勝負強さ
2016/08/14 Sun
早朝から毎日オリンピックを見ています。熱戦が続きますね。
さて、競技を見ていてつくづく感じつところがあって、それが勝負所と勝負強さです。
体操男子個人総合の最後の鉄棒の場面で、内村くんが追う立場で勝負に出た反面、リードするウクライナのベルニャエフ選手は普通の演技で勝てる場面で、私から見ると、ただ鉄棒で回っているだけに見えました。
このまま行けば勝てる、という気持ちが前面に出てしまって、守りに入ったという感じでした。
結果は内村くんの逆転勝利。
勝負すべきところで、勝負しきれず守りに入ってしまったベルニャエフ選手が結局は負けてしまいました。
メンタルが大きく左右するテニスでも、錦織選手とモンフィス選手の一戦で、最後、モンフィス選手がここで踏ん張れば勝てるという場面で、ミスを恐れて攻めきれずに逆転を許してしまった局面がありました。
さきほど、卓球の男子団体で、対ポーランド戦を見ていましたが、ここでも、試合の流れと、勝負所というのが随所にあって、そこでの選手それぞれの悲喜こもごもが見ていてわかります。
ここぞ、という場面で、
つい守ってしまって、逆に相手に攻められる。
イージーミスをやってしまう。
こういうちょっとした勝負所での勝負一つで、試合の行方が決まってしまう場面の連続でした。
こうやってオリンピックに出場するクラスの選手同士なので、実力はそれぞれ紙一重です。
ギリギリどこで勝負がつくか、というと、ここぞという場面での勝負強さ、勝負弱さ、ということが結果を大きく左右する、そういう場面になんども接しました。
ここで競技している選手は、みんな一流のアスリートばかり。
それでも、人間だから、ちょっとした弱さみたいなものが出てしまうのだなあ、とつくづく感じます。
さて、トレードを振り返ると・・・
なかなか勝てない人を見ていると、これと同じような心理状態を感じることがあります。
つまり、
ここぞという場面で、勝ち切れない
のです。
結果として、負けをカバーすることができずに、トータルとして負けてしまう。
システムトレードは別ですが、裁量トレードというのは、平面ではなく立体だと思っています。
勝つトレーダーというのは、ずっとコツコツ利益を積み上げるタイプもいることはいますが、多くは勝ったり負けたりして、トータルで利益を残す、というものです。
つまり、勝てるトレーダーであっても、アップダウンがあって、アップの時にできるだけ多く勝って、ダウンの時に何とか耐える、この繰り返しで、トータルとして利益を残すものなんです。
しかし、下手な人は、
ここぞという時に、勝ち切れずにお茶を濁してしまう
一方で、
ちょっとしたきっかけで転落してドカンをやる
を繰り返します。
見ていると、ほんと勝負弱い人、というのはいます。
何でそこで出ないのかなあ、という反面、どうでもいいところでしゃかりきにやって自滅する
そういうタイプの人が残念ながらいるんです。というか多いです。
そういう自分が悪いのに、負けたのは手法や相場の責任になすりつける。
日銀の責任、安倍さんの責任にする。
そんなんじゃ、どんなにエッジのある戦略を使ったって勝てないよ、と思うのだけど、せっせとまた手法探しを続ける(笑)
規律的に見て、
待つべきところで待てず、攻めるべきところで臆してしまう。
踏ん張るべきところで踏ん張れず、踏ん張ってはいけないところで踏ん張る。
そもそも、平気でルール破りしている自分に気がつかない。
結局、最後は、自己規律のかけらもなく、自爆テロで幕を閉じる。
それでも、なお、「やり方を探そうとする」餓鬼にも似た姿には戦慄さえ覚えますが・・・(笑)
原因は、そもそも自滅だよ、やり方じゃないよ。。。
ここでは、勝負弱さというより、心の弱さ、ということなんですね。
我慢できずに自滅の道を歩む
ということです。
やるべきことをやらずにいらんことをする
結果として自滅する。
こんなんじゃ、トータルで勝てるはずがないんです。
それなのに、
勝てない原因をそういう勝負弱さではなく、やり方・手法に求めてしまう。
結局、本当の問題を無視して素通りするから、いくら探しても探しても、結果が伴わないことになるわけです。
勝っている人と同じようにやっているのに、何故自分だけ負けるのか、そう思っている人は結構多いんじゃないかと思います。
そういう人は、さらにやり方を工夫して精度を上げようとするわけですが、多くの場合、原因はそこにはないんです。
なかなか勝てない、勝ち切れない、という人の話を聞くと見えてくるのは、ダラダラダラダラと平面的に相場をやっておられることが多いです。
とにかく、
トレードにメリハリがないんです。
何故そうなってしまうのか、というと、
人の心というのは、恒常性が働きますから、人はそもそも習慣の奴隷なんです。
つまり、いつもいつもやっていることが一番心地よいわけです。
普段と違うことをすれば、違和感を強く感じるし、やりたくないわけです。
その結果として、メリハリの無いトレードをやってしまいます。
ところが、これがトレードにとってはよくありません。
