何故勝てるようになったのか 2
2022/01/03 Mon
めちゃくちゃお久しぶりです。
■コメント欄の応酬について
前回の記事で、年末からコメント欄が賑わいを見てせてくれています。
大勢の論客が意見をぶつけてもらえて、大変嬉しく読ませて頂いていました。
今回は、最初、アンチの方から、私のブログについては、結論が無い、答えが無い、というご批判をいただきました。
これは、私の不甲斐ないところですが、実は、私自身が結論が見つからず、未だに迷っているから、当たり前のことなんです。
このブログは、そもそも、相場の本質とは何だろう、相場で勝つ人と負ける人の違いとは何だろう、という疑問を解決しようと、2005年7月から四苦八苦しながら書き続けて、気がついたらもう17年目に入ろうとしています。
今回、アンチの方は、林輝太郎一門の方だったので、私のブログを古くから応援してもらえている林一門の方からの応酬もあって、林一門同士の内紛のような様相となりました。
部外者の方から見れば、何を論争しているのか全然わからない、という応酬だったと思いますが、私は、嬉しくこのやり取りを読ませて頂いていました。
古くからの読者の方ならご存知なのですが、10年以上昔の私のブログのこの地下闘技場では、日常的にバトルが繰り返されていて、コメントが100を超えることなど日常茶飯事でした。
こういう激しい応酬によって、お互いの本音が出て、切磋琢磨されてくることから、私はこのバトルをいつも楽しみにしていました。
最近ではすっかりおとなしくなってしまって、寂しい思いをしていましたから、今回は嬉しくてたまりませんでした。
ちなみに、コメント欄ですが、私が承認制にしているのは、無意味な繰り返しの投稿、業者の宣伝、相場に関係の無い個人攻撃を防ぐためです。
そもそも、私は、アンチさんのコメントは大歓迎ですので、アンチだからという理由で消すことはほんとどありません。
今後も、議論の盛り上がるアンチコメントを是非にお願いいたします。
また、こうやってコメントをいただくことで、私もこうやって記事を書く気になりました。重ねて感謝いたします。
できるだけ、結論と答えがわかるように心がけて行きますので、読んで頂いて、またアンチコメントを頂ければと思います。
■私の宗旨の変遷
話は、少し林一門のところに戻して、私は、元々林一門でした。
商品相場の技術などの林先生の書籍全てはもちろんのこと、「両外し鞘取り教程」「鞘滑り取り教程」などのバラコピーも全て購入し読んでいます。
また、研究部会報の読者としても10年以上購読していました。
商品相場の相場観を書いていた林レポートも2年ぐらい読んでいました。
なので、それなりに一門だったと思います。
その後、私は、当時の最先端であったPC9801というNECのパソコンを使ったテクニカル検証一門に宗旨変えすることになります。
昭和から平成に移る時期で、バブル崩壊という最悪の時期でもありました。
これは、過去の記事でも書いているのでここでは詳しくは書きませんが、
勝てる手法さえわかれば相場は勝てるようになる理論
という考え方ををベースにして、5年間ほど、テクニカルによる相場手法、相場必勝法を求めて、最適化を朝から晩まで繰り返していました。
このテクニカルによる必勝法を求めた時期に、私の成績は最悪期を迎えて、曲がりなりにも勝てていた林流で稼いだ虎の子を全て吐き出すことになります。
そして、1996年、私は、野川ブートキャンプに入隊し、2000年までを練習生として軍曹から間違った根性を叩き直されることになるのです。
この4年間で、私は、典型的負け組から、勝ち組へと転身し、以降、年間で負けることは無くなりました。
■相場の型というもの
では、一体全体、負け組であった私が、何故勝ち組に転身できたのか、ここが読者の一番知りたい部分だと思います。
やっと本論なのですが、その前に、理解を進めてもらうために、もう少し予備知識を書きます。
相場には、
基本の型
というものがあります。
これは何かというと、手法、やり方と言い換えることもできますが、ここでは、わかりやすように型という表現を使います。
この基本の型というのは、相場においては、多くの型が存在し、それぞれ流派を作っています。
家元がいる流派もあり、また、家元がお亡くなりになられた流派もあります。
現存する家元さんには、大勢の生徒さんのいる家元さんもおられて、大いに賑わいを見せているようです。
これが他の習い事とは大きく異なることで、相場をわかりにくくしている原因にもなっています。
例えば、私のやったことのあるもので言うと、スキー。
スキーを習うという時には、基本の型のプロセスがあって、最初はボーゲンからスタートして、シュテムを覚えて、そしてパラレルを習う。
