反省しない生き物、それが投資家
2017/08/18 Fri
またしても、お久しぶりの鰤の照り焼きです(笑)
高値膠着状態でしたが、ここのところダウンサイドリスクが頭をもたげてきています。
数ヶ月の高値膠着に慣れてしまうと、あたかもそれが地相場という気になってしまいますが、そういう時が一番危ないので、リスクオフには注意が必要でしょう。
折しも、9月は年間通じて一番危ない月に当たります。
年間のスケジュール的には、秋に下げて春に上げる、という相場の習性もあります。
アメリカのテーパリングも迫ってきており、嫌なムードが出てきています。
ただ、こうした予想は基本当たりませんから、リスクだけ気にしておいて、いつも半身で逃げ方を準備しておく、ということでいいと思います。
さて、なかなか上手く行っていないある人と話をしていて、
「レンジの真ん中で入って端で切らされてないか?」
と尋ねたら「はい」と言うのですが、
「何故そうしているのかわからない。」
というので、それは自分で考えてほしいと言いました。
かようなやり取りがあるのは、投資家というのは、面白いほど同じ失敗を繰り返す人種だからなのです。
他にも、
勝つ、奢る、ドボンする・・・ほとぼりが冷めて、勝つ、奢る、ドボンする
この無限とも言えるようなループ行動を繰り返している投資家は数知れず。
飛びついて落とされる、飛びついて落とされる、飛びついて落とされる
これも無限に思えるループ行動。
などなど、
投資家というのは、反省という言葉を恐らく知らないのだろう
と投資をしない人から見れば思われていることでしょう。
そもそも、
「相場で儲かった!!」
と言えば、普通の人がどう思うのかというと、
「そのうち大損してすっからかんになるのがオチだよ!!」
と心の中では笑われているのです。
しかも、恐るべきことに、
その大予言は、ほとんどの場合、的中している!!
それが真実です。
相場で儲かった、というのは、ほとんどの場合、競馬の帰り道に「競馬で儲かった!!」と言っている人たちと同じなんです。
投資だから競馬とは違う、競馬より高尚だ、と思っているのは投資家だけで、
世間的に見れば、どちらも同じバクチ打ち
同じ穴のムジナ
なのですよ。
世間様は、彼らバクチ打ちの儲かったというものが、陽炎のようなもので、儚いうたかたの夢のまた夢だ、ということがわかってるんです。
わかってないのは、投資家自身だけなんです。
なので、私も、初心者が相場で儲かった、儲かった、という話をしていたら、
「気の毒に、、、地獄への特急列車のきっぷを買ったのか!!」
と思います。
さように、投資家とは、同じ過ちを何度でも何度でも繰り返す生き物なんです。
これは、ネズミなどにも劣る反省の無さで、もう驚くべきものだと思います。
このネズミ以下の反省の無さを繰り返しているから、どんなやり方をしても、どんな手法を用いても、すっからかん、という最終目的地に変わりはありません。
かく言う私とて、しっかりと同じ過ちをしなくなっているのか、と言われればそうではありません。
ただ、
同じ過ちは繰り返さないでおこう!!
