リスク管理とファンダメンタル
2020/06/03 Wed
ご質問の回答が長くなるので記事して、さらに補足しておきます。
>相場での保険はやはり損切と掛け方という考え方でいいのでしょうか?
ご質問の件ですが、確かに損切りと掛け率の問題は重要ですが、これは技術的な側面となります。
ただ、リスク管理という意味では、それだけではなく、今回のコロナ騒ぎのように、ファンダメンタルも重要です。
今回だと、感染拡大が徐々に進行してきた段階で、経済にも大きな影響が出ることは、多くの人が予見できたことですので、その時点でリスクが通常よりも拡大したと考えて、逃げてしまうということが可能となります。
その場合は、損切りを待つ必要はありません。
つまり、ファンダメンタルから見て、リスク拡大が見えたわけです。
負けたから逃げるのではなく、リスクが拡大したから逃げるのです。
下がると予想したから売るのではなく、リスクの拡大が予見できたから売るのです。
この両者は、全く違います。
この違いを意識してできるようになれば、トレードの質が変わります。
結果を待って、損したから損切りする、という意味ではなく、ファンダメンタルの側面から、危険ゾーンに入ったとわかれば、事前に逃げておく、ということです。
言い方を変えれば、
上がるか下がるかを見ているのではなく、リスクが大きいか小さいかを見ている
のです。
何故なら、上か下かを当てることは難しくても、リスクが高いか低いかは予見できることだからです。
つまり、わかることをやって、わからないことはやらない、ということです。
こんなところで勝負しても、リスクリターンが合わないと判断できる局面だ、ということです。
これは、台風が来る、といった場合と同じで、事前にわかるリスクです。
ファンダメンタルを見るということは、明日、台風が来るということがわかった時点で、キャンプ旅行を中止する、ということです。
キャンプに行った後で、実際に台風が来て、ひどい目にあって初めてキャンプを中止する、ということではありません。
これに対して、地震など、事前にわからないリスクも存在します。
これに対処するためには、普段からのリスク率などで対処するしかないでしょう。
もちろん不意打ちを食らったら、さっさと逃げてしまうことです。
これは仕方がありません。
なので、何かあった時に逃げられるだけのリスクしか取ってはいけないということになります。
何にしても、
ファンダメンタル分析は、上がるか下がるかの予想道具だけでなく、リスク計測の手段でもある
ということになります。
マクロもそうですし、ミクロレベルでも、企業の業績不安や倒産リスクなど、リスク管理の手段として有効です。
何にしても、私は、
相場は、上がるか下がるかを予測してやるものではなく、どのぐらいのリスクを取って、どのぐらいのリターンを得られるのかを計測してやるものだ
と考えています。
そのための重要なリスク計測手段がファンダメンタルということになります。
多くの方が、結果のみを重視し、当たったか外れたかばかりに注目していますが、相場は当てモノではなく、どれだけのリスクを取って、どれだけのリターンを得るかの勝負です。
なので、決して結果オーライではないのです。
結果オーライとは、この自転車競技で無事に走り抜けられたからといって、普通の道を走り抜けたのと同じだ、という行為です。
Sam Reynolds Redbull Rampage Best Trick 2015 Run
こういう危険な走行をリスク管理なしで平気でやっている投資家が如何に多いことか!!
しかも、自分ではこういう危険行為をやっているという自覚がまるで無いのです。
こうして、崖っぷちから、次々に落ちていくわけです。
平坦な道を走るのか、それとも崖っぷちを走るのか、走る前に場所によってリスクはわかります。
これと同じく、これからどんなところを走るのか、というのが相場で言うファンダメンタル分析です。
事前に分析しておけば、リスクは相当程度わかります。
マクロ環境もミクロもどちらもリスク計測できます。
リスクを計測することと、相場を当てることは全く違います。
繰り返しになりますが、リスクは事前に計測できることが多いですし、限界を設定すること可能です。
ああいう場所を走るという時点で、リスクが高いのは誰だってわかることです。
リスク管理という可能なことを全力でやって、人知を超えた予想は天命に委ねること
すなわち
人事を尽くして天命を待つ
これが勝てるトレードだと私は思っています。
できることをきちんとやって、できないことは任せる、ということです。
相場が当てモノじゃない、というのは、こういう意味なのです。
この逆、すなわち、
将来を予測して、相場を当てよう当てようと懸命に努力する一方で、逆行されて大きくやられても頑張って耐える
つまり、
自分でコントロールできるリスクを管理せず、不可能な予測を懸命にやっている
これが多くの投資家の姿だと私からは見えます。
人事を尽くさず、天命を待たない、というのでは、生き残るのは難しいと思います。

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>相場での保険はやはり損切と掛け方という考え方でいいのでしょうか?