こうやって基本の型を練習してマスターし、上達する、というプロセスをたどります。
この一連のスキー上達の流れは一致していて、基本の型も間違いありません。
柔道にも基本の型があって、最初は受け身から習って、次に技を習います。
この型を練習して覚えて、上達していく、という過程を踏みます。
野球でも、バットの握り方から、スイングの方法など、基本の型というものがあります。
これは、ゴルフでも同じです。
スポーツだけでなく、将棋にしても、麻雀にしても、定石と基本の型というのが存在します。
では、相場において、こういった基本の型というのはどうなのか、というと、相場にも基本の型というものが存在します。
ただ、相場における基本の型というのは、アプローチの違いもあって、千差万別で多種多様なのです。
これが、他のどの習い事とも違って、相場の壁を高くする原因にもなっています。
また、
相場には、勝っている人から見れば、絶対にやってはいけない型と習ってはいけない家元
というものが数多く存在します。というよりも、本物よりも偽物の型ややってはいけない型、エセ家元の方が数多く存在し、しかも、初心者から見れば、むしろそちらの方が正しく感じます。
エセの方が王道に見えて、証券会社などもそちらを勧めることが多いです。
この相場の世界は不思議な世界で、偽物の方がより幅を効かせている世界でもあるのです。
相場の初心者であればあるほど、「10万円が1年で1億円に」という家元に引かれるので、林先生のように地味な練習を数年やりなさい、などと言った話には目もくれないことでしょう。
ママさん料理教室で簡単にフレンチをということの方が、帝国ホテルでの料理修行で3年間は洗い物よりも魅力に感じるのは仕方のないことだろうと思います。
こうして、多くの人が、このやってはいけない型をやったり、習ってはいけない家元に師事して、頑張っているのに、ずっと潜水艦浮上せずになっているのが現実なんです。
私から見ても、大勢のお弟子さんがいる家元なのに、その実態は、大勢のお弟子さんのほとんどは負けているとか、このやり方で勝てるはず無いのになあ、という家元まで、数多くおられます。
果たしてこんなことを教えていて、そもそも勝ててるはずないけどなあという疑問に感じる家元も多いです。
一方で、この基本の型を覚えたからといって、それで勝てるのか、というと、それほど世間は甘くはありません。
これは、スポーツなどでも同じです。
柔道の技を覚えたら、もうオリンピックに行けるのか。
イチローの型を学んだらプロになれるのか。
将棋の定石を覚えたらプロになれるのか。
これと全く同じことが相場でも言えます。
基本の型を覚えたからといって、相場で勝つことはできません。
この基本の型を具体的に書けば、
林一門で言えば、逆張りナンピンと分割売買、ということになります。
タートルで言えば、レンジブレイクアウトです。
成長株派にとっては、オニール流CAN-SLIMということになるでしょう。
とにかく、出版されている本の数だけ流派が存在します。
また、林一門といっても、今回のコメント欄のように、一門の中でも流派がさらに違って、論争になるようなことも起こります。
さらに、林一門から、独自の亜流を作って、家元となって隆盛を極めているお家元までおられます。
また、絶対にやってはいけない型としては、
証券マンの言いなりに売買する型
新興株に闇雲に飛びつく型
なんとなく値動きの釣られて飛びつく型
過剰に検証を最適化して勝率100%を目指す型
などでしょう。
■必勝法はあるのか
必勝法というのは、言い方を変えれば、
覚えただけで勝てるようになる型
ということになります。
多くの人が求めているのが、実はこの型なんです。
これは、星飛雄馬の消える魔球とか、そういうアニメでの世界では存在しますが、現実には大変難しいものです。
じゃあ、必勝法に近いものは存在しないのか。
といえば、実は、存在します。
それは、主には、相場の隙間や歪みを狙うものなのですが、だからこそ、それが弱みにもなるのです。
昔、株之助氏という方が、億トレーダーとして、一世を風靡しました。
しばらくして、彼は、親切にも、自分がどうやって稼いだかをDVDにして教えてくれたのです。
私も、数万円でDVDを購入しました。
彼のやり方は、当時禁じ手でもあった新興株の逆張りでした。
彼の新興株の逆張りは、禁じ手であったが故に通用したのです。
やがて、DVDによって、彼の必勝型は大勢の知るところとなり、彼の対戦相手全員が知るところとなりました。
結果、DVDの購入者全員及び、株之助氏自身も彼の型では儲けることができなくなりました。
何故かというと、
株之助氏の型が、隙間を狙ったものだった
