目の前のにんじん
2017/03/03 Fri
今、ポジションを持っている場合、もちろんそのポジションが勝つか負けるか、ということはとても気になりますし、重要な事項です。
今日上がる銘柄は何か、そういうことも気になるでしょう。
そして、偶然であろうが何であろうが、当たればそれでよい、という認識。
しかし、そういう目の前のトレードばかりが気になって、他のことに意識が全く行かない、という人がとても多いように感じます。
どういうことかというと、今、勝つか負けるか、勝負してるんだ、今、目の前の勝負こそが重要なんだ、ということだけを常に考えている状態ということです。
そして、その目の前の勝負で勝つか負けるか、その延長線上にトレーダーとしての勝利が待っている、という考え方をしている人がとても多いと感じるのです。
つまり、目の前にぶら下がったにんじんばかりを追いかけて、他のことが見えていないわけです。
言い換えれば、これが拝金主義です。
この状態の何がいけないのか、というと、
そもそも目の前の勝負というのは、偶然性の産物であって、目先で勝ったか負けたかということはさほど重要ではないということ。
トレードはそもそも継続的取引の中からトータルとして利益をひねり出す、という視点が重要であること。
そして、目先の損益ばかりを追いかけることによって、環境認識や戦略構築などの視点が欠けてしまって、結果的に環境変化で振り落とされてしまう可能性が高まること。
などがあげられます。
また、
今、上手く行っている状態であっても、その状態にどっぷりと浸かって満足してしまっては、やはり環境変化でやられてしまうということ。
上手く行く環境にたまたま乗ったという可能性を否定できないのだから、悪い時期に入ると、全く勝てないという状態に陥ること。
が想定できます。
それでも、今、目先、勝つか負けるか、頭がそればかりになっているので、自分のフィルターから、今勝てるかどうか、という情報しか入ってはきません。
将来的にこのままでいいのか、今当たるかどうかというより、勝ち残っていくために、研究や練習をする必要があるのではないか、という目線に行かないのです。
こういった、刹那的なトレーダーの多くは、砂漠にできた水たまりに泳ぐ魚のようなものであって、再び砂漠に戻れば、消えるしかありません。
同じことで、将来トレードで儲けたい、と思っていても、今は仕事がいそがしいとか、趣味の時間が必要とか、そういう理由で、トレードに費やす時間が取れない、という人も結構多いです。
時間をかけれないから、トレードから脱落する、という人も多いです。
実は多くの場合それは言い訳で、結局のところ、思ったように儲からないから嫌気が差してきた、というのが本当のところなんですが、それを時間がない、という言い訳で自分をごまかしているわけです。
これも、目の前のことばかりを重要視して、将来的に大切だと考えてはいても、そのことに時間を使わないわけです。
そういった時間がない、という人であっても、どうでもいいメールやラインのやり取りにはせっせと時間を使ったり、ジャンクな情報集めはせっせとやっていることが多くて、全く時間がないということはないのですが、目の前にエサが無い限り、トレードで時間を使うことがありません。
結局、目の前に、にんじんが無いと動かないわけです。
でも、考えてもみてください。お相撲さんは、立ち会いだけしているわけではないんですよ。
普段は、みっちり練習をしていて、そして、本場所に向かうわけです。
本場所だけで、やっている関取などいないわけなんです。
システムトレーダーは、発注ボタンを押すだけが仕事じゃないんです(笑)
そんなに楽なら自分もやろうかって。。。
そんなこと言ったら、システムトレーダーに怒られてしまいますよ。
彼らの最大の仕事は、環境変化に向けての、日頃の検証・研究であったり、データ収集であったり、システム構築・チューンナップなんです。
実は、こういう現象は、多くの人が抱える問題であって、時間管理マトリックスというもので説明できます。
この時間管理マトリックスにおける「緊急性」と「重要度」において、ほとんどの人が緊急性を重視して、重要度を重視しない、ということから起きる現象なのです。
緊急度ではなく重要度を優先する
実は、こちらに書いているように、緊急度ではなく重要度を優先する、ということがとても重要になってくるわけです。
トレードでこれから儲けたい、という人であっても、目の前のにんじん、すなわち目先の利益がちょっとダメになったら、すぐにやる気をなくしてしまう。