と強く反省し、失敗のメカニズムを理論的に解明し、何故自分はこういう失敗を繰り返しているのか、防ぐための手立てはどうすればいいのか、を本気で考えて、行動しています。
こうやって、負けパターンを一つ一つつぶしていく作業が上達、ということにつながると思っています。
ところが、見ていると、多くの投資家は、そういう反省を忘れて、同じ過ちを永遠に繰り返している、ということなのですね。
さて、多くの投資家が同じ失敗を繰り返す根本的原因としていくつかあげるとすると、以下の5点があげられます。
まず第一点目は、
相場が当たらなかったで終わらせる
これで全てを片付けてしまっていることから反省がそもそも無いのです。
つまり、
そもそも過ちがあったのではなく、外れただけだ、という理解です。
これではそもそも反省のしようがありません。
当たったら勝ち、外れたら負け、というシンプルな相場の見方をしているということです。
拝金主義でもあります。
勝てば官軍でそれでよくて、負ければ賊軍、そのメカニズムなどそんなに気にせずに、負けたということで精神的ダメージを受けるだけ、で終わっているからだと思うのです。
第二点目ですが、
相場というのは、偶然と必然が編み込まれた織物のようなもので、負けたことの本質を見つけ出すことは、はなはだ困難である。
だから、何が偶然で、何が必然で起きたことなのか、見極めることが極めて難しく、結局、トランプがいらんことを言ったから負けた、という偶然の責任にしやすいのです。
相場で勝った、負けたというのは簡単ですが、それが正しかったのか、間違っていたのか、を判定するのは、極めて難しいのです。
そもそも、勝ったら正しくて、負けたら間違い、というのは、単なる拝金主義に過ぎません。
そういう反省のやり方では、話にもならないぐらい初心者目線です。
しかも、相場を張るということは、トレード戦略、資金管理、投資マインドの織りなす融合の結果なのですから、何が正しくて、何が間違っていたのか、を見ることは、さらに複雑なんです。
これに、なかなか持ちにくい長期目線も加えなくてはいけないわけで、実に解明が難しいです。
さらに、人は、自分が悪いとは思いたくないですから、勝ったら自分がうまかった。負けたらトランプが悪かった。と思いたいのでしょう。
結局、自分の問題を放置して、マーケットの責任に転化するから、次もまた同じことをして負ける、を繰り返すのです。
しかしながら、一回二回でわからないとしても、それが10回、20回ともなれば、次第にその負けの本質に気がつくべきだと思います。
いくら反省しないといっても、何十回も同じような負けパターンを繰り返しているのは、もう愚か者としか言いようが無いでしょう。
少なくとも、これが投資家でなくてサラリーマンなら即クビは間違いないと思います。
これは、確率思考という思考パターンを持っているかどうか、にも関わってきます。
確率思考というものを持つことはすごく難しいのですが、この思考パターンを持つことは相場で勝つためには重要なことです。
短期的な偶然性を信じ、長期的な必然性を信じる
これは極めて難しい思考ですので、ほとんどの人ができていない、と思われます。
第三点目、
目先主義
結局、目の前の勝負に勝つか負けるか、が最も大事で、長期に渡る話など、二の次、ってことで、反省などしない、ということです。
先程の確率思考ともダブりますが、みんな目先の当たり外れのみが重要なのです。
とにかく、今持っているポジが利益になるか、損になるか、それこそが重大事であって、それ以外のことにはあまり興味がない。
これが大問題なのです。
相場というのは、長期に渡る継続的取引の中から、長期的な視点で利益をひねり出すものだ
という意識が必要ですが、そういう観点を持っている人は少ないと思います。
これは、デイトレでも同じです。長期的目線無しでは、デイトレでも勝つことは難しいでしょう。
常に、目の前の勝負に勝つか負けるか、そこに99%の力を注いでいるから、自分が負けるメカニズムの分析などしてはいない、ということになります。
第四点目、
勝つ方法さえ見つかれば、という手法至上主義
これは説明するまでもありませんが、読んで字のごとくで、勝てる方法さえ見つかればそれで全ては解決する、と思い込んでいるから、それ以外のことには、全く興味が行かないのです。