ご質問の件ですが、確かに損切りと掛け率の問題は重要ですが、これは技術的な側面となります。
ただ、リスク管理という意味では、それだけではなく、今回のコロナ騒ぎのように、ファンダメンタルも重要です。
今回だと、感染拡大が徐々に進行してきた段階で、経済にも大きな影響が出ることは、多くの人が予見できたことですので、その時点でリスクが通常よりも拡大したと考えて、逃げてしまうということが可能となります。
その場合は、損切りを待つ必要はありません。
つまり、ファンダメンタルから見て、リスク拡大が見えたわけです。
負けたから逃げるのではなく、リスクが拡大したから逃げるのです。
下がると予想したから売るのではなく、リスクの拡大が予見できたから売るのです。
この両者は、全く違います。
この違いを意識してできるようになれば、トレードの質が変わります。
結果を待って、損したから損切りする、という意味ではなく、ファンダメンタルの側面から、危険ゾーンに入ったとわかれば、事前に逃げておく、ということです。
言い方を変えれば、
上がるか下がるかを見ているのではなく、リスクが大きいか小さいかを見ている
のです。
何故なら、上か下かを当てることは難しくても、リスクが高いか低いかは予見できることだからです。
つまり、わかることをやって、わからないことはやらない、ということです。
こんなところで勝負しても、リスクリターンが合わないと判断できる局面だ、ということです。
これは、台風が来る、といった場合と同じで、事前にわかるリスクです。
ファンダメンタルを見るということは、明日、台風が来るということがわかった時点で、キャンプ旅行を中止する、ということです。
キャンプに行った後で、実際に台風が来て、ひどい目にあって初めてキャンプを中止する、ということではありません。
これに対して、地震など、事前にわからないリスクも存在します。
これに対処するためには、普段からのリスク率などで対処するしかないでしょう。
もちろん不意打ちを食らったら、さっさと逃げてしまうことです。
これは仕方がありません。
なので、何かあった時に逃げられるだけのリスクしか取ってはいけないということになります。
何にしても、
ファンダメンタル分析は、上がるか下がるかの予想道具だけでなく、リスク計測の手段でもある
ということになります。
マクロもそうですし、ミクロレベルでも、企業の業績不安や倒産リスクなど、リスク管理の手段として有効です。
何にしても、私は、
相場は、上がるか下がるかを予測してやるものではなく、どのぐらいのリスクを取って、どのぐらいのリターンを得られるのかを計測してやるものだ
と考えています。
そのための重要なリスク計測手段がファンダメンタルということになります。
多くの方が、結果のみを重視し、当たったか外れたかばかりに注目していますが、相場は当てモノではなく、どれだけのリスクを取って、どれだけのリターンを得るかの勝負です。
なので、決して結果オーライではないのです。
結果オーライとは、この自転車競技で無事に走り抜けられたからといって、普通の道を走り抜けたのと同じだ、という行為です。
Sam Reynolds Redbull Rampage Best Trick 2015 Run
こういう危険な走行をリスク管理なしで平気でやっている投資家が如何に多いことか!!
しかも、自分ではこういう危険行為をやっているという自覚がまるで無いのです。
こうして、崖っぷちから、次々に落ちていくわけです。
平坦な道を走るのか、それとも崖っぷちを走るのか、走る前に場所によってリスクはわかります。
これと同じく、これからどんなところを走るのか、というのが相場で言うファンダメンタル分析です。
事前に分析しておけば、リスクは相当程度わかります。
マクロ環境もミクロもどちらもリスク計測できます。
リスクを計測することと、相場を当てることは全く違います。
繰り返しになりますが、リスクは事前に計測できることが多いですし、限界を設定すること可能です。
ああいう場所を走るという時点で、リスクが高いのは誰だってわかることです。
リスク管理という可能なことを全力でやって、人知を超えた予想は天命に委ねること
すなわち
人事を尽くして天命を待つ
これが勝てるトレードだと私は思っています。
できることをきちんとやって、できないことは任せる、ということです。
相場が当てモノじゃない、というのは、こういう意味なのです。
この逆、すなわち、
将来を予測して、相場を当てよう当てようと懸命に努力する一方で、逆行されて大きくやられても頑張って耐える
つまり、
自分でコントロールできるリスクを管理せず、不可能な予測を懸命にやっている
これが多くの投資家の姿だと私からは見えます。
人事を尽くさず、天命を待たない、というのでは、生き残るのは難しいと思います。

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