人々に知れ渡った投資戦略の末路
2016/12/18 Sun
お久しぶりのぶりの照焼です。
brexitに引き続き、はたまたサプライズで、トランプが勝ったこと、そして、トランプが勝って上昇相場が起きたこと、ほんとびっくりの連続でした。想定外の連続ですね。
今年は、ほんとにサプライズイヤーとなりました。
これを見ても、如何にファンダメンタルを反映する相場の予測が難しいのか、ということがよくわかることだと思います。
さて、興味のそそられる記事がろんぐて〜るさんのツイッターで紹介されていましたので、それをご紹介したいと思います。
まずは、この記事を読んでみてください。
東証一部への昇格投資法は流行りすぎた!
何故、こういうことが起きるのでしょう。
この件については、前に記事にしたことがありますので、こちらも読んでいただければわかりやすいと思います。
独創性
こちらの記事で、小保方さんを絶賛している部分はすっとばしてもらって(笑)、その下からちょっと目を通していただければと思います。
人口に膾炙する (じんこうにかいしゃする)
ちょっとむずかしい言葉なんですが、意味は、「世間の人々に広く知れ渡り、もてはやされること。」ということです。
故事ことわざ辞典によると、「膾炙」の「膾」は、なますのことで、細かく切った肉や魚のこと。「炙」は、あぶった肉のこと。なますも炙り肉もごちそうで、誰の口にもおいしく感じられ、もてはやされることから、だそうです。
実は、このことが投資戦略においては重大な問題となってくるのです。
前の記事では触れていませんが、トレード戦略が何故大勢の知るところとなったらダメになるのか、という原点の疑問を考えてみようと思います。
何故この点に着目するのかというと、相場を理解する上で重要な手がかりとなるからです。
「せどり」ってご存知ですか。
せどりというのは、店舗の処分品や値付けが甘い商品を安く仕入れて、アマゾンなどのECサイトで高く売るビジネスの事です。
よく、ブックオフとかに行くと、盛んにスマホとかをいじりながら本を吟味している人を見かけませんか。
その人は、せどらー(せどりをしている人)なのかもしれません。
つまり、ブックオフで、甘い値付けがされている本などを買って、アマゾンやヤフオクで高く転売する、ということを狙っている人たちです。
他にも、ヤマダ電機のセールで買ったものをネットで転売するとか、価格差を狙ってサヤ抜きを利益に変えようと頑張っているせどらーさんたちが結構います。
では、せどらーさんたちの利益の源泉はどこにあるのでしょう。
それは、「甘い値付け」にあるわけです。
じゃあ、何故、甘い値付けが存在するのでしょう。
それは、物理的な条件があったりして、情報格差が生じ、その情報格差によって、甘い値付けが残ってしまうわけです。
その甘い値付けを狙って、サヤを抜こうとするのがせどらーのエッジなわけです。
つまりは、情報格差を利益の源泉としているのがせどりである、という言い方もできます。
もし、情報格差が起きなければ、そもそもアマゾンで1000円で売っている本を300円で売るわけがありません。
ここでのポイントは、
情報格差によって(つまり知らなくて)安く売っている人が存在する
ということが何よりも重要なのです。
さらに、そういう安値で売る人がいたとしても、同じせどらーが大勢いて、その300円めがけて押し寄せるような状況になれば、自分がその300円のものを買える隙間はほとんど無くなってしまいます。
つまり、このせどりが成功するためには、
①アマゾンで1000円で売れるものを300円という甘い値付けで売る人が存在すること
②その300円が安いということを知っているライバルが少ないこと
が条件となるのです。
ここで、条件変更をして、仮に、その本はアマゾンの中古で1000円で売れるのだ、ということをみんなが知ったと仮定します。
そうすると、何が起きるでしょう。
①300円という甘い値付けをする人が現れるのか
②300円で売られているその本が見逃されずに放置されているのか
と考えると、いずれもNOとなります。つまり、せどりが不成立となるのです。
ここで、この本についてのマーケットは効率化した、ということになるわけです。
つまり、せどりのチャンスは無くなった、ということなのです。
せどりとは、あくまでも隙間です。大勢が知ることによってせどりできるチャンスは閉じられるのです。
実は、このせどりチャンスもどんどん厳しくなっているのが現実です。
せどりということが、世間で知られるようになったことに加えて、ブックオフなどの業者も値付けをシステム化し、効率化していることがその原因なのです。
もうここまで書くと、次に私が何を書こうとしているのかは、誰しも読めることだと思いますが、一応(笑)簡単に書いておきます。
