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何故勝てるようになったのか 3

2022/01/04 Tue

私だけでなく、何故勝てるようになったのか、そして何故勝てないのか、というモデルケースをいくつか書いておきます。
こうしろああしろ、というものではない、実践の記録なので、大変参考になると思います。


■私の友人のケース1

私の友人。株好きだけど下手の典型で、30年間ほぼ負けっぱなしで気がつけば50歳を超えてました。
彼が私のところに相談に来て次のように言いました。
「今53歳なのですが、57歳ぐらいに会社を早期退職したいと考えています。
自分は、とにかく相場が下手で、この30年間、バブルの時も含めて負けっぱなしでここまで来ました。
退職後も好きな相場を続けたいのですが、負けっぱなしではきついので、せめてトントンぐらいにできればと思っています。何とかなりませんか?」


私はしばらく考えて次のように答えました。
「まず、人間である限りは、普通にやれば相場で負けるのは当たり前なのです。
だから、基本は全員相場が下手なのです。
相場で勝てる人というのは、特殊な考え方を学んでそれを実践しているだけに過ぎないので、それを学べば誰だって相場で勝つことができるようになります。」

「そうですか、自分でも何とかなりますか?」
というので、
「はい、誰でも相場で勝つことは難しくはありません。結局、誰もまともなことを教えてもらえてなくて、誤った考え方でやっているから相場で負けるのです。」

「では、57歳になって、退職したらよろしくお願いします。」

「いえ、それは違います。57歳になって、退職したら、そこから教えてもらっていきなり勝てるというものではありません。
もし、57歳から本格的に相場をやりたいというのであるのなら、53歳の今から本気で練習すれば、57歳になんとか間に合うかもしれません。やりますか?」

「わかりました、ではどうするのか教えて下さい。」

「それでは、まず、これまでやっていたような上がる株を探すというやり方を全部捨ててください。そして、できるだけ低位で利益は出ているけれど、低PBRで、大して上がりもしないような冴えない株を数名柄選んでください。食品株とか、業績ができるだけ安定している株がいいと思います。」

ちょっとびっくりした様子でしたが、
「了解しました。」

「そして、その冴えない安値でレンジで動いている株の日足を毎日見ていて、安値近辺になってきたら、2分割で買い下がってください。そして上がったら一旦売り。さらに下げてレンジを抜けてしまったら損切りを必ずやること。これを繰り返すだけです。」

「それだけでいいんですか?」

「はい、それだけです。これを小さな単位で繰り返してみてください。これが練習売買です。」

彼は、このバカみたいなアドバイスをコツコツと実戦し、何も言ってなかったのに玉帳をきちんとつけていました。
さて、その後、時々報告をもらっているうちに3年間で、彼は退職しました。
その時点では、もう負けない投資家に成長していました。
そして、さらに数年で毎年立派に利益を出せる投資家に変貌しました。

最近、彼に尋ねました。
「結局、相場で勝つっていうのはどういうことだと思いますか?」

すると彼は、
「結局は、損切りだけですね。この損切りがきちんとできれば、相場で勝てるという実感を掴むまでに3年の時間がかかりました。」
とポツリ。

私は、彼が、日足の逆張り好きだということを知っていたので、彼に出した処方箋(型)は、

林輝太郎氏直伝の初心者練習売買法である2分割一括手仕舞いのうねり取り

でした。
何度も書きますが、この型が重要なのではありません。
この型を繰り返すことで、単発の売買ではなく、トータルで利益をひねり出す感覚を身につけるために、彼には1000本ノックをやってもらったのです。
1000本ノックの結果、彼は、かつての典型的コツコツドカントレーダーから脱皮して、安定して利益を出せるトレーダーに変貌を遂げました。

彼のすごいところは何だったのかというと、

言われたことを素直に実践したこと

でした。



■素直に聞けるのは才能

実は、私の立場上、いろんな投資家からアドバイスを求められることが結構あります。
しかし、ほとんどの場合、話をしているうちに何故か私が説教されることになるのです。

どうしてか。何故そうなってしまうのか。

それは、彼ら大衆投資家の思っている勝っている投資家像とあまりにもかけ離れているから

なのです。

大衆投資家から見る専業トレーダーというのは、神業のように相場を読んで、次々に勝っていく姿であり、特殊な手法を知っていて、そのすごいやり方で相場を次々に当てて勝つ姿を想像しているのです。

