過去の反省を忘れる
2018/04/01 Sun
■環境認識

いつもの環境認識です。
日経平均は、2月につけた安値を割ってしまいました。
そして今週はリバウンドになっています。
S&P500も下げた後に戻りとなっていますが、日経よりも弱い感じです。
この差は、ドル円のやや強い戻りの影響が出たのかもしれません。
2月からの下げの特徴は、NYよりも225の方が弱いという状態が続いていたので、ここ数日の戻りの強さは変化が起きているということになります。
米長期金利は、やや落ち着きつつあります。
これは、FOMCでの利上げ決定で、材料出尽くし感が出たことも目先影響しています。
今回の下げの震源になったのは、米長期金利なので、この変化にも注目でしょう。
何にしても、今回の下げは、米長期金利から、NY株、そこからの225という流れになっているので、引き続きFRBの動向と米長期金利に注目です。
さて、いつもの考察ですが、再び今は、上げ相場の押し目なのか、下げトレンドに入ったのか、ここが知りたところです。
客観的にチャートを見て、上昇トレンド継続というのには、無理があるチャートになってきています。
NYは、まだ2月の安値を割っていないのですが、もし安値を割るようなら、NYも下げトレンドが確定ということになります。
■過去の反省を忘れる
1月中に、もっと上がりそうだから買いという相場観を持っていてやられた、という人はかなりいると思います。
次に、2月上旬になって、大きく下げて、戻りかけたところで、安値を打ったから、買いだという相場観を持って買って、再び下げてきてやられた、という人も結構います。
そして、3月上旬に安値をつけて、また戻ってきたところで、買いだ、という相場観で買ってまたやられる。
そして、今・・・再び戻り歩調にあるわけです。
こうやって、何度も何度も相場観で失敗し、損切りもしくは塩漬けを余儀なくされている人の多くが、再び戻ってきたら、また
買いだ~!!
とやる。
これまで負け続けているという 強い実績 を完全に無視して、再び自分の相場観を信じて突撃するのです。
投資家というのは、かくも反省を忘れた人たちで構成されているのだ、とつくづく感じます。
過去の検証をするのなら、チャートなどではなく、まずは、自分の相場観の当たり外れを検証されることを強く強くお勧めします。
そもそも、何故こうなってしまうのか、というと、ここ数年間の上げ相場での成功体験が、がっつりと潜在意識に刻み込まれてしまって、下げても買い、上げても買い、の感覚が習慣的に身についてしまっているんです。
しかし、相場の環境は、一夜にして急変します。
相場は、真夏の翌日に真冬になる、というのが当たり前の世界です。
春が来て、徐々に暖かくなる、というようなぬるい変化ではありません。
なので、心は、環境変化に全くついて行けずに、一つ覚えの戻りでの買いを繰り返しては、爆死する、を本能的にやってしまう、ということになります。
上げ相場においては、下げからの戻りというのは、押し目からの上昇ということになります。
しかし、同じポイントでも、下げ相場においては、戻り天井を掴む、ってことになってしまうのです。
こういうことを繰り返せば、せっかく上げ相場で稼いだ利益の大半を吐き出すことになります。
仮に損切りがきちんとできていたら、下げの初動で負けたとしても、上げ相場の利益の大半は残せているはずです。
そうであれば、これは一連の相場で儲けられたということなのだから、大成功です。
ところが、その後、何もしなければいいのに、いちびって安値を買ってやろうと、手を出してはやられ、手を出してはやられを繰り返すから、上げ相場で得た利益の大半を失う結果になるのです。
これが、損切りができるようになった人が陥る相場の罠です。
下げたら、習慣から買いたくなる。
これは、
禁断症状
です。
環境が激変するのに、その変化に感覚は全くついて行けていないのです。
強い者、頭の良い者が生き残るのではない。変化する者が生き残るのだ。(ダーウィン)
環境は激しく変化するのだから、経験による学習で習慣になってしまった感覚ではまずいと早く気がついて、禁断症状を克服できるかどうか、これが変化対応能力です。
