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環境(地合い)認識の重要性 1

2019/05/12 Sun

次のようなコメントが、私のブログの熱心な読者の方から
ありました。

「勝てる手法を長年探し続けて、結局見つからなかった。
なので、勝てる方法は無いと悟ったので、1000本ノック
を感覚的にやることにした。」


要約するとこのようなものでした。
私のブログの熱心な読者の方から、このようなコメントを
もらったことは、私の不徳の致すところだと痛切に感じ
ます。

私が書いていることが、まるで伝わっていないばかりか、
真逆のことを続けておられるのです。

恐らく、他の読者の多くの方にも、上手く伝わっては
いないのだろうと察します。

いくらいい本だとしても、それを読む読み手によっては、
真逆の読み方をして、負けるために読んだという結果に
陥ることが頻繁に起きます。

昔、私が勧めた立花本を読んで、単なるナンピンの勧め
と理解し、破産した人がいました。
この時、私は暗たんたる気持ちになったのですが、
何でそのような読み方になってしまうのだろうかと当時は
わかりませんでした。

人は、自分が読みたいところ、聞きたいところしか読めない、
聞けないのだ、ということが今ではわかるので、仕方がない
こともわかります。

ただ、私のブログの場合、死ぬほど強調していることが、
まるで読まれていないことには、はさすがに驚きました。

林先生の本もしつこくて有名でしたが、どれほどしつこく
書いても、読めない人には読めないことがわかっておら
れたから、あれだけしつこく書かれたのだろうと思います。

ということで、今回、批判があっても無視して、私も改めて、

しつこさを追求しよう


と思います。




ということで、今回のテーマは、環境認識です。
地合いです。
シリーズ化して、しばらく続けようと思います。

もうその話は飽きた、という人も多いとは思いますが、
これだけしつこく書いていても、完全無視をしている
読者が少なからずおられる現状では、書かざるを得ません。

今回は、ちょうど、だいぶ前にコメントでやり取りしたものが
あったので、それをアレンジして再掲しておこうと思います。


この 環境認識(地合い認識) ということですが、
トレードにおいては何よりも理解すべき重要な概念です。

環境を認識し、環境優位性を使ってトレードする


一言で書いていますが、ここが本当に腑に落ちていれば、
勝てるトレーダーの仲間入りだと思います。

逆に言えば、いつでも勝つ必要はない、ということです。

自分が得意な環境になるまで、ひたすら待って待って、
そして、得意な環境になれば攻める。

こういう環境ということがよくわからない人が多いので、
簡単に環境変化に飲み込まれてしまって、爆死する
わけです。



過去の検証をして、勝てる方法を探す、という人も非常に
多いわけですが、そういう人は、この環境変化を完全に無視
している人が多いです。

歴史は繰り返す

これは、テクニカル分析の3原則の一つなわけで、
これが検証命の人の拠り所となっています。

検証命の人は、

過去が再現するということが前提条件

として、当たり前に思っていますが、それは違います。

残念ながら、環境は変化するのです。

相場が過去と同じ繰り返しなら、過去を検証すれば、
みんなお金持ちになりますから、

相場は簡単

なんです。

相場が難しいのは、過去がそのまま繰り返されないからだ


ということに気がつかないとダメです。

例えば、戦後から昭和の最後までの40年間を検証して、
勝てる方法を発見したところで、その方法は、
平成の30年間では、負けるための方法にしかなりません
でした。
昭和の高度経済成長期と、平成の波乱期の値動きの違いは
明白で、後から見れば、誰でもがわかっていることです。
長期に検証すればよい、という人も多いわけですが、
この程度の証明で、覆されるようなことなんです。




一方で、

永遠に通用する戦略が見つからない

ということは、

戦略は不要である

ということとイコールではありません。

見つからないから、不要だ、という論理は決して成り立ちません。

これは、

夏も冬も使える万能上着が見つからないからといって、
裸で過ごす


と言っているのと同じです。

正解は、夏はTシャツを着て、冬はダウンを着る

という当たり前のことです。

そもそも、環境(地合い)の重要性を理解していないから、
季節がある、ということが見えていない。
だから、そういう

道具不要論

になったのだろうと思いますが、

戦略は、永久に通用しなければいけない

という前提だから、道具不要論になったのだと思います。

みんなが求めているのは、
万能の中華包丁のような戦略でしょう。
これ見つかればいいのでしょうが、非常に難しい。
無いとは言いませんが、難易度はスーパーレベルです。

中華包丁が見つからないから、手で引きちぎる、
という論理ではなく、素材によって、出刃包丁、
刺身包丁などを使い分ける、という解決策が
必要なわけです。


通常の戦略というのは、環境適合によって、使い分けること
を前提としないと、ほとんど成立しません。

ただ、はっきりと言えるのは、フルシーズンで使えるもの
が無いから裸でいる、というのは間違いってことです。




今回、このテーマに関して、私の意見だけでは、納得して
もらえないこともあるので、色々考えた結果、
テスタさんの言葉を借りようと思います。
私の言葉は大した重みが全然ないですが、テスタさんの言葉なら、
みなさんへの説得力も大きいことでしょう(笑)


