相場をいつ始めればいいのか
2017/02/20 Mon
またしてもお久しぶりになってしまいました。
さて、相場を始める時期について、以下のような話を何度も聞くので、それについて考えたみたいと思います。
「後3年で定年となるので、そうしたら時間ができるので、そこから相場を始めようと思います。そんなに大きく儲からなくてもいいので、ちょっとした収入程度になればと考えています。またその時には話を聞かせてください。」
というものです。
他にも、「今はちょっと忙しいので、もう半年すれば時間もできるから、その時になったら相場をはじめてみたいと思います。」というものであったり、「暇になったら相場を始めたい。」そういうことを時々聞きます。
ちょっと控えめで、無茶もしない感じで、実にオーソドックスな考え方だと思います。
普通に考えれば、ここで言われていることは正しいように感じます。
しかし、この考え方には、重要な誤解が含まれているのです。
それは、
①暇になったら本格的に始めて、最初からコツコツ儲けよう、という魂胆が裏にある。
②本格的に始めたら、すぐに結果が出るように思っている。
ということです。
実際には、次の結果が待っています。
①相場は、始めてすぐには絶対に儲からない。(偶然で勝てることはあるけれど)
②(退職などで)それだけに集中できる状態になると、焦って失敗する可能性が飛躍的に高まる。
つまり、失敗の可能性を自ら引き入れているわけです。
さらに相場の理解を難しくさせるのが、偶然の魔法というやつんなんです。
間違って当ると、それが正しいと勘違いしてしまうのです。
何故こういう誤解がまかり通っているのかということの理由もはっきりとしていて、
①勝っている人の真似をしさえすれば勝てるようになると思っている
②勝てる方法があって、それをマスターすれば勝てるようになると思ってる
という定番の誤解がそこにあるわけです。
暇になったら始めよう!!
この誤解は、ものすごく多くて、実際には、相場を始めようと思っている人のほぼ全員がそうではないかと思います。
例えば、定年になって、定収が無くなって、相場だけになった時に相場を始めて、気持ちがどれほど焦るか、本人はわかっていないのです。
理屈では、暇になったら集中できるし、勉強もできるはずだ、と思っているのですが・・・
現実の相場を前にして、金額のアップダウンに耐えられる心を持っていない。
値動きを受け止める感覚も無い。
そういう状態で、結果だけを焦る気持ちで、相場に望んだら、完全な拝金主義に陥って、どんなに悲惨な結果が待っているか、簡単に想像できます。
なので、「3年後定年になったら相場を始めたい。」と言ってきた人に対して、私は次のように返事しています。
「今すぐに始めてください。無理に儲けないでいいので、できるだけ小さな単位で、負担にならないように実戦しながら、コツコツと毎日相場を見続けることからスタートしてください。
そうやって、とにかく相場に慣れるということが大事なんです。
これは、本格的に水泳を習うという前に、水遊びをして水に慣れる、ということと同じです。
慣れていくうちに、相場観やマインドが時間をかけて作られていくものなんです。
3年という年月は、短すぎるぐらいですが、それでも、今始めればマシな方です。」
特に、定年退職などでは、下手に退職金を手に入れているものだから、それを根こそぎ相場でやられる、という悲惨極まりないケースが後を絶ちません。
絶対に相場などしないことをお勧めします。スケベ心など持たいないことです。
相場に慣れる、ということは、普通の人が想像するよりも、遥かに長い時間かかるものなんです。
そもそも、退職したら相場を始める、という考え方は、次のことを言っているのと同じです。
暇になったら野球を始めて、プロとして食っていこう。
定年になったら、将棋を始めてプロになろう。
仕事がなくなったら、ピアノを始めてプロの演奏家になろう。
このどの発想を見ても、どれほどナンセンスなことかわからないほどですが、こと相場においては、至極真面目に、普通に同じ発想で言って来られる人が実に多いわけです。
相場で稼ぐ、ということは、公式戦をこれから戦って勝っていく、ってことと同じなんです。
そうであるのなら、その前に、コツコツと練習を積んで、「上手くなる」必要があるのは、どんな世界であっても当たり前の常識だと思うのです。
ところが、いざ相場の世界だと、この常識が一切無視されて、いきなりヤンキースタジアムで自分が活躍できると思っている人がものすごく多いのには驚かされます。
相場において、自分の対戦相手は、百戦錬磨のヘッジファンドや投資銀行、ディーラー、プロのトレーダー達なんです。
彼らは、豊富な経験と類まれなる能力を持って、対戦相手を仕留めようと相場のありとあらゆるところに罠を仕掛けてきている、のです。
そういう恐ろしい連中とノーハンディで戦うのが相場なんです。
だから、相場で勝つことをそんなに舐めていては、鴨が葱を背負ってくる大衆投資家の一員になることは必定だと私は思います。
まずは、公式戦の前に、練習する、という当たり前の発想を持つ、ということ。
そして、その練習というのは、ちゃんとバットとボールを使っての練習であって、本で学ぶことではない、ということ。
練習と、イチローバッティングマニュアルを探すこととは全く違うということ。
こういう当たり前の常識は、相場の世界でも同じではないかと私は思うのです。
ただし、何度もいいますが、そうやって練習したとしても、全員がプロ野球選手になれるわけではない、ということも、また常識だ、ってことなのですね。
増してや、本で野球理論だけを学んでいる人、野球必勝法を探している人、イチローのフォームを真似すればそれでよいと思っている人には、確実に明日はありませんね(笑)