この先相場はどうなるのか、という予想の話などすごく求められるのもその思いのおかげです。

だから、こんな地味なアドバイスなど、鼻にもかけてはくれません。
私がアドバイスすると、ほとんどの場合は次のような返事が返ってきます。

「そんなことはわかってますから、そんなことではなく、私は勝つ方法を教えて欲しいのです!!」

「だから、今勝つ方法を教えてるんです。」

「いや、そういうのではなく、私が知りたいのは勝つ方法なんです。」

平行線がしばらく続いた後で、いやーな空気が流れます。

心の中でまた思われてるんだろうな。

「苦労してつかんだ勝つ方法など教えられないってことかよ!!」

って。。


この話に関連して、先日、素晴らしい動画を見つけました。
時間があれば是非ご覧ください。

相場がなかなか上手く行かない人の特徴をものすごくいい当てていて、つい何度もウンウンとうなずいてしまいました。。

絶対に成功できない鉄の凡人の特徴とは?
・秘訣とコツを求める
・人の意見を聞かない
・結局、行動しない
(中田大学、夢をかなえるゾウより)


【夢をかなえるゾウ①】絶対に成功できない凡人の特徴と成功者の鉄則

お急ぎの方は12分ぐらいからご覧ください。
私の経験とあまりにもだぶっているので、この動画見てほんと爆笑しました。

これを読んでいるみなさんが鉄の凡人ではないということを願って。。



■私の友人のケース2

株歴20年近く、FX歴5年。立派なベテラン。
彼の得意技は、追っかけ売買のしょぼ利食い。
型としては、自在流のなんとなく上がるかな~で買い。利益になったらすぐに利食い。逆行したら粘って、負けないようにする。
何故か。エントリーが追っかけなので速攻損になるケースが多いから、損切りなどしたら全部損切りになる。

口癖は、
「損しても少し粘れば大概は戻るから!!」
です。

実は、彼のような売買をしている人はめちゃくちゃ多いのです。
テクニカルとか色んな分析手法を知っているけど、何故か実戦ではほとんどが感覚の追っかけ売買。
彼には、私からは、何度も何度も
「コツコツドカンにだけは注意して、そうならないように、損切りはしっかりとすること。」
という話をもう100回ぐらいはしていると思います。
ところが、昨年末、どうやらFXでめたくそにドカンを食らった模様でした。

私は、彼の名前を、

永遠のコツコツドカンの貴公子

と呼ぶことにしました。



■私の友人のケース3


これは友人の友人で2名。
専業投資家に是非会いたいというので友人の紹介で食事をしました。
話をしてすぐにわかったのは、2名ともがシステテムヲタクってことでした。
頭がよくて、高学歴で、実社会で成功している人は、このシステムヲタクになりやすいのですが、その典型でした。
口癖は、
「検証もしないで売買などできない。」
でした。
私は、いくつかアドバイスをしましたが、全くといって響かない様子で、私は早々に降参せざるを得ませんでした。

検証もしないで実トレなどできるはずがない

という鉄のカーテンを破ることは不可能でした。

勝てる方法が見つかるまで、どうか永遠に検証を続けてください。

この

永遠の検証マニア


は、想像以上に多く生存していることが確認されています。

みんな頭が良くて、自信満々なんです。

だから、人の話を絶対に聞かない。

何を言っても時間の無駄です。



■私の友人のケース4

もう7年近く前になりますが、私は10名ぐらいを集めて、メールなどでやり取りしながら、みんなに教えて行くような形式でスクールをやりました。
「苦労するけど、勝てるようになるまで頑張ってください。それでも大丈夫ですか?」
と最初に問うたのですが、全員が頑張ります、というので張り切って教えはじめました。
ところが1ヶ月経過し、2ヶ月経過し、3ヶ月経過するうちに、みんなのレスポンスがおかしくなりはじめました。
なんでだろう、こちらは一生懸命に教えているのに、どうしてだろう、と思っているうちに、一人、また一人と脱落していく状況が続き始めました。
仕事が忙しいからとか理由をつけてというだけでなく、ある日突然に音信不通という方も数名おられました。
1年を超えたあたりでは、残ったのがたったの1名になってしまいました。
私は、なんでだろう。別にお金を取ってやっていることでもなく、と思っていたのですが、はたとわかったのです。

プロの投資家がやっているやり方を知りたかっただけだったのだ!!