セミナーでのテスタさんのコメントを一部引用しておきます。

どんな手法を使って勝ってるんですかとよく聞かれる。
なので、そういう決まったものがあるわけではないと答えている。
そうすると、嘘をついているのではないかとか、
何か1つのやり方で儲かっているのだろうとか、
思われているかもしれない。

そこで自分が使っている手法を書きあげたら53種類
あった。
なので、一つ二つ知っているから勝てているということ
では全然ない。
当たり前の話として、ここがわかっていないと、間違った
方向へ進んでしまうと思う。
一つの手法で永遠に勝てると思っていることは幻想で、
ここがわかっていないと勝てるようにはならない。

株は上げ相場もあれば、下げ相場もある。
買いの手法で有効だったとしても、それは上げ相場だから
通用したのであって、下げ相場では通用しない。
ショック安などが来たら、同じ手法で通用するわけがない。

本で書いてある手法で勝てるのだったら、誰でも勝てる
ようになる。

引き出しを増やして、その都度その都度、地合いに合わせ
た手法を使い分ける。
これができないから、9割の人が負ける。




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環境(地合い)認識の重要性 2

2019/05/25 Sat

環境認識の続きです。
前回は、理屈の話だったので、少しわかりにくかった
かもしれません。

今回は、具体的に相場の動きを見て、解説していこう
うと思います。

これは、日経ジャスダック指数の月足です。

2019-05-25_日経JQ

TOPIXや225は、日銀の買い占めが入っているの
で、相場の素直な動きが出ていません。
日本は、この先、日銀の元に全ての一部上場企業が
買い占められて、社会主義を目指すようですので(笑)
既に、ユニクロなど一部の会社では、浮動株が枯渇
しはじめています。
この点は、注意しておかねばいけないでしょう。

その点で、ジャスダックは、まだ自由と自然が残って
いる感じなので、こちらを見て行きたいと思います。
個人が好きな小型株の動きと連動しているという
こともあります。

環境認識ということは、チャートが全てということで
はありませんが、

チャートは結果としての成績表

なので、足取りを振り返るのにはとても便利です。

まず2017年の上げ相場と2018年の下げ相場
の好対照な動きを見てください。

この動きは、記憶に新しいところなので、実感で
きる人も多いのじゃないかと思います。

2017年に稼げた人も多かったわけですが、
その多くの人が2018年に吐き出しています。
何故そうなったのかというと、2017年に上手く
行ったことで、

自分の投資しているやり方に自信を持った

ことで、その勢いで2018年に突入し、
2017年でうまくいった
ブレイク買いや押し目買い
をそのまま続けたことが原因です。

ちなみに、手法手法と血眼で探している方にアドバイス
すると、上げ相場で有効な手法は、

ブレイクと押し目買い

の2つです。
それ以上有効な手法を私はしりません(笑)


さらに2017年に上手く行ったものだから、
ポジションも大きくなっているところに、
2018年の下げを食らってしまって、
2017年の儲けの大半を早々に吐き出した、
という事例も多かったようです。

しかし、個別では2018年だって上がった株
はあっただろう。
ということもあると思います。
しかし、2017年と2018年では、買って上がる
確率や値幅が全く違います。

2017年だと、何を買ってもそれなりに儲かった。
買って下げても、少し我慢すれば戻ってきた。
上手く行けばすぐに2倍になった。


という相場でした。

しかし、2018年は、上手く押し目を拾ったと
思っても、すぐに安値をまた切ってくる。
買って下がったので我慢したら大幅安を
食らった。
上手く行っても、2割も上がったらすぐに
折り返してきて下げられた。

ということで、明らかに2017年と2018年は
違う環境だったのです。

何が損益を分けたのか、というと、

地合いが違った


ってことです。

なので、2017年に上手く行った同じやり方を
使って、2018年を戦ったら、ぼろ負けした、
ということは、当たり前に起きました。

やり方にこだわっている人が大半なので、
こういうことが起きてしまうのです。

2017年に儲かったとしたら、それは、

自分の実力ややり方の成果ではなく、追い風参考記録


なのです。

じゃあ、実力とか、やり方なんて関係なくて、
たまたまいい時期に当たるかどうかの
偶然だけなのか。
というとそうではありません。

こうやって月足を見ればわかりますが、

特定の環境は月足レベルで流れを作る


ってことなんです。

一方で、

地合いやトレンドなんて、後になってみない
とわからない


という意見も結構ありますが、本当にそう
でしょうか。

少なくとも、地合い、トレンドというものを
強く意識して、今の状態を観察し続ける
ことで、何も環境を意識していない人より
も優位に立てることがあると私は考えて
います。

