変化や全体環境の変化で)ので、執着して売買しても、ある日突然儲からなくなる、ということが起きます。
これを
守株(しゅしゅ)
と言います。
旧習を守り、それにかかずらって、進歩のないことを意味し、由来は、
宋(そう)の国の農夫が偶然にも田の中の切り株に衝突して死んだうさぎを拾った。それ以来、彼は働くことをやめ、また、うさぎが切り株にぶつかるのを待って株の番をして暮らし、みんなの笑い者になったという。(韓非子)
ちょっと上手く行ったら、変化することを忘れて、執着し続けることです。
今なら、単位株が100株単位になったとか、刻みが変わったとか、そういう変化も大きく値動き特性に変化をもたらします。
そういう変化をちょっとでも感じた時には、特定の銘柄に執着するのではなく、その株の値動き特性がどういうものだっのか、を理解し、その特性を示している銘柄群に引っ越しすることが必要です。
ヤドカリ
ですね。

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銘柄を変えると勝てない、となった時に、
それなら勝てる銘柄だけで勝負すればいいじゃん!
ということに気がついた・・・というコメントがありました。
まさしくそうなのですよね。
これ、結構奥義です。
FXと株の最大の違いは、「銘柄選択」にあるんです。
FXの場合、それぞれの組み合わせによって個性が無いとは言いませんが、相場の見方やトレード戦略において、銘柄格差はそう大きくありません。
しかし、株の場合、4000銘柄あって、そこで何を選ぶかは、非常に大きな違いとなります。
何を選ぶかで、トレード戦略も戦術も何もかも変わってくるからです。
同じなのは、トレードについての考え方だけ、ということだと思います。
いつもコメントをいただく虚無僧さんと私では、対象銘柄も、時間軸も全く違っているので、結果として、やっていることもまるで違う、ということで、正に対極といってもいいぐらいです。
しかし、トレードについての考え方は全く同じで、いつも虚無僧さんのコメントは共感することばかりなんです。
ところが、虚無僧さんがやっている銘柄を私が真似して、私の時間軸で攻めたら、結果は負けばかりとなるでしょう。
虚無僧さんに銘柄を教えてもらって、負けばかりとなって、「何だよ、虚無僧さん!!全然ダメじゃないか!!」って私が言うナンセンスさですが、実は、多くの人が、このナンセンスさをわかっておられないように思います。
ここがわかっていない投資家は、何でもかんでも、同じようにやろうとします。
正にこれこそが「手法第一主義」なんです。
勝てる方法さえわかれば、何でも通用する、という勘違いです。
特に、傾向として顕著なのが、ノービスの若葉マークのトレーダーが、人の真似をしようとして、「上手い人は、ブランジスタやアキュセラをやっているから、自分もやらなければ!!」と思ってしまうことでしょう。
ツイッターなどで囁かれる人気株をやらないといけない、という強迫観念を持たされている人は、このブログのコメントを読むだけでもわかりますが、かなり多いように思います。
トレード戦略も違う、腕も違う、経験値も違う、時間軸も違う・・・なのに、銘柄だけを同じにしようとする。。。
そして、自分の庭を捨てて、人の庭で勝負する。
自分の庭と同じようにやればよい、と思ってるんです。
しかし、個別株において、このごちゃまぜをすると、絶対に上手く行きません。
そもそも、トレード戦略や時間軸は、どの銘柄を選択するか、によって違います。つまり「従」なんです。
こういうことを理解していない人は、意外なほど多いようです。
例えば、新興株と大型低位株を同じようにトレードするなど、ドブに金を捨てるようなものでしょう。
ブランジスタと富士通を同じように売買できるはずがありません。
FXの方は、これを読んでもさっぱりわからないと思いますが、個別株には4000銘柄、それぞれに個性があって、値動き特性が大きく違うのです。
個別株トレーダーの目利きというのは、この銘柄それぞれの個性を理解する、というところで時間がかかるのかもしれません。
ちょっと前に、TOPIX100の銘柄においては、刻みが小さくなり、値動き特性は一気に変化しました。
HFTの影響も大きかったとは言え、この影響も大きくて、証券会社のディーラーが稼げなくなって、中小証券のディーリング部門が次々に廃止されたことはその象徴でしょう。
ということで、個別株で勝っているトレーダーは、多かれ少なかれ、それぞれが、「自分の庭」を持っていて、その庭を中心に攻める、ということをしています。
どんなに勝っているトレーダーでも、他人の庭に入ったら、全然勝てない、など当たり前のことなんです。
勝っている人は、何をやっても勝てる、そういう方法を知っている、と思っている人も多いと思いますが、まるっきりの勘違いです。
勝っている人は、自分の庭から出ないから、勝手知ったる我が家でのみ勝ってるんです。
この自分の庭を機関投資家用語では、「ユニバース」、つまり「自分の対象銘柄」ですが、これをどうするかは、みなさんが興味のある「やり方」よりも重要なんです。
機関投資家の多くは、東証一部に限定し、売買代金や時価総額でフィルターをかけてユニバースを選別しています。
ユニバースをどう決めるのか、というのは、どうやるのか、よりも重要です。というより、どうやるかとセットです。
ということで、何をやるかは、どのようにやるか、より前にある、ということです。
そして、もっと言えば、あれもこれも勝てるようになる必要な全くありません。
どこか一つの銘柄群、分野で、専門家になれば、それで食っていけるんですよ!!