ってことです。

つまりは、自分たちだけに、特別なやり方を伝授してくれるものだと思いこんでいて、それがいつまで経っても出てこないから、私がポイされてしまったのです。

この

手法ジプシー

は、勝てない人の基本形で、そこかしこに生存が確認されています。

ちなみに、最後まで残った1名の方は、始めた時は相場初心者でしたが、その後数年で仕事をやめて専業トレーダーになり、今でも安定して毎年利益を出しています。



■急がば回れ

急がば回れ、ということわざがありますが、相場の道は正にこの名言どおりなんです。

みんな安易に勝てる手法を求めて、何年も何年も探し回っているのですが、結局、安易に勝てることを求めて、気がついたら何十年も手法探しに明け暮れてばかりで、

相場の知識だけはすごいけど、やらせたらド下手。

耳年増で、相場を語らせたら一家言ありで、テクニカル分析は学者にでもなれるぐらいの知識を蓄えてはいるけれど、実践に出れば、下手すぎる売買しかできない。

何十年も相場をやってて、一体全体何をこれまで何をやってきたのか、というぐらい相場が下手。いや、下手というより初心者よりも下手のド下手。


そういう熟練投資家が山のように溢れています。

これは、畳の上で、10年間水泳の練習を続けてきました、というのに匹敵するぐらいの愚かな行為だということに全く気がつかないで、いままで来ているのです。

こういうウォーキングデッドのゾンビの大群のようなベテラン初心者の大群がいるからこそ、私は、1000本ノックを勧めているわけですが、これとて、なんだかんだと理屈をつけて実行する人はほとんどいないのが現実です。

結局、やらない、のです。



■相場は技術職

ほとんどの人は、

相場は知恵比べのゲーム

だと思っています。

そうであるのなら、経済学者やアナリストが大金持ちになるはずですが、そうにはなっていません。

何故なら、

相場は、技術職の腕くらべ

だからです。

なので、相場には、歴然として上手い下手が存在し、上手い人が常に勝って、下手な人は永遠に負け続けるようにできています。

林先生と同じ語り口になっていまいますが、目指すべきは相場巧者であって、相場評論家ではありません。



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コメント

Secret

それ以外にいうことがないから

相場は、技術職の腕くらべ

だからです。

なので、相場には、歴然として上手い下手が存在し、上手い人が常に勝って、下手な人は永遠に負け続けるようにできています。

林先生と同じ語り口になっていまいますが、目指すべきは相場巧者であって、相場評論家ではありません。

あらなみさんの主張をコピペしました。
だって、それ以外にいうことなんて、ないと思うから。
練習して腕をあげるから、相場上手になって
結果として安定的に儲かる。
それ以外のコツとか、意見とか、考え付きません。

わたしはスイング、日足逆張り、買い本玉維持のコストダウンだけど
それは単にアプローチの一つにすぎません。
考えは、あらなみさんとまったく一緒だと思っています。

立花さんが言っていますね。
山に登るのにはいくつかの道がある。
でも、自分の道だって捨てたもんじゃない、って。
それが「自分なり」なんだと思う。

結局、相場は、ひとりひとりが「家元」になるんですね。

だれかに習ったところで、能の世界でいう「守破離」なんだから、
基本を習った後は、最終的に「自分流儀」の家元になって、離れていくしかないのでしょう。

わたしは林先生他、多くの先達に学びましたが
いまは「虚無僧流儀」になっていると思い、
その基本を、何人かの後輩に教えましたが
基本を覚えて練習したひとは、みんな「自分流」を
確立していっています。

絶対にやってはいけないのは「間違った家元」に学ぶことでしょう。
もっとも、そっちのほうがキラキラしているものですから、ついつい目移りするのだと思います。
誘蛾灯みたいなものですか。。。。

練習して、間違った道に踏み込まなければ
だれでも上達すると思う。ただし、時間はかかるでしょうけど。

No title

あらなみさん

ごぶさたしております。CISさんの本についてコメントされていたので、私も2年前にイントラネットの書評に掲載したものをコピペします。あの本はしょぼいように見えて光ってますよね?あらなみさんと同じように感じれたのはうれしいです。そしてこんな書評記事を掲載してくれるうちの会社にも感謝しています。