今、上手く行っている人でも、目の前の利益にしか目が行かず、将来的に環境変化が起きたときにどうするか、という視点が全く無い。
そういう状態の人がとても多いわけです。
そもそも、相場を始めて数年間はなかなか利益にならないことも多くて、にんじんが無いので、みんなやる気をなくして去っていきます。
色々と言い訳は聞きますが、結局のところ儲からないからやる気をなくした、ってことなんです。
ガンガン儲かっていれば、他のことがいくら忙しくったってトレードを一生懸命するに決まってますよ(笑)
一方で、今勝てていても、それしか見えていなければ、いずれ環境変化が起きて、勝てなくなる日が来ます。そのような日に対する備えが全く無いから、そうなった時に、結局立ち行かなくなるわけです。
このように見ていくと、相場の難しさというのは、人の本性としてある目先優先とは相容れない、というところから来ているように思うのです。
本を読んで見識を広め相場の本質を探ること、チャートを見て値動きを研究すること、今やっていない戦略を考えること、検証すること、など、目先の利益には直接結びつかないことにどれだけ時間を費やしたのか、ということが、変化に強い筋肉質なトレーダーを養成するものだと私は思っています。
初心者の場合だと、
負けても負けても、コンスタントに練習し続けること
目の前のにんじん重視である人の本性にとって、これがどれほど困難なことか。
しかも、ほとんどの初心者が想定する想像を遥かに超える年単位の時間が必要なんです。
それを続けられる根性のある人などほとんどいないといってもいいでしょう。
というより、勝っている人の真似をすれば簡単に儲けられる、とか、このやり方なら簡単に儲かるだとか、すぐに大金持ちになれる、という情報ばかりがあふれている現状では、そもそもそういう時間がかかる、という認識などできないことでしょう。だから、ちょっとやってダメなら簡単に諦めてしまうのです。
こうやって見てくると、相場の難しさというのはこういうところにあるんだろうと思うわけです。
そもそも、今、儲かったかどうか、という近視眼的な目線ではなく、1年後、2年後、10年後に自分はどういうトレーダーになりたいのか、という目線が大事だと思うのですね。

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今日上がる銘柄は何か、そういうことも気になるでしょう。
そして、偶然であろうが何であろうが、当たればそれでよい、という認識。
しかし、そういう目の前のトレードばかりが気になって、他のことに意識が全く行かない、という人がとても多いように感じます。
どういうことかというと、今、勝つか負けるか、勝負してるんだ、今、目の前の勝負こそが重要なんだ、ということだけを常に考えている状態ということです。
そして、その目の前の勝負で勝つか負けるか、その延長線上にトレーダーとしての勝利が待っている、という考え方をしている人がとても多いと感じるのです。
つまり、目の前にぶら下がったにんじんばかりを追いかけて、他のことが見えていないわけです。
言い換えれば、これが拝金主義です。
この状態の何がいけないのか、というと、
そもそも目の前の勝負というのは、偶然性の産物であって、目先で勝ったか負けたかということはさほど重要ではないということ。
トレードはそもそも継続的取引の中からトータルとして利益をひねり出す、という視点が重要であること。
そして、目先の損益ばかりを追いかけることによって、環境認識や戦略構築などの視点が欠けてしまって、結果的に環境変化で振り落とされてしまう可能性が高まること。
などがあげられます。
また、
今、上手く行っている状態であっても、その状態にどっぷりと浸かって満足してしまっては、やはり環境変化でやられてしまうということ。
上手く行く環境にたまたま乗ったという可能性を否定できないのだから、悪い時期に入ると、全く勝てないという状態に陥ること。
が想定できます。
それでも、今、目先、勝つか負けるか、頭がそればかりになっているので、自分のフィルターから、今勝てるかどうか、という情報しか入ってはきません。
将来的にこのままでいいのか、今当たるかどうかというより、勝ち残っていくために、研究や練習をする必要があるのではないか、という目線に行かないのです。
こういった、刹那的なトレーダーの多くは、砂漠にできた水たまりに泳ぐ魚のようなものであって、再び砂漠に戻れば、消えるしかありません。