相場において、エッジとなる隙間は、人の目に触れにくい形でひっそりと存在することはあるのだけれど、本に書かれたり、ネットで評判になることによって、需給関係が効率化され、その隙間は閉じられることとなる
ということなのです。
①その値段で買えば儲かるということをみんなが知ることとなれば、誰がその値段で売るのでしょう
②その値段で買えば儲かるということをみんなが知っていれば、誰がそれを見逃すのでしょう
マーケットとは、売る人と買う人がバランスして初めて成立するものなのだ、という根源的な理由に根拠があることなんです。
こういうマーケットの構造を知らない人が、本を出版する毎に、ネットで書く毎に、投資戦略が1つ1つ消えていくことになっています。
相場というものは、売り手と買い手が双方同数出会ったところが価格となる、という大原則をもう一度しっかりと理解するべきだと思います。
自分が買いたいと思った価格で、同じように売りたいと思う人がいるから、売買が成立するのだ、ということです。
みんなが知っている勝てる方法が存在しないというのは、この大原則に基づく当然の結末なのです。
こういうことを知ってどうなる、と思われるかもしれませんが、人と同じことをする、ということがどういう意味を持つのかなど、マーケットの根本の理解を深めるのに重要なヒントになると私は思います。
NYリバーサルという225先物戦略も昔は有効に機能していたのですが、ある女性が本を出版した結果、一撃で有効性は消えてしまいました。
その本を出版した女性は、「先物は流動性が高いから大丈夫だ」と言っておられたのですが、マーケットの理解があまりにもお粗末だと言わざるを得ません。
結局、知る人ぞ知るその戦略でそれまで利益を得ていた少数の投資家への大迷惑以外、誰の得になることもなく、わずかな本の印税だけが彼女の手に入って終わり、という結末を迎えることとなりました。
本を買った人は全員儲からずに終わったことは言うまでもありません。
今後も、この手の本が出版される毎に、戦略が消えていくことになろうかと思います。
ですので、私は、この手の本が出版されれば読むようにしていますが、それは、他の読者とは違った目線であって、本の出版によって本で紹介された投資戦略の有効性が無くなることをわかっておくために読んでいるのです。
つまり、手品の種明かしをされたら、もうみんなが種を知っている手品は使えない、という意味で読むわけです。
こういうことを書くと、「じゃあ、やっぱり勝っている人というのは、人の知らない秘密の方法を知っているから勝っているのか!!」という疑問がわいてくるかもしれませんね。
システムトレードにおいては、かなりこのご意見は近いとは思います。やはり人には見えていないエッジが重要な役割を果たすものだと思います。
しかし、現実のシステムトレードのエッジなど、非常に小さなスライトエッジであることがほとんどなのですよ。
儲かるかどうか、もうぎりぎりの期待値の中で、相当な検証を重ねて微細なエッジをかすめ取る、というのが現実のシステムトレードなんです。
多くの人が考えているような、そんな簡単に勝てて、そのとおりやったら儲かってウハウハなど、ほぼ存在しない、というのが、私の知る範囲での現実のシステムの姿なのです。
一方で、裁量トレードにおいてのこの質問に対する私の考えですが、「確かにエッジのある戦略を知っていれば楽だけれど、それだけが勝てる理由ではありません。」ということになろうかと思います。
「手法など関係ない。どうでもよい。」という極論を言う人もいますが、逆に私はそれにも賛同しかねます。
トレード技術、目利き、トレード心理面、リスクコントロール面も大事だけれど、同じようにトレード戦略も大事なことに変わりはなく、総合力が大事である、ということだと思うのですね。

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これを見ても、如何にファンダメンタルを反映する相場の予測が難しいのか、ということがよくわかることだと思います。
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ちょっとむずかしい言葉なんですが、意味は、「世間の人々に広く知れ渡り、もてはやされること。」ということです。
故事ことわざ辞典によると、「膾炙」の「膾」は、なますのことで、細かく切った肉や魚のこと。「炙」は、あぶった肉のこと。なますも炙り肉もごちそうで、誰の口にもおいしく感じられ、もてはやされることから、だそうです。
実は、このことが投資戦略においては重大な問題となってくるのです。
前の記事では触れていませんが、トレード戦略が何故大勢の知るところとなったらダメになるのか、という原点の疑問を考えてみようと思います。
何故この点に着目するのかというと、相場を理解する上で重要な手がかりとなるからです。
「せどり」ってご存知ですか。
