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勝負強さ

2016/08/14 Sun

早朝から毎日オリンピックを見ています。熱戦が続きますね。

さて、競技を見ていてつくづく感じつところがあって、それが勝負所と勝負強さです。

体操男子個人総合の最後の鉄棒の場面で、内村くんが追う立場で勝負に出た反面、リードするウクライナのベルニャエフ選手は普通の演技で勝てる場面で、私から見ると、ただ鉄棒で回っているだけに見えました。

このまま行けば勝てる、という気持ちが前面に出てしまって、守りに入ったという感じでした。

結果は内村くんの逆転勝利。

勝負すべきところで、勝負しきれず守りに入ってしまったベルニャエフ選手が結局は負けてしまいました。


メンタルが大きく左右するテニスでも、錦織選手とモンフィス選手の一戦で、最後、モンフィス選手がここで踏ん張れば勝てるという場面で、ミスを恐れて攻めきれずに逆転を許してしまった局面がありました。


さきほど、卓球の男子団体で、対ポーランド戦を見ていましたが、ここでも、試合の流れと、勝負所というのが随所にあって、そこでの選手それぞれの悲喜こもごもが見ていてわかります。



ここぞ、という場面で、

つい守ってしまって、逆に相手に攻められる。

イージーミスをやってしまう。


こういうちょっとした勝負所での勝負一つで、試合の行方が決まってしまう場面の連続でした。


こうやってオリンピックに出場するクラスの選手同士なので、実力はそれぞれ紙一重です。

ギリギリどこで勝負がつくか、というと、ここぞという場面での勝負強さ、勝負弱さ、ということが結果を大きく左右する、そういう場面になんども接しました。

ここで競技している選手は、みんな一流のアスリートばかり。

それでも、人間だから、ちょっとした弱さみたいなものが出てしまうのだなあ、とつくづく感じます。




さて、トレードを振り返ると・・・

なかなか勝てない人を見ていると、これと同じような心理状態を感じることがあります。

つまり、

ここぞという場面で、勝ち切れない

のです。

結果として、負けをカバーすることができずに、トータルとして負けてしまう。



システムトレードは別ですが、裁量トレードというのは、平面ではなく立体だと思っています。

勝つトレーダーというのは、ずっとコツコツ利益を積み上げるタイプもいることはいますが、多くは勝ったり負けたりして、トータルで利益を残す、というものです。

つまり、勝てるトレーダーであっても、アップダウンがあって、アップの時にできるだけ多く勝って、ダウンの時に何とか耐える、この繰り返しで、トータルとして利益を残すものなんです。



しかし、下手な人は、

ここぞという時に、勝ち切れずにお茶を濁してしまう

一方で、

ちょっとしたきっかけで転落してドカンをやる

を繰り返します。




見ていると、ほんと勝負弱い人、というのはいます。

何でそこで出ないのかなあ、という反面、どうでもいいところでしゃかりきにやって自滅する

そういうタイプの人が残念ながらいるんです。というか多いです。

そういう自分が悪いのに、負けたのは手法や相場の責任になすりつける。

日銀の責任、安倍さんの責任にする。

そんなんじゃ、どんなにエッジのある戦略を使ったって勝てないよ、と思うのだけど、せっせとまた手法探しを続ける(笑)


規律的に見て、

待つべきところで待てず、攻めるべきところで臆してしまう。

踏ん張るべきところで踏ん張れず、踏ん張ってはいけないところで踏ん張る。

そもそも、平気でルール破りしている自分に気がつかない。

結局、最後は、自己規律のかけらもなく、自爆テロで幕を閉じる。



それでも、なお、「やり方を探そうとする」餓鬼にも似た姿には戦慄さえ覚えますが・・・(笑)