からでした。
同じことが、もっと大規模に起きたのが、タートルのレンジブレイクアウトという型でした。
タートルグループも一世を風靡したのですが、その型(手法)が一般化されるにつれて、勝てなくなりました。
何故こうなってしまうのか、これは、相場が対戦ゲームだからなんです。
■相場は対戦ゲーム
では、型を覚えただけでは、何故ダメなのか。
それは、相場が対戦ゲームだからなんです。
自分が買ったら、相手は売っているわけです。
自分が売ったら、相手は買っているわけです。
その自分の相手というのは、CISさんやテスタさんなどの名うての投資家やヘッジファンドかもしれません。
そういう相手と対戦するのが、この相場というゲームなんです。
基本の型を覚えただけの新人が、この相場という闘技場にのこのこやってきたら、それは、単なるカモなんです。
具体的に相手の顔が見えないだけで、あなたの相手は柔道オリンピック級かもしれないわけです。
それを受け身を覚えて、基本の型をやっといくつかできるようになった新人が相手をするわけです。
あなたの相手のヘッジファンドというボブサップに対して、どんな必殺技をかけるつもりかは知りませんが、そんな小手先の技で倒れる相手ではないのです。
ナンピンにしろ、ブレイクにしろ、色んな基本の技を覚えることだと思いますが、あなたの相手とて、そんなことは100も承知の熟練トレーダーなんです。
自分がブレイクで買おうとしている時に、対戦相手となっているテスタさんが果たしてブレイクを知らないとでも思いますか。
相場は、対戦ゲームであるといこと。
そして、相場で生き残って来ているのは、相場が上手い人にどんどんと絞られていること。
相場が上手い人は、基本の型など全て理解していること。
このことを全く理解しないで、単に勝てる型だけを求めてさまよっている姿は気の毒にすらなります。
相場は対戦ゲームなのだから、相手に自分の手の内を知られることは、死を意味します。
先ほど書いたように、必勝法は存在しますが、みんなに知られた途端に機能しなくなるのは、相場が対戦ゲームなのだから仕方がないのです。
■ファンダメンタルと環境変化
対戦相手が問題というだけでなく、相場には、環境変化という季節性が存在します。
それが、基本の型などを木っ端微塵にしてしまうぐらいの破壊力があるのです。
一方的に売られる、一方的に買われる、永遠とも思えるレンジ相場、など、環境が激変し、一夜明けたら地獄など、相場の日常です。
そして、そういった定石である基本の型を簡単に破壊してしまうのが、ファンダメンタルという超破壊兵器なんです。
どんなテクニカルのいい上げのパターンが出たとしても、どんなに上げ相場だったとしても、その企業が倒産すれば、株価はゼロになってしまうのです。
倒産は極端だとしても、業績の急変や事件事故、そして、マクロではNYの急落など、こういう破壊兵器が横からぶっ飛んできて、全ての基本の型を一瞬にして破壊しつくしてしまいます。
仮にこれは絶対という究極に必殺の型があったとしても、ファンダメンタル兵器の前には一瞬の藻屑となって消え去るのみです。
■再び野川ブートキャンプのこと
やっと本論に戻ってきました。
みなさん、お待ちかねの野川ブートキャンプでどうやって負け組の私が勝ち組に変われたのかの本論です。
まず、ブートキャンプで教えられた基本の型とは、
レンジブレイクアウト
でした。
これを小豆、大豆、コーン、ゴムなどの商品相場でひたすらにやり続けるのです。
当時の野川派一門の型は、レンジブレイクアウトを基本とするものでした。
テクニカルに知識がある方なら先刻ご承知のとおり、当時から、レンジブレイクアウトというのは、はなはだ勝率が低く、精神的に非常に辛いものでした。
なので、基本は、負けて負けて負けて、さらに負けて負けて、でした。
全て、痛みの伴う実戦でした。
最低枚数の1枚でも、1回あたり万単位の損失が出るので、かなりの痛手でした。
ですから、そもそもキャンプに必勝法を期待した多くの練習生は、瞬く間に去って行きました。
半年も経過する間に、半分ぐらいになったのだと後で聞きました。
じゃあ、負けて負けてで何を学んだのかというと、柔道で言うところの受け身です。
相場では、受け身すらできない輩が、大金を投じて、爆死する、というのが定番なんです。
じゃあ、受け身を習ったのはわかった。でも、受け身だけでは勝てないだろう。
次に、ついに勝てる方法を学んだのですね。
となるはずですが、ご期待の沿うことができないのがとても心苦しいのですが、そんなものはありません。
最後まで、4年間、ずっとレンジブレイクアウト一本でした。
ほんと、ここまで引っ張っておいて、なんだよ、この結論は、時間を返せ!!