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さて、相場を始める時期について、以下のような話を何度も聞くので、それについて考えたみたいと思います。
「後3年で定年となるので、そうしたら時間ができるので、そこから相場を始めようと思います。そんなに大きく儲からなくてもいいので、ちょっとした収入程度になればと考えています。またその時には話を聞かせてください。」
というものです。
他にも、「今はちょっと忙しいので、もう半年すれば時間もできるから、その時になったら相場をはじめてみたいと思います。」というものであったり、「暇になったら相場を始めたい。」そういうことを時々聞きます。
ちょっと控えめで、無茶もしない感じで、実にオーソドックスな考え方だと思います。
普通に考えれば、ここで言われていることは正しいように感じます。
しかし、この考え方には、重要な誤解が含まれているのです。
それは、
①暇になったら本格的に始めて、最初からコツコツ儲けよう、という魂胆が裏にある。
②本格的に始めたら、すぐに結果が出るように思っている。
ということです。
実際には、次の結果が待っています。
①相場は、始めてすぐには絶対に儲からない。(偶然で勝てることはあるけれど)
②(退職などで)それだけに集中できる状態になると、焦って失敗する可能性が飛躍的に高まる。
つまり、失敗の可能性を自ら引き入れているわけです。
さらに相場の理解を難しくさせるのが、偶然の魔法というやつんなんです。
間違って当ると、それが正しいと勘違いしてしまうのです。
何故こういう誤解がまかり通っているのかということの理由もはっきりとしていて、
①勝っている人の真似をしさえすれば勝てるようになると思っている
②勝てる方法があって、それをマスターすれば勝てるようになると思ってる
という定番の誤解がそこにあるわけです。
暇になったら始めよう!!
この誤解は、ものすごく多くて、実際には、相場を始めようと思っている人のほぼ全員がそうではないかと思います。
例えば、定年になって、定収が無くなって、相場だけになった時に相場を始めて、気持ちがどれほど焦るか、本人はわかっていないのです。
理屈では、暇になったら集中できるし、勉強もできるはずだ、と思っているのですが・・・
現実の相場を前にして、金額のアップダウンに耐えられる心を持っていない。
値動きを受け止める感覚も無い。
そういう状態で、結果だけを焦る気持ちで、相場に望んだら、完全な拝金主義に陥って、どんなに悲惨な結果が待っているか、簡単に想像できます。
なので、「3年後定年になったら相場を始めたい。」と言ってきた人に対して、私は次のように返事しています。
「今すぐに始めてください。無理に儲けないでいいので、できるだけ小さな単位で、負担にならないように実戦しながら、コツコツと毎日相場を見続けることからスタートしてください。
そうやって、とにかく相場に慣れるということが大事なんです。
これは、本格的に水泳を習うという前に、水遊びをして水に慣れる、ということと同じです。
慣れていくうちに、相場観やマインドが時間をかけて作られていくものなんです。
3年という年月は、短すぎるぐらいですが、それでも、今始めればマシな方です。」
特に、定年退職などでは、下手に退職金を手に入れているものだから、それを根こそぎ相場でやられる、という悲惨極まりないケースが後を絶ちません。
絶対に相場などしないことをお勧めします。スケベ心など持たいないことです。
相場に慣れる、ということは、普通の人が想像するよりも、遥かに長い時間かかるものなんです。
そもそも、退職したら相場を始める、という考え方は、次のことを言っているのと同じです。
暇になったら野球を始めて、プロとして食っていこう。
定年になったら、将棋を始めてプロになろう。
仕事がなくなったら、ピアノを始めてプロの演奏家になろう。
このどの発想を見ても、どれほどナンセンスなことかわからないほどですが、こと相場においては、至極真面目に、普通に同じ発想で言って来られる人が実に多いわけです。
相場で稼ぐ、ということは、公式戦をこれから戦って勝っていく、ってことと同じなんです。
そうであるのなら、その前に、コツコツと練習を積んで、「上手くなる」必要があるのは、どんな世界であっても当たり前の常識だと思うのです。
ところが、いざ相場の世界だと、この常識が一切無視されて、いきなりヤンキースタジアムで自分が活躍できると思っている人がものすごく多いのには驚かされます。
相場において、自分の対戦相手は、百戦錬磨のヘッジファンドや投資銀行、ディーラー、プロのトレーダー達なんです。
彼らは、豊富な経験と類まれなる能力を持って、対戦相手を仕留めようと相場のありとあらゆるところに罠を仕掛けてきている、のです。
そういう恐ろしい連中とノーハンディで戦うのが相場なんです。
だから、相場で勝つことをそんなに舐めていては、鴨が葱を背負ってくる大衆投資家の一員になることは必定だと私は思います。
まずは、公式戦の前に、練習する、という当たり前の発想を持つ、ということ。
そして、その練習というのは、ちゃんとバットとボールを使っての練習であって、本で学ぶことではない、ということ。
練習と、イチローバッティングマニュアルを探すこととは全く違うということ。
こういう当たり前の常識は、相場の世界でも同じではないかと私は思うのです。
ただし、何度もいいますが、そうやって練習したとしても、全員がプロ野球選手になれるわけではない、ということも、また常識だ、ってことなのですね。
増してや、本で野球理論だけを学んでいる人、野球必勝法を探している人、イチローのフォームを真似すればそれでよいと思っている人には、確実に明日はありませんね(笑)

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