同じことで、将来トレードで儲けたい、と思っていても、今は仕事がいそがしいとか、趣味の時間が必要とか、そういう理由で、トレードに費やす時間が取れない、という人も結構多いです。
時間をかけれないから、トレードから脱落する、という人も多いです。
実は多くの場合それは言い訳で、結局のところ、思ったように儲からないから嫌気が差してきた、というのが本当のところなんですが、それを時間がない、という言い訳で自分をごまかしているわけです。
これも、目の前のことばかりを重要視して、将来的に大切だと考えてはいても、そのことに時間を使わないわけです。
そういった時間がない、という人であっても、どうでもいいメールやラインのやり取りにはせっせと時間を使ったり、ジャンクな情報集めはせっせとやっていることが多くて、全く時間がないということはないのですが、目の前にエサが無い限り、トレードで時間を使うことがありません。
結局、目の前に、にんじんが無いと動かないわけです。
でも、考えてもみてください。お相撲さんは、立ち会いだけしているわけではないんですよ。
普段は、みっちり練習をしていて、そして、本場所に向かうわけです。
本場所だけで、やっている関取などいないわけなんです。
システムトレーダーは、発注ボタンを押すだけが仕事じゃないんです(笑)
そんなに楽なら自分もやろうかって。。。
そんなこと言ったら、システムトレーダーに怒られてしまいますよ。
彼らの最大の仕事は、環境変化に向けての、日頃の検証・研究であったり、データ収集であったり、システム構築・チューンナップなんです。
実は、こういう現象は、多くの人が抱える問題であって、時間管理マトリックスというもので説明できます。
この時間管理マトリックスにおける「緊急性」と「重要度」において、ほとんどの人が緊急性を重視して、重要度を重視しない、ということから起きる現象なのです。
緊急度ではなく重要度を優先する
実は、こちらに書いているように、緊急度ではなく重要度を優先する、ということがとても重要になってくるわけです。
トレードでこれから儲けたい、という人であっても、目の前のにんじん、すなわち目先の利益がちょっとダメになったら、すぐにやる気をなくしてしまう。
今、上手く行っている人でも、目の前の利益にしか目が行かず、将来的に環境変化が起きたときにどうするか、という視点が全く無い。
そういう状態の人がとても多いわけです。
そもそも、相場を始めて数年間はなかなか利益にならないことも多くて、にんじんが無いので、みんなやる気をなくして去っていきます。
色々と言い訳は聞きますが、結局のところ儲からないからやる気をなくした、ってことなんです。
ガンガン儲かっていれば、他のことがいくら忙しくったってトレードを一生懸命するに決まってますよ(笑)
一方で、今勝てていても、それしか見えていなければ、いずれ環境変化が起きて、勝てなくなる日が来ます。そのような日に対する備えが全く無いから、そうなった時に、結局立ち行かなくなるわけです。
このように見ていくと、相場の難しさというのは、人の本性としてある目先優先とは相容れない、というところから来ているように思うのです。
本を読んで見識を広め相場の本質を探ること、チャートを見て値動きを研究すること、今やっていない戦略を考えること、検証すること、など、目先の利益には直接結びつかないことにどれだけ時間を費やしたのか、ということが、変化に強い筋肉質なトレーダーを養成するものだと私は思っています。
初心者の場合だと、
負けても負けても、コンスタントに練習し続けること
目の前のにんじん重視である人の本性にとって、これがどれほど困難なことか。
しかも、ほとんどの初心者が想定する想像を遥かに超える年単位の時間が必要なんです。
それを続けられる根性のある人などほとんどいないといってもいいでしょう。
というより、勝っている人の真似をすれば簡単に儲けられる、とか、このやり方なら簡単に儲かるだとか、すぐに大金持ちになれる、という情報ばかりがあふれている現状では、そもそもそういう時間がかかる、という認識などできないことでしょう。だから、ちょっとやってダメなら簡単に諦めてしまうのです。
こうやって見てくると、相場の難しさというのはこういうところにあるんだろうと思うわけです。
そもそも、今、儲かったかどうか、という近視眼的な目線ではなく、1年後、2年後、10年後に自分はどういうトレーダーになりたいのか、という目線が大事だと思うのですね。

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