というご批判のコメントが多数寄せられることを覚悟で事前に書いておきます。
貴重な時間を引っ張って、大変申し訳ございませんでした。。
■4年間のキャンプ生活で身につけたこととは
じゃあ、4年間もキャンプで何をやってたのか、どうして負け組から勝ち組に変化したのか。
ここは、次回にとしたいところですが、次回は半年後になっては申し訳ないので、一気に書いてしまいます。
ここでは、みなさんの期待する型、つまりやり方は、全く関係ありませんでした。
最初から最後まで、型としては、変わらずにレンジブレイクアウトだったからです。
では、何が変わったのか、というと、
①受け身、すなわち損切りの達人になったということ。
②なんとなくの売買ではなく、事前に決めたルールに従った1つの入り口(エントリー)から2つの出口(利食いと損切り)による売買ができるようになったこと。
③順張り師としての乗せとナンピン(押し目買い)など分割売買を通じて、ポジションの作り方を覚えたこと。
④ポジション作りからの繰り返しで、全体としての布陣を考えられるようになったこと。
⑤単発の勝ち負けではなく、一連の売買の中で利益をひねり出すという感覚が身についたこと。
⑥以上の結果として、プロのトレンドフォロアーの売買テクニックを身につけ、徹底した損小利大のトレーダーに転身できたこと。
思いついたことを文章で書いてしまえば、こういうことが主な変化になろうかと思います。
ただ、自分でもわかっていない変化もありますので、これが全てではありません。
つまり、キャンプ生活4年間の結果として、
かつては、典型的なコツコツドカンのヘボプレイヤーだった私が、損小利大の順張り師として再生したわけです。
繰り返しますが、ここには、エントリーの手法の変化は微塵もありません。
何度も繰り返しますが、型(手法)ではない変化で、私は負け組から、専業トレーダーになったのです。
ここ重要です。手法を求めているみなさんの期待に添えないことは十分にわかっていますが、それでも、敢えて言わせてください。
型(手法)ではないところで、専業になったのです。
■順張りに関して
では、自分も順張りで、となる方もおられますが、順張りで勝つには、非常に多くの精神的関門が必要です。
何故、キャンプで4年間も過ごすことになったのか、という理由は、技術面よりも精神面の鍛錬にあったと言ってもいいと思います。
手法は実に簡単ですが、その分、精神的にものすごく辛いことが多いので、正直なところオススメはしません。
ほとんどの人には向いていないことじゃないかと思います。
ただ、一方で、かつての大相場師の多くは、順張り師でした。
リチャード・デニスしかり、ジェシー・リバモアしかりです。
また、CISさんも順張り師です。
順張り師は、特有の相場に対する考え方を持っていて、その得意な考え方が身についているからこそ、厳しい順張りに耐えられるのです。
もし、その心を見たいという方は、是非この本を読んでみてください。
一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学
この本は、多くの方が読まれたことだと思いますが、結局、何が書いてあったのか、と聞かれて答えられないのじゃないかと思います。
この本は、誇り高き順張り師の投資哲学の本なので、一般の投資家には分かりづらいかもしれません。
しかし、見る人にとっては、順張り師の心得としてのバイブル的名言の数々が散りばめられている本なのです。
ということで、やり方を期待した人にとっては、正月早々、しょうもない、何やそんなことか、くだらんブログを読まされてしまった、というお叱りは事前に受付しておきます。汗
今回は、ご批判をもらっている得意の焦らしをやめて、結論をポンと書きました。
しかし、結論を出しても、たぶんそれではほとんどの人には伝わらないことだと思います。
なので、まずは答えから書いて、ここから何故これがポイントになるのかという部分を書いて行こうと思います。
ということで、まだまだ書き足りないので、また具体的なところを書いていきます。今後は、あまり間が開かないように頑張ります。

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前回の記事で、年末からコメント欄が賑わいを見てせてくれています。
大勢の論客が意見をぶつけてもらえて、大変嬉しく読ませて頂いていました。
今回は、最初、アンチの方から、私のブログについては、結論が無い、答えが無い、というご批判をいただきました。