ここは、強調しても強調しすぎることがありません。
あれもこれものよろず屋よりも専門店。
寿司&洋食という店よりも、寿司専門店やフレンチ専門店。
そういうことです。
人の能力には限界があるのだから、特定の専門分野で中央突破するのが一番の早道だと思います。
そして、
新興人気株をやらないと、トレードでは勝てないのだ!!
といった強迫観念などさっさと捨てることです。
そんなの誰が決めたんでしょう。
闘技場で戦うのは、プレデター同士にさせておけばいいんですよ(笑)
相場歴10年とかのベテラントレーダーがしのぎを削って戦っている戦いの場に、わざわざ初心者が「鴨が葱を背負って行く」ことなどありませんよ。
というより、そもそも鴨を呼びこんでるんじゃないか、との疑惑すら・・・(笑)
カリスマが呼んでるからって、ふらふらと行っちゃダメですよ。絶対に。悪いことは言わないです。
行くからには、何もかも自己責任。
死して屍拾う者なし
が相場の掟なんです。
よくよく考えてください。騙し騙されが基本の相場で、善意の呼びこみがあると本気で思っていること事体どうなんだ、ってことはありませんか。
まあ、明らかに、「自分のためにする呼び込み」している人、時々見かけますねえ。注意しましょうね。誰とはいいませんが(笑)
バケツリレーの次の受け手を、みんなが探しているものなんです。
そもそも投機において株を買うのは、次の受け手に渡すために買うんです。
そのバケツリレーを受けるのは勝手ですが、最後は階段から落ちるというチキンレースだということを夢々忘れてはいけません。
こんなのに、まんまと引っかって、詐欺師を攻めている人をよく見かけますけど、引っかかった人も悪いんですからね。
個別株って、箱庭のようなところがありますから、誰かが買えば上がるし、誰かが売れば下がる、というせこい動きをするのが現実なんです。
ここもわかった上でやらないと、と思いますよ。
個人で動かすことなどあり得ない為替市場とはここが違います。
ただし、一つだけ注意点としてあるのは、
そういった株の習性とか、属性は、時間の経過で変化してしまう
ってことです。
だから、ある特性があったとして、上手く行ったとしても、それが未来永劫続くことはない、ということは覚えておくべきでしょう。
よくあるのが、特定の銘柄で上手く行ったことに味をしめて、その株に執着することです。
ところが、月単位、年単位でみると、その株の特性は変化する(ファンダメンタルの変化や全体環境の変化で)ので、執着して売買しても、ある日突然儲からなくなる、ということが起きます。
これを
守株(しゅしゅ)
と言います。
旧習を守り、それにかかずらって、進歩のないことを意味し、由来は、
宋(そう)の国の農夫が偶然にも田の中の切り株に衝突して死んだうさぎを拾った。それ以来、彼は働くことをやめ、また、うさぎが切り株にぶつかるのを待って株の番をして暮らし、みんなの笑い者になったという。(韓非子)
ちょっと上手く行ったら、変化することを忘れて、執着し続けることです。
今なら、単位株が100株単位になったとか、刻みが変わったとか、そういう変化も大きく値動き特性に変化をもたらします。
そういう変化をちょっとでも感じた時には、特定の銘柄に執着するのではなく、その株の値動き特性がどういうものだっのか、を理解し、その特性を示している銘柄群に引っ越しすることが必要です。
ヤドカリ
ですね。

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