現在の環境認識
2020/02/16 Sun
■新型肺炎の今後
まず、今の環境認識において、新型肺炎の状況は主要なテーマになっています。
日本における状況は、私自身、甘く考えていたこともあって、これほどのスピードで感染拡大が続くとは思っていませんでした。
クルーズ船についても、これほどのことになるとは考えていませんでした。
そういう意味では、ほぼ最悪のシナリオで進んでいる、と言えます。
そして、ついに一番恐れていた事態が進行し始めました。
先週までは、水際対策で何とか踏ん張っていたものが、ついに水際が破られて、新たなステージに入ったということです。
日本での状況は、中国に次ぐ第二の感染国として、日本脱出のチャーター便が手配される事態に及んでいます。
それでも一部の感染に留まり、何とか水際を維持する、というシナリオはどうやら厳しい状況となっています。
ということで、先週とは、全く違うステージになった、という認識を持っています。
今後、どういう展開になるのかというと、感染拡大は止められないとなると、最善のシナリオとしては、
①抗ウイルス薬が効果を発揮し、収束する
②多くの場合は、重症にならず回復し、季節性インフルエンザのように一巡すれば、自然に収まっていく
というものでしょう。
最悪のシナリオでは、
毒性が高く、蔓延していく中で、都市機能がマヒしてしまう
というものですが、何分未知のものなので、最善、最悪のシナリオの元で推移を見守るしかありません。
季節性インフルと大差ないという専門家も多いようですが、それなら武漢での出来事は何故起きているのか理解できません。
今後数週間以内に、海外各国からは、日本への渡航制限がかかる状況にあると考えられ、中国と日本という二大感染国という状況に変化するのではと考えています。
■新型肺炎と相場
今の相場動向は、
新型肺炎が広がれば広がるほど、米中の大規模金融緩和で相場が支えられる
という状況が続いています。
米国が、隠れQE4で大規模資金供給を開始したと思えば、今度は、中国が19兆円もの大規模資金供給を実施、必死で経済を支えようとしています。
しかし、現在発表中の第三四半期決算を見ると、日本企業においては、減益決算が続いている、という状況です。
14日の概ね決算発表が終わりましたが、散々の会社が多い印象です。
しかも、その減益は、新型肺炎での中国経済の悪化を織り込んではいません。
つまり、
実態悪を無視して、金融緩和によって相場が高値を維持している
という状況です。
米国マーケットは、appleやエヌビディアなど好調な決算発表がありましたが、それにしても、新高値が続く、という状況には、首をかしげてしまいます。

Nasdaq総合指数は、この10年間で5倍にも上昇しています。
過去のSARSや新型インフルなどの感染症時には、一時的に下げたけれど、相場は上昇した、という論調も多いわけですが、2008年にリーマンショックで下げまくっていたものが感染症ダメ押しして上昇に転じた2009年新型インフルエンザとは相場環境が全く違います。
しかも、2009年新型の場合、結果として季節性インフルと大差無いことが後に判明し、感染症騒ぎは収束したのですから、その結果と比べることは、あまり意味がありません。
今の米国相場の水準は、どう見ても高値に位置していますし、何かのきっかけでトレンドが大きく変わるという可能性は意識しておくべきだと私は考えています。
今後、見ておきたいのは、
①明日から、中国での生産が再開される企業が多いとの報道ですが、どこまで中国の経済への影響があるのか。
②日本での今後の感染拡大と、経済への影響がどの程度になるのか。
日本では、既にインバウンドで甚大な影響が出ているだけでなく、中国からの部品が届かずに生産ストップしている企業も出てきています。
こういった環境で、株式市場だけが高値を取っていく、というのは、私には、強い違和感しかありません。
いくら金融緩和を続けても、実体経済が伴わない限り、相場の上昇には、どこかで限界が来るはずです。
下げれば日銀がETFで買い続けてくれるから大丈夫なのだろうか。
今回、日本での新たな感染ステージになったことで、
連動していた米国の株式市場と日本株との連動性が今後も保たれるのか
も見ていく必要があります。
もしかしたら、日本株独自の下げという可能性もあるということです。
これは、
①リスクオフになれば、レパトリエーションが起きて円高という状況が今後も続くのか。
②ここ数年、経済は悪くないのに、緩和を続けた日銀に厳しいしっぺ返しが来ないのか。
というところも注意が必要でしょう。
特に、健康体であるにも関わらず緩和を続けた日銀の責任は重大だと私は思っています。
今回、もし新型肺炎が経済に重大な影響が出てきた場合、緩和をし続けた日銀にはもう打つ手がもう限られてしまうのです。
また、経済が悪くないのに財政赤字を延々と垂れ流し続けている政府も、ここで大規模財政出動ができる余地がどれほどあるのか、と考えると、寒くなります。
①実体経済が厳しくなる中で、緩和マネーで上げるバブリーな相場との乖離が臨界点に達した時に何が起きるのか。
②リーマンショックから10年間、緩和マネーで支え続けた経済が、今回の新型肺炎によるトリガーで崩れないか。
つまり、
新型肺炎で相場が下げるというよりも、今の実態から乖離しつつある金融相場の上げが、何かのきっかけで崩れるとしたら、そのきっかけに新型肺炎がならないのか。
私自身は、これまで震災によるトリガーを想定していましたが、感染症トリガーもありえると感じています。
ここを注意深く見守っている、というのが今の私の相場環境認識です。