原因は、そもそも自滅だよ、やり方じゃないよ。。。


ここでは、勝負弱さというより、心の弱さ、ということなんですね。

我慢できずに自滅の道を歩む

ということです。



やるべきことをやらずにいらんことをする

結果として自滅する。

こんなんじゃ、トータルで勝てるはずがないんです。

それなのに、

勝てない原因をそういう勝負弱さではなく、やり方・手法に求めてしまう。

結局、本当の問題を無視して素通りするから、いくら探しても探しても、結果が伴わないことになるわけです。



勝っている人と同じようにやっているのに、何故自分だけ負けるのか、そう思っている人は結構多いんじゃないかと思います。

そういう人は、さらにやり方を工夫して精度を上げようとするわけですが、多くの場合、原因はそこにはないんです。



なかなか勝てない、勝ち切れない、という人の話を聞くと見えてくるのは、ダラダラダラダラと平面的に相場をやっておられることが多いです。

とにかく、

トレードにメリハリがないんです。


何故そうなってしまうのか、というと、

人の心というのは、恒常性が働きますから、人はそもそも習慣の奴隷なんです。

つまり、いつもいつもやっていることが一番心地よいわけです。

普段と違うことをすれば、違和感を強く感じるし、やりたくないわけです。

その結果として、メリハリの無いトレードをやってしまいます。

ところが、これがトレードにとってはよくありません。

そういう人は、勝つトレードではなく、自分の心に優しいトレードをしているわけです。



実は、とんとん確保というのは、損切りがきちんとできるようになって、ドカンを防げるようになれば、そんなに難しくなく達成できるものだと思います。

問題なのはその先で、負けないというレベルから、勝てる、というレベルに行くには、よりメンタル的な強さが要求されるようになります。

もともも素質として、そういう勝負強さを持っておられる方もいますが、多くはそういう素質はありません。

従って、日々の実践の中で鍛錬するしかありません。

この道だけは、相場から叩かれて叩かれて成長するしか道が無いんです。

勉強して学ぶという道はありません。

ここは、想像以上に多くの時間と労力が必要なんですね。



先日、友人であるトレーダーと話をしていて、彼が、

「昔は、3年、5年で何とかなると思っていたけど、それは間違いだと最近わかった。毎日毎日トレードしていても、10年近くはかかるとつくづく感じる。」

とこのメンタル面の話をしていました。

小手先のテクニックや手法などは、半日もあればマスターできるんです。

簡単なんです。

しかし、トレーダーマインドを手に入れるには、数年以上の実践での経験値がどうしても必要なのだ、とつくづく感じます。



最初に書いたとおり、オリンピック級の選手でさえ、ここぞという場面では、臆してしまって守りに入ったり、イージミスを連発してしまう、ということがあるわけです。

凡人である我々なら、尚の事。

多くの場合、マインドの問題は完全に無視して、とにかく、やり方だけに答えを求めるものです。

もちろん、100発100中の完璧な手法や、何が何でも絶対に勝てる神のようなやり方が手に入れば、マインドの強さ、勝負強さなど必要なく勝つことができるでしょう。

しかし、それをいくら求めても、永遠に無間地獄をさまようだけでしょう。

探しものばかりしていてもしかたがないんです。

自分の弱さに目を向けることは辛いかもしれませんけど、そこを見据えて、克服すべく鍛えて行ったほうが、結局近道だと思います。

ここで書いたことを一言で片付ければ、

自己規律

といういつもの話になるわけですが、この道がほんとに遠いんですね。


自分のトレード・ルールを守る自己規律、絶好のチャンス到来を待つ忍耐力、相場に入って行く勇気、そして勝ちたいという強い願望。

(マーケットの魔術師、16人のトップ・トレーダーが語る成功の秘訣より)


同じ勝負の世界のオリンピックを観戦していて、そんなことを考えていました。


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上手い下手の違い 1

2016/08/20 Sat

何事においても、上手い下手というものがあって、

絵の上手い下手

料理の上手い下手

歌の上手い下手

将棋の上手い下手

野球の上手い下手

外科医の上手い下手

大工の上手い下手


などなど、色んな上手い下手、というものがあります。



では、この上手い下手の違いがどうしてできるのでしょう。

野球に関して言えば、野球が上手いのは、練習の賜物。
当然、才能も知識も必要ですが、最も重要なファクターは練習ですね。
野球の知識が豊富だからといって、野球が上手いわけではありません。

スポーツは、全般そうです。
では、身体を使うスポーツだからそうなのか、というとそうではありません。

絵が上手い下手を考えてみると、まずは才能。
しかし、才能だけあっても、練習しないと上手くはなりません。
絵に関する知識も必要です。

ここで絶対に欠かせない要素は、練習なんですね。
絵に関する知識がものすごく豊富な人は、評論家です。
評論家は、絵が上手ではありません。

他の歌にせよ、外科医、大工にせよ、全ては

日々の訓練を続けて上手くなる

という道を辿ります。

ここに例外はほとんどありません。



では、振り返って、何故、相場だけは、知識だけで勝てると思ってしまうのか、ということです。

その理由としてハッキリしていのは、

相場は当てて取るものだ

という理解に行き着きます。

当てて取るのだから、当てる方法がわかればよい

という理屈です。

つまり、それは、

知識

です。

その結果、

どうやったら当てることができるのか、という知識を探すことに大半の時間を費やすこととなります。

他の世界では、こういう知識を豊富に身につけた人を評論家、好事家と言います。

野球評論家、美術評論家など、知識は豊富ですが、美術評論家は絵は上手くはありません。

この知識を求めるということの悪い点は、いくら時間を使っても、上手くはならないということなんですね。

何年も何年もやったところで、一向に上達することはありません。

美術評論家が、美術の知識をいくら蓄えても、絵が上手くならないのは明らかです。
絵の知識が豊富だから、画家になった、など、聞いたこともありませんよね。

それなら、絵の一枚でも書けば少しは上達するものを、知識を求めてばかりでは、上達することは一切無いのです。



長年相場をやっていて、相場経験は豊富なのに、とにかく下手という人は、残念ながら大勢おられます。

こういう人は、その豊富な経験の多くを当て方探しに集中してこられた方が大半だと思います。

上手くならないことに時間を費やしているから、一向に前に進まない。


じゃあ、何故そうなるのか、というと、とにかく目の前の一勝が欲しいからなんですね。

とにかく、目先目先を当てたい、勝ちたい、というそればかりが先行して、当てよう、当てようと必死なんですが、そういう時間の使い方は、積み上がることがありません。

一方で、実戦はまだ早い、お金を賭けるのが怖いからといって、「勝てる方法が見つかるまでは研究中心でやっていこう」という方も結構おられます。
こういう方も、結局、知識を求めて時間を使っておられるわけです。

相場って目の前にお金が絡むものですから、この辺りがすごく難しいわけです。



さらに質が悪いのが、

短期的な勝ち負けのほとんどは偶然


ということです。

この偶然を必然だと勘違いして、爆死する。

これを大勢の投資家が繰り返していることも事実としてあります。

ちょっと勝つと、上手くなった、相場で勝てるようになった、という勘違いしてしまって、悲劇のスタートラインとなるわけです。

相場を初めて数年以内の勝利など、ほとんど偶然なのに、自分は勝てるようになった、と思ってしまうわけなんですね。



こういう、

当て方さえ見つかればという思い

偶然


などが複雑に絡み合うものだから、それが相場の上達を阻む大きな要因になっているのだ、と思います。

こういう誤った考え方を持っていることに加えて、偶然でも大きく勝てたりするものですから、

最初は、地道にコツコツ練習を続けていく

など、なかなかできるものではないんですね。



一方で、カリスマブログを読むと、100万円勝った、300万円勝った、と大本営発表がこれでもかこれでもかと続くわけです。

じゃあ、自分も、このカリスマと同じことをすれば、すぐにでも同じように勝てるんじゃないか、そう思わせる魔力があります。

そういう人たちは、2000万人いる投資家の頂点であって、彼らが、レスリングの伊調馨選手や吉田沙保里選手以上の競争率を勝ち抜いている勇士だとは全然思っていないわけです。

彼らが、とてつもないトレードスキルとトレードマインドを持っていることなど、完全に無視して、「やり方さえ同じならば」とやってしまって、爆死する、そういうことを繰り返すわけです。