これは、私の不甲斐ないところですが、実は、私自身が結論が見つからず、未だに迷っているから、当たり前のことなんです。
このブログは、そもそも、相場の本質とは何だろう、相場で勝つ人と負ける人の違いとは何だろう、という疑問を解決しようと、2005年7月から四苦八苦しながら書き続けて、気がついたらもう17年目に入ろうとしています。
今回、アンチの方は、林輝太郎一門の方だったので、私のブログを古くから応援してもらえている林一門の方からの応酬もあって、林一門同士の内紛のような様相となりました。
部外者の方から見れば、何を論争しているのか全然わからない、という応酬だったと思いますが、私は、嬉しくこのやり取りを読ませて頂いていました。
古くからの読者の方ならご存知なのですが、10年以上昔の私のブログのこの地下闘技場では、日常的にバトルが繰り返されていて、コメントが100を超えることなど日常茶飯事でした。
こういう激しい応酬によって、お互いの本音が出て、切磋琢磨されてくることから、私はこのバトルをいつも楽しみにしていました。
最近ではすっかりおとなしくなってしまって、寂しい思いをしていましたから、今回は嬉しくてたまりませんでした。
ちなみに、コメント欄ですが、私が承認制にしているのは、無意味な繰り返しの投稿、業者の宣伝、相場に関係の無い個人攻撃を防ぐためです。
そもそも、私は、アンチさんのコメントは大歓迎ですので、アンチだからという理由で消すことはほんとどありません。
今後も、議論の盛り上がるアンチコメントを是非にお願いいたします。
また、こうやってコメントをいただくことで、私もこうやって記事を書く気になりました。重ねて感謝いたします。
できるだけ、結論と答えがわかるように心がけて行きますので、読んで頂いて、またアンチコメントを頂ければと思います。
■私の宗旨の変遷
話は、少し林一門のところに戻して、私は、元々林一門でした。
商品相場の技術などの林先生の書籍全てはもちろんのこと、「両外し鞘取り教程」「鞘滑り取り教程」などのバラコピーも全て購入し読んでいます。
また、研究部会報の読者としても10年以上購読していました。
商品相場の相場観を書いていた林レポートも2年ぐらい読んでいました。
なので、それなりに一門だったと思います。
その後、私は、当時の最先端であったPC9801というNECのパソコンを使ったテクニカル検証一門に宗旨変えすることになります。
昭和から平成に移る時期で、バブル崩壊という最悪の時期でもありました。
これは、過去の記事でも書いているのでここでは詳しくは書きませんが、
勝てる手法さえわかれば相場は勝てるようになる理論
という考え方ををベースにして、5年間ほど、テクニカルによる相場手法、相場必勝法を求めて、最適化を朝から晩まで繰り返していました。
このテクニカルによる必勝法を求めた時期に、私の成績は最悪期を迎えて、曲がりなりにも勝てていた林流で稼いだ虎の子を全て吐き出すことになります。
そして、1996年、私は、野川ブートキャンプに入隊し、2000年までを練習生として軍曹から間違った根性を叩き直されることになるのです。
この4年間で、私は、典型的負け組から、勝ち組へと転身し、以降、年間で負けることは無くなりました。
■相場の型というもの
では、一体全体、負け組であった私が、何故勝ち組に転身できたのか、ここが読者の一番知りたい部分だと思います。
やっと本論なのですが、その前に、理解を進めてもらうために、もう少し予備知識を書きます。
相場には、
基本の型
というものがあります。
これは何かというと、手法、やり方と言い換えることもできますが、ここでは、わかりやすように型という表現を使います。
この基本の型というのは、相場においては、多くの型が存在し、それぞれ流派を作っています。
家元がいる流派もあり、また、家元がお亡くなりになられた流派もあります。
現存する家元さんには、大勢の生徒さんのいる家元さんもおられて、大いに賑わいを見せているようです。
これが他の習い事とは大きく異なることで、相場をわかりにくくしている原因にもなっています。
例えば、私のやったことのあるもので言うと、スキー。
スキーを習うという時には、基本の型のプロセスがあって、最初はボーゲンからスタートして、シュテムを覚えて、そしてパラレルを習う。
こうやって基本の型を練習してマスターし、上達する、というプロセスをたどります。
この一連のスキー上達の流れは一致していて、基本の型も間違いありません。
柔道にも基本の型があって、最初は受け身から習って、次に技を習います。
