fc2ブログ

何故勝てるようになったのか 1

2021/07/11 Sun

なかなか相場で勝てない。勝ちきれない。

そういう人が多いと思います。

相場歴はもう10年、20年、歴ばかりは増えても、結局、勝つ年もあるけれど、負ける年もあって、トータルでは大して負けてはいないけど、努力の割には勝てていない。

何年も勝てないで相場を続けていると、もう自分はダメなんじゃないか、そういう思いを一度ならず二度三度と思っても当然だと思います。

そういう人も多いと思います。

では、現在勝っている人は、どういうきっかけで、どういうことがあって、勝てるようになったのだろうか。

そういうことが知りたいと思っている人が多いのではないでしょうか。

勝っている人のTwitterやブログを読めば、こうしたらしい、ああしたらいい、こういうやり方がいい、ということは、あまた書いてあるわけですが、では、一体、そういう勝っている人が、

何故勝てるようになったのか

どういうきっかけやタイミングで勝てるようになったのか

ということは、書かれていないことがほとんどです。

しかし、このテーマ、興味がある人が多いと思います。

相場本でも、ほとんどが、ああしろ、こうしろ、とは書いていても、その書いている人が、何故、どうやって、勝てるようになったのか、という道筋は書いていないのが普通です。



そういう中で異色の本は、何と言っても、あの伝説本の立花義正さん著作の

あなたも株のプロになれる: 成功した男の驚くべき売買記録

でしょう。

マーケットの魔術師

こちらの本にも結構書かれています。

他にもいくつか過去に読んだことがありますが、

実は、何故勝てるようになったのか、というきっかけには共通する考え方のポイントがある

のです。

ただ、このポイントを読み取れる人はほとんどといっていません。

例えば、立花本を、この本はいい本だから読んでみて、と人に紹介したら、10中8、9は、ナンピンの勧めとしか読みません。

立花本 = ナンピン本

という構図です。



実は、私も、何故勝てるようになったのか、という多くの人が知りたいと思っていることをシリーズとして過去に書いたものあります。

上達のプロセスこそ秘訣

というシリーズでした。

しかしながら、このシリーズは、勝てない人にとっては、長いし、よくわからない、本当に知りたいことがわからない、ということだったようです。

当時のコメント欄を読んだ時に、

「わかりました!!あらなみさんは、ブレイクアウトで勝てるようになったのですね!!」

というコメントがいくつかあって、やはりこうなったのか、と苦笑しました。



恐らく、ほとんどの人は、色んな人の勝てるようになったきっかけを読んでも、何故その人が勝てるようになったのかは、わからないと思います。

なぜなら、前提として、脳にこびりついているウイルスのような相場哲学が邪魔をしているからなのです。

つまり、どういうやり方で勝てるようになったのか、ということしか見えないからです。





さて、私が勝てるようになったきっかけは、ブートキャンプに入隊したことから始まるわけですが、「上達のプロセスこそ秘訣」では、キャンプで起きた出来事を中心に書きましたが、そこで書ききれなかった本質のところをもう少し掘り下げようと思います。

まず、このブートキャンプに入隊する以前の私の思い込みは次のようなものでした。

①勝てる方法さえわかれば相場で勝てるようになる。いわゆる手法万能論者であった。

②勝てる方法は、過去の検証を繰り返して見つけることができる。


私の全ての相場に対するアプローチは、この2つの基本的な考え方に基づいていました。
あらゆる相場への努力は、この考え方をベースに続けていて、それこそ寝る暇も惜しんでやるほど努力を続けていたのです。

当時私は、50万円以上したパソコンを買って、100万円以上の検証ソフトを入れて、毎日毎日検証に明け暮れる日々を過ごしました。

同じソフトを買った同士とも共闘して、勉強会を通じて、懸命に努力に努力を続けていました。
私は当時若手でペーペーでしたが、PC数台を使って日夜検証する、という猛者の人もいました。
多くの仲間が自営業者で、高額のソフトを買うぐらいなので、億単位の投資資金を持っている人も少なくなかったです。
みんな、勝てる方法を探そうと必死で努力しました。
ソフト仲間には、仕手筋の人もいて、みんなでわいわいと検証するのがとても楽しかったのを懐かしく思い出します。
余談ですが、インターネットが無かった当時は、日本有線を引いて株価データをダウンロードしていました。その後、文字放送方式も出てきます。この話、マニアのみの知る人ぞ知るの話ですが、当時の努力をわかってもらえたら嬉しいです。。汗