誰だって禁断症状は出ます。
そもそも、人は、変化に弱いのです。生き物とはそういうものなんです。
そういう弱さを如何に克服し、抑え込むか、そして、早く下げ相場に慣れるか、がポイントです。
ところが、この変化対応が実に遅い人が大半なんです。
相場サイクルによっては、
上げ相場に慣れたころにちょうど下げ相場になって爆死。
下げ相場に慣れて、売りが身についてきたところで、上げ相場に変化して、また爆死。
こういう笑い話のような状態に陥る人が多いんです。
リーマンショック時にあるトレーダーが、下げに慣れてしまって、売ったら儲かるということで、売って売ってをやっていたら、相場が変化して、気がついたら、上げ相場を売り続けてしまって、せっかくの利益を吐き出したばかりか、トータルで損失を出してしまいました。
せっかくのリーマンショックという絶好の売り環境で、売って負けたのです。
感覚の遅れというのは、そんなものなんです。
やられたままに放置プレイをして塩漬けにしている人は論外ですが、せっかく損切りして、ポジションをなくしたのに、再び底だと思って買ってはやられ、買ってはやられで、気がついたら、上げ相場の利益の大半を吐き出す。
そんなナンセンスなことは、そろそろ卒業すべきです。
どう見ても、相場の流れが淀んでいますし、環境認識的には下げ相場に入ってきています。
こういう時には、もっと泰然と構えて、相場の趨勢を見て、トレンドの変化が見えてくるまでは、
休むも相場
という史上最強の相場戦略を実行すればいいと思います。
今のような波乱相場で、こちょこちょやったところで、取れても知れていますし、取ったり取られたりの中で、再びドカンが来ればあっという間に爆死なんです。
まさに、ハイリスクローリターンの典型です。
まだ、上げの利益が残っていると油断していたら、気がついたら利益の大半が消えてしまった、ということが起きます。
こういう時に無理する必要などどこにも無いと思いませんか。
ノーポジで、勉強したり、資料整理をしたり、そういう時間の使い方をすればいいと思います。
または、旅行に行ったり、好きなことを過ごせばいいんです。
相場で勝っている人を見ると、世間では「どうせどこかで大損するに決まってる。」という評価が普通です。
そして、大半は、その世間の期待を裏切ることなく、きちんとどこかで爆死します。
その世間の期待を裏切ってみませんか。
そのためには、人の本性に逆らい、禁断症状を克服するという難題を克服せねばならないため、勝つための今回書いたような考え方を身につける必要があります。
勝っている人だけが持っている特殊な考え方になります。
小手先のテクニックでは、爆死を克服することは不可能です。
相場は、いつでもやっているのだから、相場が逃げることはありません。
不得意な相場環境だと感じたら、休めばいいだけのことです。
無理して、底を拾う必要などどこにもありません。
そして、誰でもが勝てる簡単な相場がやってきた時に、また買えばいいんです。
海の家は、夏に営業する。冬になったら休む。実に簡単なことです。
相場で勝つというのは、そういうメリハリの繰り返しです。
そうすれば、誰だって、どんな方法でも勝てるんです。
その場合、やり方なんてどうでもいい、ってことです。
難しいテクニカル分析や、数式なんていりません。
相場は、そもそも上げか下げが保ち合いか、しか無いのに、それをデフォルメした数式が魔法の答えになるはずなど無いんです。
ファンダメンタルだって、金利動向とか、大きなものだけで十分です。
要は、習慣的に、コンスタントにやろうとするから失敗するんです。
そうではなく、メリハリこそ秘訣なんです。
そして、勝ってノリノリだからやるのは自己都合。自己都合では相場は勝てません。
もし、今の流れが変わって、上げに戻ったら、また買えばいいだけです。
何をそんなに焦る必要があるのでしょう。
そんなに急がないでも、相場は逃げません。
トレーダーというのは、やり方が間違ったからやられるのではなく、休まないからやられるんです。

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いつもの環境認識です。