せどりというのは、店舗の処分品や値付けが甘い商品を安く仕入れて、アマゾンなどのECサイトで高く売るビジネスの事です。
よく、ブックオフとかに行くと、盛んにスマホとかをいじりながら本を吟味している人を見かけませんか。
その人は、せどらー(せどりをしている人)なのかもしれません。
つまり、ブックオフで、甘い値付けがされている本などを買って、アマゾンやヤフオクで高く転売する、ということを狙っている人たちです。
他にも、ヤマダ電機のセールで買ったものをネットで転売するとか、価格差を狙ってサヤ抜きを利益に変えようと頑張っているせどらーさんたちが結構います。
では、せどらーさんたちの利益の源泉はどこにあるのでしょう。
それは、「甘い値付け」にあるわけです。
じゃあ、何故、甘い値付けが存在するのでしょう。
それは、物理的な条件があったりして、情報格差が生じ、その情報格差によって、甘い値付けが残ってしまうわけです。
その甘い値付けを狙って、サヤを抜こうとするのがせどらーのエッジなわけです。
つまりは、情報格差を利益の源泉としているのがせどりである、という言い方もできます。
もし、情報格差が起きなければ、そもそもアマゾンで1000円で売っている本を300円で売るわけがありません。
ここでのポイントは、
情報格差によって(つまり知らなくて)安く売っている人が存在する
ということが何よりも重要なのです。
さらに、そういう安値で売る人がいたとしても、同じせどらーが大勢いて、その300円めがけて押し寄せるような状況になれば、自分がその300円のものを買える隙間はほとんど無くなってしまいます。
つまり、このせどりが成功するためには、
①アマゾンで1000円で売れるものを300円という甘い値付けで売る人が存在すること
②その300円が安いということを知っているライバルが少ないこと
が条件となるのです。
ここで、条件変更をして、仮に、その本はアマゾンの中古で1000円で売れるのだ、ということをみんなが知ったと仮定します。
そうすると、何が起きるでしょう。
①300円という甘い値付けをする人が現れるのか
②300円で売られているその本が見逃されずに放置されているのか
と考えると、いずれもNOとなります。つまり、せどりが不成立となるのです。
ここで、この本についてのマーケットは効率化した、ということになるわけです。
つまり、せどりのチャンスは無くなった、ということなのです。
せどりとは、あくまでも隙間です。大勢が知ることによってせどりできるチャンスは閉じられるのです。
実は、このせどりチャンスもどんどん厳しくなっているのが現実です。
せどりということが、世間で知られるようになったことに加えて、ブックオフなどの業者も値付けをシステム化し、効率化していることがその原因なのです。
もうここまで書くと、次に私が何を書こうとしているのかは、誰しも読めることだと思いますが、一応(笑)簡単に書いておきます。
相場において、エッジとなる隙間は、人の目に触れにくい形でひっそりと存在することはあるのだけれど、本に書かれたり、ネットで評判になることによって、需給関係が効率化され、その隙間は閉じられることとなる
ということなのです。
①その値段で買えば儲かるということをみんなが知ることとなれば、誰がその値段で売るのでしょう
②その値段で買えば儲かるということをみんなが知っていれば、誰がそれを見逃すのでしょう
マーケットとは、売る人と買う人がバランスして初めて成立するものなのだ、という根源的な理由に根拠があることなんです。
こういうマーケットの構造を知らない人が、本を出版する毎に、ネットで書く毎に、投資戦略が1つ1つ消えていくことになっています。
相場というものは、売り手と買い手が双方同数出会ったところが価格となる、という大原則をもう一度しっかりと理解するべきだと思います。
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みんなが知っている勝てる方法が存在しないというのは、この大原則に基づく当然の結末なのです。
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NYリバーサルという225先物戦略も昔は有効に機能していたのですが、ある女性が本を出版した結果、一撃で有効性は消えてしまいました。
その本を出版した女性は、「先物は流動性が高いから大丈夫だ」と言っておられたのですが、マーケットの理解があまりにもお粗末だと言わざるを得ません。
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本を買った人は全員儲からずに終わったことは言うまでもありません。
今後も、この手の本が出版される毎に、戦略が消えていくことになろうかと思います。