なので、負けるメカニズムの分析など、1秒たりとも時間を使う気持ちもありません。
常に考えていることは、「どうやったら勝てるのか」「どのような方法を使えば勝てるのか」だけのみを純粋に追い求めているのです。
ある意味、純粋な人たちですね(笑)
第五点目、
ちょっと甘い汁をすわされると、それで舞い上がる
ってことです。
これは新興株などで大当たりした投資家に多く見られる生態系ですが、一度か二度大当たりして成功体験を積むと、それがこれからも繰り返されると勘違いして、その後延々とそれをやり続けてしまい、最後はすっからかんになるまでやめることができない、という事態に陥ります。
これも非常に多いです。
環境が変われば、やれることも変わるのですが、そんなことはお構いなしで、時々起きる祇園祭や阿波踊りが永遠に続くという勘違いをやってしまいます。
結局、我に帰るのは、資金が底をついた時、ということになります。
こうして、反省を忘れた投資家という人種は、来る日も来る日も、同じ失敗を延々と繰り返して、最後に投資家生命を終わることになるのです。
まあ、反省を忘れているからこそ、、、負けても負けても、証拠にもなくまた相場に手を出す、ってことかもしれません(笑)

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高値膠着状態でしたが、ここのところダウンサイドリスクが頭をもたげてきています。
数ヶ月の高値膠着に慣れてしまうと、あたかもそれが地相場という気になってしまいますが、そういう時が一番危ないので、リスクオフには注意が必要でしょう。
折しも、9月は年間通じて一番危ない月に当たります。
年間のスケジュール的には、秋に下げて春に上げる、という相場の習性もあります。
アメリカのテーパリングも迫ってきており、嫌なムードが出てきています。
ただ、こうした予想は基本当たりませんから、リスクだけ気にしておいて、いつも半身で逃げ方を準備しておく、ということでいいと思います。
さて、なかなか上手く行っていないある人と話をしていて、
「レンジの真ん中で入って端で切らされてないか?」
と尋ねたら「はい」と言うのですが、
「何故そうしているのかわからない。」
というので、それは自分で考えてほしいと言いました。
かようなやり取りがあるのは、投資家というのは、面白いほど同じ失敗を繰り返す人種だからなのです。
他にも、
勝つ、奢る、ドボンする・・・ほとぼりが冷めて、勝つ、奢る、ドボンする
この無限とも言えるようなループ行動を繰り返している投資家は数知れず。
飛びついて落とされる、飛びついて落とされる、飛びついて落とされる
これも無限に思えるループ行動。
などなど、
投資家というのは、反省という言葉を恐らく知らないのだろう
と投資をしない人から見れば思われていることでしょう。
そもそも、
「相場で儲かった!!」
と言えば、普通の人がどう思うのかというと、
「そのうち大損してすっからかんになるのがオチだよ!!」
と心の中では笑われているのです。
しかも、恐るべきことに、
その大予言は、ほとんどの場合、的中している!!
それが真実です。
相場で儲かった、というのは、ほとんどの場合、競馬の帰り道に「競馬で儲かった!!」と言っている人たちと同じなんです。
投資だから競馬とは違う、競馬より高尚だ、と思っているのは投資家だけで、
世間的に見れば、どちらも同じバクチ打ち
同じ穴のムジナ
なのですよ。
世間様は、彼らバクチ打ちの儲かったというものが、陽炎のようなもので、儚いうたかたの夢のまた夢だ、ということがわかってるんです。
わかってないのは、投資家自身だけなんです。
なので、私も、初心者が相場で儲かった、儲かった、という話をしていたら、
「気の毒に、、、地獄への特急列車のきっぷを買ったのか!!」
と思います。
さように、投資家とは、同じ過ちを何度でも何度でも繰り返す生き物なんです。
これは、ネズミなどにも劣る反省の無さで、もう驚くべきものだと思います。
このネズミ以下の反省の無さを繰り返しているから、どんなやり方をしても、どんな手法を用いても、すっからかん、という最終目的地に変わりはありません。
かく言う私とて、しっかりと同じ過ちをしなくなっているのか、と言われればそうではありません。
ただ、
同じ過ちは繰り返さないでおこう!!