「一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学」/ cis

スーパートレーダーの密着取材番組で、昼食にカップ麺を食べているシーンをよく見る。それを見ていたコメンテーターが「何十億円も持っているのに空しいねえ、こんな生活はしたくない」なんて言っている。同じように考えている視聴者が9割だと思う。お金をたくさん持っているのにあんな生活するなら、今の方がいいと、自己正当化できるという意味では、この番組は世の中のためになっていると言えるかもしれない。

実際のことを言うと、少食にしておかないと、午後のトレードに影響するからだ。カップ麺とかカロリーメイトがちょうどいい量になる。ただお金が惜しいのではなく、自己規律であり、プロ意識としての表れがカップ麺なのだ。それを読み取れた人にとっては、同じ番組を見て「この人すごい」と感じるのだ。でもそれを読み取れない人は「この人はおかしい」と考える。そして皮肉にも、後者が9割以上だ。

「お金があるならいい物を食べるべき」という単純な発想しか持っていない、想像力が極めて乏しい人たちが群れることによって、その思考停止に近い思考回路が伝染していく。その人たちが子供や後輩にふんぞり返って、その浅い一般通念を説いていく。
だからこそ、「本当にそうかなあ?」と個人個人しつこく考え抜く姿勢が重要になってくる。

すごい勉強している人が、仕事のパフォーマンスがいまいちなのに、なんかラクしているあの人がやたらと評価されていて、楽しそうに仕事しているってことがある。
それはきっと、考え方、ものの捉え方の違いから来るのだと思う。ある程度の知識は必要だ。でも本質的なことは、考え方だと思う。あるものを見て「どう考えるか?」「どう解釈するか?」がこれからも重要になってくるにちがいない。

表題の本を読んで、大半の人は自慢話とバカ話のオンパレードだとしか思えないだろう。ちなみに私はこの本を4回読んだ。皮肉にも、一番時間をかけて丁寧に読んだのが立ち読みだった。二日かけて最後のページまで読んで本を閉じた後、すぐにレジに持って行った。大半のくだらない逸話の中に、キラッと光る考え方のヒントが散りばめられている。

マーケットで勝ち組は1割だと言われている。負けているかトントンで諦めてやめていく者が9割だそうだ。この割合が前の方に書いたものと一致するのって、はたして偶然なのだろうか?

好評につき書評again

あらなみさん

こんにちは。
イントラネットの書評は3年で計230記事書いて21年末に終えました。普通のエンジニアが読者なんで、基本は小説とか自己啓発、軽めの経済記事なんですが、20記事に1回くらいはしらっと相場について書いてました。

もう終わりが決まっていたので、どんどん好きなこと書いていたものの1つをコピペします。たしか昔に、あらなみさんも感想を書いていた書籍かと記憶しています。


「デイトレード」/ オリバー・ベレスほか

株で10万円ほど儲けたら、つい気分がよくなっていいものを食べたくなったりする。そして散財したあとすぐに、20万円くらいやられてしまうことはザラにある。マーケットの洗礼だ。マーケットは人生の厳しさを教えてくれる、本当に不条理な世界だ。それが不条理でないと感じるまで〇〇するべきだ。

FX(外国為替証拠金取引)でマイナス数百万円の含み損だったことがあった。そういう時代が1年くらいあったかもしれない。なんか自分がアウシュビッツに収監されているような暗い日々だったような記憶がある。不労所得を得ようとすると、必ずこんなしっぺ返しを受けることになる。

本当に儲けられるようになった人とは、あの暗い時代は自分にとって必要だったと、心の底から思える人だ。「タイムマシンがあったらなあ」「もっとたくさん買っておけばなあ」「どうしてあのとき売っておかなかったんだろう」、(たとえやられても)こんな気持ちがほとんど湧いてこなくなった人のことだ。じゃあ、どうしたらそんな境地に立てるのかと言うと、その過程はきっと人によって違うんだと思う。

そのてっぺんに君臨する人はエンジニアとは真逆の思考回路なのかもしれない。「タイムマシンを作り出すぞ!」ではなく「タイムマシンなんて必要ないんじゃないか!」だ。大半の人にはよくわからないたわごとに見える文章かもしれないけど、わかる人には突き刺さるすごいことを書いているんだけどなあ。
まあそんな回も、たまにはいいか。
表題の本は、何百冊と読んだ投資本の中で、今のところ私にとってナンバーワンだ。