日経平均は、2月につけた安値を割ってしまいました。
そして今週はリバウンドになっています。
S&P500も下げた後に戻りとなっていますが、日経よりも弱い感じです。
この差は、ドル円のやや強い戻りの影響が出たのかもしれません。
2月からの下げの特徴は、NYよりも225の方が弱いという状態が続いていたので、ここ数日の戻りの強さは変化が起きているということになります。
米長期金利は、やや落ち着きつつあります。
これは、FOMCでの利上げ決定で、材料出尽くし感が出たことも目先影響しています。
今回の下げの震源になったのは、米長期金利なので、この変化にも注目でしょう。
何にしても、今回の下げは、米長期金利から、NY株、そこからの225という流れになっているので、引き続きFRBの動向と米長期金利に注目です。
さて、いつもの考察ですが、再び今は、上げ相場の押し目なのか、下げトレンドに入ったのか、ここが知りたところです。
客観的にチャートを見て、上昇トレンド継続というのには、無理があるチャートになってきています。
NYは、まだ2月の安値を割っていないのですが、もし安値を割るようなら、NYも下げトレンドが確定ということになります。
■過去の反省を忘れる
1月中に、もっと上がりそうだから買いという相場観を持っていてやられた、という人はかなりいると思います。
次に、2月上旬になって、大きく下げて、戻りかけたところで、安値を打ったから、買いだという相場観を持って買って、再び下げてきてやられた、という人も結構います。
そして、3月上旬に安値をつけて、また戻ってきたところで、買いだ、という相場観で買ってまたやられる。
そして、今・・・再び戻り歩調にあるわけです。
こうやって、何度も何度も相場観で失敗し、損切りもしくは塩漬けを余儀なくされている人の多くが、再び戻ってきたら、また
買いだ~!!
とやる。
これまで負け続けているという 強い実績 を完全に無視して、再び自分の相場観を信じて突撃するのです。
投資家というのは、かくも反省を忘れた人たちで構成されているのだ、とつくづく感じます。
過去の検証をするのなら、チャートなどではなく、まずは、自分の相場観の当たり外れを検証されることを強く強くお勧めします。
そもそも、何故こうなってしまうのか、というと、ここ数年間の上げ相場での成功体験が、がっつりと潜在意識に刻み込まれてしまって、下げても買い、上げても買い、の感覚が習慣的に身についてしまっているんです。
しかし、相場の環境は、一夜にして急変します。
相場は、真夏の翌日に真冬になる、というのが当たり前の世界です。
春が来て、徐々に暖かくなる、というようなぬるい変化ではありません。
なので、心は、環境変化に全くついて行けずに、一つ覚えの戻りでの買いを繰り返しては、爆死する、を本能的にやってしまう、ということになります。
上げ相場においては、下げからの戻りというのは、押し目からの上昇ということになります。
しかし、同じポイントでも、下げ相場においては、戻り天井を掴む、ってことになってしまうのです。
こういうことを繰り返せば、せっかく上げ相場で稼いだ利益の大半を吐き出すことになります。
仮に損切りがきちんとできていたら、下げの初動で負けたとしても、上げ相場の利益の大半は残せているはずです。
そうであれば、これは一連の相場で儲けられたということなのだから、大成功です。
ところが、その後、何もしなければいいのに、いちびって安値を買ってやろうと、手を出してはやられ、手を出してはやられを繰り返すから、上げ相場で得た利益の大半を失う結果になるのです。
これが、損切りができるようになった人が陥る相場の罠です。
下げたら、習慣から買いたくなる。
これは、
禁断症状
です。
環境が激変するのに、その変化に感覚は全くついて行けていないのです。
強い者、頭の良い者が生き残るのではない。変化する者が生き残るのだ。(ダーウィン)
環境は激しく変化するのだから、経験による学習で習慣になってしまった感覚ではまずいと早く気がついて、禁断症状を克服できるかどうか、これが変化対応能力です。