相場を始めるにあたって、まず誰でも考えることは、

どうやったらいいんだろう。

どういう方法をすればいいんだろう。

そうだ、勝っている人の方法を真似すればいいんだ。

しかも、すごく勝っている人の真似をすれば、同じようにすごく勝てるようになる。


ということでしょう。

しかし、そこ隠れている落とし穴は、

吉田沙保里選手だからこそできる技

ということなんですね。

イチロー選手だからこそできる打撃

フォームを真似たからといって、イチローになれるわけでは決してありません。

そこにあるスキルやマインドといったものの違いが見えてはいないわけです。

つまりは、やり方が全て、という相場への理解です。



もうひとつポイントとしてあることが、

勝っている人は、やり方はそれぞれ違っても、トレードマインドやトレードスキルには、一般の投資家とは全く違う共通の特徴がある


ということなんです。

つまり、一般の理解では、やり方にこそ答えがある、ということなのですが、やり方は千差万別なので、そこには答えがない、ってことなんです。

もし、やり方に答えがあるのなら、勝っている人は、一律に正解を実践していてもおかしくないわけです。

一方で、マインドやスキルは、やり方が全く違っても、強い共通点を持っています。

つまり、学ぶべきはこちらなんですね。

ところがこちらは、一朝一夕に学ぶとか覚える、知る、ということではないわけです。

そこがトレードを難しくさせているところだと思います。




では、そういったトレードスキルやトレードマインドは、どうやったら身に付けることができるのでしょう。

結局、訓練、練習、繰り返し、の中で、身につけていく腕とか、目利き、技、といったものに行き着く、ということなんですね。


それには、残念ながら時間がかかっていまいます。

もちろんカリスマの領域までは無理であっても、

時間をかけて練習すれば身に付くものをコツコツ積み上げていく


こういう意識が必要じゃないかと思うのです。



当て方さえわかれば

ということは、誰しも思うことです。

しかし、この「当て方さえ」を追い求めて、10年、20年、30年と、成果が出ないままで、

当て方探しの投資家ゾンビ

と化した亡霊のような大勢の投資家の姿を見るにつけ、つくづく私も思うところはあるんですね。

このゾンビさんたちの特徴ははっきりしていて、

ほんとうに知識は豊富なんですが、やらせたら下手


なんですね。

相場歴何十年なのに、未だに損切り一つ満足にできないし、飛びつき買いばかりで、利食いもちびちびで、ドカンを食らっては転落、を繰り返す、というゾンビ生活をされておられます。

損切りできずに爆死など、初心者レベルのことをベテラン投資家が繰り返しているのが現実なんです。

ベテランなのに、ヘタッピーなんです。

厳しい言い方ですが、相場巧者が損切りできずにオロオロしているなど、あり得ないことですからね。



時折、アベノミクスのような上げ相場に乗れてちょっとは利益を出せても、調子に乗ってすぐに吐き出す始末で、また、地下の棺桶生活を続ける、というゾンビ生活を繰り返しているわけです。

そして数年間、棺桶でおとなしくしていて、再び相場が動き出したら、

上げ相場のラストあたりで棺桶から出てきてちょっと儲かったらまた調子に乗って滑落し、棺桶に逆戻りする

棺桶には、新たに作った塩漬けを一緒に持って入る(笑)


そういう暮らしを何十年と続けている投資家ゾンビさんたちがものすごく大勢いるわけです。

余談ですが、ゾンビさんが、棺桶に戻る際の言い訳が妙に共通しているのですが、それは、

仕事が忙しくなったから!!


という、本業逃避拳炸裂(笑)



ここでは、エッジのある戦略など見つからないのだ、というつもりはありません。

実は、

仮にエッジのあるいい戦略が見つかったとしても、下手でスキルもマインドもダメなら、儲けることなどできない、ということなんですね。

これは、意外と盲点で、やり方にしか興味がないから、こういうことが見えてはいないのです。

とてつもないエッジのある戦略が見つかればいいですが、その可能性は限りなくゼロでしょう。

100%勝てる方法など存在しないのですから、下手ではやはりダメなのです。



前にも書いたとおり、エッジのある戦略というのは、金棒なんです。

いくらいい金棒であっても、鬼の体力がなければ、振り回すことができない、ということなんですね。

これは、ゴルフクラブにばかり金をかけて、練習を大してしないゴルファーと同じです。

問題は、練習不足でスキルが低いことなのに、ゴルフクラブが悪いからだと本気で思っているわけです。


錦織圭選手と同じラケットを使えばエアケイが打てるのか。タイガー・ウッズ選手と同じクラブを使えばタイガーになれるのか。

道具は所詮道具であって、それを使いこなせるだけの力がどうしても必要なんです。


やり方にこだわることは仕方がありませんが、それだけではダメだ、ということを理解すべきなんですね。



ここで、すごく朗報があるわけですが、

どうなったらいつま経っても相場で勝つことができないのか、年月を経てもダメなままなのかは、先輩ゾンビが全て教えてくれているのだ!!


という驚愕の事実です。

どういう考え方をすれば、ゾンビと化すのか、それが明確だということはすごいことだと思います。

やり方は、下手な人、上手い人、千差万別で共通点は見つけられない。

しかし、

下手な人には下手な人共通の考え方を持っており、上手い人には上手い人共通の考え方がある。

そして、この二つは相容れない。


これは凄いことなんです。

私は相場歴が長いですから、大勢の両方を投資家さんたちを見てきています。

帰納的に類推できる事例を豊富に持っているので、こうやってわかっているのです。

投資家の方とちょっと話をすれば、その人がどの程度のレベルか概ねわかる、というのも、こういう判別理由があるからなんですね。

上手い下手を、やり方などでは判別できません。

上手い下手を分けているのは、相場に対する考え方なんです。

どうしたら儲かるのか、ということばかり考えていると思いますが、

どうしたら負けるのか、負け続けている人はどういう考え方をしているのか、を理解する方がずっと簡単なんですね。




さて、投資家ゾンビさんに共通することは、テクニカルに執着されておられる方が多い、ということです。

なので、ちょっとしたファンダメンタルの知識すら持っておられず、相場の勘所やここぞというポイントがほとんど見えておられないんです。

チャートだけなので、メリハリが見えないわけです。

一方で、テクニカルの知識は異常なぐらい豊富で、あらゆるチャートを駆使できる勉強をされておられる。

いわゆる

罫線屋、罫線引き引き足をだし

という相場格言の通りで、

昔、兜町あたりの路地裏で「この罫線を買えば勝率95%」という罫線を、うらぶれたボロボロの服を着て売っていた人たち、と同じなんですね。



チャートで必勝法探し

これは、投資家誰でもが一度は陥る夢であり、落とし穴なんですが、ここから早く抜けだして、

上手くなる道

に入ることができれば、前に進めるものをと思います。

30年間勝ち方探しを続けていて成果がなくても、考え方さえ変えれば1年でみるみるうちに上達できるんです。

そこに必要なのは、考え方を変えることだけなのですね。



こう書いている私も、実は、元ゾンビでした!!