そういう人は、勝つトレードではなく、自分の心に優しいトレードをしているわけです。
実は、とんとん確保というのは、損切りがきちんとできるようになって、ドカンを防げるようになれば、そんなに難しくなく達成できるものだと思います。
問題なのはその先で、負けないというレベルから、勝てる、というレベルに行くには、よりメンタル的な強さが要求されるようになります。
もともも素質として、そういう勝負強さを持っておられる方もいますが、多くはそういう素質はありません。
従って、日々の実践の中で鍛錬するしかありません。
この道だけは、相場から叩かれて叩かれて成長するしか道が無いんです。
勉強して学ぶという道はありません。
ここは、想像以上に多くの時間と労力が必要なんですね。
先日、友人であるトレーダーと話をしていて、彼が、
「昔は、3年、5年で何とかなると思っていたけど、それは間違いだと最近わかった。毎日毎日トレードしていても、10年近くはかかるとつくづく感じる。」
とこのメンタル面の話をしていました。
小手先のテクニックや手法などは、半日もあればマスターできるんです。
簡単なんです。
しかし、トレーダーマインドを手に入れるには、数年以上の実践での経験値がどうしても必要なのだ、とつくづく感じます。
最初に書いたとおり、オリンピック級の選手でさえ、ここぞという場面では、臆してしまって守りに入ったり、イージミスを連発してしまう、ということがあるわけです。
凡人である我々なら、尚の事。
多くの場合、マインドの問題は完全に無視して、とにかく、やり方だけに答えを求めるものです。
もちろん、100発100中の完璧な手法や、何が何でも絶対に勝てる神のようなやり方が手に入れば、マインドの強さ、勝負強さなど必要なく勝つことができるでしょう。
しかし、それをいくら求めても、永遠に無間地獄をさまようだけでしょう。
探しものばかりしていてもしかたがないんです。
自分の弱さに目を向けることは辛いかもしれませんけど、そこを見据えて、克服すべく鍛えて行ったほうが、結局近道だと思います。
ここで書いたことを一言で片付ければ、
自己規律
といういつもの話になるわけですが、この道がほんとに遠いんですね。
自分のトレード・ルールを守る自己規律、絶好のチャンス到来を待つ忍耐力、相場に入って行く勇気、そして勝ちたいという強い願望。
(マーケットの魔術師、16人のトップ・トレーダーが語る成功の秘訣より)
同じ勝負の世界のオリンピックを観戦していて、そんなことを考えていました。

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さて、競技を見ていてつくづく感じつところがあって、それが勝負所と勝負強さです。
体操男子個人総合の最後の鉄棒の場面で、内村くんが追う立場で勝負に出た反面、リードするウクライナのベルニャエフ選手は普通の演技で勝てる場面で、私から見ると、ただ鉄棒で回っているだけに見えました。
このまま行けば勝てる、という気持ちが前面に出てしまって、守りに入ったという感じでした。
結果は内村くんの逆転勝利。
勝負すべきところで、勝負しきれず守りに入ってしまったベルニャエフ選手が結局は負けてしまいました。
メンタルが大きく左右するテニスでも、錦織選手とモンフィス選手の一戦で、最後、モンフィス選手がここで踏ん張れば勝てるという場面で、ミスを恐れて攻めきれずに逆転を許してしまった局面がありました。
さきほど、卓球の男子団体で、対ポーランド戦を見ていましたが、ここでも、試合の流れと、勝負所というのが随所にあって、そこでの選手それぞれの悲喜こもごもが見ていてわかります。
ここぞ、という場面で、
つい守ってしまって、逆に相手に攻められる。
イージーミスをやってしまう。
こういうちょっとした勝負所での勝負一つで、試合の行方が決まってしまう場面の連続でした。
こうやってオリンピックに出場するクラスの選手同士なので、実力はそれぞれ紙一重です。
ギリギリどこで勝負がつくか、というと、ここぞという場面での勝負強さ、勝負弱さ、ということが結果を大きく左右する、そういう場面になんども接しました。
ここで競技している選手は、みんな一流のアスリートばかり。
それでも、人間だから、ちょっとした弱さみたいなものが出てしまうのだなあ、とつくづく感じます。
さて、トレードを振り返ると・・・
なかなか勝てない人を見ていると、これと同じような心理状態を感じることがあります。
つまり、
ここぞという場面で、勝ち切れない
のです。
結果として、負けをカバーすることができずに、トータルとして負けてしまう。
システムトレードは別ですが、裁量トレードというのは、平面ではなく立体だと思っています。
勝つトレーダーというのは、ずっとコツコツ利益を積み上げるタイプもいることはいますが、多くは勝ったり負けたりして、トータルで利益を残す、というものです。
つまり、勝てるトレーダーであっても、アップダウンがあって、アップの時にできるだけ多く勝って、ダウンの時に何とか耐える、この繰り返しで、トータルとして利益を残すものなんです。
しかし、下手な人は、