この型を練習して覚えて、上達していく、という過程を踏みます。
野球でも、バットの握り方から、スイングの方法など、基本の型というものがあります。
これは、ゴルフでも同じです。
スポーツだけでなく、将棋にしても、麻雀にしても、定石と基本の型というのが存在します。
では、相場において、こういった基本の型というのはどうなのか、というと、相場にも基本の型というものが存在します。
ただ、相場における基本の型というのは、アプローチの違いもあって、千差万別で多種多様なのです。
これが、他のどの習い事とも違って、相場の壁を高くする原因にもなっています。
また、
相場には、勝っている人から見れば、絶対にやってはいけない型と習ってはいけない家元
というものが数多く存在します。というよりも、本物よりも偽物の型ややってはいけない型、エセ家元の方が数多く存在し、しかも、初心者から見れば、むしろそちらの方が正しく感じます。
エセの方が王道に見えて、証券会社などもそちらを勧めることが多いです。
この相場の世界は不思議な世界で、偽物の方がより幅を効かせている世界でもあるのです。
相場の初心者であればあるほど、「10万円が1年で1億円に」という家元に引かれるので、林先生のように地味な練習を数年やりなさい、などと言った話には目もくれないことでしょう。
ママさん料理教室で簡単にフレンチをということの方が、帝国ホテルでの料理修行で3年間は洗い物よりも魅力に感じるのは仕方のないことだろうと思います。
こうして、多くの人が、このやってはいけない型をやったり、習ってはいけない家元に師事して、頑張っているのに、ずっと潜水艦浮上せずになっているのが現実なんです。
私から見ても、大勢のお弟子さんがいる家元なのに、その実態は、大勢のお弟子さんのほとんどは負けているとか、このやり方で勝てるはず無いのになあ、という家元まで、数多くおられます。
果たしてこんなことを教えていて、そもそも勝ててるはずないけどなあという疑問に感じる家元も多いです。
一方で、この基本の型を覚えたからといって、それで勝てるのか、というと、それほど世間は甘くはありません。
これは、スポーツなどでも同じです。
柔道の技を覚えたら、もうオリンピックに行けるのか。
イチローの型を学んだらプロになれるのか。
将棋の定石を覚えたらプロになれるのか。
これと全く同じことが相場でも言えます。
基本の型を覚えたからといって、相場で勝つことはできません。
この基本の型を具体的に書けば、
林一門で言えば、逆張りナンピンと分割売買、ということになります。
タートルで言えば、レンジブレイクアウトです。
成長株派にとっては、オニール流CAN-SLIMということになるでしょう。
とにかく、出版されている本の数だけ流派が存在します。
また、林一門といっても、今回のコメント欄のように、一門の中でも流派がさらに違って、論争になるようなことも起こります。
さらに、林一門から、独自の亜流を作って、家元となって隆盛を極めているお家元までおられます。
また、絶対にやってはいけない型としては、
証券マンの言いなりに売買する型
新興株に闇雲に飛びつく型
なんとなく値動きの釣られて飛びつく型
過剰に検証を最適化して勝率100%を目指す型
などでしょう。
■必勝法はあるのか
必勝法というのは、言い方を変えれば、
覚えただけで勝てるようになる型
ということになります。
多くの人が求めているのが、実はこの型なんです。
これは、星飛雄馬の消える魔球とか、そういうアニメでの世界では存在しますが、現実には大変難しいものです。
じゃあ、必勝法に近いものは存在しないのか。
といえば、実は、存在します。
それは、主には、相場の隙間や歪みを狙うものなのですが、だからこそ、それが弱みにもなるのです。
昔、株之助氏という方が、億トレーダーとして、一世を風靡しました。
しばらくして、彼は、親切にも、自分がどうやって稼いだかをDVDにして教えてくれたのです。
私も、数万円でDVDを購入しました。
彼のやり方は、当時禁じ手でもあった新興株の逆張りでした。
彼の新興株の逆張りは、禁じ手であったが故に通用したのです。
やがて、DVDによって、彼の必勝型は大勢の知るところとなり、彼の対戦相手全員が知るところとなりました。
結果、DVDの購入者全員及び、株之助氏自身も彼の型では儲けることができなくなりました。
何故かというと、
株之助氏の型が、隙間を狙ったものだった
からでした。
同じことが、もっと大規模に起きたのが、タートルのレンジブレイクアウトという型でした。