しかし、10年以上にわたるこうした努力は、実を結ぶことが決してありませんでした。
大勢の仲間も、みんな志虚しく散って行きました。
気がつけば、一人、二人と、破産、借金地獄、破滅、一家離散、行方不明などなど、誰一人として、勝ち組で残る者はいなかったと思います。
ビルを手放す、家が抵当で取られるなど日常茶飯事で、仲間が次々と音信不通になり、生きているのか、死んでいるのかすらわからない状況になっていました。
これが、昭和のバブル崩壊後に、投資家仲間で起きた出来事でした。



ちなみに何故これほど悲惨な虐殺が起きたのかわかりますか。

何故なら、昭和のバブル時代の検証結果を、平成のバブル崩壊後に当てはめたからです。

昭和のバブル上昇時代の押し目買いを平成のバブル崩壊後に自信を持ってやったことで、全滅したのです。

感覚的にも、昭和のバブル時代に覚えた相場観で、3ヶ月下げたら上がるという昭和の法則を平成に適応し、みんな爆死しました。

つまりは、環境の変化が全く見えていなかったのです。

過去の検証、過去の必勝パターンなど、環境変化の前には、屁の突っ張りにもなりません。

そして、その環境変化が常に繰り返し起きているのが相場なのです。


この辛い経験から、私は、次の言葉を身を持って刻まれることになったのです。

最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一生き残ることが出来るのは、変化できる者である。(チャールズ・ダーウィン)


私は、相場の不変の法則を発見しようとして努力を続けた結果、一文無しになりましたが、これについて、ソロスは次のように述べています。

私は特定のルールに従ってゲームに参加しているわけではない。ゲームのルール が変化するのに注目しているだけなんだ。(ジョージ・ソロス)

つまり、相場に対するアプローチが根底から違うのです。

私は、過去のパターンから法則を発見して思考停止しようと努力を続けましたが、ソロスは、変化を読もうとしていたのです。



こうして私は、検証生活を続け結果、例に漏れずに、10年間にわたり、毎年毎年負け続け、働いて稼いだお金を一生懸命に貯金して全て相場に注ぎ込むも、ついに一文無しになったのです。
ボーナスは、全て相場につぎ込みましたし、20代の遊びたいさかりの時の給料もできるだけ節約しては、相場につぎ込んでいました。
それでも、ついに貯金が底をついてしまったのです。
銀行預金も無くなり、証券会社の残高もほとんどなくなりました。
お金が尽きてしまって、もう、相場が続けられなくなりました。
土日は全て検証に明け暮れ、これほど努力を続けたのにもかかわらず。。

今でも、通帳を見て、ゼロになった時を思い出します。
あの時の悲しみとやるせなさは、今でも思い出した時に、涙が出てくるほどです。
当時、結婚していたので、嫁に報告した時、私の努力を知っていた嫁も、とても悲しそうな顔をしてじっとこちらを見つめていたのを思い出します。
せめてもの救いは、リーマンだったので、毎月生活費には困らなかったことでした。
嫁も共働きで食うには困りませんでした。