ですので、私は、この手の本が出版されれば読むようにしていますが、それは、他の読者とは違った目線であって、本の出版によって本で紹介された投資戦略の有効性が無くなることをわかっておくために読んでいるのです。
つまり、手品の種明かしをされたら、もうみんなが種を知っている手品は使えない、という意味で読むわけです。
こういうことを書くと、「じゃあ、やっぱり勝っている人というのは、人の知らない秘密の方法を知っているから勝っているのか!!」という疑問がわいてくるかもしれませんね。
システムトレードにおいては、かなりこのご意見は近いとは思います。やはり人には見えていないエッジが重要な役割を果たすものだと思います。
しかし、現実のシステムトレードのエッジなど、非常に小さなスライトエッジであることがほとんどなのですよ。
儲かるかどうか、もうぎりぎりの期待値の中で、相当な検証を重ねて微細なエッジをかすめ取る、というのが現実のシステムトレードなんです。
多くの人が考えているような、そんな簡単に勝てて、そのとおりやったら儲かってウハウハなど、ほぼ存在しない、というのが、私の知る範囲での現実のシステムの姿なのです。
一方で、裁量トレードにおいてのこの質問に対する私の考えですが、「確かにエッジのある戦略を知っていれば楽だけれど、それだけが勝てる理由ではありません。」ということになろうかと思います。
「手法など関係ない。どうでもよい。」という極論を言う人もいますが、逆に私はそれにも賛同しかねます。
トレード技術、目利き、トレード心理面、リスクコントロール面も大事だけれど、同じようにトレード戦略も大事なことに変わりはなく、総合力が大事である、ということだと思うのですね。

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コメント
No title- タカユキ / URL :
- 2016-12-18 13:22 :
- 編集
まあ、今回は残念ながら見逃しです。
私の場合、スイングトレードですから、大きな相場の変化がエッジとなりますし、それをネタに稼いできましたし、それが無い時や見えてない時に手を出してもグダグダなのですね。
大きなものを掴みたい、です。
でも、大きなものって年間1回出るか出ないかなんですね、日足のトレンドですから当然ですが。
私は兼業ですから、焦らず待つしかないのですね。
大きな相場の変化をネタに勝つということで、私の場合で言えば、サブプライムショックとOEに伴うドル円の下落であったり、ECBの緩和政策に伴うユーロドルの下落であったり、今年の利上げの引き延ばしによるドル円の下落なんかですね。
このように、スイングトレーダーが勝つには環境のフォローが不可欠なのですね。
負ける理由は簡単です。
熱くなってポジションサイズいっぱいにデタラメトレードを立て続けにやるからですね。エッジも戦略もどこへやら?ってなものです。そういう冷静なことを考える余裕があるのならば、立て続けにやられることはないわけです 笑
大きく勝つも大きく負けるも両方経験しましたから、見えない、分らなければ、待つしかない、のですね。
Re: No title- あらなみ / URL :
- 2016-12-18 13:42 :
- 編集
デイトレの場合、環境の影響が少ないのが特徴で、環境の影響を嫌ってデイトレをしている、とも言えるのですね。
>熱くなってポジションサイズいっぱいにデタラメトレードを立て続けにやるからですね。エッジも戦略もどこへやら?ってなものです。
そういうことなのですねえ。
実は、ここで戦略とか何とか色々議論していますが、結局、戦略もへったくれもない状態に陥ること、こそが落っこちる真の原因なのですよね。
ただ勝ちたい、取り返したい、という一心で感情に任せて突撃する。こうなったらただの阿呆ってことで坂道を転げ落ちるが如く崩れるわけです。
No title- ととろん / URL :
- 2016-12-18 22:40 :
- 編集
なんでです?
御大。
No title- タカユキ / URL :
- 2016-12-18 23:05 :
- 編集
かつて高校野球を席捲した徳島の池田高校の事例ですね。
ど田舎の公立高校が何故甲子園を制覇できたのか?
それは金属パットの特性を活かした徹底した上半身の鍛え上げ、にあったのですね。
腕力が強ければ当たればとりあえず飛んでしまう金属バットの特性を活かすべく、いち早く実践したのですね。
こうして腕力に任せてとにかく打ちまくるという、やまびこ打線が誕生したわけです。
この手法がピークを迎えたのが82年の夏の甲子園です。
堅守の広島商を相手に、打力で粉砕してしまったのですね。いかに堅守を誇ろうと打球が頭上を飛び越えてしまうのだからどうしようもないのです。
こうして池田高校は栄華の頂点に立ったわけなのです。
その結果何が起こったのか?