タートルグループも一世を風靡したのですが、その型(手法)が一般化されるにつれて、勝てなくなりました。
何故こうなってしまうのか、これは、相場が対戦ゲームだからなんです。
■相場は対戦ゲーム
では、型を覚えただけでは、何故ダメなのか。
それは、相場が対戦ゲームだからなんです。
自分が買ったら、相手は売っているわけです。
自分が売ったら、相手は買っているわけです。
その自分の相手というのは、CISさんやテスタさんなどの名うての投資家やヘッジファンドかもしれません。
そういう相手と対戦するのが、この相場というゲームなんです。
基本の型を覚えただけの新人が、この相場という闘技場にのこのこやってきたら、それは、単なるカモなんです。
具体的に相手の顔が見えないだけで、あなたの相手は柔道オリンピック級かもしれないわけです。
それを受け身を覚えて、基本の型をやっといくつかできるようになった新人が相手をするわけです。
あなたの相手のヘッジファンドというボブサップに対して、どんな必殺技をかけるつもりかは知りませんが、そんな小手先の技で倒れる相手ではないのです。
ナンピンにしろ、ブレイクにしろ、色んな基本の技を覚えることだと思いますが、あなたの相手とて、そんなことは100も承知の熟練トレーダーなんです。
自分がブレイクで買おうとしている時に、対戦相手となっているテスタさんが果たしてブレイクを知らないとでも思いますか。
相場は、対戦ゲームであるといこと。
そして、相場で生き残って来ているのは、相場が上手い人にどんどんと絞られていること。
相場が上手い人は、基本の型など全て理解していること。
このことを全く理解しないで、単に勝てる型だけを求めてさまよっている姿は気の毒にすらなります。
相場は対戦ゲームなのだから、相手に自分の手の内を知られることは、死を意味します。
先ほど書いたように、必勝法は存在しますが、みんなに知られた途端に機能しなくなるのは、相場が対戦ゲームなのだから仕方がないのです。
■ファンダメンタルと環境変化
対戦相手が問題というだけでなく、相場には、環境変化という季節性が存在します。
それが、基本の型などを木っ端微塵にしてしまうぐらいの破壊力があるのです。
一方的に売られる、一方的に買われる、永遠とも思えるレンジ相場、など、環境が激変し、一夜明けたら地獄など、相場の日常です。
そして、そういった定石である基本の型を簡単に破壊してしまうのが、ファンダメンタルという超破壊兵器なんです。
どんなテクニカルのいい上げのパターンが出たとしても、どんなに上げ相場だったとしても、その企業が倒産すれば、株価はゼロになってしまうのです。
倒産は極端だとしても、業績の急変や事件事故、そして、マクロではNYの急落など、こういう破壊兵器が横からぶっ飛んできて、全ての基本の型を一瞬にして破壊しつくしてしまいます。
仮にこれは絶対という究極に必殺の型があったとしても、ファンダメンタル兵器の前には一瞬の藻屑となって消え去るのみです。
■再び野川ブートキャンプのこと
やっと本論に戻ってきました。
みなさん、お待ちかねの野川ブートキャンプでどうやって負け組の私が勝ち組に変われたのかの本論です。
まず、ブートキャンプで教えられた基本の型とは、
レンジブレイクアウト
でした。
これを小豆、大豆、コーン、ゴムなどの商品相場でひたすらにやり続けるのです。
当時の野川派一門の型は、レンジブレイクアウトを基本とするものでした。
テクニカルに知識がある方なら先刻ご承知のとおり、当時から、レンジブレイクアウトというのは、はなはだ勝率が低く、精神的に非常に辛いものでした。
なので、基本は、負けて負けて負けて、さらに負けて負けて、でした。
全て、痛みの伴う実戦でした。
最低枚数の1枚でも、1回あたり万単位の損失が出るので、かなりの痛手でした。
ですから、そもそもキャンプに必勝法を期待した多くの練習生は、瞬く間に去って行きました。
半年も経過する間に、半分ぐらいになったのだと後で聞きました。
じゃあ、負けて負けてで何を学んだのかというと、柔道で言うところの受け身です。
相場では、受け身すらできない輩が、大金を投じて、爆死する、というのが定番なんです。
じゃあ、受け身を習ったのはわかった。でも、受け身だけでは勝てないだろう。
次に、ついに勝てる方法を学んだのですね。
となるはずですが、ご期待の沿うことができないのがとても心苦しいのですが、そんなものはありません。
最後まで、4年間、ずっとレンジブレイクアウト一本でした。
ほんと、ここまで引っ張っておいて、なんだよ、この結論は、時間を返せ!!