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まず、今の環境認識において、新型肺炎の状況は主要なテーマになっています。
日本における状況は、私自身、甘く考えていたこともあって、これほどのスピードで感染拡大が続くとは思っていませんでした。
クルーズ船についても、これほどのことになるとは考えていませんでした。
そういう意味では、ほぼ最悪のシナリオで進んでいる、と言えます。
そして、ついに一番恐れていた事態が進行し始めました。
先週までは、水際対策で何とか踏ん張っていたものが、ついに水際が破られて、新たなステージに入ったということです。
日本での状況は、中国に次ぐ第二の感染国として、日本脱出のチャーター便が手配される事態に及んでいます。
それでも一部の感染に留まり、何とか水際を維持する、というシナリオはどうやら厳しい状況となっています。
ということで、先週とは、全く違うステージになった、という認識を持っています。
今後、どういう展開になるのかというと、感染拡大は止められないとなると、最善のシナリオとしては、
①抗ウイルス薬が効果を発揮し、収束する
②多くの場合は、重症にならず回復し、季節性インフルエンザのように一巡すれば、自然に収まっていく
というものでしょう。
最悪のシナリオでは、
毒性が高く、蔓延していく中で、都市機能がマヒしてしまう
というものですが、何分未知のものなので、最善、最悪のシナリオの元で推移を見守るしかありません。
季節性インフルと大差ないという専門家も多いようですが、それなら武漢での出来事は何故起きているのか理解できません。
今後数週間以内に、海外各国からは、日本への渡航制限がかかる状況にあると考えられ、中国と日本という二大感染国という状況に変化するのではと考えています。
■新型肺炎と相場
今の相場動向は、
新型肺炎が広がれば広がるほど、米中の大規模金融緩和で相場が支えられる
という状況が続いています。
米国が、隠れQE4で大規模資金供給を開始したと思えば、今度は、中国が19兆円もの大規模資金供給を実施、必死で経済を支えようとしています。
しかし、現在発表中の第三四半期決算を見ると、日本企業においては、減益決算が続いている、という状況です。
14日の概ね決算発表が終わりましたが、散々の会社が多い印象です。
しかも、その減益は、新型肺炎での中国経済の悪化を織り込んではいません。
つまり、
実態悪を無視して、金融緩和によって相場が高値を維持している
という状況です。
米国マーケットは、appleやエヌビディアなど好調な決算発表がありましたが、それにしても、新高値が続く、という状況には、首をかしげてしまいます。

Nasdaq総合指数は、この10年間で5倍にも上昇しています。
過去のSARSや新型インフルなどの感染症時には、一時的に下げたけれど、相場は上昇した、という論調も多いわけですが、2008年にリーマンショックで下げまくっていたものが感染症ダメ押しして上昇に転じた2009年新型インフルエンザとは相場環境が全く違います。
しかも、2009年新型の場合、結果として季節性インフルと大差無いことが後に判明し、感染症騒ぎは収束したのですから、その結果と比べることは、あまり意味がありません。
今の米国相場の水準は、どう見ても高値に位置していますし、何かのきっかけでトレンドが大きく変わるという可能性は意識しておくべきだと私は考えています。
今後、見ておきたいのは、
①明日から、中国での生産が再開される企業が多いとの報道ですが、どこまで中国の経済への影響があるのか。
②日本での今後の感染拡大と、経済への影響がどの程度になるのか。
日本では、既にインバウンドで甚大な影響が出ているだけでなく、中国からの部品が届かずに生産ストップしている企業も出てきています。
こういった環境で、株式市場だけが高値を取っていく、というのは、私には、強い違和感しかありません。
いくら金融緩和を続けても、実体経済が伴わない限り、相場の上昇には、どこかで限界が来るはずです。
下げれば日銀がETFで買い続けてくれるから大丈夫なのだろうか。
今回、日本での新たな感染ステージになったことで、
連動していた米国の株式市場と日本株との連動性が今後も保たれるのか
も見ていく必要があります。
もしかしたら、日本株独自の下げという可能性もあるということです。
これは、
①リスクオフになれば、レパトリエーションが起きて円高という状況が今後も続くのか。
②ここ数年、経済は悪くないのに、緩和を続けた日銀に厳しいしっぺ返しが来ないのか。
というところも注意が必要でしょう。
特に、健康体であるにも関わらず緩和を続けた日銀の責任は重大だと私は思っています。
今回、もし新型肺炎が経済に重大な影響が出てきた場合、緩和をし続けた日銀にはもう打つ手がもう限られてしまうのです。
また、経済が悪くないのに財政赤字を延々と垂れ流し続けている政府も、ここで大規模財政出動ができる余地がどれほどあるのか、と考えると、寒くなります。
①実体経済が厳しくなる中で、緩和マネーで上げるバブリーな相場との乖離が臨界点に達した時に何が起きるのか。
②リーマンショックから10年間、緩和マネーで支え続けた経済が、今回の新型肺炎によるトリガーで崩れないか。
つまり、
新型肺炎で相場が下げるというよりも、今の実態から乖離しつつある金融相場の上げが、何かのきっかけで崩れるとしたら、そのきっかけに新型肺炎がならないのか。
私自身は、これまで震災によるトリガーを想定していましたが、感染症トリガーもありえると感じています。
ここを注意深く見守っている、というのが今の私の相場環境認識です。

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