また、環境変化を先取りして動くものを
探して見ておけば、

炭鉱のカナリア

として機能してくれるものもあります。

ただし、いつも機能するわけではありません(笑)

下げ相場のリバウンドはすべてが一斉に
動きますので、わかりにくいものですが、
上げ相場の断末魔の叫びは、先行する
ものがあるので、注意深くマーケットを
観察すれば、わかることもあります。

それと、金融緩和による金融相場、
いわゆるバブル相場の末期は、
ファンダメンタルの悪化を無視して
上げ続ける傾向が毎回起こっています。
チャートだけを見ている人にはわからない
ですが、ファンダメンタルを注意深く見て
いれば、いち早く逃げ出すことは可能です。



せっかく月足を見ているので、ついでに
観察すると、2008年のリーマンショック
以降、5年間は、JQ指数は低迷を続け
ました。
下げ相場の後の低迷時期は、想像以上に長引く
ことがわかります。

そして、2013年のアベノミクス相場という
強烈な上昇相場が始まります。
これも、ファンダメンタルの変化でした。
JQは、年初の数か月で2倍近く上昇した
のです。

この時の上昇に、帆を一杯に張って、追い風に
上手く乗れた人が、カリスマ投資家となりました。

ちなみに、2014年以降で、
カリスマ投資家が出てきた、ということは、
あまりありません。
今のカリスマの多くが2013年の相場に
乗って出現した、ということは、意味が
あるんです。

もちろん2013年生まれのカリスマ投資家
がその後、落ちぶれたという意味ではあり
ません。
また、2013年の上げに上手く乗れたことは、
相場上手であったことは間違いありません。

ここで書いたのは、単に、誕生が2013年
だったという意味です。

私見ですが、過去のカリスマさんと違うのは、
昔のように、本当にたまたま当たったというより、
地に足がついた投資をしている方が多いように
感じます。

昔は、

ハイレバ投資 × 上げ相場 = カリスマ投資家

だったのですが、その構図が少し変わった
のかもしれません。



そして、2013年から、2018年までの
6年間は、総じて上げ相場が続いたのです。


これは、アベノミクスの日本の金融緩和から出発して、
アメリカの緩和と上昇が重なった結果です。

この上げが続いたことも、カリスマさんや
他の多くの投資家にとって、サバイバル率に
影響しているのだと思います。
この6年間に勉強する猶予があったということ
です。



最後に、直近の状況です。
JQは、2018年の下げ相場から一転して、
2019年は戻り相場に入っています。
このままビンビン上げて行くのか、
それともどこかで戻りいっぱいから下げる
のか。
直近では、2か月ほど止まって、下げかけ
てきていますので、この流れが続くのかを
見ていけばいいでしょう。
戻りからの下げかけ、という状態です。

少なくとも、2017年のようなビンビンの
上げ相場とは違う、ということはわかると
思います。

今は、戻りから、下げかけているな~
という認識でいいです。


これがチャートで見れる限界です。

環境認識とは、現状を観察するだけなので、
将来を予想することではありません。

今がどうかを見ておくということです。


この先は、トランプツイッターとFRBの
金融政策次第ということになります。
オマケで、日銀と安倍さんも(笑)

ただ、

FRBが幾ら緩めて、バブルの延長を
図ったとしても、自ずと限界がある


ということは意識しておくべきだと私は
考えています。

逆イールドが話題になっていますが、
逆イールドが発生してから、タイムラグが
1年程度あるのが経験則ですので、来年あたりが
要注意でしょう。

平成の30年間で、TOPIXは30%下げました。
一方で、S&P500は、10倍に上昇しました。


うーん、225換算なら実に30万円とかなのか。。

この30年間というのは、正にアメリカ黄金時代で、
好景気をおう歌し続けたわけです。

ただ、アメリカ経済がこの間で10倍にはなってい
ません。
その差は、金融緩和と、Amazonなどの
GAFA株の勃興が原因です。
ただ、この差がどこかで修正されることは、歴史の
必然です。

そうなった時に振り返れば、リーマンショックは、単なる
押し目だったのか、ということになるかもしれません。

先月ツイッターに書きましたが、

4月5日
元号が変わると、過去の清算が繰り返されてきた歴史がある。
昭和2年の金融恐慌。そして、平成元年のバブル崩壊。そして・・・


振り返れば、元号が変わった節目で、
過去の清算が何故か起きています。

NYダウの引きつったような上げが、
昭和末期の日経225に見えてしまうのは、私だけでしょうか。

その時、上げてもいないTOPIXが巻き沿いを
食らうのか、と思うと悲しいものがありますね。
まあ、日銀が全部買ってくれればいいのか(笑)



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プロフィール

あらなみ

Author:あらなみ
職業:個別株投機家・専業デイトレーダー

Twitter: @aranami718

旧ブログ:
あらなみの相場技術研究所

あらなみのトレード水先案内人


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