というご批判のコメントが多数寄せられることを覚悟で事前に書いておきます。
貴重な時間を引っ張って、大変申し訳ございませんでした。。
■4年間のキャンプ生活で身につけたこととは
じゃあ、4年間もキャンプで何をやってたのか、どうして負け組から勝ち組に変化したのか。
ここは、次回にとしたいところですが、次回は半年後になっては申し訳ないので、一気に書いてしまいます。
ここでは、みなさんの期待する型、つまりやり方は、全く関係ありませんでした。
最初から最後まで、型としては、変わらずにレンジブレイクアウトだったからです。
では、何が変わったのか、というと、
①受け身、すなわち損切りの達人になったということ。
②なんとなくの売買ではなく、事前に決めたルールに従った1つの入り口(エントリー)から2つの出口(利食いと損切り)による売買ができるようになったこと。
③順張り師としての乗せとナンピン(押し目買い)など分割売買を通じて、ポジションの作り方を覚えたこと。
④ポジション作りからの繰り返しで、全体としての布陣を考えられるようになったこと。
⑤単発の勝ち負けではなく、一連の売買の中で利益をひねり出すという感覚が身についたこと。
⑥以上の結果として、プロのトレンドフォロアーの売買テクニックを身につけ、徹底した損小利大のトレーダーに転身できたこと。
思いついたことを文章で書いてしまえば、こういうことが主な変化になろうかと思います。
ただ、自分でもわかっていない変化もありますので、これが全てではありません。
つまり、キャンプ生活4年間の結果として、
かつては、典型的なコツコツドカンのヘボプレイヤーだった私が、損小利大の順張り師として再生したわけです。
繰り返しますが、ここには、エントリーの手法の変化は微塵もありません。
何度も繰り返しますが、型(手法)ではない変化で、私は負け組から、専業トレーダーになったのです。
ここ重要です。手法を求めているみなさんの期待に添えないことは十分にわかっていますが、それでも、敢えて言わせてください。
型(手法)ではないところで、専業になったのです。
■順張りに関して
では、自分も順張りで、となる方もおられますが、順張りで勝つには、非常に多くの精神的関門が必要です。
何故、キャンプで4年間も過ごすことになったのか、という理由は、技術面よりも精神面の鍛錬にあったと言ってもいいと思います。
手法は実に簡単ですが、その分、精神的にものすごく辛いことが多いので、正直なところオススメはしません。
ほとんどの人には向いていないことじゃないかと思います。
ただ、一方で、かつての大相場師の多くは、順張り師でした。
リチャード・デニスしかり、ジェシー・リバモアしかりです。
また、CISさんも順張り師です。
順張り師は、特有の相場に対する考え方を持っていて、その得意な考え方が身についているからこそ、厳しい順張りに耐えられるのです。
もし、その心を見たいという方は、是非この本を読んでみてください。
一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学
この本は、多くの方が読まれたことだと思いますが、結局、何が書いてあったのか、と聞かれて答えられないのじゃないかと思います。
この本は、誇り高き順張り師の投資哲学の本なので、一般の投資家には分かりづらいかもしれません。
しかし、見る人にとっては、順張り師の心得としてのバイブル的名言の数々が散りばめられている本なのです。
ということで、やり方を期待した人にとっては、正月早々、しょうもない、何やそんなことか、くだらんブログを読まされてしまった、というお叱りは事前に受付しておきます。汗
今回は、ご批判をもらっている得意の焦らしをやめて、結論をポンと書きました。
しかし、結論を出しても、たぶんそれではほとんどの人には伝わらないことだと思います。
なので、まずは答えから書いて、ここから何故これがポイントになるのかという部分を書いて行こうと思います。
ということで、まだまだ書き足りないので、また具体的なところを書いていきます。今後は、あまり間が開かないように頑張ります。

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