と強く反省し、失敗のメカニズムを理論的に解明し、何故自分はこういう失敗を繰り返しているのか、防ぐための手立てはどうすればいいのか、を本気で考えて、行動しています。
こうやって、負けパターンを一つ一つつぶしていく作業が上達、ということにつながると思っています。
ところが、見ていると、多くの投資家は、そういう反省を忘れて、同じ過ちを永遠に繰り返している、ということなのですね。
さて、多くの投資家が同じ失敗を繰り返す根本的原因としていくつかあげるとすると、以下の5点があげられます。
まず第一点目は、
相場が当たらなかったで終わらせる
これで全てを片付けてしまっていることから反省がそもそも無いのです。
つまり、
そもそも過ちがあったのではなく、外れただけだ、という理解です。
これではそもそも反省のしようがありません。
当たったら勝ち、外れたら負け、というシンプルな相場の見方をしているということです。
拝金主義でもあります。
勝てば官軍でそれでよくて、負ければ賊軍、そのメカニズムなどそんなに気にせずに、負けたということで精神的ダメージを受けるだけ、で終わっているからだと思うのです。
第二点目ですが、
相場というのは、偶然と必然が編み込まれた織物のようなもので、負けたことの本質を見つけ出すことは、はなはだ困難である。
だから、何が偶然で、何が必然で起きたことなのか、見極めることが極めて難しく、結局、トランプがいらんことを言ったから負けた、という偶然の責任にしやすいのです。
相場で勝った、負けたというのは簡単ですが、それが正しかったのか、間違っていたのか、を判定するのは、極めて難しいのです。
そもそも、勝ったら正しくて、負けたら間違い、というのは、単なる拝金主義に過ぎません。
そういう反省のやり方では、話にもならないぐらい初心者目線です。
しかも、相場を張るということは、トレード戦略、資金管理、投資マインドの織りなす融合の結果なのですから、何が正しくて、何が間違っていたのか、を見ることは、さらに複雑なんです。
これに、なかなか持ちにくい長期目線も加えなくてはいけないわけで、実に解明が難しいです。
さらに、人は、自分が悪いとは思いたくないですから、勝ったら自分がうまかった。負けたらトランプが悪かった。と思いたいのでしょう。
結局、自分の問題を放置して、マーケットの責任に転化するから、次もまた同じことをして負ける、を繰り返すのです。
しかしながら、一回二回でわからないとしても、それが10回、20回ともなれば、次第にその負けの本質に気がつくべきだと思います。
いくら反省しないといっても、何十回も同じような負けパターンを繰り返しているのは、もう愚か者としか言いようが無いでしょう。
少なくとも、これが投資家でなくてサラリーマンなら即クビは間違いないと思います。
これは、確率思考という思考パターンを持っているかどうか、にも関わってきます。
確率思考というものを持つことはすごく難しいのですが、この思考パターンを持つことは相場で勝つためには重要なことです。
短期的な偶然性を信じ、長期的な必然性を信じる
これは極めて難しい思考ですので、ほとんどの人ができていない、と思われます。
第三点目、
目先主義
結局、目の前の勝負に勝つか負けるか、が最も大事で、長期に渡る話など、二の次、ってことで、反省などしない、ということです。
先程の確率思考ともダブりますが、みんな目先の当たり外れのみが重要なのです。
とにかく、今持っているポジが利益になるか、損になるか、それこそが重大事であって、それ以外のことにはあまり興味がない。
これが大問題なのです。
相場というのは、長期に渡る継続的取引の中から、長期的な視点で利益をひねり出すものだ
という意識が必要ですが、そういう観点を持っている人は少ないと思います。
これは、デイトレでも同じです。長期的目線無しでは、デイトレでも勝つことは難しいでしょう。
常に、目の前の勝負に勝つか負けるか、そこに99%の力を注いでいるから、自分が負けるメカニズムの分析などしてはいない、ということになります。
第四点目、
勝つ方法さえ見つかれば、という手法至上主義
これは説明するまでもありませんが、読んで字のごとくで、勝てる方法さえ見つかればそれで全ては解決する、と思い込んでいるから、それ以外のことには、全く興味が行かないのです。
なので、負けるメカニズムの分析など、1秒たりとも時間を使う気持ちもありません。
常に考えていることは、「どうやったら勝てるのか」「どのような方法を使えば勝てるのか」だけのみを純粋に追い求めているのです。
ある意味、純粋な人たちですね(笑)
第五点目、
ちょっと甘い汁をすわされると、それで舞い上がる
ってことです。
これは新興株などで大当たりした投資家に多く見られる生態系ですが、一度か二度大当たりして成功体験を積むと、それがこれからも繰り返されると勘違いして、その後延々とそれをやり続けてしまい、最後はすっからかんになるまでやめることができない、という事態に陥ります。
これも非常に多いです。
環境が変われば、やれることも変わるのですが、そんなことはお構いなしで、時々起きる祇園祭や阿波踊りが永遠に続くという勘違いをやってしまいます。
結局、我に帰るのは、資金が底をついた時、ということになります。
こうして、反省を忘れた投資家という人種は、来る日も来る日も、同じ失敗を延々と繰り返して、最後に投資家生命を終わることになるのです。
まあ、反省を忘れているからこそ、、、負けても負けても、証拠にもなくまた相場に手を出す、ってことかもしれません(笑)

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