皆が池田高校のやり方を参考し始めたのです。
全国に無数の池田高校が誕生したようなものなのですね。
こうして比較優位性は失われ、池田高校の栄華は終焉したわけです。
自分と同じく、他人も己の利益を賭けて必死こいてやってるわけですから、いつまでもムシのいい状態が続くわけないのですね。
相場もスポーツも商売も同じことなのでしょう。
Re: No title- あらなみ / URL :
- 2016-12-19 13:58 :
- 編集
書かれているとおりですね。
優位性(エッジ)というのは、あくまでも「他に対する優位性」なんですよね。
もし、他が同じなら、もはや優位性などどこにも存在しません。
優位性の意味を考えたら、実に当たり前の話なんですが、ここを理解していない人がかなりいるのです。
相場を自然科学と同じように考えている人が結構います。
自然科学の法則というのは、誰が理解しようが、法則性に変化は起きません。
引力に人が気がついたからといって引力が消えることはないわけです。
ところが、相場を含む社会現象というのは、参加者自身の現象への理解が社会現象そのものにフィードバックする性質を持っているのです。
これが、ソロスの言うところの再帰性理論なのですが、参加者の意識が法則そのものを変えてしまう性質を持っているのです。
このことに気がつかない人は、「相場に絶対の法則」を求めてしまって、迷宮にはまり込むことになるわけです。
相場は常に変化し続けています。
特に短期のエッジなど、次から次に変わるので大変なのですよね。
No title- popota / URL :
- 2016-12-19 14:17 :
- 編集
専業でシステムトレードをやっている者です。
あらなみさんのブログは2年くらい前から拝見させていただいています。
こういった考え方もあるのだなあ、納得。でも、自分にはこういったスキルはないなあ。臨機応変さに欠けるしなあ、なんて思いながら、楽しく読まさせてもらっています。
今回の記事のシステムトレードへの言及の「ぎりぎりの期待値の中で」という箇所に、うんうん、そうだよねって思ったので、少しコメント&質問させてください。
私は、日計りや2日~3日間の短期主体で、4本値と出来高を用いたシステムトレードをしていますが、あらなみさんの書かれているとおり、実際期待値はぎりぎりです。
1取引当たりの取引額に対する平均利益率は0.2%程度です。
アベノミクス全盛の2013年は0.6%程度の利益率が出ましたが、環境が良かったためであることは明らかです。
今は、証券会社が提供している大口向けの手数料無料サービスの恩恵を受けて、何とか利益を確保している状態であり、もし手数料有りだと相当厳しくなります。
さらに、システムトレードは取引ルールの販売が多く行われ、個々のトレーダーの研究も進み、競争が増していくでしょう。今後、自分のやり方では、利益の確保が今より簡単になることはないだろうなと感じています。
もしアベノミクス期のような環境がよい年が訪れることがあっても、利益率は0.3~0.4%程度に留まるだろうなと予想しています。
過去の相場の検証上で1%以上の期待値を示す取引ルールを作るのは、それほど難しいことではないですが、どうしても過剰最適化は避けられず、実際の取引では、上に書いたとおりの利益率に収まってしまいます。これは当然のことで、やむを得ないんでしょうけど・・・
このように、自分のトレードについて考えているところなのですが、あらなみさんは、どの程度の利益率で運用されているのでしょうか?