しかも、筋金入りのゾンビでした。

衝撃の事実がここに(笑)

なので、元OBゾンビとして、ゾンビさんたちの気持ちは痛いほどわかります。

明けても暮れても、勝てる方法がないのか、ずっとそれを追い求めて、探して探して探して・・・正に人間を求めてさまようゾンビと同じでした。

毎日毎日、明けても暮れても、勝てる方法・当て方探しの旅を延々と続けていました。

そうなると、探す方法やテクニカルの知識はどんどん増えるのですが、相変わらず相場は下手のままなんです。

私は結局10年間ゾンビの地下生活を続けたわけですが、その驚くほどの努力の成果は、毎年負けという結果でした(笑)

正直に告白しますと、

今の何倍も努力してました!!


相場に関する知識は尋常じゃないぐらいに吸収し、古今東西の必勝法の類は見えるもの全て手に入れようと努力しました。

ただ、

その知識と反比例するように結果はマイナス続きだったのですね。

知識が増えれば増えるほど、負けが増えていく・・・この驚愕の事実に、涙を拭ったことは一度二度ではありません。


今、昔の自分に言ってやりたいことは山程ありますが、たった一言では、

努力の方向が完全に間違ってるよ!!

私の10年間は、失われた10年間だとつくづく思います。

自分の20代という青春の時期の全てを相場研究に費やしたのですが、全てはムダだったのです。

この後、私は、ある人物と出会い、私の誤った考え方を強制削除されたわけですが、この話は前に書いているとおりです。

ここで言えることは、

勝っている人の方法ではなく、考え方を学ぶべきである

ということなんですね。

みんなこの逆をやりたがります。



さて、こういうことも、一度通って、失敗しないとわからないことだと思います。

ただし、一度、

相場で勝っている人とは、知識が豊富な人ではなく、上手い人だ、という意味を考えてみてもいいんじゃないでしょうか。

相場巧者、相場上手、という人が、しょぼ利食いしかできずに、損切りが下手、ということはあり得ないわけなんですね。

そういうことを考えてみてはどうか、と思うんです。



長年成果が出ないのであれば、やり方が間違っているという小手先のことではなく、目標が間違っているから上手く行かない、前に進まない、のじゃないか、と一度は疑ってみる必要があると思いますよ。


我々は、評論家や好事家を目指しているのではないのだから、物知りではなく、相場巧者、上手い人、を目指すべきなんです。




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上手い下手の違い 2

2016/08/21 Sun

いつも有意義なコメントをいただく虚無僧さんから、今回もコメント頂きました。

これに対して、私も大いに考えることがあり、記事で紹介したいと思います。



あらなみさん、こんばんは。
いつもながら、勉強になるお話しをありがとうございます。

お話の内容、ほんとうによくわかるし、全面的に同意なのですけど、
ここがねえ・・・・、どうしてもわからないというひとが
多いのではないでしょうか。

相場上手といえば、
それはどうしても「先行きの見通しが上手」なひとということになって、
つまりは「当て方の上手なひと」ってことになりやすい。


価格の行く末がわからないで、どうやって儲けるのだ、というのは
すごく当たり前の疑問ですから、
上手な人は、動きの先行きが見えるひと・・・ということが、
とても理解しやすいのだと思います。


それに、お話のように相場は偶然が支配することが多いわけで
そうなると、もう何がなんだか・・・ってことになりますね。

それでも、結局相場対応ってのは上手下手の世界であって、
技術職的であり、職人技的なのだ、ということしか
いいようがないと思います。


救いなのは、上手下手の世界なのだから
練習を繰り返せば上手になる可能性が高い、ということでしょう。
それが、単に才能のあるなしの問題となると
救いようがないですから。

もちろん才能も必要だとは思うけど、
わたしは、間違わない練習方法を繰り返せば
たいがいのひとは一定の水準になれると思っています。


それに至るまで、どうしても時間はかかりますし
これまた、だいたいのひとがゾンビ体験を持つのではないでしょうか。
わたしも昔の一時はゾンビしてましたよ、当たり前ですけど。

相場は体験の積によって上手になるとは思いますけど、
間違った方向での体験なら、何年、何十年やってもだめでしょうね。


わたしの知人でも、わたしと同じくらいの体験年数
それこそ30年とか40年をやっているひとで
相も変わらず「天底あてごっこ」をやって
いまだに儲からないと嘆いている人もいます。

「考え方の転換」だけなんですけどねえ。
お話の通りでしょう。
「考え方の転換」だけで、まったく違う世界になるわけで
1年程度でも、一定のことがわかったりすると思います。

このことは林先生の本にも、繰り返し書いてありますけれど
その本質的内容を、きちんと理解して読んでいるかどうかは、
まあ、ひとそれぞれでしょうね。
本の中でも、考え方の転換だけで、まったく新しい世界になると
書いてありますけれど。

ピアノの楽譜を何百冊もっていようと
ピアノは弾けません。
しかし、鍵盤を押してみれば、ちゃんと音は出るし
簡単な曲を弾くくらいは、たいした時間がかからないで
できるでしょう。

相場は上手下手の世界であって、
それは当て方の上手下手ではない、ということ。

とっても大事なんだけど、わかりにくいことも確かだと思います。

シンプル化とは整理の技術であり、本質化と同じだと思うけれど
余計な知識とか、迷いとかが上達を妨げるのかもしれません。

捨てるのは勇気がいります。
また、シンプル化ということを、「何もしないでいいのだ」と
サボり・不勉強の許容と誤解することもありますが、
そうではなく、「勉強し、いろいろ身に着けたうえで捨てる」というか
本質を抽出する、というようなことが大事ではないでしょうか。