ちなみに私は前半に書いた○○に入るものを探す旅に出て長い年月が経つ。いや、もうほとんど迷い人だ。どこにたどり着きたかったのか、どこに戻るのかすらわからなくなってしまった。

好評につき書評again②

あらなみさん

こんにちは。
調子に乗って好評とか書いていますが、おひとり様にだけ好評で、ただお前らキャッチボールしてるだけやないか?と思われたらすみません。

続いてタレブの本の書評出します。彼の本はどれもいいですね。読後感が、「なんかよくわからないけど、すごいなあ」という圧倒感に包まれることが多いです。

これを投稿した前の記事が、年とってくるとダジャレ言う男の人増えるよね?という流れで書いたので、それに繋がるように結んでいます。そしてこれは一貫して上から目線というキャラ設定で書いていますので、そのへんはご了承ください。


「まぐれ」/ ナシーム・ニコラス・タレブ

相場はほとんどがまぐれで、なんとかしようとすればするほど勝てない。

彼がそう言うんだから、そうなんだろう。
でも本人は本当にそう思っているのだろうか?
もう少し核心っぽいものを知っているけれど、あんたらにはきっと理解できないだろうから、シンプルに理解できる言葉で言うと、上記だと言っている気がする。この世の中の大半の者に対して、「調子に乗るなよ」と警告しているのだ。だからきっと私の好きな自己肯定感の高い人は、トレーダーには向いていない。優秀な経営者は、臆病な性格であることが多いと書いている本も意外と多いが、すごく納得がいく。
儲けているトレーダーで、思いきりのいい人はほとんどいないんじゃないかと思う。

買っていた株価が2倍になったら、どうするのがいいと思う?

正解は、少しだけ売る、だ。
まあそれは半分でも3分の1でもいいのだが、部分的に売ってしまうが答えだ。その後もっと上がっていっても、手元にはまだ残っているから、そんなに悔しくない。そのあと下がっていったとしても「あのとき少し売ったからいいや」と、悔しさもそんなに大きくないからだ。

これを読んで、中途半端だなあと感じている人が大半だろう。
やってみるとわかるが、やはりこれが最適解だ。
こんなものはドラマにもならないと考えるだろうが、まったくその通りだ。本質的なものは地味で、恥ずかしいくらいしょぼいものだ。

9割の負け組投資家が最終的にこれに気づくまでに何年もかかる。いや、気づくまでに息絶えるのだ・・・いや、2倍まで待てないか。相場に対しては、勇ましく散ろうなんて思ってはいけない。それはまさしく絵に描いたようなカモだ。

昨日夕方に半額シールの貼られた食パンが2つあったけど、あえて1個だけ買ってやった。勝ってやったに掛かっているんだよ。君たちの大好きなダジャレだよ。


好評につき書評again③

あらなみさん

こんにちは。
これって俯瞰で見たら、「あらなみさん」というものを媒介にして、おっさんが二人で会話しているように見えるでしょうかね?でもその会話が全然かみ合っていないというオチはつくのですが。

下記の本は、彩図社というちょっとC級な出版社から出されている本で、とても興味深い内容です。未読ならぜひ読んでみてください。野川軍曹はこういう連中をマネージメントしていたのかと、想像が膨らむはずです。


「株式ディーラーのぶっちゃけ話」/高野譲

パラパラと立ち読みしていて、なんか面白そうなんで買ってしまった。最近めずらしく定価で購入した本だ。著者はプレップトレーダーと呼ばれる職人で、会社のお金を使って株式売買して利益を得ることで給料をもらう。すごい安い基本給+出来高払いだ。大事な会社のお金を溶かしても、最悪クビになるだけだが、半年生き残るのも難しい世界だ。とても狭き門で小さい業界だから、クビになった後に拾ってくれるところはないだろう。
長く生き残っている人は、高給で引き抜かれて、いろんな会社を渡り歩くらしい。デキない人が収入の低い会社を転々とするのではなくて、デキる人が収入を上げつつ転々とする変わったパターンだ。

意外だったのは、トレードがうまい人は往々にしてギャンブル好きだということだ。そういえば、あのウォーレン・バフェットもポーカーが好きで、かつ強いらしい。どんなときも冷静に期待値を計算し、勝つ確率の高いところにだけコツコツ乗っていくというプレーヤーでないと、トータルでは勝てないそうだ。

だから日本でいうと、将棋士あたりが株式トレーダーとして適性がありそうだ。「月曜から夜ふかし」という番組から人気が出た、自転車を力いっぱい漕いでタダ飯(失礼、株主優待券消費)に行く桐谷さんは元棋士だ。とにかく昔から記憶力がすごくいいらしい。バフェットもそうだから、気質は近いのか?