ここぞという時に、勝ち切れずにお茶を濁してしまう
一方で、
ちょっとしたきっかけで転落してドカンをやる
を繰り返します。
見ていると、ほんと勝負弱い人、というのはいます。
何でそこで出ないのかなあ、という反面、どうでもいいところでしゃかりきにやって自滅する
そういうタイプの人が残念ながらいるんです。というか多いです。
そういう自分が悪いのに、負けたのは手法や相場の責任になすりつける。
日銀の責任、安倍さんの責任にする。
そんなんじゃ、どんなにエッジのある戦略を使ったって勝てないよ、と思うのだけど、せっせとまた手法探しを続ける(笑)
規律的に見て、
待つべきところで待てず、攻めるべきところで臆してしまう。
踏ん張るべきところで踏ん張れず、踏ん張ってはいけないところで踏ん張る。
そもそも、平気でルール破りしている自分に気がつかない。
結局、最後は、自己規律のかけらもなく、自爆テロで幕を閉じる。
それでも、なお、「やり方を探そうとする」餓鬼にも似た姿には戦慄さえ覚えますが・・・(笑)
原因は、そもそも自滅だよ、やり方じゃないよ。。。
ここでは、勝負弱さというより、心の弱さ、ということなんですね。
我慢できずに自滅の道を歩む
ということです。
やるべきことをやらずにいらんことをする
結果として自滅する。
こんなんじゃ、トータルで勝てるはずがないんです。
それなのに、
勝てない原因をそういう勝負弱さではなく、やり方・手法に求めてしまう。
結局、本当の問題を無視して素通りするから、いくら探しても探しても、結果が伴わないことになるわけです。
勝っている人と同じようにやっているのに、何故自分だけ負けるのか、そう思っている人は結構多いんじゃないかと思います。
そういう人は、さらにやり方を工夫して精度を上げようとするわけですが、多くの場合、原因はそこにはないんです。
なかなか勝てない、勝ち切れない、という人の話を聞くと見えてくるのは、ダラダラダラダラと平面的に相場をやっておられることが多いです。
とにかく、
トレードにメリハリがないんです。
何故そうなってしまうのか、というと、
人の心というのは、恒常性が働きますから、人はそもそも習慣の奴隷なんです。
つまり、いつもいつもやっていることが一番心地よいわけです。
普段と違うことをすれば、違和感を強く感じるし、やりたくないわけです。
その結果として、メリハリの無いトレードをやってしまいます。
ところが、これがトレードにとってはよくありません。
そういう人は、勝つトレードではなく、自分の心に優しいトレードをしているわけです。
実は、とんとん確保というのは、損切りがきちんとできるようになって、ドカンを防げるようになれば、そんなに難しくなく達成できるものだと思います。
問題なのはその先で、負けないというレベルから、勝てる、というレベルに行くには、よりメンタル的な強さが要求されるようになります。
もともも素質として、そういう勝負強さを持っておられる方もいますが、多くはそういう素質はありません。
従って、日々の実践の中で鍛錬するしかありません。
この道だけは、相場から叩かれて叩かれて成長するしか道が無いんです。
勉強して学ぶという道はありません。
ここは、想像以上に多くの時間と労力が必要なんですね。
先日、友人であるトレーダーと話をしていて、彼が、
「昔は、3年、5年で何とかなると思っていたけど、それは間違いだと最近わかった。毎日毎日トレードしていても、10年近くはかかるとつくづく感じる。」
とこのメンタル面の話をしていました。
小手先のテクニックや手法などは、半日もあればマスターできるんです。
簡単なんです。
しかし、トレーダーマインドを手に入れるには、数年以上の実践での経験値がどうしても必要なのだ、とつくづく感じます。
最初に書いたとおり、オリンピック級の選手でさえ、ここぞという場面では、臆してしまって守りに入ったり、イージミスを連発してしまう、ということがあるわけです。
凡人である我々なら、尚の事。
多くの場合、マインドの問題は完全に無視して、とにかく、やり方だけに答えを求めるものです。
もちろん、100発100中の完璧な手法や、何が何でも絶対に勝てる神のようなやり方が手に入れば、マインドの強さ、勝負強さなど必要なく勝つことができるでしょう。
しかし、それをいくら求めても、永遠に無間地獄をさまようだけでしょう。
探しものばかりしていてもしかたがないんです。
自分の弱さに目を向けることは辛いかもしれませんけど、そこを見据えて、克服すべく鍛えて行ったほうが、結局近道だと思います。
ここで書いたことを一言で片付ければ、
自己規律
といういつもの話になるわけですが、この道がほんとに遠いんですね。
自分のトレード・ルールを守る自己規律、絶好のチャンス到来を待つ忍耐力、相場に入って行く勇気、そして勝ちたいという強い願望。
(マーケットの魔術師、16人のトップ・トレーダーが語る成功の秘訣より)
同じ勝負の世界のオリンピックを観戦していて、そんなことを考えていました。

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