結局、相場は売って買って、差額を得る行為。
わたしの場合なら、「サヤをいただく行為」であり、
考えようでは、とても単純で、それだけのことだと思うのですが・・・・。






虚無僧さん、おはようございます。

こちらこそ、いつも参考になるコメントありがとうございます。

この虚無僧さんのコメントこそが、私の記事の証明にもなっているわけなんですね。


私と虚無僧さんとは、具体的にやっていることは、真逆とも言えるほど違うわけです。

まず時間軸。短期のデイとスイング。

主に順張りと完全逆張り。

などなど、「具体的やり方」は、ほぼ真逆に近いわけですね。

やり方の議論したら、殴り合いの喧嘩になりそうなものなんです。

実際、虚無僧さんと同じ時間軸の方の中には、デイを毛嫌いされておられる方も大勢おられます。



しかし・・・

相場に取り組む姿勢や考え方は、私と虚無僧さんとでほぼ100%一致している

ポイントはここなんですね。

99%ではなく、100%。

つまり、相場が見えている人にとって、やり方は違っても、考え方は同じだ、ってことです。

これは凄いことだと思います。

しかも、そうじゃない人とは、全然違う。

じゃあ、目指すべきは何なのか

自ずとはっきりしていると思うのですね。

私は、虚無僧さんんが書いておられることで、違和感を感じることがほとんどといってありません。

今回もそうですが、いつも、上手な言葉使いをされておられて、私が書いた記事よりも説得力あるよなあ、と感心してるんです。

記事と同じ内容を書いていると感じている方もおられるかもしれませんが、虚無僧さんが書いておられることは、虚無僧さんなりの視点が入っていて、全部自分の言葉で書いておられることは、記事を書いている私が一番よくわかっています。

私に足りなかった表現とかが入っていて、とてもわかりやすいんです。





さて、ここから、虚無僧さんと私の二人が思うところの、みんなに納得してもらえないこと、にメスを入れてみる、という試みです。


>相場は上手下手の世界であって、
>それは当て方の上手下手ではない


今回の記事の一番のポイントで、前回私が書ききれなかった部分です。

また、なかなか納得してもらえないところでもある部分なんです。

しかし、

当て方なんて、いくら頑張っても上手くはなりません。

上手くならないことを頑張っても仕方ない。

ほんと時間の無駄でしかありません。

それよりも、練習して上手くなることに力を注げばいいんです。


ここが最も重要なポイントだと私は思うのです。



他のどんな仕事でも同じですが、

スキルアップできないことではなく、スキルアップできることに力を注ぐことが、物事の上達のコツ中のコツ

だと思いませんか。

上達しないことではなく、上達することに時間とパワーを使えばいいだけのこと


なんですね。



ただ、ここで問題になることが、

①目先の損益ばかりがどうしても気になる

②上達には時間がかって、目に見えにくい


ってことだと思います。

結局、当たった外れた、儲かった、損した、ばかりになってしまい、気がつけば、10年、20年が経っていた、というのが多くのベテラン投資家の姿なんです。

ここで、3年、5年と時間が経過すれば、どういう心がけで相場に取り組んでいたかの違いは、差がつく一方になるんですね。

目先の当たり外れ、つまり、拝金主義で相場をやっていた人と、スキルアップを目指していた人では、年数が経れば、取り返しがつかない差がそこでできているわけです。



長い私の相場経験から申し上げますが、

当て方なんていくら頑張っても上手くはなりません

間違いないです。

10年やったら、勝率50%が60%になった、ってことには絶対なりません。

つまり、当て方など、ベテランでも、アナリストでも、相場をちょっとかじっただけの人でも、ほとんど同じなわけです。

みんなそういう上達しないことに時間とパワーを注ぎ込んでいるわけです。

だから、いつまで経っても、上手くならないんです。





事実はそうだとしても、じゃあ、

何故、予想は当たらないのか、株価予想は上達しないのか

その理屈を探ってみたいと思います。


brexitの件でわかったと思いますが、アナリスト全員が外しています。
当てるという意味では、彼らの右に出ることは無理です。
アナリストというのは、当て方のプロ中のプロなんです。

もちろん腕利き投資家もほとんど外したと思います。

私とて、まさか離脱するなど思ってもいませんでした。


しかし、一方で、

上手な人は、外したとて少なくとも大して負けていないか逆に勝っている

対して、下手な人は、外して大損害を被る


わけです。

つまり、上手な人というのは、当たり外れの外にいるわけなんです。

というより、

そもそも、そういう予測・予想に頼らないトレードをやっている

からなんです。



ここで納得できない人には、次の疑問を考えてもらいたいです。

下手な人は、いつもいつも最終的には相場に負ける。

一方で、上手な人は、なんだかんだとやっても、最終的には利益を残す。


ここのところは、冷酷なほど最後はこうなるものです。

では、

この差は、相場の見通しや当て方の違いだけなのだろうか。

そもそも、

相場で負け続ける、ということは、上か下かの50%の確率の相場を外し続ける天才なのか!!