いろいろと調べていくと、桐谷さんはそんなに上手い投資家ではないことがわかってきた。元金がいくらなのかはよくわからないが、07年に時価3億円相当の株を運用していたが、リーマンショック後の09年には5千万円にまで減ったらしい。そのときはすでに無職で、食べていけないと嘆いて、株主優待券で食いつないでいたときに、フューチャーされたのだ。18年にやっと07年当時の3億円に戻したので、山から谷、そしてまた同じ高さの山に登った・・・(みんなすごいと言うけど)紛失物が10年経ってやっと戻ってきただけなのだ。いや、もしかしたらテレビ出演料や講演料をつぎ込んで、やっと3億円に戻したのかもしれない。

どんどん下がっていく株価を見て、大バーゲンだと思って信用取引(=借金)を利用して買い込んで、それがさらにどんどん下がっていったので、損が拡大したらしい。日経平均株価は6割くらい下げたが、桐谷さんは8割以上も資金を溶かしてしまったわけだ。

コンスタントに勝つトレーダーはまずいと思ったら、きっちりと損を確定して、ダラダラと塩漬けにしないらしい。そういうメンタルの弱さと、借金してまで大きな損失を取り返そうとした欲深さがアダになった。でもそれをまた5倍に戻したのは偉業だが、結果的には「行って来い」になったわけだ。相場は、元プロ棋士でもやっと収支トントンの厳しい世界だってことをわかれば、最近日経平均株価が上がっていると小耳に挟んだ程度で、ソニーやトヨタを買えば簡単にお金が増えるような甘い世界ではないということを、みんな、自分に言い聞かせないといかんよ。

好評につき書評again④

あらなみさん

こんにちは。
投資本かどうかはわかりませんが、それを盾(たて)にして、調子のいいことを書いております。でもまあこういう境地に立てたのは、たくさんの本やあらなみさんのような勝ち組ブログを読みふけったことによる帰結なんだろうと考えています。少なくとも私は、手法じゃないなあ、考え方だなあと実感しています。

勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし

とよく言われますが、相場は勝ちも負けも不思議だらけですね。だから難しいのですが。
最近は、自身の書いてきた数年分のノートを見返して、なぜ勝てるようになったのかを分析しています。結果はそうでも、自分でどうしてそうなのかを理解できていなければ、勝てても、勝ち続けることはできないと考えているからです。


「金持ち父さん貧乏父さん」/ ロバート・キヨサキ

不労所得って、なんか聞こえが悪い。でもこれを得ている人は、実は非常に労を要している。ドキドキと悩まされる期間が長いし、胃がキリキリするようなこともたくさんある。

人間には、安心感を維持したいという欲求がある。そこから逸脱してしまいそうになると、不安感に駆られてしまう。でもそれってたいていは、コントロールできないものを不安視しているだけで、不安だろうが楽観してようが、結果は同じなのだ。対象がコントロールできるものかどうかを冷静に認識して、できないものなら不安がるのはやめるべきだ。祈るのもやめたほうがいい・・・どんなに祈ったところで、結果は変わらない。

この考えができないと、労多くして、得るものが少ないトラップの餌食になってしまう。そしてマーケット参加者の9割近くが、それにやられて消えていく。
投資を始める人の多くは、早く大金を得ることにやっきになる。
大きく張るから、えぐりとられてしぼんでいく額も大きくなる。やっても意味のない心配をしないことで、ゆっくりと資産はふくらんでいくようになる。どうしても不安に耐えられない(大半の)人は、市場から去っていき、普通の穏便な生活に戻る。

一握りの賢者は、このコントロールできない不安定な世界にどっぷり浸かって、不安をうまくコントロールして不労所得を得るわけだ。実はこの不労とは、普通の人にはとても苦しく、労働よりもきつい試練なのだ。
安心を維持して労働するか、不安感をつねに感じながら、そこから所得を得るか、自分はどっちがいいか?という発想で考えるべきだ。