誰だって禁断症状は出ます。
そもそも、人は、変化に弱いのです。生き物とはそういうものなんです。
そういう弱さを如何に克服し、抑え込むか、そして、早く下げ相場に慣れるか、がポイントです。
ところが、この変化対応が実に遅い人が大半なんです。
相場サイクルによっては、
上げ相場に慣れたころにちょうど下げ相場になって爆死。
下げ相場に慣れて、売りが身についてきたところで、上げ相場に変化して、また爆死。
こういう笑い話のような状態に陥る人が多いんです。
リーマンショック時にあるトレーダーが、下げに慣れてしまって、売ったら儲かるということで、売って売ってをやっていたら、相場が変化して、気がついたら、上げ相場を売り続けてしまって、せっかくの利益を吐き出したばかりか、トータルで損失を出してしまいました。
せっかくのリーマンショックという絶好の売り環境で、売って負けたのです。
感覚の遅れというのは、そんなものなんです。
やられたままに放置プレイをして塩漬けにしている人は論外ですが、せっかく損切りして、ポジションをなくしたのに、再び底だと思って買ってはやられ、買ってはやられで、気がついたら、上げ相場の利益の大半を吐き出す。
そんなナンセンスなことは、そろそろ卒業すべきです。
どう見ても、相場の流れが淀んでいますし、環境認識的には下げ相場に入ってきています。
こういう時には、もっと泰然と構えて、相場の趨勢を見て、トレンドの変化が見えてくるまでは、
休むも相場
という史上最強の相場戦略を実行すればいいと思います。
今のような波乱相場で、こちょこちょやったところで、取れても知れていますし、取ったり取られたりの中で、再びドカンが来ればあっという間に爆死なんです。
まさに、ハイリスクローリターンの典型です。
まだ、上げの利益が残っていると油断していたら、気がついたら利益の大半が消えてしまった、ということが起きます。
こういう時に無理する必要などどこにも無いと思いませんか。
ノーポジで、勉強したり、資料整理をしたり、そういう時間の使い方をすればいいと思います。
または、旅行に行ったり、好きなことを過ごせばいいんです。
相場で勝っている人を見ると、世間では「どうせどこかで大損するに決まってる。」という評価が普通です。
そして、大半は、その世間の期待を裏切ることなく、きちんとどこかで爆死します。
その世間の期待を裏切ってみませんか。
そのためには、人の本性に逆らい、禁断症状を克服するという難題を克服せねばならないため、勝つための今回書いたような考え方を身につける必要があります。
勝っている人だけが持っている特殊な考え方になります。
小手先のテクニックでは、爆死を克服することは不可能です。
相場は、いつでもやっているのだから、相場が逃げることはありません。
不得意な相場環境だと感じたら、休めばいいだけのことです。
無理して、底を拾う必要などどこにもありません。
そして、誰でもが勝てる簡単な相場がやってきた時に、また買えばいいんです。
海の家は、夏に営業する。冬になったら休む。実に簡単なことです。
相場で勝つというのは、そういうメリハリの繰り返しです。
そうすれば、誰だって、どんな方法でも勝てるんです。
その場合、やり方なんてどうでもいい、ってことです。
難しいテクニカル分析や、数式なんていりません。
相場は、そもそも上げか下げが保ち合いか、しか無いのに、それをデフォルメした数式が魔法の答えになるはずなど無いんです。
ファンダメンタルだって、金利動向とか、大きなものだけで十分です。
要は、習慣的に、コンスタントにやろうとするから失敗するんです。
そうではなく、メリハリこそ秘訣なんです。
そして、勝ってノリノリだからやるのは自己都合。自己都合では相場は勝てません。
もし、今の流れが変わって、上げに戻ったら、また買えばいいだけです。
何をそんなに焦る必要があるのでしょう。
そんなに急がないでも、相場は逃げません。
トレーダーというのは、やり方が間違ったからやられるのではなく、休まないからやられるんです。

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