当てることが難しいのと同じで、外し続けることも難しいのではないか。

では、どうやったら毎年毎年自分のように確実に負けることができるのだろうか(笑)

そういう疑問はありませんか。

そして、相場の上手い下手は、果たして当たり外れの違いなのだろうか。





じゃあ、そもそも相場の行く末はわかるものなのか

この点を理解を進めるために、さらに掘り下げてみたいと思います。



まずは、次のポイントとなる相場の値動きの本質を考えてみてください。

相場の値動きとは、最終的には、ファンダメンタルに従うものである


これは間違なく事実です。

これをわかりやすいように具体的事例を書くと、

①会社が倒産したら、株価はゼロになる

②業績が大きく伸び続ける会社の株は必ず上昇する


この2点に対して、「いや、それは違う」と言う人はいますか。

会社が倒産したのに、大口が買うから上がることもある、という方、手をあげてください(笑)

アップルの業績がうなぎのぼりになっている時、大口が売るからアップルは下がる、ということが起こりますか。


初心に帰って、そもそも論。

株価というのは、最終的に企業の本源的価値を写す鏡である

これは絶対的真実です。

そして、

その企業の本質的価値をミクロ&マクロの日々の変化から探る作業が株価の変動である

ということになるわけです。

ここで何を言いたいのか、というと、

株価が予測できるということは、そういう企業の本源的価値を読めるということに等しい

ってことなんです。

どんなチャートであっても、倒産したら暴落します。

「いや、チャートは上昇トレンドなのだから、倒産しても、株価は下げない」

という方、おられますか(笑)

ここのところを超絶勘違いしている人が結構多いんです。

一方で、マクロ面においては、

brexitなどを当てること = 株価を予測すること

となります。

さらに、

日銀の強烈な緩和策を予想すること = 株価を予測すること

震災・テロを予想すること = 株価を予測すること



つまり、ここで言いたいこととは、

相場がミクロ&マクロのファンダメンタルを反映して動くものだという前提に立てば、それはすなわち、

こういった

ミクロ&マクロを次々に当てていくこと = 株価を予測すること

になる


という理屈にならざるを得ないわけです。


こういう理屈があるのに、

テクニカルの法則によって、株価が読める

と考えていること事態、どういう勘違いなんでしょう。





もし、相場の当たり外れが上手い下手という基準なら、毎日外しまくっている私は間違いなく下手ですし、何度退場しているか気が遠くなるぐらいです。

そもそもそういう実績があるので、私は、自分の予想ほど当てにならないものはない、といつも考えています(笑)

ここで、じゃあ、

>価格の行く末がわからないで、どうやって儲けるのだ

というそもそもの疑問になるのでしょう。

その裏には、こういう疑問もでますよね。

価格の行く末がわからないで、どうやってそんなに損できるのだ!!

逆ギレです(笑)

これ実は、裏表なんです。


実際、ほとんどの方が、ご自分で実際にやっておられること(失礼)なのだから、わかっていてもいいはずなのに、何故負けるのかと聞かれれば答えられない、よくわならない、とはなりませんか。

たまたま外れた、が連続しただけですか。


この裏返しに、上手な人に、「何故勝てるんですか」と聞いても、なかなか具体的な返事がない、ということと実は同じなんですよ。

当たり外れだけで考えれば、簡単なことですが、相場は上か下か、確率50%の勝負です。

半分は当たり、半分は外れる、丁か半か、裏か表か、確率は50%なんです。



腕とか、目利きとか、経験とか言われても、そんなのじゃわからない、もっと具体的に教えてほしい、ということは本当によくわかるんです。

そんな漠然としたことではなく、もっと具体的に示してくれ、もっと理屈を教えてくれ、という切実なニーズは痛いほどわかります。

でも、逆ギレですが、「じゃあ、あなたはどうして稼げないんですか。どうやればそうやって損ができるんですか。」という答えを具体的に述べることができますか。

勝つ方法を知らないからいつもトントンで終わるのだ、というのならわかります。

しかし、勝つ方法を知らないことは、負ける原因にはなりません。

この理屈はじっくりと考えてみる必要があると思いますよ。

もし、正確に負けの原因を把握できているのであれば、その人はもう上手の域の人だと私は思います。


負けている原因を、単に「相場を外したからだ」としているから、ダメなんです。

相場の勝ち負けの原因を、目先の当たり外れだけで、つまりは相場を当てものとして見ているから前に進まないんです。


結局、相場を当てものと考えて、当てる方法を探しているから、永遠にコレクターになってしまうのです。



繰り返しますが、相場の先行きが当てられたから儲かるのだ、という理屈の裏は、相場の先行きがわからないから、トントン、ということになるんです。

それが、どうしたら、ドカンを何度も食らって退場なんてことになってしまうのでしょう。

勝てる方法を知らないから勝てないのだ、という理屈の裏には、負ける方法を知っているから負けるのだ、ということもあるわけです。

その負ける方法を知っているのなら、何故、負ける方法を続けるのでしょう。



トレードシステムには、次のような理屈があります。

(コストとスリッページを除けば)負けるシステムは存在しない。何故なら、負けるシステムの裏は勝てるシステムだからである

という理屈です。

もし、負け続けるシステムがあるのなら、それは凄い発見なんです!!

システムのアイデアの殆どは、勝ちも負けもしない、コスト倒れになる、というのが基本です。

もし、自分がコスト以上に負けているのなら、そこに重大なヒントが実は隠れているんですよ。



この重大なヒントについて、ソロスは次のように述べています。


最も重要なことは、マーケットの見通しについて正しいか間違っているかということではなく、正しければいくら稼げ、間違っていればいくら損をするのか、ということなのである。

私の金銭面の成功は、私の将来の出来事を予想する能力とは際立って対照的だ。

George Soros



このソロスの言葉こそが、トレードの本質でもあるのです。

当てて稼ぐことはできないとしても・・・予想を外しまくらないでも、ボロ負けして、塩漬けの山を築くことは簡単じゃないですか!!


毎年負け続けること = ずっと相場を外し続けていること


にはならないのです。

確率50%の相場で、そんなに

確実に相場を外す

ことなど、困難を極めますよ!!


相場が当たり外れだけなら、投資家半分は勝って、半分は負けて、で終わるはずなんです。おかしいじゃないか。

上げ続けているNY株なら、全員が勝っていてもおかしくないのに、そうはなっていない。おかしいじゃないか。

これがソロスの言っていることなんです。





ここまで長々と、相場の上手下手は当たり外れで決まらない、というお話をしてきました。

今回は、特に、そもそも予測を当てることは可能なのか、上達できることか、ということについて書きました。

すごい難しいテーマでしたが、何か、考え方のヒントになるところはあったでしょうか。

それとも、まだ腑に落ちない、ということでしょうか。

難しいテーマなのでそうであっても、仕方がないと思います。

ということで、総括しておきましょう。



相場の予測は、ベテランであっても難しい。何故なら、価格はファンダを写す鏡であるからで、予測精度の違いが、上手下手の違いには決してならない


相場を当てようとする努力は、上達しない努力である

それならば、上達することに努力の方向を向けたほうがよい


ここに、目先の損益だけでない、相場の取り組みのヒントがあると、私は思いますよ。

この心がけ、考え方の違いは、最初の1年、2年ではほとんど同じですが、5年、10年で取り返しのつかない差になっている

そういうことなのです。



そして、

相場を当てものだと捉えてやっている限り、10年、20年と本来ベテランの領域に入っても、

永遠の初心者である目先のことしかしてこなかったキリギリス投資家

となってしまいます。

キャリアを何十年と積んでも、、腕も未熟で損切りすら満足にできない。
ファンダメンタルもよくわからない。
ちょっと勝っても簡単に吐き出し元の黙阿弥を何度も繰り返す。
ドカンを未だに繰り返し、塩漬け株の山を築くことを生業としている。


全部、目先であり、拝金であり、小手先なんです。

棺桶と地上を行ったり来たりしているゾンビ投資家でもあり、目先の利益しか考えてこなかった拝金主義のキリギリス投資家の末路でもあります。


年月を経て、こうなってしまった投資家が如何に多いことか・・・これは紛れも無い事実なんです。
というより、世間一般的に言われる「相場なんかやっても、一時的に儲かってもすぐにドボンするに決まっている」というヤッカミ半分はほぼ正解なんですね。
私のように長年相場に関わっていると、回りにいた大勢の投資家はみんな自然消滅しています。
ブログを始めた10年前から見ても、気がつけばほぼ誰もいない(笑)
生き残った者は、ほとんどいません。
当時のカリスマは、アイドルと同じで、短命に消えてしまいました。
そして、また今のアイドルたちが出現して、もてはやされて、そして消える。
それが普通、基本形、ノーマル、正常な投資家の末路、なんですね。
これが事実なんです。
じゃあ、何故そんなことがいつもいつも起きるのか。
それは予測だけ、当て方の問題だけなのか。

我々が目指すべきは、こういうキリギリス投資家ではなく、派手さはなくてもアリ投資家なんじゃないでしょうか。




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リスク感覚と分割

2016/08/26 Fri

昨日、ある新人トレーダーの方とお昼を食べていていい話があったので記事にします。

その方は、デイトレで、トレード歴まだ数ヶ月とかなんですが、何と勝っています。

何かコツのようなものがあるのだろうと思って話を聞いていたのですが、なるほどと思ったことがありました。

話をしていて、気がついたのが、分割売買をしている、とのことでした。

これは誰に教えられたわけでもなく、自分の感覚でやっておられるので、凄いと思って、さらに話を聞きました。

何故、分割しているのか、というと・・

「一発でやるということは、当てもののような気がするんです。回りをみていても、一発で当てようとしているように感じて。。。」

「リスクがあるので、とりあえず最初に買ってみて、様子を見ながら次を繰り出すということをしています。」


と言われていました。

ちなみに、そんなに相場本も読んではいないので、

「分割、ナンピン、乗せ、試し、という言葉を知っていますか。」

と聞くと

「全く知らない」

ということ。

何も知らないのです。

知らないのに、乗せ、ナンピンをやって、そして、試し玉まで使うのかよ!!


とちょっと私は焦ってしまいました。

ほぼ天才じゃないか!!


そして、

「こういうやり方は間違っているんでしょうか。」

と言われたので、

「もちろん間違ってはいませんよ。というより、凄いリスク感覚に驚いています。」


と答えました。

こういうものには、やはり天性のものがあるのだ、と思いました。




さて、私は分割を使いますが、決して、分割万能論者ではありません。

むしろ昔ブログ上では分割派の方とは対立することもしばしばでした。

しかし、リスク管理において、分割を使う、というのは正しい選択でもあると思っています。

相場は、この一点と当てられることはほとんどありません。

特に逆張りにおいてはそうで、ある程度のゾーンで、行ったり来たりの繰り返しの中で、レンジを捉える、という戦い方になります。

そういった部分で、分割というのは優れた手法だろうと思うのです。

もちろん、お話した人のように

リスク管理を優先するために分割を使う

というのが正しい作法であって、

やられたから悔し紛れに引かされナンピンする

というのは、リスク管理上から論外なわけです。

一般には、この論外である「引かされナンピン」のことを「ナンピン」と言う傾向があって、ここを大きな勘違いしている人が大勢いますが、最優先すべきはリスク管理であって、そのための戦略がナンピンであり、乗せなんです。