不安という感情を悪者だと考えることは、固定観念のトラップにはまっている証拠かもしれない。一般的に悪いとされるものをもう一回考え直す。逆にいいとされているものを悪いものかもしれないと考えてみる。こんな考え方が活きてくる世界が、もうすぐそこまで来ている(←なんかぺこぱのツッコミみたいだね)。


様々な気づきをありがとうございました。

あらなみさんへ

はじめまして、大波(おおなみ)と申します。
昨年、数ヶ月、株の理屈をザックリと学んだ後、5月から株の売買を始めた初心者です。

昨年、買ったり負けたりしましたが、トータルで大負けし、株が怖くなったり落ち込んだりし、
様々な株ブログを読み歩いていたところ、今年の年初、こちらのブログに出会い、
そしてとても救われました。

まずは、ありがとうございました、と感謝をお伝えしたいと思います。

最新の記事ではありませんが、私が最初に読んで心を鷲掴みにされた、
この2022/01/04 Tueの「何故勝てるようになったのか 3」に、
コメントを書かせて頂くことにいたしました。

この記事を読んだ後、興味が赴くまま、他の記事もいくつも読みました。
そして、なぜ自分が負けたのか、理由がわかりました。
・勝ちに奢る(調子に乗った結果のテキトーお遊び売買やロットの増やしすぎ)
・リベンジ
・損切りすべき時にしなかった
・満玉建てた(資金管理)
これらの負ける人の典型的な失敗の理由をあらなみさんのブログで知り、
まるで自分のことかと笑ってしまいました。

また、自分だけではなかったのだと、ホッとしたり驚いたり…。
実は私は、株はお金儲けのためにするのだから、
ほとんどの人は儲かっているのだと思い込んでもいたのです。

株はお金を増やすための投資だから、
お金が増えるのが普通だと。

ですから、皆んなが儲かっているのに、一人大負けしたのだと絶望的になっていました。

自分だけ、ちょっと勝っていい気になって、
天下を取ったような気分になった直後、
調子に乗って、満玉建てて大負けする中、
感情的にリベンジ売買し、大金を失い、
「自分ほどのアホはこの世にいない。」と思って、
布団かぶって泣きました。

株が怖くなって、でも何とかしたい…
そう思っていた時に出会ったのがこちらのブログだったわけです。

株式投資の世界は、
誰でもが普通に(簡単に)お金を増やせる世界ではないのだ
と再認識しました。

真実を知ってショックだったのと同時に、一点の光明も見えてきました。
光明というのは、1000本ノックのことです。

落ち込んで動けずにいたところ、次に進むべき一歩が見えたということです。

記事をいくつも読んだ後、いったん全てのポジションを手仕舞いました。

それから、立花義正さんの『あなたも株のプロになれる』を買って読み、
ウォッチしていた銘柄を1つ選んで、
立花さんを参考に分割売買の練習を始め、場帳もつけ始めました。

それと並行して、こちらの記事のご友人のケース1の方のように、
いくつか低位株を選び、「2分割で買い下がって…」という
1000本ノックも始めました。

上達は年単位でかかる(←このこともショックで正直メゲそうでしたが)
とのこと、
気長に練習を続けられれば良いなと思います。

株は待つのが大事なんですね。
エントリーも利確も上達も。
気が短く待つのが苦手なので、自分にはどれも大きな課題です。

また、「自分なりの相場を見つける」という概念、
目からウロコで、また、励みにもなりました。

私なりの相場を見つけたいと思います。
もしかすると、私が取れそうな相場は、私にしか見つけられないのかも知れません。

ブログから、他にも様々な気づきをいただきました。
大負けして途方にくれる中、あらなみさんのブログに出会えて本当に良かったと思っています。

今日、コメントも含めて全ての記事を読み終えたところです。
今後も楽しみに読ませていただきます。

それでは、本当にありがとうございました。
長々と大変失礼いたしました。
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プロフィール

あらなみ

Author:あらなみ
職業:個別株投機家・専業デイトレーダー

Twitter: @aranami718

旧ブログ:
あらなみの相場技術研究所

あらなみのトレード水先案内人


あらなみの相場技術研究所別館

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