もちろん保有期間の違いなどがあるのは承知していますが、これだけの内容の記事を書くことができる方って、一体どうなのかなと興味が湧いてきて、質問させていただきました。
初めての投稿で、このような全くの興味本位な質問をして申し訳ありません。このブログの趣旨に合わないと思われたら、スルーしてください。
Re: No title- あらなみ / URL :
- 2016-12-19 14:45 :
- 編集
システム屋さんなのですね。
書かれている利益率は、よくわかります。
いいシステムであっても、その程度の数字に収まることがほとんどだと私も認識していますよ。
利益率についてのご質問ですが、私自身はデイトレ裁量なので、トータルで見ればやはり低いです。
もちろんいい時には大きく伸びるわけですが、それは年間を通じて続くわけではありません。
そもそも儲かったトレードだけでも数%以下しかありませんから、損益通算すれば非常に低くなることがわかると思います。
システムで求められることは、私は利益率や期待値よりも、堅牢性だと思っています。
堅牢性さえ確保できれば、仮に利益率が低くとも全く問題は無い、と考えている派なんです。
そもそも、利益率を大きくするよりも、堅牢性をとにかく確保しないと、実戦では使えない、と思っています。
その意味はおわかりですよね。
カジノがカジノたる所以は、その堅牢性なんです。
裁量とて、システムと同じようなところがありますが、裁量デイトレのいいところは、実はドローダウンのコントロールにあるんですよ。
チャンスを逃すことも多いわけですが、環境認識をすることによってドローダウンから逃げることができるのが、裁量デイトレの最大のメリットだと私は考えています。
システムだと、どうしてもそれなりのドローに耐えないと、ダメなのですが、裁量だと逃げてしまえばいいわけです。
ドローから逃げて、いいところ取りができる、これが捨てがたいわけですね。
言い換えれば、裁量のデイトレは、リスクコントロールが最も楽にできる、ってことです。
このメリットが大きいので、なかなか裁量デイトレから抜けられませんねえ。
No title- popota / URL :
- 2016-12-19 16:54 :
- 編集
分かりやすくて、納得の内容でした。なるほど、カジノはそのとおりですよね。
利益率について質問しておきながらなんですが、私も堅牢性は非常に重要だと思っています。もちろん、生活費を稼げないほど、利益率が低くなってしまっては論外なのですが。
今まで、何度か大きなドローダウンを経験して、堅牢性の重要性の認識は徐々に高まってきました。
ただ、システムトレードでは、数値化しにくい環境変化にどう対応するかは難しくて、いろいろ考えた末、結局、常時のレバレッジを低く抑えて、変事に追加出動する余力を残しておくという当たり前の形に落ち着きました。
売りと買いをうまく組み合わせるとか、いろいろ考え方はあるのでしょうが、相場環境によっては、どちらかに偏らせないと利益が伸びない場面もあるでしょう。
また、取引ルールに過剰最適化の要素が含まれている以上、売り買いどちらかに偏らせたときに逆行する可能性は、過去の相場の検証結果よりもかなり高いものになると考えられますし、やっぱりシステムトレードで堅牢性を高めるためには、レバレッジを低くするしかないのかなあと考えた次第です。
この点は、あらなみさんがおっしゃられるように、裁量デイトレの方が、うまく対応できるのでしょうね。もちろん環境変化を即座に感じ取って、素早く取引に反映させる優れた技量が不可欠でしょうけど。
私は、取引時間中にモニターを眺めていて、これは環境変化のサインなのかなって思う場面があっても、ルールなんだから仕方ないと思って手仕舞いをせず、ずるずると損失を拡大させてしまうことがよくあります。今思い出しても、残念なことが多々あります(笑)
でも、こういったことは強く印象に残るので、逆に反転して損失を免れたケースで忘れているものも多くあるとは思いますが。
ブログの本題から外れて、たいした内容でもないのにシステムトレードの持論を書いてしまいごめんなさい。前から、このブログに一度投稿してみたかったので満足です。
ありがとうございました。
Re: No title- あらなみ / URL :
- 2016-12-19 17:21 :
- 編集
システムの方とのやり取りは楽しいですよ。記事とは関係なくどんどん書いてくださると嬉しいです。
多くの人のシステムトレードについての最大の誤解は、魔法のようなエッジを駆使してガンガン稼ぐのがシステムだ、というものだと思います。
実態というのは、虫眼鏡でないと見えるか見えないかぐらいのギリギリのところで、普通なら見逃してしまうような微細なエッジを利用して、スレスレの利益をこそぎ取る、というイメージこそ本当の姿だと思うのです。
だから、簡単にシステムといっても、多くの人は高い利益率を求めてカーブフィッティングの罠に落ちて、実戦では全く使い物にならない検証ばかりを繰り返すことになるのですよね。
裁量トレードから、環境認識を取ったら、システムトレードと比べると裁量のエッジだけが無くなるのではないかと思いますね。
一方で、デメリットとして、裁量には、システムには無いスキルが必要となるので、そのスキルを習得するのにかなりの時間がかかってしまうのです。
こうやって比較することで、本質が見えてくることもあるので、大いに勉強になります。
またコメント待っていますね。
No title- 投機 / URL :
- 2016-12-23 19:07 :
- 編集
当て方上手になろうとしてるだけでは
デイトレ、スイングも所詮当てもんだ。