といういうことで、私自身は、特に利食いにおいて分割を使うことが多いです。

何故なら、エントリーは狙いすませても、利食いは狙いすますことができず、どこかで利食いしなくては仕方がないからです。

10分割とか、20分割に及ぶ時もあります。

これは、板の厚さの関係もあるので、アイスバーグ注文という意味もあるのですが、利食いは狙い澄ますわけに行かないので、こうすることが多いのですね。

エントリーも、順張りでは、狙いすましができますが、逆張りにおいてはやはり難しいため、5分割とかはザラに使います。

ただ、時間軸は短いので、悠長に分割する暇が無いことが多いのは、デイトレの宿命ですね。



スイング、特に数日間とか持つ場合は、ギャップや目先のブレのリスク軽減のために分割することはさらに合理的だと思います。

もちろん、リズム取りなど相場の波に乗って行くようなやり方だと、中心技術になるので、ここは専門家が大勢おられますね。

分割については、相場の波の乗り方、として解説されることがほとんどですが、そういった

値動きと分割

という概念に加えて、

リスク管理と分割

という概念も非常に重要ですので、最近あまり語られることがなくなってきた分割ですが、昨日、聞いた話をきっかけに書いてみました。



ちなみに、私の分割は、ほとんどが等分割です。

不当分割がいいとよく言われますが、私はそうは思いません。

というのは、そもそもややこしい、ということもありますが、不当分割だと、結局、ラストの玉に重点を置くのだから、当てもの感覚にならないか、という思いがあります。

結局、一番安い(と思っているところ)を大きく行くわけだから、それは狙っている、と理解されるのじゃないか、ということです。

特に、試しからいきなり本玉という感じだと、完全に当てものじゃないか、という気がしてなりません。

また、不当分割は、マーチンゲール的匂いがして、コツコツドカンに繋がる恐れすら感じてしまうのです。

簡単なのは、教科書的ですが、2分割一括手仕舞い、だと思いますが、私は利食いを分割することが多いので、一括エントリー2分割手仕舞い、という感じでしょう。



最近は、あまり分割について議論する場も少なくなりましたが、10年以上前は、実に華やかでした。

林派、林一門の方は、基本分割派なので、よくこちらにも訪問されて、分割至上論を述べられていたことが懐かしいです。

私は、分割よりも、環境認識を優先すべきだと思っていますので、分割至上論には反対でしたが、決して分割を否定するものではありませんでした。

特定の環境においてこそ、ナンピンは活かされる


という思いがあります。



くれぐれも、分割とは、リスクを軽減するための戦略であって、拡大するものではない、という理解を前提に考えてください。

これだけ書いても、

「ナンピンなどを勧めて、破産するじゃないか。」


とか、書いてくる人が多いので、これは甚だしい勘違いだと事前に書いておきます。

全てにおいて優先されるべきはリスク管理で、その土台の上にこういった分割などの技術があるのです。

これは、私の友人が、本能的にやっていたリスク管理のための分割、というものと合致します。

本能的にこれができる、ということは凄いことだと思いました。

ほとんどの人の分割が、悔し紛れの爆死ナンピンなので、これができる人は少ないと思います。


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ママさん料理教室

2016/08/30 Tue

ママさん料理教室においては、新入生でも、最初から、スズキのポアレ、だとか、趣向を凝らしたレシピを教えて、

好奇心を満足させて、楽しく、ワイワイガヤガヤ

と料理を教えます。

次々に、レシピを教えて、これでもかこれでもか、とやり方を教えて、飽きないようにさせる工夫をします。

一流シェフのレシピを教えますよ!!

といった感じです。

カリスマシェフにレシピを教えてもらって、満足満足(笑)

一流シェフのレシピさえわかれば、同じものができる、というみんなの思いを汲みとって・・・(笑)


最初から面白い

最初から楽しい

最初から色んな知識を得られる


これがママさん料理教室の教える仕組みです。

つまり、

知識から入る

ということです。

この料理教室で不思議な事は、10年通っているママさんでも、今日入った新人でも同じ扱いなんです。

何故なら、

10年通って、知識だけは豊富になっても、何も上達してなどいない

からなのです。





一方で、一流の日本料理店に修行に入った新人料理人を待っているのは・・・

掃除・皿洗い 3年

下ごしらえ、使いっぱしり、などなど、

最初は辛くて苦しい

何でこんなことをやるのかと疑いたくなる

知識など何も教えてはもらえない


のです。

やっと包丁を握らせてもらえるようになったのは、しばらくしてからなど当たり前。

しかも、それは、包丁磨き、だったりして、料理など簡単にさせてはもらえません。

板前の修行は、入った新人10人のうち、1年後に残るのは2~3人ということだそうです。

そして、一人前には、最低10年。。。。



ここでは、目先の損益など考えていたら、修行など続きません。

皿洗いなどやって、何になるんだ!!

俺は料理を習いに来てるんだ!!

ってことです。



つまりここでは、

技術、腕を磨くというところから入る


ということです。

そして、それには、

とんでもない時間がかかる

ってことです。



ママさん料理教室と料理人修行

この両者のエントリーから、プロセス、学ぶ方法・・・全く別次元、別物、なんです。

同じ

料理を学ぶ

といっても、まるで別のプロセスがあるわけです。



ウナギの料理人は、

串打ち3年、裂き8年、焼き一生

と言われています。

串を打つだけで、裂くだけで、

何でそんなに年数がかかるのだ、と頭で考えたら思いますが、実際には一流と呼ばれるようになるまで、時間のかかりかたというのは、どんな技術職でもそうなのでしょう。


始めて3年で一流のピアニスト

ボールを初めて握ってプロ野球選手まで3年

将棋を始めて3年でプロ


こういうイメージできないのと同じで、技術の習得という面では、特別コースなど無いわけです。





こうして、ママさん料理教室と料理人修行・・・10年後、どちらが一流の料理人になれるのか


考えないといけないのは、こういうことなんだろうなと思います。

こうして出来上がるのが、

ママさん料理教室では、知識だけは豊富、つまり口だけは達者だけれどやらせたら下手なママさんたち、つまり評論家さんたちです。

一方で、料理人修行を積んだ料理人は、腕、目利き、という技術を身に付けた職人さんです。




最初から、儲かって楽しい

最初から色んなやり方知る

最初からカリスマと同じことをする



相場においても、こういうママさん料理教室的なスタートを切る人がほとんどなわけですが、

本当に儲けようと思うのなら、

どこかで気がついて、


ママさん料理教室から、本格的料理人修行に切り替えることができるか

そこがポイントなんだろうな、って思います。



多くの投資家は、ママさん料理教室の域を出ずに一生涯を終えます。

趣味でやるのならそれでもいいのですが、

こういったプロセスの違いに気がつかないままで、

料理教室的な努力を続けている人が多い

ことは、もったいないと思うのです。

そこで10年、20年と努力を続けても、知識ばかりが豊富になるだけだからです。

知識ばかり増えて、口だけは達者になるけど、やらせたら下手。基礎的な技術さえできない。


そういう頭でっかちな評論家タイプのベテラン投資家が多いわけなんですね。

相場の知識は、増えれば増えるほど、下手になる(迷いを増やすだけだから)、というぐらいのものだと気がついてはいないのです。



ママさん料理教室は、授業料を支払うもの。いくら通ったところで支払う立場は変わりません。

一方で、料理人修行は、お金をもらう仕事。


知識を得ることと、腕を磨くことの違い。


両者は、似て非なるもの、全く別次元のものなのです。



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プロフィール

あらなみ

Author:あらなみ
職業:個別株投機家・専業デイトレーダー

Twitter: @aranami718

旧ブログ:
あらなみの相場技術研究所

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