大勢の仲間の悲惨な状況を見れば、私などは、貯金が無くなっただけのかわいいものなので、全然マシでした。
当時、私自身が、ペーペーのサラリーマンで、他の仲間のように多額の借金ができる中小企業のオーナーとかではなかったことが幸いしたのです。
当時は、信用取引が当たり前なのに加えて、損したら、借金して現引きする、ということもまた常識だったのです。
そして、借金して現引きしたら、空いた信用枠を使って同じ銘柄を信用でナンピンするのです。
何故、こういう常識が生まれたかといえば、昭和のバブル時代が何十年も続いた結果、下げたとしてもまた高値を取ってくるというのが経験則上常識となっていたからです。
今のNYダウなどの動きがまさしくそういう動きでしょう。
リアルで、そういうバブルの渦中にあれば、その時点がバブルであったなどわからないものなのです。
IPOであった当時のNTTは、その諸悪の根源銘柄で、大勢の破産者を量産しました。
バブル時代、銀行は、土地など不動産を担保にするだけでなく、商売の信用さえあれば、目的無しでも、億単位の借金でも簡単にできた時代でした。
人間万事塞翁が馬と言いますが、何が幸いするかわからないものです。


その半年後ぐらいに、私は、何の偶然か、ブートキャンプに入隊することになりました。

そこで行われていたことは、

私の2つの基本的な考え方を木っ端微塵に覆すような天地がひっくりがえるような出来事

だったのです。

そもそも、私がブートキャンプに入隊したのは、

プロがやっている手法、やり方を教えてもらいたい

という不純な動機だったのです 汗

当たり前です。
私の基本的な考え方は、何も変わらなかったのですから。

しかしながら、入隊してから気がつきましたが、その不純な動機は、全く満たされることがないばかりか、私が信じて疑わなかった

勝てる方法さえわかれば相場で勝てるようになる

という私の当時の相場研究の大前提であり、私の相場哲学を木っ端微塵に吹き飛ばすものでした。

こうして、ブートキャンプの月額数万円という高額な授業料を支払って、4年間のキャンプ生活で得た最大の成果とは何だったのか、というと、

勝てる方法さえわかれば相場で勝てるようになるという私の相場哲学はまちがっていた

という落語の落ちにもならないようなものだったのです。

これを納得するために100万円以上の学費を支払って、4年間にもわたって苦しいキャンプ生活をおくることになったのです。

まあ、今、考えれば、アホの極みでした。

しかし、私にとっては、手法万能論の頭を強制リセットするには、それだけの時間と労力が必要だったということだったのでしょう。

これは、イスラム教の信者をユダヤ教に改宗させるぐらいに困難なことだったのだと今では思っています。

何の手法も学ぶことなくブートキャンプを卒業しましたが、私は使用前、使用後のように変わることができました。
すなわち、10年間以上負け続けの負け組投資家から、卒業後は、相場の利益で家族を養う専業投資家に変身したのです。

手法を学んだのではなく、考え方を変えた結果でした。

ついに、秘密の小部屋の鍵を手に入れることができたのです。

相場の本当の勝ち方を理解したのです。

私は、4年間のブートキャンプでのリハビリ生活と100万円ちょっとの授業料で、秘密の小部屋に入れましたが、ほとんどの当時の仲間は、既に破産し、何億円、人によっては何十億円の借金で破滅したわけですから、私は、かすり傷程度で済んだばかりか、授業料など、絆創膏代ぐらいの微々たるものだったと思います。

全ては、私が若くて、甲斐性なしという偶然がもたらした幸運でした。



多くの投資家は、考え方さえ変えれば、今日からでもプロになれるのに、頑として変えようとしない。不思議だ。(林輝太郎)

という林先生の言葉どおり、

イスラム教の信者をユダヤ教に改宗など、簡単にできるはずがないのです。

はっきり言いましょう。

無理です。

私が、4年間にわたる拷問生活を続けて、やっとできたことなのですから、一般人が普通の生活をしながら、できる可能性はほとんどありません。

ただ、少しわかってきたこともあって、長くなるので次回にでも。。


人気ブログランキングへ
訪問者カウンター
プロフィール

あらなみ

Author:あらなみ
職業:個別株投機家・専業デイトレーダー

Twitter: @aranami718

旧ブログ:
あらなみの相場技術研究所

あらなみのトレード水先案内人


あらなみの相場技術研究所別館

カレンダー
06 | 2021/07 | 08
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
カテゴリ
最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
相場本検索
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

相場格言
amazon

検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR